電光超人グリッドマン ヒカリノキズナ   作:消しゴム

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シグマと同様、ネオカーンデジファーの性格も雰囲気で書いてます。


第21話 宿・敵

トレギアによって復活した三大魔王。

 

カーンデジファー、ネオカーンデジファーの兄弟に加え、かつてこの世界で新条アカネを利用し自らの心の渇きを潤そうとしたアレクシス・ケリヴ。

 

「あいつがアレクシス……」

 

「そしてあっちの二人がカーンデジファーとネオカーンデジファー……」

 

ゆかと内海は互いに見たことのない敵をまじまじと見る。

どちらもグリッドマンが大苦戦した強敵だ。

 

「でもこっちの方が数は多いし前より強くなってるんだ!負けてくれるなよ、直人、武史、裕太!」

 

一平の声はジャンクを通して裕太達に届いていた。

 

「グリッドマン……我が兄の無念を晴らせなかったが、まさか兄と共に貴様に復讐出来る日が来るとはな」

 

「一度負けた癖にまた懲りずに復活しやがって。もう一度俺達が倒してやる!」

 

直人は力強い言葉で自分達を鼓舞するように言う。

 

「グリッドマンの弟グリッドマンシグマか。武史よ、楽しませてくれるだろうな?」

 

「あの頃の醜い僕はもういない。シグマ、人は変われるってことを証明するときだ!」

 

武史とカーンデジファーはかつて直人達に立ち塞がる敵だった。彼の弱い心から出来た醜悪なプログラムがハイパーワールドから逃げたカーンデジファーを惹き付けたのだ。

 

かつて仕える主であり友達だと思っていた武史は複雑な気持ちでカーンデジファーと対峙していた。

 

「神様ごっこはやめたのかいアカネくん?まさか作り物の友達を守るためにその姿になったのかい?出来損ない同士のアクセスフラッシュとはどこまでも私を楽しませてくれるね」

 

「あなたの言う通り私は出来損ないかもしれない。でも、友達との絆があればこんな私でも強くなれる!」

 

アカネは自分の弱さの象徴とも取れるアレクシスを倒す決心をする。

 

 

 

「トレギア、貴様の怪獣の怨念を寄越せ」

 

「おやおや、最初から飛ばすねぇ」

 

トレギアは空のゲートから怪獣達の怨念をネオカーンデジファーに降り注がせる。

 

ネオカーンデジファーは怪獣の怨念を身に纏い、魂を吸い込む。

そしてガイストカーンデジファーへと変身した。

 

「貴様達兄弟に倒されたが、一人になら負けはしない」

 

「あれはガイストカーンデジファー。怪獣達の怨念から魂を抽出し力にしたネオカーンデジファーの最終形態だ。裕太、直人!気を引き締めて行くぞ!」

 

グリッドマンがそう言うとガイストカーンデジファーへサンダービームを放つ。

だがガイストカーンデジファーは手を払いサンダービームをかき消してしまう。

 

続いてゴッドゼノンがゴッドパンチで背後から応戦するが、ダメージを全く負っていない。

ガイストカーンデジファーが背後のゴッドゼノンにビームを放つとゴッドゼノンは大ダメージを負ってしまう。

「ヤバい!ゴッドゼノン、緊急脱出だ!」

 

一平の言葉と同時にゴッドゼノンはツインドリラー、ゴッドタンク、サンダージェットに別れビームを回避した。

 

「小賢しいマネを……」

 

「バリアシールドを送るぞ!」

 

ガイストカーンデジファーがアシストウェポンに再びビームを放とうとするが、グリッドマンが一平から送られたバリアシールドを手にすると電光雷撃剣グリッドマンソードに変形させる。

そして不意を突くようにガイストカーンデジファーを切りつけた。

 

「ぐおおおぉぉぉ!!??」

 

ガイストカーンデジファーは体勢を崩しそのまま地面に倒れた。

 

「直人!グリッドマン!」

 

「ああ裕太!グリッドマン、超人合体するぞ!」

 

 

 

 

 

一方、カーンデジファーとグリッドマンシグマの戦いはカーンデジファーが優勢になっていた。

 

「いくら貴様が素早く動こうとワシに傷一つつかんわ!」

 

シグマが何回もカーンデジファーへ攻撃をするが、蝙蝠のような物体に分離して攻撃をかわし続ける。

 

「キリがない……!」

 

シグマはシグマスラッシュで蝙蝠の物体ごと切り刻もうとする。

だが避けられた上にカーンデジファーを見失ってしまう。

 

すると背後から現れたカーンデジファーが魔王剣デジファーソードでシグマを真っ二つにしようとする。

 

シグマは寸のところで魔王剣デジファーソードを白羽取りをしてそこから足で腕を攻撃し剣を落とさせるのに成功する。

だがそれでもカーンデジファーの攻撃は止まらずビームでシグマを追いかけ回す。

シグマが空を飛ぼうものなら自らも飛んで追いかける。

 

「武史よ、逃げてばかりでは勝てぬぞ?」

 

カーンデジファーは武史を挑発するような言い方をする。

 

「シグマ、前のようにハイパーグリッドビームのような出力の高い大技で無理矢理倒すしかないのかもしれない」

 

「ならばダイナドラゴンと合体しよう」

 

シグマはカーンデジファーの攻撃を避けながらドラゴンフォートレスに近づいていった。

 

ドラゴンフォートレスは地上に近づくとダイナドラゴンに姿を変えてドラゴンロアーで上空のカーンデジファーを撃ち抜いた。

カーンデジファーはそのまま地面へと激突する。

 

 

 

 

「パワードブレイカー!」

 

パワードゼノンはアレクシスを縦に真っ二つに切り裂く。

 

「フフフ………私が不死身なのは知っているだろう?」

 

アレクシスの体は復活しパワードゼノンへ赤い光弾を連射する。

パワードゼノンは威力に耐えきれず爆散したあとそれぞれのアシストウェポンに戻ってしまう。

 

「グリッドナイト、俺を使え!」

 

キャリバーがグリッドナイトに言うと自らがグリッドナイトの手の中に収まる。

グリッドナイトは逆手に持つとグリッドナイトキャリバーに変形し刀身が赤く染まる。

 

「ナイトキャリバーエンド!」

 

アレクシスを再び切り刻んだがアレクシスは再び復活した。

 

アレクシスはお返しにと自身の持つ二刀流の剣でグリッドナイトを十字に切る。

しかしアレクシスの攻撃はアクセスフラッシュで真の力を発揮したグリッドナイトの防御力に弾かれた。

 

「ほぅ……手加減してはお互いが不死身ということか。私も本気を出さなければ」

 

「新条アカネ、このまま持久戦に持ち込まれたら俺達は勝てない。あいつらの力を借りるぞ」

 

グリッドナイトは分散している新世紀中学生を見た。

 

「準備ならとうに出来ている」

 

「ならアレクシスを足止めしたいところだけど……」

 

マックスとヴィットが言葉にした直後、アレクシスがグリッドマンが投げたサンダーアックスでまたも真っ二つにされる。

 

「グリッドマン!」

 

「気が利くじゃねぇか!」

 

アカネとボラーはグリッドマンのいる方向を見る。

 

「今だ!全員で合体するぞ!」

 

三大魔王が怯んでいる間にグリッドマンの掛け声で総合体が始まった。

 

グリッドマンがサンダーグリッドマンに。

 

シグマがキンググリッドマンシグマに。

 

グリッドナイトがフルパワーグリッドナイトに。

 

「ほぅ……面白くなってきたな」

 

トレギアは足を組み替えて再びビルに腰を下ろして傍観する。

その様子を見て内海が考え込む。

 

「………まさかな」

 

「どうした内海?」

 

「いや、何でもないんだ」

 

一平の質問をはぐらかす内海。

だってそうだ。前から常々思っていたとはいえ言葉にすることすらおこがましいと思っていた事だ。

 

 

 

トレギアが『ウルトラマン』に似てるだなんて。

 

 

 

自分の好きなヒーローとは真逆の性質を持っている奴だ。

ベリアルのような悪のウルトラマンもいたが、まさかな。

そもそもウルトラマンは架空の話だし。

 

 

「合体したところでガイストカーンデジファーと化したこの怨念を貴様は止められぬ!」

 

サンダーグリッドマンにビームを発射するガイストカーンデジファー。

サンダーグリッドマンはよろけはするものの、腕を攻撃しX字にして突進しそのままガイストカーンデジファーを殴る。

よろけた所をさらに肩のツインドリラーを飛ばすドリルブレイクで追撃をすると、サンダーグリッドファイヤーでガイストカーンデジファーを焼き尽くすように勢いよく発射する。

 

「ぐあああああああ!!!このままでは怨念ごと燃やし尽くされてしまう……!!」

 

ガイストカーンデジファーは堪らずグリッドマンから逃げるように距離を取った。

 

「馬鹿な……サンダーグリッドマンの攻撃など効かないはずだ……」

 

「お前が倒された後、私はさらに強くなっただけだ!」

 

かつてサンダーグリッドマンを圧倒したガイストカーンデジファーは逆にやられているこの状況を現実のものだとは思えなかった。

 

 

「キンググリッドランチャーシグマ!」

 

シグマはカーンデジファーへひたすら光線技を浴びせる。

 

「ぐぅ……小賢しい真似を……!武史、貴様ごときに……!」

 

「生きてる者全ては成長する。人でも作り物でも関係ない!」

 

武史はそう言うと胸のクリスタルコンバーターから炎を噴射するキンググリッドファイヤーでカーンデジファーをガイストカーンデジファーのいる方へ押し出した。

 

「動きが遅くなっただけなんじゃないのか?なあアカネくん」

 

アレクシスは素早く剣で切りつけたり、蹴りや肘鉄などの連撃でフルパワーグリッドナイトの反撃を許さない。

 

「君はグリッドナイトと一体化して本当につまらない人間になった。前みたく私の心を満たしてくれそうにない」

 

アレクシスは両腕から強力なエネルギーを放ちフルパワーグリッドナイトを攻撃する。

 

「一人では何も出来ないのは変わらない癖にね!」

 

周囲は爆発が起き煙が立ち込める。

しかし煙が晴れると傷を負いながらも仁王立ちするフルパワーグリッドナイトが現れる。

フルパワーグリッドナイトはアレクシスの全力を耐えきってみせた。

 

「私一人では成長出来なかった。友達が、絆が私を強くしたんだ!」

 

アカネの魂の叫びと共にアレクシスをブレストスパークでガイストカーンデジファーの方向へ押し出す。

 

作戦通りだったのか、それとも無意識だったのか。

三大魔王は一ヶ所に集められた。

 

「兄者よ、奴らを一掃するためにも互いの光線を合わせようぞ」

 

「ふん、そうするしかないようだな弟よ。……アレクシス」

 

「君達に協力する気は更々ないけどね。彼らを抹殺したいという思いだけは一緒なんでね」

 

アレクシス、カーンデジファー、ガイストカーンデジファーの三人はそれぞれのフルパワーを光線の発射口に込める。

アレクシスは両腕に、カーンデジファーは左手に、ガイストカーンデジファーは体のあらゆる発射口に。

 

そして破壊力抜群の光線をグリッドマン達に放つ。

 

「私達も行くぞ!」

 

「ああ!」

 

「望むところだ!」

 

グリッドマンがシグマとグリッドナイトに声をかける。

 

「裕太、直人、武史、そしてアカネ!精一杯この光線に力を入れてくれ」

 

「わかった!」

 

「任せろ!」

 

「了解!」

 

「うん!」

 

グリッドマン達や変身者全員で光線へと力を込める。

 

サンダーグリッドマンとキンググリッドマンシグマが力を合わせて出す光線であるドラゴンスパイラルで三匹の光線の竜が現れる。

更にフルパワーグリッドナイトのフルパワーチャージで剣に力をためるとドラゴンスパイラルが剣に絡み付くように纏う。

 

そしてフルパワーグリッドナイトが勢いよく剣を振り下ろした。

 

「グリッドナイトフルパワーフィニッシュ!!」

 

フルパワーグリッドナイトが放った斬擊は三大魔王の光線を簡単に打ち破りそのまま三大魔王を粉々にする。

 

「………!」

 

直接攻撃を受けてないトレギアでも自分の目の前にバリアを貼って衝撃を和らげる。

それほどまでに強力な威力だったのだ。

 

「ぐああああぁぁぁぁ!!グリッドマン兄弟、またしても貴様達にいいいぃぃぃ!!」

 

「また貴様にやられるとは、武史ィィ!!」

 

「なんだこの力はぁぁぁぁぁ!?」

 

ガイストカーンデジファー、カーンデジファー、アレクシスは粉々に砕け散った。

 

二つの光線の衝撃は避難所でもある学校どころか、六花の家にまで押し寄せる。

 

「きゃあああああ!!」

 

「や、ヤバい!大丈夫なみこ!?」

 

なみこやはっす達はあまりの衝撃に尻餅を着いてしまう。

 

他にも同じような人がおり、学校中がちょっとしたパニックを起こしてしまった。

 

「みんな大丈夫か!」

 

内海が他三人を見渡す。

 

「ああ、すげー揺れたな」

 

一平はひっくり返りながら答える。

 

「ちょっとドキッとしたかも」

 

ゆかはスリリングだったとしか思っていないようだ。

 

「みんな無事で良かった……」

 

六花は全員の無事を確認してホッとする。

 

(最後はフルパワーグリッドナイトの攻撃だった。頑張ったね、アカネ)

 

心の中で親友の活躍に喜ぶ六花。

 

「カーンデジファー……僕にとって倒すべき存在だったけど、君の事を本当に友達だと思ってた時期もあったんだ。……今度こそさようなら」

 

武史は粉々に砕け散り粒子となったカーンデジファーが空の割れ目に吸い込まれるのを見ていた。

 

「ぐぐ……ハァ……ハァ……」

 

カーンデジファーとネオカーンデジファーは粉々に砕け散った。だがアレクシスはボロボロになりながらも復活を果たす。

 

「まだやるか?アレクシス」

 

「素直に捕まえられてハイパーワールドで一生を過ごすんだな」

 

グリッドマンとシグマはアレクシスを封印しようとする。

 

だがそこへ黒い雷撃が襲いかかる。

二人のグリッドマンは吹っ飛ばされてしまった。

 

「お勤め御苦労様。楽しかったろう?アレクシス・ケリヴ」

 

「なんの真似だ……グッ!」

 

トレギアは瀕死状態のアレクシスの頭を掴む。

 

「わたしの計画に協力してくれたお礼に君に永遠の死を与えに来たのだよ」

 

「ふん、出来るものならしてみろ。今まで誰もわたしに死を与えられなかったというのに」

 

「君は奴らを復活させるための闇のエネルギーとして利用させてもらうよ」

 

トレギアはそのままアレクシスに雷撃を流し込んだ。

 

「うおおおおおおおあああああああああ!!!!!これが……死……か…………」

 

「……アレクシスが」

 

「死んだ……だと……」

 

アカネとグリッドナイトは驚愕した。

 

「私の手に掛かれば不死に死を与えるなど造作もない」

 

アレクシスは粒子となって空のゲートへ吸収された。

 

「フハハハ!!!想像以上の力だ!この魔王のエネルギーで手始めに惑星テンネブリスで奴を復活させようか」

 

トレギアは空に大きく広がった闇のゲートを見て言った。

 

「では、失礼」

 

トレギアは空に割れたゲートへ飛び立とうとした。

 

「待て、誰が逃がすと言った」

 

「貴様の脚本はまだ終わってないだろう」

 

「トレギア、お前の敗北で終わる脚本がな!」

 

グリッドナイト、シグマ、グリッドマンがそれぞれトレギアの前へ立つ。

ついに最大の敵であるトレギアと対面する時が来た。

 

「おやおや、血の気が多いねぇ……。さっきのはちょっとした冗談だ、心配しないでいい。私の脚本はここからがクライマックスだからな」

 

トレギアはサンダーグリッドマン、キンググリッドマンシグマ、フルパワーグリッドナイトを見て不敵に笑うのだった。

 

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