MS IGLOO外伝「顎(あぎと)朽ちるまで」   作:三流FLASH職人

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あとがき

最後まで読んでくれた方・・・がもしいたら、この多数の小説のあるハーメルンにて

ここまでお付き合い頂いてありがとうございます。

まぁ素人丸出し、誤字多発なSSなんてとっくに見限られてるとは思いますが

それでも気分だけはラノベ作家のつもりで、あとがきなど書いてみようかと思います。

 

まぁ見ての通り、私はIGLOOが好きです、ええもうガンダム作品の中ではぶっちぎりに、

アニメ全体から見ても私の心をこれほど揺さぶった作品はまぁ稀でしょう。

なんでここまで好きかというと、IGLOO内のプロホノウ艦長の一言に集約されます。

 

「脇役は毎度のことだ」

 

そう、脇役が好きなんですよ、モブややられ役や日陰者や背景キャラの物語が。

伝説の英雄やら薄幸のプリンセスやらニュータイプやら運命の人やら

そんな人には興味ありません、少なくとも自分が描く物語には。

 

だって自分がそうですから。

 

ええ、ただの凡人ですよ、普通のオッサンですよ、ヒガミ入ってますよ、悪いか?ええおい。

でもそんな人にも物語あるでしょう、長い人生の中、少しくらいは。輝く時間が。

だけどガンダムはじめ一般のアニメでそんな人が輝くのはたいてい爆死する瞬間くらいでしょう

スレンダーが、クラウンが、トクワンが、デミトリーが、ジャブローの名もなきジムのパイロットが。

 

でもMS IGLOOは違います。時代遅れの大砲屋や戦車兵の、蹴散らされるだけのモビルポッドの少年たちの、

欠陥品を懸命にゴーストファイターに仕立てようとする悲しいピエロの、そして閑職に配属された

603技術試験隊の人たちの懸命のドラマがそこにはありました。

こんなアニメがあるのか、いや、こんなアニメを作ってくれる人たちがいるのか・・・もう一目惚れですわこんなん。

 

前作の「GBFsideB」にも多数のIGLOO機体が登場しました、やっぱ好きな機体に活躍してほしいし

GBFという素材なら脇役メカが活躍してもなんらおかしくはない、という思いがありましたから。

ただ、GBFという作品が好きかというと、正直そうでもなかったんです。

だってそうでしょ、サザキ君「お前ごときに!」で一蹴されるわ、カトーさん次回予告で敗北決定だわ

警備員たちは子供一人にノされるわ、どんだけレイジとメイジン贔屓の物語なんだよ、と。

sideBにはそんな作品へのアンチテーゼの意味も強く込められていました、だから主人公はボールだったんです。

 

この作品を読まれた方で、IGLOOなのに連邦軍?と思われた方は多いと思います。

IGLOOを「嫌い」と一蹴する人も結構多いですが、その代表的な原因のひとつが

「連邦軍がチンピラすぎる!」というもの。天邪鬼な私としては、それならばそのチンピラたちの

物語を描いてみよう、という発想に行きつき、以前から妄想していた二つのSSネタ

「シドニーとアイランド・イフィッシュで遠距離恋愛するカップル」と

「もしも603にザクレロが配備されたら」を取り込んで作品の骨子が決まりました。

 

主人公のジャック君は正直「薄いキャラ」です。透明なと言い換えてもいいかもしれません。

彼には「悲劇」と「尊敬する人物」「戦争」「部下」によって成長という色がついていくのを表現したかったんです。

そのための一番の色、それがサメジマの兄貴でした。実は彼にはモデルとなるキャラがいます、

某相撲漫画の準ラスボスで、王者でありながら相撲を愛し、研鑽を愛し、工夫、研究を楽しみ、

仲間の個性を大切に思う、作品内でもアニキと呼ばれる、そんなカリスマ性を持ったたくましい背中の漢。

 

ジャックの悲劇に釣り合うだけのポジティブさと説得力を持った人物、彼がいなくてはこの作品は

成立しなかったでしょう、事実最初の案ではジャックはア・バオア・クーでノーサイドってか?のセリフを吐き

戦死する予定でした。兄貴の言葉を支えに成長してきたからこそ、作品として曲がりなりにも

完走できたんだと思っています。。

また、最初の連邦のチンピラであるオハイオ小隊の隊長に彼を充てることで、連邦=チンピラではない、という

作品の前提を立てたかったんです。

 

話が進むにつれて、ジャック君以上に成長したのはこのSSそのものでした。

サメジマの兄貴の言葉が、ジャック君の成長が、ファーストガンダムやIGLOOの流れに沿った

単なるドキュメントから、彼の成長物語に引き上げてくれた、と言っていいでしょう。

 

それでも彼は仮にアムロと戦ったら「そこ!」の一撃で爆死でしたし、シャアと戦えば「邪魔だ」で

四散していたでしょう、それでいいんです。彼はあくまで普通の人ですから。

逆に言えば普通の人はどんだけ頑張ってもアムロにはなれませんが、

ジャック君くらいのレベルにはなれるよきっと、というメッセージでもあります。

 

エピローグで最後に彼がツバサちゃんと会えたのは、作者からの彼へのご褒美です

普通の人でも少々のロマンスくらいあってもいいじゃないかぁー!という願望ともいいますがw

 

このSSで粗末に扱ったキャラはいないと思ってます、ソーラレイで焼かれた部下3名は例外ですが

オハイオ小隊、デミトリー、カスペン、オリバー・マイ、ワシヤ、オッゴの学徒兵たち、

ワッケイン、エディ、ビル、ツバサ、最終決戦の少年兵たち・・・

だって彼らはシャアでもアムロでもなく、私の愛する脇役ですから。

 

ここまで読んでくれた方に改めてお礼申し上げます。

読者諸兄と脇役に幸あれ。

 


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