「着いたぞ!」
マスクをしたおじさんがそう言うと俺と内海を肩に担いで戦闘機から学校の屋上へと降りてくれた。
「……キャリバーさん?肩に担ごうとしてくれるのはありがたいんですけど……その、スカートなんで」
「……?そうか、不満ならこれで行こう」
「ちょっ、それもダメですって!」
六花は髭のおじさんにお姫様抱っこされながら降りてきた。なんだか少しだけ悔しい。
「よそ見をしている暇はないぞ裕太。見ろよ、あれ」
内海の言った方向を見るとシグマとグリッドナイトが怪獣を学校に近づかせていた。あと少しもすれば学校のスピーカーからでも音が十分届く範囲に入るだろう。
俺達は急いで放送室へ向かった。
放送室に着くと早速髭のおじさんがキーボードの音をスピーカーから出せるようにセットし始める。
「六花ってピアノ弾ける?」
「ちょっとだけなら。前にグリッドマンに教えてもらった曲もあるし」
グリッドマン……。俺がついさっき変身していたものの色違いらしい。
今もグリッドマンの仲間が必死に怪獣を学校に近づけさせている。
何も思い出せずにいるのにこのグリッドマンという言葉を聞く度に胸の鼓動が止まらなくなる。
内海や六花の反応からしても俺にとって何か特別なことだったのは確かなはずなのに、それでも思い出せない。
「こ、これで完了だ」
「六花、グリッドマンに教えてもらった曲を弾いてみるんだ」
準備が終わり髭のおじさんとマスクのおじさんが六花にキーボードを弾くように促す。
……マスクのおじさんが小さい声で俺に「私はマックスであっちはサムライ・キャリバーだ」と囁いてきた。さっきのおじさん呼びにショックを受けてたみたいだ。
「そろそろ弾いていいんじゃないか?」
「六花、頼むよ」
「うん。ちょっと自信ないけど……やってみる。」
俺と内海も促し六花はキーボードで曲を弾き始めた。
「グリッドナイト、学校が見えたぞ!」
「わかっている!」
アノシラスに攻撃をされながらも二人はどうにか学校に近づけさせる事に成功した。
「グオオオオオウウウウ!!!」
アノシラスが咆哮をあげると二人のグリッドマンを相手に力任せに暴れ始める。余りの衝撃に思わず二人は角から手を離してしまう。
アノシラスは再び角を振動させ音波でシグマとグリッドナイトを苦しめ始めようとしたその瞬間、学校の放送室を通じてスピーカーから音楽が流れ始めた。
~~♪
「この曲は……!」
武史はかつて自分が洗脳したアノシラスを浄化した曲を記憶していた。
そしてそれはアノシラス自身にも言える事だった。
さっきまでの凶暴性は無くなり、顔も心なしか優しい顔つきになる。
まるで懐かしい曲を聴いてリラックスしているようにも見えるアノシラス。
「よっしゃあ!成功したぞ!」
「いや、待て!あれを見ろ!」
内海の喜びもつかの間、マックスさんが異変に気づく。
怪獣を包んでいた闇のオーラは怪獣から少し離れた場所で実体化していった。
実体化した闇のオーラは先程まで俺が変身していた黒いグリッドマンそのものだった。
黒いグリッドマンは実体化した途端、二人のグリッドマン目掛けて突進し始める。
二人のグリッドマンはエネルギーをほぼ使い果たしているためほぼ無抵抗のまま黒いグリッドマンの攻撃を受けていた。
「グアッハァッ!」
「グッ……!」
怪獣が黒いグリッドマンにエネルギー弾を発射して止めようとするが傷一つつかない。
逆に黒いグリッドマンの方がエネルギー弾を発射し怪獣を攻撃した。
「あれはスパークビーム……!」
「やはりグリッドマンの能力をコピーしているのか!」
キャリバーさんとマックスさんが驚いた様子で戦いを見ている。
するとさっきまで俺達を乗せていた戦闘機も現れレーザーを連発して黒いグリッドマンを攻撃する。
「アンプレーザーサーカス!」
さすがの黒いグリッドマンもダメージが入ったようで膝をつき腕をクロスさせて身を守っている。
「まだまだ!」
再びレーザーを連発して攻撃する。
だが、黒いグリッドマンは一瞬の間に姿を消しており、レーザーはそのまま地面を貫いて消えてしまう。
「何!?」
黒いグリッドマンは戦闘機の上から現れそのまま地面に叩きつけた。すると戦闘機はそのまま消えて無くなってしまう。
「速い!グリッドマンシグマみたいだった……」
「ああ、コピーされているのはグリッドマンの技だけじゃないみたいだ!」
黒いグリッドマンは戦闘機を撃墜したことを確認すると再び怪獣や二人のグリッドマンの方向を向く。
「ヴィットがやられてしまったか。仕方ない、すぐに六花の家に行こう。ここにいてもやれることはもうない」
俺達は六花の家に行くことになった。
だが、黒いグリッドマンは待ってくれない。
二人の巨人と怪獣を痛めつけるように攻撃する黒いグリッドマン。
三体とももう動くことすらままならない。
「ヤバイ!あのままじゃ全員やられちまうぞ!」
内海は声を荒げる。
六花も不安そうな顔でこの状況をみつめている。
俺達全員がこの放送室から六花の家に着いてる頃には全てが終わってしまっているだろう。
戦況は絶望的でこのまま俺は何も出来ないまま終わってしまうのだろうか。
いや、心の中だけでも諦めちゃだめだ。
俺を助けてくれた二人の巨人や友達のためにも。
俺はどんな絶望的な状況でも絶対に諦めない!
その時不思議な事が起こった。
放送室の機器に電流が走り俺の体に入っていく。
「うあああぁぁ!!!」
「響君!?」
「裕太!?」
体に激痛が走る中、二人の心配する声が聞こえる。
「や、やっと来たか……!」
「待っていたぞ……!」
電流が治まると腕に何かが装着されているのに気づく。俺の腕には見覚えの無い腕輪が着いていたのだ。
……いや、見覚えがないだけで不思議と自分の体に馴染んでいる。
自分が無意識に今まで望んでいた物を手に入れた、そんなフワフワとした感覚を感じていた。
「……行かなきゃ」
無意識にそう呟き、放送室を出た。
理由も根拠もなく俺は走り出した。ただ、この行動が正しいという確信だけを持ちながら。
制止する二人を振り切って俺はコンピューター室まで来ていた。
そして一つだけ電源の着いたパソコンの前に立つ。
画面に映っているのはトレギアみたく悪魔のような純粋な悪ではなく、絶対的に正しい純粋な正義そのものだった。
姿形はグリッドマンシグマと瓜二つ。
「久し振りだな、裕太」
「……グリッドマン?」
初めて会うはずなのに不思議と名前を呟いていた。
「その通りだ裕太。だがその様子ではまだ記憶は戻ってないみたいだな」
「うん、でもここに来なくちゃいけないって気がしたんだ。記憶は無いはずなのにグリッドマンに会った瞬間、さっきまでの不安や恐怖を一切感じなくなったよ」
正直な俺の気持ち。グリッドマンは頷いてくれる。
「記憶はなくとも、かつての戦いの日々は君の体に刻み込まれている。さあ行こう裕太!私達の手でこの世界を再び救うのだ!」
「ああ!」
この後すべきことはこの体が覚えている。
「アクセス……フラッーーシュ!!」
「ひ、響君は!?コンピューター室に入ったよね!?」
六花は裕太を追いにここまで来たが見失ってしまう。
「見、みろよアレ!あそこのコンピューター!」
六花は内海の言う通りコンピューターを見るとそこにはかつて自分達が怪獣と戦うために何回も見てきた画面だった。
「戦闘コードを打ち込んでくれ!内海!六花!」
「「グリッドマン!」」
声を聞いた二人の顔はみるみる希望に満ちた笑顔になる。
「つまり裕太はもう……!」
「うん!」
裕太がグリッドマンとアクセスフラッシュしたことを悟り六花は戦闘コードを打ち込む。
「アクセスコードは"GRIDMAN"」
打ち込みを終えると轟音と共にグリッドマンがツツジ台に現れる。
かつてこの世界を救ったヒーローが今度こそ帰ってきたのだ。
黒いグリッドマンはグリッドナイトやシグマ、アノシラスへの攻撃をやめてグリッドマンを見つめる。
「シグマ、グリッドナイト。よく頑張ったな。後は私に任せてくれ」
「グリッドマン……。武史のためにもそうさせてもらう」
「俺はお前を倒すために生まれた。こんな奴にやられるなよ」
シグマは消え、グリッドナイトは人間態に戻った。
黒いグリッドマンはスパークビームを撃つがグリッドマンも同じ技を撃ち相殺される。
黒いグリッドマンはスパークビームが相殺されたのを確認するとすぐさまネオ超電導キックを繰り出すがグリッドマンはまたも同じ技で対応する。
「グリッドマンのコピー技なら本人には効かないって事だな!」
「でも、それはあっちにも言えること……」
内海が黒いグリッドマンの技を無効化にしている事に喜ぶ一方で冷静に分析する六花。
事実、グリッドマンが攻め手を欠いていた。
黒いグリッドマンは今度はシグマと同じ位のスピードで攻撃をしてきた。
グリッドマンとシグマだと僅かにシグマの方が早いため結果的にグリッドマンは後手に回ってしまう。
しかし、グリッドマンも相手の攻撃を捌いて反撃の隙を伺っていた。
すると黒いグリッドマンは痺れを切らしたのか隙の大きい技を繰り出す様になった。
黒いグリッドマンが回し蹴りで転ばそうとしてきたがそれを見切りジャンプで避けるとそのまま蹴りを相手の首に当てる。
相手が怯んだ隙に再びジャンプをしてグリッドマンは超電導キックを黒いグリッドマンの胴体にお見舞いした。
だが黒いグリッドマンの防御力は凄まじくダメージこそは入っているものの並の怪獣やアレクシス・ケリヴなら真っ二つに出来る技を受け止めた。
グリッドマンは攻撃の手を止めること無くスパークビームを放ち、グリッドライトセイバーで攻撃する。
それでも黒いグリッドマンは真っ二つになることなく攻撃を受けきってみせた。
グリッドマンはグリッドビームで止めを刺そうとするが黒いグリッドマンにグリッドビームで返され再び技同士が相殺された。
「奴の狙いは恐らくエネルギー切れだ」
マックスはコンピューター室に入ると相手の狙いを予測する。
「マックスさんの言う通りだ。今はグリッドマンが優勢でもあの防御力じゃすぐ逆転されちまう!」
「何か方法はないんですか!?」
焦る二人。だがマックスとキャリバーは至って冷静だった。
「し、心配はない。もうすぐやって来る」
「や、やって来る……?」
キャリバーの声に反応したかのようなタイミングでツツジ台の空からサンダージェット、ツインドリラー、ゴッドタンクが現れた。
「なんだアレ!?」
「あれってまるで……」
見た事もないメカが現れ驚く内海。
六花はメカが新世紀中学生のアシストウェポンとしての姿に似ていることに気が付いた。
「あれはかつてグリッドマンと共に戦った英雄達がプログラムしたものだ。今頃六花の家でサポートしているに違いない」
その頃六花の家では……
「グリッドマン!待たせて悪かった!」
ジャンクの前で直人、一平がグリッドマンの戦いを見守っていた。
「もう、地図持ってる一平が道に迷うからアシストウェポンを出すのが遅れちゃったじゃない。ボラーさんが来なかったらどうなってた事やら」
一平に文句を言いながらゆかはソファで疲弊している武史の額に濡れタオルを置いた。
横では新しいタオルを濡らしている怪獣少女もいる。
「おいヴィット、あいつが俺達の父親みたいなもんなんだよな……」
「まあ、人は見かけによらないって言うし」
ボラーは複雑な気分で一平を見ている一方でどうでもよさそうなヴィット。
「俺、こっち側もやってみたかったんだよなー!」
普段はグリッドマンと一体化し共に戦う直人だが今回だけはサポートに回る事になりワクワクしている。
「「グリッドマン、超人合体だ!」」
直人と一平の声に反応したグリッドマンはゴッドタンクの上に乗る。
ゴッドタンクが脚に、ツインドリラーが別れて肩に、サンダージェットが体に装着される。
「合体超人、サンダーグリッドマン!」
パワー350万馬力を持つサンダーグリッドマン。
黒いグリッドマンはすぐさまパンチやキックを繰り出すがサンダーグリッドマンには効かない。
少し離れてスパークビームを放つがびくともせず、続いてネオ超電導キックをするが弾かれてしまう。
最後にグリッドビームで攻撃するがとうとう一歩も動かせないままだった。
サンダーグリッドマンにとって黒いグリッドマンの攻撃は屁でもなかった。
「つ、強い!あのグリッドマン!」
内海と六花はその圧倒的な強さに驚く。
「へへーんだ!苦労して改良したおかげで前より更に強くなったんだぜ、あんな偽物の技にサンダーグリッドマンがやられるかよ!」
一平は自分のプログラムを誇る。
「行け、グリッドマン!この世界に平和を取り戻すために!」
直人の声と同時にサンダーグリッドマンが攻撃を始める。
サンダーグリッドマンは黒いグリッドマンの頭を左手で掴み、右手で何度も殴る。
黒いグリッドマンは逃げようとしてもサンダーグリッドマンの力が強すぎて逃げることが出来ない。
サンダーグリッドマンはそのまま右手に力を集め、そのエネルギーをサンダーアトラクターに溜めると、そのまま胸にあるサンダークリスタルから炎を放つ。
「サンダーグリッドファイヤー!」
高熱のエネルギー火炎を受けた黒いグリッドマンはのたうち回るがそれでも消えない。
サンダーグリッドマンは黒いグリッドマンがのたうち回る隙に右腕にエネルギーを再び集め必殺の破壊光線を発射した。
「サンダーグリッドビーム!!」
黒いグリッドマンは粉々に砕け散った。
サンダーグリッドマンはフィクサービームをツツジ台全体に注ぎ、元の街に戻した。
そしてアノシラスの傷も癒し、グリッドマンはジャンクへと戻っていく。
傷を癒されたアノシラスはコンピューターワールドの人目のつかない所へ帰って行った。
「よっしゃあーー!」
一平は手を鳴らして喜ぶ。
「かっこよかったぜ、グリッドマン!」
グリッドマンの勇姿を目に焼き付けた直人。
するとジャンクから裕太が出てきた。
「おっ、こっちに戻ってきたか。お疲れ様」
「ご苦労様、裕太君」
「え……?あ、ありがとう、ございます…?」
直人とゆかに労われる裕太。
「おい、武史が目ぇ覚ましたぜ!」
一平は武史が目を覚ました事に気づく。
「う……あ、あいつは!黒いグリッドマンは!?」
「グリッドマンが倒してくれたぜ。武史もお疲れ様」
「よ、良かった……。ありがとう直人」
武史はツツジ台に束の間の平和が戻ったことに安堵した。
「えっと……あなた達は?」
だが裕太は当然直人、ゆか、一平、武史を知らない。
「裕太、彼らはかつて君と同じ様に私と共に戦ってくれた者達だ。この世界を救うため再び私の力になってくれたのだ」
グリッドマンがジャンクから裕太に四人の説明をする。
「俺、翔直人。直人でいいよ。お互いグリッドマンに変身する仲間だぜ」
「おれは馬場一平。あのアシストウェポンは俺が作ったんだ!すごいだろぉ?」
「わたしは井上ゆか。グリッドマンの戦いのサポートは主に私と一平がしてたの」
「僕は藤堂武史。グリッドマンシグマに変身しているのは僕なんだ」
「よ、よろしく。俺は響裕太。裕太でいいよ」
各々がそれぞれ自己紹介を終えると内海や六花達が帰ってきた。
「裕太!無事か!」
「響君!良かった……」
喜ぶ内海とホッとして少し涙目になる六花。
「二人とも!」
裕太は二人に駆けよろうとしたが立ち止まってしまう。
よく考えたら自分は二人に迷惑をかけたばかりじゃないか。
たとえグリッドマンとしてこの街を救ってもそれは変わらない。
内海と六花も同様で自分達が裕太を追い詰めた事を思い出した。
元はと言えばトレギアのせいだがトレギアに指摘されなかったらずっと裕太を苦しめていたかもしれない。
それにトレギアが言った言葉を思い出してしまっていた。
『仮に彼が元に戻ったとしたらどうする?どんな言葉をかける?まあ、どんな言葉をかけようが彼を傷つけるのは変わりないだろうがね』
結果、三人は沈黙してしまい静寂な時間が訪れてしまう。
「なぁに黙りこくっちゃってんだよ三人とも!」
そう裕太の肩を叩いたのは一平だった。
「そうそう、言いたいことがあったらちゃんと言った方がいいわよ」
「君達はどんなことがあっても友達なのは変わらないだろ?」
ゆかと武史が三人に言う。
「喧嘩したり傷つけちゃったりしても、お互いに笑って許し合えるのが友達だろ?理由なんて関係ないよ」
直人がそう言うと直人の肩に一平が腕をかける。
「その通り!たとえプリンを食べられても笑って許せるのが友達さ!」
「プリン……?あっ!まさかお前が食べたのか!?」
「おいおい直人、友達なら笑って許そうぜ?」
そう言いながら店の外へ逃げる一平。
「それはお前の言っていい台詞じゃないだろ!捕まえたらギタンギタンにして絶交だ!待て一平!」
直人は一平を追いかけそのまま店の外に出てしまった。
その一部始終を見ていた三人は思わず笑ってしまっていた。
友達を許すといいながらプリンを食べられた事で絶交だと言う直人と直人の言葉を悪用する一平。
でも決して切れることのない絆を四人は持っていると確信できている。
自分達だって同じだ、そう気付かされた三人だった。
(そうだ……俺が言うべき言葉は謝罪じゃない)
「ありがとう二人とも。二人がいたから俺は戦えたよ。」
裕太は二人に感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとうはこっちの台詞だよ。私達とこの街を救ってありがとう、響君」
六花も感謝の気持ちを裕太に返す。
「裕太、お前まだ勘違いしてるかもしれないけど別に俺達付き合ってないからな。俺と六花が一緒にいるときは決まって裕太の事を話してんだからよ」
「そ、そうだったんだ……。てっきり自分達が付き合ってる事を表にしないタイプかと……」
「やめてよ響君!内海君なんかこれっぽちも興味ないから」
「ひでぇ!?」
「それに内海君は他に忘れられない好きな人がいるからね」
「えっ、そうなの!?誰!?」
「いや、それはその……おい六花!なんで言っちゃうんだよ!?」
他愛のない会話をする中、三人は前よりも更に友情が深まった事を実感するのだった。
「何はともあれ、三人の友情が戻って良かった」
グリッドマンは腕組みをしながら頷く。
「でも今後に向けての作戦会議って雰囲気じゃねーな」
「まあ、明日でいいじゃん。一応一週間あるんでしょ?」
ボラーが愚痴る横で余裕の表情のヴィット。
「しかし、あれだな……。裕太は自分の気持ちが六花に筒抜けなのに気づいていない。六花も平気そうなフリをして裕太がいつそれに気付くか内心ドキドキしている事だろう。裕太がそれに気付いたら六花は裕太をどう思っているかを言わなくちゃいけない流れになるからな。まあ、好物だが」
「なに長々と気持ち悪いこと言ってんだよマックス!」
顔と体格に似合わずピンク脳なマックスにツッコミをいれるボラー。
「と、とりあえず一見落着して良かった……」
「うん、ホントに良かった……うひひひひ!」
怪獣少女はあの独特な笑い声を店内に響かせた。
かくしてツツジ台を襲った黒いグリッドマンは倒され、アノシラスも正気に戻すことが出来た。
しかし、それと同時に敵の強大さを感じるグリッドマン達であった。