異世界プロレスinオーバーロード   作:NEW WINDのN

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第55話 準決勝

 準決勝第1試合。本来第2試合と発表されていた武王ゴ・ギンVSリューが先におこなわれている。

 ウォートロールの武王とリザードマンのリューによるシングルマッチ。種族を問わない帝国プロレスならではのマッチメイクだ。そういえば、元々いたリザードマンのゼンに、最近仲間入りした……ハムスタ。種族はジャイアントジャンガリアンハムスター? の4人で異種族タッグマッチもできるようになっているような。

 さて、武王は前回と同じ黒のワンショルダー。リューも同じく変わっていないが、白い鉢巻のようなものをしている。話によればファンからの差し入れらしいのだが。

 

「くそ、何というタフさだ。これだけ攻めているというのにまるで効いていない。これが武王か……だが俺は諦めん」

 リューは、チョップや蹴りといった打撃を繰り出し続けるが、それを武王はあえて受け続ける。以前の武王にはなかった受けの概念。いかに受けて受けまくった上で勝つか、自分の特徴を活かすことを考えた武王の戦法である。須永相手でもなければ回復力もあり、簡単には倒すことは出来ないだろう。それだけの身体能力をもつ、それが武王だ。

 

「もっと強く、もっと強くだ!」

 武王はリューに檄を飛ばす。もっと打ってこい、もっと強く打ってこいと熱く熱く檄を飛ばす。

「行くぜっ武王! これが俺の必殺技だ! くらえ、"斬撃チョップ"!」

 武技を込めた渾身の右の袈裟斬りチョップ! 武王の体が浮き上がり、コーナーポストにまで叩きつけられる。

 強烈な一撃に、武王の体が傷つき、シューという音ともに煙のようなものをあげている。

「そう、これだよこれ俺が求めていたものはこれだったんだ、いい一撃だ」

 傷ついた体は自動的に修復されていく、これがトロールの回復能力である。みるみるうちに傷は塞がり、武王の闘気も回復していく。

「……なんて奴だ、これが闘技場の主……武王の力なのか。やはり真っ向勝負では俺に分はなないか……」

 これが闘技場の試合であれば、はっきり言って勝負はついている。しかし、これはプロレスの試合だ。力だけが勝敗を左右する訳ではないし、受けだけでもない。プロレスは3つカウントを取ればいいのである。それもどのような手段でも構わない、丸め込めでも投げ飛ばすもよし。なんなら3カウントとらず場外で20カウント稼ぐのもあり。それもまたプロレスだ。

 

「立てコラ!」

 武王の腕を引っ張って引き起こす。

「うおおらあっ!」

 巨体を逆一本背負いで投げ飛ばし、そのまま体を預けてフォールするが、カウントは2。まだ余裕で返された。

 

「計算済みだっての」

 武王の両足を掴み、4の字に組むと前方回転してブリッジしてフォール。"4の字ジャックナイフ固め"と呼ばれた返しにくいフォール技だ。

「ワン、トゥ……スリ」

 カウント2.99でフォールを返す。これは武王の腕力を褒めるべきだろう。技は完璧で並の相手なら3つとって決まっていた。

 

「今のは危なかった」

 武王は無造作に片膝をついて立ち上がろうとする。

「逃さん!」

 リューが走る。

閃光掌底(シャイニングフィンガー)!」

 武王の左太腿を右足で踏みつけカチ上げるような左掌底!! 

「おごっ……ぶあっ!」

 掌底の後に回転させた尻尾で追撃。これは種族の利点を活かしたもので、ローリングテールという名称がついている。そのまま体を浴びせてフォール! するもカウントは2.8。

「しぶとい! ならばこれだっ!」

 ジャンプして武王の両肩に乗ると両足で頭を挟み込み、クルリと後方へ回転。武王の股を潜り足をとって丸め込む。リューの隠し技(とっておき)の"ウラカンラナ"が決まった。

 

「ワン、トゥ……スリ」

 これをもカウント2.9で武王は返してみせた。

「なんだとっ?」

 しかし、リューは素早く次に移る。エプロンサイドに立つと、トップロープに飛び乗りスワンダイブで飛んだ。先程と同じように武王の肩に乗りもう一度ウラカン! 秘密兵器……超大技の"ウルトラ・ウラカンラナ"である。

「グヌネッ!」

 武王はそれを堪え、リューの体が宙ぶらりんになってしまった。

「元祖パワーボム!」

 武王は力でリューを持ち上げ、ズドンと真下に突き刺した。

「ぐうっ」

 危険な角度での叩きつけに観客は戦慄する。

「ワン……トゥ……スリー!」

 そのまま3つ入ってしまった。

 

「只今の試合は、14分37秒、14分37秒、元祖パワーボムにより、勝者武王ゴ・ギン!」

 武王が決勝進出を決めたが、笑顔はない。今日はもうひと試合残っているのだから当然だろう。

 

すでに登場しているキャラで今後活躍を期待するキャラは

  • タイガー・ジェット・ティ
  • ライオネス・エンリ
  • ハムスタ
  • ミスターBOバルブロ
  • その他→活動報告へ一言ください
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