異世界プロレスinオーバーロード   作:NEW WINDのN

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第66話 新たなる流れ

 

 

 初代皇帝認定帝国プロレス王者となったダンディ須永は、武王、カイザーを相手に二度の防衛に成功。そして、ガガーランを相手に三度目の防衛に成功すると、その場でベルトを返上することを表明した。

 

「私はいくらでも防衛する自信がありますが、私がベルトを持っている限りはリング上の景色は変わりませんからな。私はこの帝国プロレスのリングをより活性化し、盛り上げていくためにベルトを一旦返上します」

 自分がベルトを保持するよりも、ほかの選手同士で競いあって高めあって欲しいという考えからの発表だった。

 

「チャンス到来!」

「渡す訳にはいかないな」

 ベルトは、挑戦者決定戦を制したタイガー・ジェット・ティと超神・ジーニアス・カイザーとの間で行われたが、ティが王者決定戦を制し、第二代目帝国プロレス王者となる。

「どうだ。この私が、帝国プロレスのチャンピオン! タイガー・ジェット・ティ様だっ!」

 なお、彼女は初代女王と呼ばれることもある。

 

 ベルトを戴冠したティは、タッグパートナーのレイン相手に防衛ロードをスタート。激戦の末、タイガードライバーで粘るレインを沈め初防衛に成功すると、レインとのタッグを解消することを宣言。

 

「レイン、あんたとは距離を置くわ。今までありがとうねー。悪いけど、これからはエンリと組むから。じゃあねー」

 同時に、正式にエンリとの姉妹タッグを結成することを表明し、タッグチーム名を"2000万クラッシャーガールズ"とした。意味はよくわからないが、なんだかすごく強そうな名前だ。

 

「私達が、このリングを支配する最強チームだよっ!」

「だな」

「はい。頑張りましょう!」

 そしてそれと並行して、ガガーランを加えたトリオでの活動をスタート。帝国プロレス史上初となるユニット、"帝国華激団"を結成する。華があり、激しい戦いで魅せるという意味を込めてとのことだ。

 このユニット誕生により、個人闘争だけではなくタッグやユニット闘争への流れがスタートし、それは徐々に加速していくことになる。

 

「ふざけるなよ? 見返してやるぜ。なあ?」

「ああ。やってやろうぜ」

「だな。おもいしらせてやるぜ!」

 ティとのタッグから解放されたレインは、リザードマンのゼン、リューとのユニット"武人無双"を結成。派手さはないが、堅実なファイトで、一定のファンを獲得する。

 

「ふっ。二人と組めば怖いものなしだ」

「ああ。俺たちの強さ見せてやろうゼ」

「その通りでござるな。このハムスタも力になるでござるよ」

 カイザーは武王、拳王とのユニット"帝王"を結成。人気・実力ともに兼ね備えた最強に近いユニットだ。

 さらに元々タッグ屋だった"オリエンタルエクスプレス"のスメラギ、カスミノも加えて、シングル、タッグ、6人タッグで激しいバトルを繰り広げていた。

 

 

「エンリ!」

「はい兄様!」

 リングに1人残ったリューをロープに振り、エンリとガガーランがそれぞれ別のロープへ走る。場外ではチャンピオンのティがレインを蹴り倒し、その上にゼンをタイガードライバーで叩きつけて、武人無双を分断していた。

「くらえええ!」

「行きます! クロスボンバー!」

 エンリの斧爆弾(アックスボンバー)とガガーランの戦斧爆弾(バトルアックスボンバー)がリューの首を挟み込むように決まり、リューは大きなダメージを受けて崩れ落ちた。

「フォール!」

 エンリが両腕で押さえてカバーする。

「ノー、ダブル」

 トニー・カンレフェリーは二人がかりの技だからとカウントを毅然と拒否。相変わらず強気なレフェリングをみせている。

 

「……なら、こうします!」

 仕方なくエンリは、倒れているリューをうつ伏せのまま軽々と担ぎあげる。

「おおっ!」

 エンリの必殺技がこのクラッチから出ることを熟知しているコアファン達がザワっとする。こういう光景をみると、「慣れてきましたな……」と須永なら思うところだろう。

 

「いきますよー! 水甕クラッシュ!」

 この体勢から前転して相手を打ちつけ、そのまま片足をつかんで背中を預ける。

「ワン! トゥ! ……スリー!」

 新技"水甕クラッシュ"でリューをフォールし、3カウントを奪ってみせた。

「勝っちゃった!」

 タッグとはいえ、実力者のリューから三つ奪ったのは事実だ。ちなみに、フィニッシュ技は、本来はカミカゼと呼ばれた技だが、エンリの水甕シリーズNo2として名前を変更されている。なお非常に紛らわしいが、No1は水甕クラッシャーという名称だ。

 

「やったじゃないか」

 ガガーランとハイタッチを交わす。彼女もエンリを妹のように可愛がっており、エンリも兄様と呼んで慕っている。男扱いというよりも、カッコイイからという意味合いでありガガーランは悪く思っていないようだ。

 

「クソッ、この俺が……」

 拳をマットに叩きつけてくやしがるリューの肩にポンとレインが手を乗せて無言で気にするなと伝える。

「きにすんなよな。小娘にフォールとられたくらいたいしたことないぜ?」

 ゼンがレインの気遣いをぶち壊す。ま、いつもの光景だったりするが。

「たしかにな。バルブロなんてずっとエンリに負けてるしなぁ……」

「おい、レイン。あのバカ王子と一緒にするな……」

 リューは抗議しつつ、肩を落とす。

 

「おい! おい! おい! なーに負けてんだ、このトカゲ野郎!」

 バルブロが珍しく、メイン後のリングに現れた。

 

 

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