魔王の右腕がヒーローに   作:高笑いする混沌

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皆さん久しぶり!?


今回は少し、卿を入れたいなって思って。


誤字報告、感想待ってます。(^^)


それじゃ、どぞ!


卿の入学試験

 

まず、ゲートをくぐって見えたのは何処かのリビングだった。取り敢えず南雲に連絡するかと思い、ポケットのスマホを取ろうとするが少し違和感を覚えた。

 

(あれ?なんか、服がダボついてる?てか、俺の手ってこんなに小さかったけ?)

 

その後、急いで洗面所に行き鏡で確認すると、いつも見慣れている顔が少し幼い。服もやはりサイズが合わず、背も縮んでいた。

 

「どうなってんだ!?なんで縮んでんだ!?変な薬飲んだ覚えなんてないぞ?...そうだ!南雲!あいつなら、なんか知ってるだろ!」

 

慌てて、スマホを取り南雲に連絡を取る。

 

「おい!南雲!これはどう言う事だよ!?ここどこだよ!なんで縮んでんだ!説明しろ!」

 

画面の向こうではやっぱりか、という反応が返ってきた。

 

「説明するから落ち着け。まず、何故縮んでるかというとだな、...これから、雄英って、とこに受験して貰うからだ。」

「受験!?聞いてねぇよ!」

「そりゃ、今行ったからな」

「なんで、そこに行かなきゃならないんだ?」

「そこは、倍率がクソ高い。だから、粒ぞろいがいると判断したんだよ」

 

確かに、そこには優秀な人材が集まるよなぁ。でも、俺に行けるか?(医大受かってます)

 

「まぁ、お前なら大丈夫だろ、あとそこは、仮住まいだ。そこで生活してくれ、だいたい揃ってるはずだ。通帳とカードはそこの机の上にあるだろう?毎月振り込まれるようにしてあるから安心して使えよ。さて、これぐらいか?また何かわからない事があったら、そのスマホで調べればだいたい分かるはずだから。んじゃ、ガンバ」

「ちょまっ、てっ、切りやがった。」

 

取り敢えず、通帳を確認してみる。桁がちげぇ。これ、散財してもいい金なのかな?ヤバイ金じゃないよね?...ま、まあ大丈夫だろ。次に雄英について調べてみる。

 

「ヒーロー?ヴィラン?なんじゃこりゃ?」

 

知らない単語が出たのでそれを調べてみる。そしたら、ヒーローが職業となり国からお金を貰ってた。なにこれ、子供の夢壊してるやん。今の心境はニチアサの特撮ヒーローの真実を知った時ぐらいの衝撃だ。そして、ヴィランとは個性を悪用して暴れる犯罪者の総称で、ヴィランを捕まえるのがヒーロー、警察は受け取り係と揶揄されていた。個性の無い一般人もいるようでそれらは無個性と呼ばれてイジメにあっているらしい。それを見て、かつての南雲ハジメの事が頭によぎる魔王になる前は、無能と言われていた南雲が今では世界最強なんて呼ばれてるんだからなにがあるかわからないもんだなぁ。

 

「あの最終決戦やミレディG、魔王に比べたら、楽勝じゃん」

 

取り敢えず、スキルの確認と、ズレを直さないとダメだよなぁ。

 

「よし、技や魔法は問題なく使えてる。魔力もある。けどなぁ、やっぱりズレがあるんだよな」

 

よし、考えても仕方がない。気分転換に街を散策するか。

 

 

しばらく歩いていると、様々な見た目の人がいた。トカゲみたいな見た目の奴、腕が複数ある奴、トータスでさえ見た事が無い異常性だった。今更ながら自分の個性。名前どうしよう?

 

キングクリムゾン!!

 

 

あっと言う間に受験当日!今、雄英の門の前に来ている。

 

「改めて見るとやっぱでかいなー、コレ全部雄英?金掛かってるなー」

 

そのまま、講堂に向かう。途中で、受験票を係に見せたが、スルーされた。な、泣いてねぇし、最近、コンビニの自動ドアに完全に反応されなくなって、他の人が来るまで入れないなんてことなんてねぇし(震え声) その後、何とか気づいて貰えて、無事にたどり着くことが出来た。そのとき、浩介の目から汗が流れていた。

 

『今日は、オレのライブにようこそ!!エビバディ、セイ、ヘイ!!』

 

シーーーン

 

『コイツは シィヴィ〜!!受験生のリスナー! 実技試験の内容を簡単にプレゼンするぜ! are you ready!』

 

シーーーーーーン

 

『それじゃあ説明するぜ!入試要項の通り!リスナーにはこの後!10分間の[模擬市街地演習]を行なってもらうぜぇ!プレゼン後は各自指定の演習場所に向かってくれよな!OK⁉︎』

 

シーーーーーーーーーーン

 

『演習場には[仮想敵]を三種、多数配置してああり、それぞれの[攻略難易度]に応じてポイントを設けてある‼︎各々の[個性]で[仮想敵]を行動不能にし、ポイントを稼ぐのがリスナーの目的だ‼︎もちろん他人への攻撃等アンチヒーローな行為はご法度だぜ⁉︎』

 

まあ、そうだよな、他人の邪魔をするヒーローとか嫌だよね。

 

「質問よろしいでしょうか⁉︎」

 

眼鏡の人が声を上げた。見るからに、眼鏡だ。

 

「プリントには四種の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰の雄英において恥ずべき痴態!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座定しているのです‼︎」

 

眼鏡の人がそう言ったので俺はプリントに目を通すと、確かに仮想敵は四種記載されていた。

 

(どう言うことだ?)

 

「ついでにそこの縮毛の君‼︎さっきからボソボソと…気が散る‼︎物見遊山のつもりなら即刻ココから立ち去りたまえ!」

 

 

『オーケーオーケー。受験番号7111番くん、ナイスなお便りサンキューな!四種目の敵は0ポイント!そいつはいわばお邪魔虫!スーパーマリオブラザーズやったことあるか⁉︎あれのドッスンみたいなもんさ!各会場に一体所狭しと大暴れしている[ギミック]よ!』

 

スーパーマリオブラザーズ!?この世界にもあったんだ。

 

『俺からは以上だ!最後にリスナーに我が校の校訓をプレゼントしよう!かのナポレオン=ボナパルトは言った!

「真の英雄とは自身の不幸を乗り越えていくもの」と‼︎

Plus Ultra‼︎それでは皆良い受難を‼︎』

 

 

一通り説明を受けた後、それぞれのバスに乗り込み試験会場まで行く。降りたら、一つの街ぐらいの広さがある会場に着いた。

 

(でけー!?金掛かってるなー)

 

キョロキョロ周りを見渡して、落ち着きのないように見える浩介であるが、"既に敵の位置"は、軒並み把握していた。

 

(あそこの建物の裏、それに、柱の影に一体、..近くに居るのはそれくらいかな?)

 

そして、いつでも攻撃出来るように苦無を構える。

 

『はいスタート』

 

その言葉が聞こえた瞬間、『縮地』を使い誰よりも速く標的に向かい動いた。最初に柱の影に居た一体を苦無で倒す。

 

(強度はイマイチかな、体術でも十分に倒せる。これでグリムリーパー並みの強度だったらやばかった。)

 

なお、グリムリーパーとは魔王、南雲ハジメが制作した兵器で、神の使徒ともやり合える魂なき鋼鉄の死神達。コレと真正面からやり合った、使徒達は泣いていい。なにせ、自重しなくなった魔王の兵器。超電磁砲(レールガン)、ペンシルロケットなどが搭載されているのだから...

 

 

『ヘイ、ヘイ!どうした!?実戦じゃカウントなんてねぇーぞ!!ホラ走れ!走れー!際はとっく投げられてるぞ!?って、もう仮想敵を倒してるヤツがいんぞ!急がねーとポイントがドンドン無くなっちまうぞ!』

 

その言葉と共に、出遅れた受験生達が慌てて走り出すが、ーーすでに浩介は街の中心部にいた。

 

「闇の波動は、全てを浸蝕する――“羅刹の魔手”(深淵に触れること叶わず)」

 

そして、向かって来た仮想敵は冗談のように吹き飛んでいく、たった今2Pの仮想敵を倒したところだった。

 

「ふむ、コレだけで、十分だな」

 

指貫グローブ型アーティファクト“再臨と拒絶の羅刹黒手”を見つめながら呟いた。

 

「では、行くとするか」

 

目の前に迫る機械の群れを前に浩介。否、卿が不敵に「ふっ」をすると異世界で初めてとなる名乗りを上げる。

 

仮想敵達は「なんか、わからんけど攻撃しろ!」と言いたげに一斉に仕掛けてきた。

「俺こそ、奈落の底より生まれた神殺しの魔王の右腕にして、影! 深淵より出でし、闇よりなお深き闇! さぁ、この忌み名、その魂に刻め!――疾牙影爪のコウスケ・E・アビスゲート。いざ、参る!」

 

卿が名乗りを上げて攻撃を仕掛けている一方では...

 

 

ーー教師サイドーー

 

 

試験が行われている最中、別室では、「今年は粒ぞろいだね。」と一人の教師が言った。それに同調するように他の教師も口々に褒めるなか。一人の無精髭を生やした教師は一つのモニターを注意深く見ていた。

 

(この受験生だけが、スタートの合図に反応した。それに、仮想敵が何処にいたのか"最初から分かっていた"かのような動きをしていた。それに)

 

そこには、仮想敵相手に無双している卿が映っていた。

 

「どうした!イレイザー!なんか気になるやつでもいたか?」

「マイクか、ちょっとコイツをな」

 

「あっ!コイツか、オレのスタートに唯一反応したリスナーだな?」

 

「ああ、コレ見て何か気づかないか?」

 

「いや、ただ実戦なれしてるなぁ、としか」

 

(それが、一番おかしいんだがな)

 

「まぁ、それもこれからが本番なんだけどな!」

 

そう、言うとヤル気スイッチと書かれたボタンを押した。

 

 

 

ーー卿サイドーー

 

ドンッ!と大きな音がした。ん?と、卿が振り返ると見上げる程の巨大な仮想敵がこちらを見下ろしていた。周りにいた受験生達は、巨大な仮想敵の反対側つまり、"逃げだした"。

 

(おい、おい!?ヒーローが逃げちゃダメでしょ。)

 

卿が呆れていると、一人逃げ遅れた受験生がいた。

 

「おいっ!何してる!?お前も速く逃げろ!」

 

「何って、アレの相手をしようとしているところだが?」

 

「馬鹿か!アレは0Pのギミックだぞ!?それに、あんなデカイやつどうやってたおすんだ!?」

 

「お前、それでもヒーロー志望か?勝てない?意味がない?そんな理由で逃げたなら、後ろの守るべき人はどうなる?」

 

受験生はハッ、とした。そうだ、自分が憧れたヒーローは、逃げていたか?否、断じて否!決して背はむけず、むしろ笑いながら向かっていったじゃないか。

 

「それでは、俺は行くとしよう」

 

その声に受験生は顔を上げた。すると、目に入ってきたのは不敵に笑う卿の姿だった。"ああ、これは叶わないや"。受験生は諦めと共に一種の清々しさを感じた。こう言うやつがヒーローと呼ばれるのかと。ならば、最後に自分にも出来ることをしよう。

 

「ああ、頑張れよ。"ヒーロー"」

 

その言葉を背に卿は飛んだ。圧倒的な脅威に向かい、そして...

 

「さあ、木偶の坊!懺悔の時だ!」

 

サングラス入りま〜す。ちょっぴり卿モードが深くなった卿はサングラス型アーティファクト"天眼"をくいっとした。そして、キレッキレッのターンをして、攻撃に入る。まず、振り上げてきた腕を避けてその上に乗り、頭部に向かい走り出した。そして、飛び上がり、頭に向け、蹴りを入れる。

 

「重墜焔撃脚!!」(深き闇に堕ちるがいい)

 

重力魔法と火炎魔法を纏った真横からの水平飛び蹴りをくらい0P敵は頭部を吹き飛ばし倒れたのを最後にタイムアップとなった。

 

 

 

 

「ハリボーだよ。ハリボーを食べな、怪我人はいるかい?おや?君は大丈夫かい?」

 

リカバリーガールの視線の先では...「また、卿になっちゃったよ、最近、卿になる事に慣れちゃってる自分がいるよぉ。」そこには、体は無傷、心に深刻なダメージを食らっている浩介の姿があった。それを、見ていた一人の受験生は。「あの時の感動は、幻だったのかなぁ〜」と首を傾げていたとかいないとか、何はともあれ。

 

 

 

試験終了!!

 

 

 

 

 

 

 

 





やっぱむずいわ〜、卿っぽくない。

卿の技なんかいいやつある?


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