「ま、いいけどねー。私のきょーみは中身じゃなく、あんたがどんな戦いをしてくれるかだからさ……ほんじゃぁ、ボチボチ真面目にいくよー」
この言葉にグレートの顔が若干引き攣ったのをティは見逃さない。
(ふーん、向こうは結構本気だったんだなー。まあ、パワーアップしたとかいう設定はどうであれ、コイツはこれがデビュー戦なんだから当たり前かなー。正体は、間違いなくあの男だろーね。いくら強いと言われていてもやっぱりプロレスは特別なんだよ。私もスナっちゃんにボコボコにされたし、あの武王だってやっぱり苦労してるもんねー)
そう、プロレスは甘くない。相手をただ倒すだけの格闘技とはまったく違うのだ。独特な受けの要素や、観客への魅せ方、打撃関節飛びに投げ。あらゆる要素が必要になるから、いくら他の下地があっても順応するのは簡単なことではない。これは実際にティ自身が乗り越えてきた道程だった。剣を極めていたレイン、モンクとしての格闘術の下地があるゼンだって何もせずに今のパフォーマンスを発揮できたわけではない。
「ほんじゃ、ちょっとだけよ」
ティは初公開のウインクをしてみせる。グレートには特に効果はなかったが、観客の数人いや数十人はハートを持っていかれた。
「とおっ!」
助走無しでその場飛びのドロップキック。両足でグレートの胸板をぶち抜き、クルリと後方一回転して着地すると間髪をいれずもう一度とぶ。
「ぬおおおおっ」
ぐっと胸筋に力を入れて受けようとするグレート。しかし、ティの両足は無防備な顔面を蹴り飛ばし、後方一回転に2回転捻りまで加えて着地。さらにバク転を2回決めて距離をとる。軽やかすぎる動きだった。
「ぐふっ……」
ティの真面目なドロップキックの威力でロープにまで飛ばされるグレート。跳ね返ってくるところへ、助走をつけたティがまたドロップキック。ガードを上げ顔面を守るグレートを嘲笑うかのように低空飛行し左膝をズバンと打ち抜いた。
「ぐああっ……」
ティはそのまま呻くグレートの体の下を通り抜け、今度は右足を後ろから捕獲。足を折りたたんで横に回り込みながら、軽々と持ち上げてジャンプする。そのままグレートの右膝をリングへと叩きつけた。
「ぐああああああっ!」
グレートは右膝を抱えながら、のたうち回る。マスクの下の顔が苦悶しているのが離れている場所からもわかる。
「これ、なかなか効くでしょー。スナっちゃんに私もやられたからね」
などと笑顔で話しながら、強烈なストンピングで左膝をガンガン踏みつける。
「うぐあああっ……」
そう、こちらは最初に低空ドロップキックで打ち抜かれたダメージがある。右ばかりかばっていられず、咄嗟に左膝をカバーしてしまうが、それを見逃すティではない。
「よっと!」
その場飛びのフットスタンプ! 両足で右膝を踏みつけ、ヒョイッと軽やかにまた飛び上がると今度は腹部、左膝、腹部、右膝と連続で踏みつけていく。しかも満面の笑みで楽しそうに踏んでいく。軽やかに飛び、強烈に踏みつけ、そしてまた飛ぶ。
「ほんじゃ、ワンツースリーといこっかな」
右膝から飛び上がったティは左腕を踏む。
「ぐあっ!」
「次、ツー!」
今度は右腕!
「スリー!」
最後はなんと顔面を踏みつけ、痛みで跳ね上がったグレートの両足を掴んでエビに固める。
「ワンッ! トゥ! ス」
カウント2.8でグレートが右肩をあげて返す。
「ふーん、まだ元気なんだねー。もう1回する?」
艶めかしくそういうと、グレートの上げた右腕をとらえ、"くの字"にして二の腕と手首を脚で挟み込むとあっという間にキーロックをきめた。パワー重視のグレートをテクニックで翻弄してみせる。
「アグッ……」
「ふふ……そろそろイきそう? いいよーギブアップしちゃっても?」
キーロックの入りは完璧だった。一見地味な基本技だが、痛くない関節技などないし、決まりがよければダメージは強力だ。決まり手になることが少なかったのは、基本技だと思われているからギブアップ出来ないだけのことだ。
「諦めるかあああっ!」
技を決められたままグレートは起き上がり、ティをそのまま持ち上げ、ドンッと後頭部からパワーボムで叩きつけた。
「うっ……」
ティは技を離さない。
「ぬうおおおおおおおっ!」
もう一度ボムで叩きつけ、今度は頭上高く持ち上げて、試合前半でも出したエンペラーボムの同型……を高角度から繰り出す。凄い音を立て、ティの体がマットに叩きつけられた。
「きゃん」
可愛い悲鳴をあげてティが転がる。
「うぐっ……くおっ……」
無理をした代償は大きく、グレートの右腕は力をなく垂れ下がっていた。
すでに登場しているキャラで今後活躍を期待するキャラは
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タイガー・ジェット・ティ
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ライオネス・エンリ
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ハムスタ
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ミスターBOバルブロ
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その他→活動報告へ一言ください