準決勝第2試合 タイガー・ジェット・ティ VS 超神・ジーニアス・カイザー・グレート
やたらとムッキムキになったカイザー。彼はパワーアップして超神・ジーニアス・カイザー・グレートになったらしい。ギミックとしてそう設定され、帝国プロレスを管理するツートップに認定された以上は受け入れるしかない。
「頑張れ、頑張れグレート!」
「俺もパワーアップしてグレートになりたいや」
「僕が先だよー。頑張って、グレート!」
甲高い声援が飛ぶ。まず、真っ先に受け入れたのは、カイザーファンの子供たちだった。彼らにとってカイザーは
「チッ、やるしかないのか」
「そういうことだ」
「あんたが誰だかは知らないけど、このリングに立つ意味を知ってて、覚悟はできているってことだよねぇ?」
ティは最後に大事なことを確認する。
「ああ。俺はいつも覚悟を持って戦場に立ってきた。それはこのリングという場所でも変わることはない。俺は超神・ジーニアス・カイザー・グレートとして、タイガー・ジェット・ティ殿との一騎討ちを望む」
「ははっ……なんか、レインに似て堅いねぇ。まあそういうの嫌いじゃないよー」
ティは対峙している疑惑のマスクマンに好感を持つ。武人という言葉がピッタリなこの男に。
「エンリ、この試合しっかりとみておきな」
「は、はい。姉様」
エンリはその言葉の意味を理解する。姉は相手を強敵とみて、凄い試合になるかもしれないから、見逃すな。そしていつかはこれを超えてみろと言いたいのだろうと。
試合開始のゴングが鳴る。
「様子見なんかしないよ」
いきなり右足でマットを蹴り高速で突っ込むティ。グレートもそれに反応する。
「らあああっ!」
ティは易々と懐に飛び込むと、右の正拳突き!
「ぬんおおおおっ!」
それをグレートは分厚い大胸筋でこともなげに跳ね返す。
「なにいっ?」
「お返しだああ」
ブンと大振りな、打ち下ろしの右拳が唸りを上げる。
「なめるなああっ!」
ティはそれをあえて受け、微動だにしない。
「な、なんだとおっ……」
「御生憎様。その程度のしょっぱい打撃には慣れてるんだよっ!」
左足の裏でカイザー・グレートの顔面を打ち抜くトラースキック。グレートの体が大きく仰け反る。ティは側転して右へ移動し、反動をつけたオーバーヘッドキック! エンリと同じ技だが、しなやかさスピード……そしてパワーが段違いだった。
「おごっ……」
顎を蹴り飛ばされ、グレートの膝がガクガクとなる。
「そらっ!」
ティは跳躍し肘を落とす。
「甘いわっ!」
その体を空中で掴み、グレートはそのまま急角度のバックドロップ!
「がっ……」
しかし、ティもただやられることはなく、受け身と同時にくるりと丸め込みフォールへ持っていく。
「なんとおっ!」
カウント2.5ではね返し、そしてすかさず右肘を落とす。
「うぐっ……でもねっ?」
ティはその腕を掴み腕ひしぎ逆十字固めに取る。
「させんっ!」
さっと手をロックし、腕ひしぎをブロックしつつ体勢を修正。体を入れ替えて上になるとぐいっと腕力で持ち上げ、グレートは勢いよく頭からマットへ叩きつける。
「いたっ。なかなかやるじゃん」
ティは技を解いておらずそのまま両足でグレートの頚動脈を締め付ける三角絞めに移行する。
「ぬぐっ……なんというテクニック……これが帝国プロレス……か」
堪えつつ、一気に持ち上げてジャンプ。空中でティの頭を両足で挟み込み、尻餅をつきつつ豪快に後頭部を叩きつけた。以前ジルクニフが、襲撃者に繰り出したエンペラーボムと同型の技だが豪快さで上回る。ジルクニフが、ズバン!なら、グレートは、ズッダーン! ズズン!という感じだろうか。
「これがカイザーボム!」
「がふっ……」
「フォール!」
呻くティをそのまま押さえ込むが、なんとカウント1が入る前に弾き飛ばされた!
「な、なんとっ?」
「だから言ったよねー。なかなかやるよーだけど、その程度は慣れてるんだよ。確かに今までのカイザーと比べたらお前はグレートだよ。段違いのパワーさ。でもね……それはあくまでもカイザーと比べての話なのさ。このリングには、あんたのパワーを上回るやつがゴロゴロしている」
かなりの猛攻だったはずだが、ティはケロリとしている。
「なるほどな。俺は井の中の蛙だったというわけか……ふっ……王国が負けるわけだな」
「おんやあ? 帝国の人じゃなかったのかなー」
ティはおどけつつ、今のやりとりでグレートの正体を確信した。
(なるほどねー。スナっちゃん達も苦労してんなぁ……。ま、私としては楽しめればいいんだけどー)
実際ティはこの試合を楽しんでいる。未知の強者との戦いを。
「……俺は、超神・ジーニアス・カイザー・グレートだ。この帝国プロレスの人間だよ」
これは合格点の切り返しと言えるだろう。
「さて、両者準備体操は終わったようですな」
解説席に座る須永は、ここまでの戦いをそう表現した。そう……まだまだ試合は始まったばかりなのだ。
この話はスピード感を重視した書き方なので、細かい描写を省いてみました。
すでに登場しているキャラで今後活躍を期待するキャラは
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タイガー・ジェット・ティ
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ライオネス・エンリ
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ハムスタ
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ミスターBOバルブロ
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その他→活動報告へ一言ください