異世界プロレスinオーバーロード   作:NEW WINDのN

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第49話 激突!

 第4試合 武王ゴ・ギン対ガガーラン

 

「ぬおおおおっ!」

「ぐおおおおっ!」

 二匹の怪獣……いや、力自慢の対決は、予想通りというべきだろう。まずは力比べから始まった。最初は両手で組み合って互角の攻防を見せていたが、力比べ開始から1分ほどすぎたところで、突如武王が左を外し右腕一本になる。そして貫禄をみせた武王は片手を遊ばせたままで、あのガガーランの両手をねじ伏せてみせた。

「おおおっ……」

 あのダンディ須永をも押し込んだ女丈夫が片手で……。武王のパワーに大きな歓声があがる。

「なんてパワーだ……これが武王……か……ぐぐっ」

 倒れまいとブリッジで耐えるガガーランの上に武王がドスンと乗る。

「グおおおおおおおお……!」

 体重をかけられ、ミシミシとガガーランの背骨が軋む音が聞こえるが、それでも耐える。

「……タフだな」

 押し込んだ腕を軸に武王は片手で逆立ちし、両膝をガガーランの腹部へ落とす。

「グゲッ……」

 それを強靭な腹筋と鍛えられた首の力で耐えるガガーラン。

「ならば……」

 武王は一発でダメなら……と二発三発と技を重ねていく。それでも耐える……耐えて耐え抜くガガーラン。

「諦めろ!」

 六発目でついにガガーランは崩れた。そのまま体重をかけてフォールする。

「ワンッ! トゥ!」

 カウント2で返すとガガーランはダメージを感じさせない速さで立ち上がり正対する。

「チッ。やってくれるじゃねえか」

 ダンディ戦でも見せた強烈な逆水平チョップ。

「なにかしたのか?」

 しかし武王は平然としている。基本スペックの違いがここに出る。

「馬鹿な……ダンディ須永にも効いたのに……」

 ガガーランは唖然とするが気をとり直してもう一度打ち込む。

「どうした?」

「チッ……奥深いな強さってやつは」

 ガガーランは苦笑いする。

「気持ちはわかる。俺もまだ高みがあることを知っている」

 ともに須永に敗れたという過去のあるふたりだ。共通する思いはあるのだろう。一度負けたからこそ、もう一度負けたくはない、その想いが2人を強くする。

「だからなぁ、負けるわけにはいかねえんだよ」

 今度は右腕で袈裟斬り!

「ぐぁっ……」

 これは効いたようだ。チャンスと見て二発三発と繰り出していく。

「武王! 武王!」

 劣勢になった武王を見て客席から声援が飛ぶ。やはりここは武王のホームグラウンドだ。圧倒的な声援が後押しする。

「チッ、さすがだよ」

 ガガーランは武王の腕を掴むと豪快にロープへと振った。ロープの反動で戻ってくる武王へ向けて、自らも反対側のロープへ飛び勢いをつけてショルダータックル! 

 2人はガチっという音とともに、両サイドに弾け飛ぶ。

「ぐっ……なんて重さだい」

「やるナ……」

 今度はお互いにロープの反動をつけタックル! 

「グギッ」

「グオッ」

 威力は互角。両者ともに呻きながら、たたらを踏む。

「なろっ!」

「ぐろあっ!」

 もう1回。今度はガガーランが打ち勝つ。

「これでもくらいやがれっ。地獄の晩餐をご馳走してやんぜ、ガルムズディナー!」

 反動をつけて放つ、全体重を乗せた叩きつけるようなショルダータックル。武王の巨体が浮き上がり、マットへと倒れこんだ。

「よっしゃぁ! 殴るぞ!」

 ガガーランは両拳を突き上げてアピールすると、武王に馬乗りになった。

「おらあああああっ!」

 拳ではなく掌底を連打で叩き込みまくる。ドドドドドガガガガッドドドガッ……と鈍い音がする。ちなみにガの時はガードに成功した時に発する気がする。

「オラオラオラァッ!」

 ガードの隙間から捩じ込み、ガードを開かせると、的確に顔面を打ち抜いていく。

「ゴアッ!」

 たまに武王が下から打ち返すがひらりとかわし、強烈なカウンターをたたきこむ。前回よりルールに順応しているし、明らかにキレが良くなっている。

「無駄だよ無駄! 無駄! 無駄! 無駄!」

 ついに、ガードすらさせなくなったガガーラン。鬼神が乗り移ったかのような連打に、武王の動きが止まった。まったく動かなくなった武王にガガーランは容赦なく掌打を浴びせ続ける。

 

「ガガーラン、フォールして」

 誰かの声が聞こえ、ガガーランはハッとなって体を被せた。

「ワンッ! トゥ! スリ」

 カウント2.9で武王の肩があがる。

「何っ? スリーだろ?」

 決まったと思ったガガーランは指を3つ立ててアピールする。

「2」

 レフェリーは2本指で2カウントだと返した。その間に回復した武王がガガーランの腰に手を回す。

「うぉぉぉぉおお!!」

 ジャーマンスープレックスの要領で頭上高くまで持ち上げ、そこから前に叩きつける。ベジャッという音がして顔面からガガーランがマットに激突。

「うぐあっ……」

 呻くガガーランをもう一度同じ体勢まで持ち上げるとガガーランの体を回して強烈すぎるパワーボムで後頭部から叩きつける。

「ゲホッ!」

 さらにそれを持ち上げ直してもう一度パワーボム! 

「ウホッ……」

 まだ終わらない。もう一度持ち上げて叩きつけるとさらにもう1回持ち上げてうつ伏せに肩に担いだ。

「……地獄へ落ちろ、デスバレーボム!」

 巨体が体を横に倒しながら飛び、ガガーランが頭からマットへと突き刺さった。

 

「カウントは必要ないだろう」

 武王はクルリと背中を向けた。

「ご、ゴングだ! 試合終了!」

 トニー・カンレフェリーがゴングを要請し、試合終了を告げるゴングが打ち鳴らされた。

「只今の試合は……デスバレーボムによるKO勝ちにより、勝者武王ゴ・ギン」

 力と力の勝負は、最後は技術を加えて武王が勝利。

「これが帝国プロレスだ。いつでも上がってこい」

 武王は背中越しに言い残すと静かに入場口へと消えた。

 

「大丈夫? ガガーラン……」

「すまねえ……」

 かけつけてきたのはなんとタイガー・ジェット・ティ。場内がザワつくなか、肩を貸してガガーランとともに引き上げていく。

 

「かくして4人の勝者は決まり、次回大会にて激突することになります。次回は一気に準決勝、決勝を開催いたします。本日はありがとうございました」

 

 勝者は誰か、そしてティの思惑は……次回興行を待て!





トーナメント1回戦が終了しました。
ようやく半分ですね……。

ここから3話は、久々にオーバーロード要素高めです。


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