クレヨンしんちゃん 邪神オオカマの大逆襲   作:アドルフアニメーション

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もとはpixivにあげてた物なんですが
もう色々あってココに投稿する運びとなりました。


その1

???A「…よくやったわ。あなた達…。」

 

どこだか分からない暗い場所、

そこに、何人かの男女が集っていた。

暗すぎて顔は分からないが、

その中で一人、皆の視線を集める人物が居た。

 

一人だけ離れた位置、やや高めの場所で

堂々と座っている。

はたから見ても間違いなく、コイツがリーダー格だと分かる。

 

???B「はい、ありがたき幸せです。」

 

声質からして細身の男性、と思われる男が言った。

シルエットからしてやや長身に見える。

 

???A「…そちらの手筈はどぉお…?」

???C「ええ~、滞りなく~…。」

???E「滞りなく。」

 

若い女性達の声だ。何人か同様の背丈の女性のシルエットが見える。

 

???D「すでに"入れ換え"は済んでおりますですのでね、はい。」

 

今度は老人の声だ。背丈は幼稚園児並に小さく見える。

 

???A「…ええ、よくやったわ。"アイツ"…、の方は…?」

???F「そちらの方も…、既に…、無論…、"眠らせて"…、おりますので…。」

 

先程とは別の、大人の女性の声だ。声質からして、

20代中盤あたりか?

 

???B「ヤツらが気付いた頃にはもう手遅れ…。フフフ。」

???A「…よろしい…。何もかも、計画通り…ね…。」

???E「それで、オオカマ様…、次は、どういたしますか?

     無論、最終目的は理解しておりますが…、」

 

すると、オオカマと呼ばれたそのリーダー格の人物は、スッと立ち上がり、

出口のある方へと歩き出した。

 

オオカマ「どうするかって…? 決まってるじゃない…? 『あそこ』へ向かうのよ…!

     "幻想郷"で『向かう場所』って言ったら…一箇所しか無いじゃない…!!?」

 

歩いていった先に、扉が見える。

隙間から一筋の光が、暗い室内へと差し込む。

その扉を両手でドンッと押し、扉を開く。

眩しい光がその人物のシルエットを、室内の全員に見せ付ける。

 

オオカマ「"守矢神社"へよ…!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みさえ「小説版:長編クレヨンしんちゃん」

しんのすけ「邪神オオカマの…」

全員「…大逆襲!!!」

 

 

※ここでオープニングが流れます。

曲は読者さんが各々好きなクレヨンしんちゃんの

オープニングテーマ曲を頭の中で流してくれれば結構です。

 

オープニング中のアニメは無論クレイアニメですね。

ここがクレイアニメじゃなきゃあ

『クレヨンしんちゃん』じゃない!

 

今回の作品は、私が…、これ言っちゃうと年齢がある程度

分かっちゃうかもなんですが…、

子供の頃、本当に一番最初の回から、毎週ずっとみていた作品

『クレヨンしんちゃん』と、最近好きな、そして

世界観の好きな作品である『東方Project』の、

2つの作品のコラボレーションです。

 

この作品を作るキッカケになったのは…、

話すと長くなっっちゃうので割愛しますが、

ようは、今の『クレヨンしんちゃん』、特にその映画が

"嫌い"なんです。

 

ですから。

これは私が理想とする、

『クレヨンしんちゃん』の映画はこうあるべきでは?!

という物の体現です。

ですが自分の力だけではどうしても…というので、

『東方』の力を、貸していただきました。

 

とはいっても、これは『クレヨンしんちゃん』を知ってる方々を

基本的に対象にしようと思っております。

 

ですので『東方』が分からない、という方々の為に

出来る限り『東方』の設定を分かりやすく噛み砕いております。

そのせいでもしかしたら、本来の設定とは差異、錯誤があるかもしれません。

まあ、出来る限りそんな事のないよう致したいのですが、

あまりにかけ離れている、という場合は、ご指摘くださいます様、

お願いいたします。

 

話しが長々となりましたが、

あまり長いと退屈でしょう。

もうそろそろ脳内で流していた歌も、終盤でございましょう。

さて、それではいよいよ、ここから本編が始まります。

 

小説版:長編クレヨンしんちゃん 邪神オオカマの大逆襲

 

続きをどうぞ、お楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「んふ~あぁ~ん~っんふあぁ~ッっと!」

 

この日しがないサラリーマン『野原ひろし』は、会社で良い事があったらしく

小粋に鼻唄を歌いながら夕日の住宅街を、

手持ちのカバンを揺らしつつ帰宅していた。

紅い光がひろしの顔を照らす清々しい黄昏時、

今日はきっと冷えたビールがうまいんだろうなぁ~!

と心に思いつつ、ふと曲がり角を曲がった。

ここを曲がれば100mも先、右側には我が家が見える、

いつもであればただ、それだけのはずであった…、

しかし…、

 

ひろし「んふぅ~…、ん…? しんのすけ…?!」

 

ふと見ると、彼の息子である無邪気な5歳児『野原しんのすけ』が

玄関のまさに目の前の路上で『固まって』いた。

 

ひろし「…何やってんだ? あいつ…?!」

 

やや小走りぎみで近付いてみるても息子はピクリとも動かない。

今にも走り出しそうな体勢で、ずっと"凍って"いる。

通常このような体勢なら普通、ひろしが近付いていく数十秒の間に

疲れて体勢を崩してしまう物なのだが、まるでビデオの一時停止ボタンを

押されたまま放置されているかのように、全く微動だにもしなかった。

 

ひろし「…おい! しんのすけ! おまえ何やってんだよ?! お~い! しんのすけ~?!」

 

ひろしがすぐ脇に来て呼びかけても一切の反応が無い。

手を目の前で振っても瞬きの一回もしていない…、完全に『動かない』のだ…。

 

一瞬、青ざめるひろし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…、おっおい…!! しんのすけ!? ふざけるのもいい加減にし…ッ」

ガッ

しんのすけ「…っぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

ひろしがしんのすけの肩をガッと掴んだ瞬間、

『凍り鬼』の逆バージョンがごとく、突然動き出した。

まるで怖ろしい物から逃れるかのように奇声を発し、

まっしぐらに玄関へ走っていく。

 

しんのすけ「うぉおおおぉぉおっ!!! かあちゃん! かあちゃ~んっ!!!」

ひろし「…おい! しんのすけ! どうしたんだ一体!」

 

しんのすけ「…おっ! とおちゃん!」

ひろし「『おっ! とおちゃん!』じゃないだろぉ?! どうしたんだ一体…?!」

しんのすけ「何がぁ?」

ひろし「何がじゃないだろぉ? 玄関先でおまえ固まってたんだぞ?!

    それにいきなり怯える様に走り出して…、一体何があったんだ?!」

 

しんのすけ「お…っ んん~…、 わかんない!」

ひろし「…はぁ~???」

しんのすけ「ん~、なんかに『追いかけられて』いたような気もしなくもないんだけど…、

      よくわかんないゾ。」

ひろし「はぁ~?! なんだそりゃ?!」

 

 

どうも要領を得ないなぁ…、

と、ひろし

子供の言う事だから…、とはいえ、

今目の前で起こった事は、明らかに『奇妙』な出来事だ…。

頼りないこの息子以外の説明者がいれば別なんだが…、

どうやらそういった者もいないらしいな…、

普通、子供が全く微動だにせず固まっていれば、

当然気になって近付いて来るはずだ…。

近所の人であれば心配してみさえに連絡するかもしれないが、

それも無いとなると…、

ん…? みさえ…??!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「おっ おい!? みさえはっ?! みさえはどうした!?」

しんのすけ「お…、知らないぞ? 今オラ家の中に入ろうと…、」

 

言いかけの途中でひろしは玄関のドアに手を掛けた!

どのくらいしんのすけが『固まって』いたかは知らないが、

こんな時間帯だったらシロのさんぽに連れて行く時間は当に過ぎている。

何をやってるのかと玄関先から確認したりするんじゃないのか…?

それで普通は気付くはず…、

それがないって事は…、昼寝をしてるか…、

もしくはしんのすけが『固まって』から、

そう時間が経ってない…少なくとも、

2~3分しか経ってない…とか…、

あるいは…、まさか…、

しんのすけと同じく、

『固められ』ているとか―!?

あるいはそれとも…!?

 

ひろし「―おいっ!! みさえ! みさえーーー!!」

しんのすけ「おぉっ!? とおちゃんどうしたの?!」

ひろし「みさえが気になるんだ―!!」

 

ドアを開きっぱなしにし、

靴を脱ぎ捨てて突進するかのように居間へと駆け抜ける、

しんのすけもあとから急いで追いかける…。

 

ひろし「みさえーーー!! みさ…っ」

 

ふと目に飛び込んで来た光景―、

居間にまるで昼寝をしているかの如く横たわるみさえ―。

背をこちら側に向け、顔は見えない―。

どっちだ…?

ホントに昼寝してるだけか…?

それとも…、まさか…?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…みっっみさえぇー! みさえぇーーー!!?」

 

這い寄る様に駆け寄って体を揺する。

うぅん…、と

唸り声をあげた彼女…。

よかった! 生きていた!

ひろしはひとまず一安心した…、

しかし…、

 

ひろし「…んん…?!」

 

いつもと様子が違う。

いつもと服装が違う…。

みさえが着ている服じゃない…!

確かに顔はみさえそっくりだけど…!?

 

ひろし「みさえはこんな、紅い服なんか普段着ていない…!!

    それにこんな、青紫な髪色じゃない…!!」

しんのすけ「…おぉ!? かあちゃん!? お胸が大きいぞ…?!」

 

後ろからしんのすけも覗き込んで

異常事態に気付いたようだった、

しかし胸の変化に最初に気付くとは…

いかにもしんのすけらしい…。

 

みさえ?「う…うぅ~ん…、」

ひろし「…み、みさえ…?!」

みさえ?「…誰ですか…? あなた達…? 信者の方…?」

しんのすけ「おぉ!? あんた誰…?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???①「…えっ?! 赤ちゃん?! いつの間に妊娠出産?!!」

???②「違いますよ! そんな訳ないですよ! この方別人ですよ別人っ!!」

???①「…でも…、なんで…?」

 

みさえの耳元で誰か2人が話す声が聞こえた。

声からするとどうやら2人とも女性―、

1人は若く、10代中頃か後半くらい―、

もう一人は、10歳未満か、行って10代前半くらい―。

―に、聞こえた…。

 

みさえ「…う…、うぅ~ん…、」

???①「…あっ! 起きた…!!」

???②「あ…、あのぉ…、大丈夫ですかぁ…?」

みさえ「…んん~…??」

 

みさえは半分眠気まなこの目で、

辺りを見回した―。

一緒に居たはずのひまわりは―?

良かった…。自分のすぐ脇で、可愛く寝息を立てている…。

ここは…? どこだろう…??

分かんない―、和風で日本ぽいけど―…

どこだろう…? 神社の中―??

そして…、私に話し掛けてきていた2人…、

 

見た目からして、まあ当然人間である事は間違いない…。

一人は背丈からして中学生後半か高校生くらいか…?

服装は和風だ、が、やや奇抜に見えなくも無い。

緑色の髪で長髪、その髪にはカエルとヘビの

アクセサリーのような物をつけている。

上は白、下は青の、巫女さん風の服を着ているが…、

肩の辺りが大きく露出している…。

しんのすけが見たら興奮しそうな格好ね。

胸も大きし、と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片や見た目は幼児の様で、

背格好もしんのすけの友人のネネちゃんか、行って小学生低年くらい…。

金髪だが、それよりも目立って目に入って来るのは大きな帽子。

○○○と言うんだろうか…、その帽子のてっぺんに、

まるでカエルのような目玉が飾られている。

服装は紫っぽい。

服の所々には、昔何かの教科書で見たような

カエルの柄があしらわれている…。

こういう娘がひまのお姉さんだったら、

と、ふと思った。

 

???①「あのぉ…、大丈夫ですか??」

みさえ「…え、ええ…。はい…。」

 

緑髪の方が話し掛けてきた。

 

みさえ「あのぉ、失礼ですが、ここは…?」

???②「ここは守矢神社の拝殿の中だよ。」

 

みさえ「じ…神社…?! うそぉ! 私入った覚えないわ!

    わたし確か自分の家でお昼寝してて…、

    気がついたらここに…!

    っていうかここって日本のどのなの!?」

 

???②「ふん…、その言動、服装からすると、

     もしかして"外"の住人かな。

     早苗、説明してあげてよ。」

 

カエル帽子が緑髪に向かって言った。どうやら

緑髪の娘は"早苗"という名前らしい。

 

みさえ「あ、あなたの名前、早苗…さんですか?」

早苗「…あっ! すいません! 突然の事で自己紹介をしてませんでした…!

   私は、東風谷 早苗(こちや さなえ)と申します…!

   この神社の"巫女"をやっております。

   そしてこちらの方は、洩矢 諏訪子(もりや すわこ)様です。

   こちらはこの神社の"神様"でらっしゃいまして…。」

 

みさえ「わ…私は、野原みさえ、です…。

    埼玉県春我部市に住む、ごく普通の主婦よ。

    …っていうか、神様…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…か、神様ぁ…!?」

神奈子「そうです。私の名は『八坂 神奈子(やさか かなこ)』、

    幻想郷という所の『守矢神社』に祀られている"神"です。」

 

しんのすけ「ほうほう、それはめでたいですなあ。」

 

目覚めた神奈子はそのまま、その場にアグラをかいて座り、

ひろしとしんのすけに、自身の事を説明していた。

 

ひろし「神様っつったって、本当にあんた神様なのかよ!?

    それに"幻想郷"なんて場所、聞いた事ねえぞ?!」

 

神奈子「まあ当然でしょう。幻想郷がこの世界と簡単に

    行き来できたのは遥か昔の事です。

    ですがその地には昔から、居心地が良いのか、

    多くの妖怪が住み着いて来るのです。

    ですので500年ほど前、とある者が

    幻想郷に結界を張りました。」

 

しんのすけ「ケツ痒いい~??」

ひろし「結界だよ結界! その場所を守る為に張った、

    バリケードみたいなもんだよ。」

 

神奈子「そのとおりです。

    妖怪などの強い力を持った者しか入れない結界ですね。

    幻想郷は、より一層妖怪たちが集まって来るようになりました。

    人間はごく僅か…、妖怪退治を仕事とする者や、

    その家族など…、です。」

 

しんのすけ「えへぇ。なんだか楽しそうな所だぞ~。

      おら行ってみたいなあ~。」

ひろし「バカ言ってんじゃねえよ、人食い妖怪に食べられちゃったらどうすんだよ!」

神奈子「まあ…、今はそういう輩はほとんどいませんが、

    まだ居る事は確かですね。」

 

ひろし「……!」

しんのすけ「ねぇねぇとおちゃん、"やから"ってどういう意味ぃ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諏訪子「そして時は流れ、明治時代になると、

    妖怪などは"迷信"―、この世に存在しない物―と、

    呼ばれるようになったの。

    今まで人間達と、時には恐れられ、時には仲良く暮らしていた

    妖怪が、明治の"近代的な技術や価値観"が入ってくると、

    途端に妖怪は邪魔者扱いされた―。

    ある者は、近代化の波に付いていけず―、

    ある者は、開拓や環境汚染などにより土地を追われ―、

    ますます妖怪が"幻想郷"に来るようになったの。

    …むしろ、『幻想郷以外、居る場所がなった』というべき、かな…。」

 

みさえ「へぇ…、じゃあその"結界"のおかげで、この幻想郷には

    妖怪やあなた達みたいな"神様"がいるってわけね?」

 

諏訪子「まぁ…、厳密には私達は、かなり最近引っ越してきたんだけどね…。」

みさえ「あらそうなの??」

早苗「以前は長野の方に住んでたんですよ? ですからある程度、

   今の"外の世界"の事も分かりますし…。」

 

みさえ「そういえば、私達これからどうなるの?

    この娘―ひまわりのオムツやミルクとか…、それに、

    もうそろそろお夕飯の時間だし…、」

 

諏訪子「んん~… そう言われても…、この幻想郷の結界は、

    そう簡単に人が往来出来るシロモノじゃないしなぁ…。

    そもそも、そうじゃなかったら"結界"の意味ないし…。」

早苗「先程の話には続きがありまして、

   実は妖怪がたくさん来るようになった後に、

   さらに強力な結界が張られたんです…。

   幻想郷に、先程言った開拓や環境汚染といった物が、

   入って来ないように…、そして何より、

   強力な妖怪達が、人間の暮らす"外の世界"に自由に行き来できないように…。 」

 

諏訪子「―だから、みさえさんはそう簡単には、この幻想郷から

    外に出る事―帰る事は出来ない―って事なの。」

 

みさえ「ええー!? そんなぁ!!」

諏訪子「とりあえずは…、ん…?」

 

ふと、右耳を押さえて無言になる諏訪子、

 

みさえ「ど…、どうしたの…? いきなり…?!」

早苗「しー、静かにして下さい。どうやら『神奈子』様から、テレパシーが届いてるようです…。」

みさえ「えっ? 『神奈子』って誰?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少々お待ちください。

そう言って神奈子はしばらく右耳を押さえ、無言になった。

どうやら誰かと、テレパシーか何かで脳内で会話しているらしい。

 

神奈子「…、ふう、どうやらその、あなたの妻―、

    私と瓜二つというその『みさえ』さんは、私の『守矢神社』に居るようです。」

ひろし「ほ、本当か!?」

神奈子「ええ、」

しんのすけ「ねぇねぇ、誰とお話ししてたの?」

神奈子「私の『神社』に同居している"神"です。まぁ、見た目はこの

    しんのすけ君くらいの背丈ですが…。」

 

ひろし「へぇ、神社って神様が1人だけだと思ってたけど、

    2人とかの所もあるんだなぁ~。」

 

神奈子「いえ、明治以降は『合祀』といって、神社にいくつかの

    神が一緒に祀られる事もよくありましたから、

    至ってありふれた事ですよ。まぁ、

    私達は若干、事情が違いますが…、」

 

ひろし「で、みさえの様子は…!?」

神奈子「ええ、至って大丈夫のようです。目立った怪我などもなく健全だそうです。

    ひまわりちゃん、も無事のようですね。スヤスヤと眠ってるようです。」

 

 

 

 

 

 

 

みさえ「…じゃあ、家の方は至って無事なのね?!」

諏訪子「うん、そうらしいね。」

みさえ「よかったぁ~。じゃあ、あとはその私にそっくりっていう

    その『神奈子』さんと私がもう一回、入れ替わればいいわけね?」

 

諏訪子「まぁ…、確かにそうなんだけど…、」

みさえ「え? 何々? なんか問題でもあんの…?」

早苗「ええ、実は…、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「―簡単に帰れないぃ!?」

神奈子「えぇ。」

ひろし「どうしてだよぉ!? あんた神様なんだろぉ?!

    …こう、ちょちょいのちょいっと力を使ってさぁ…、

    その幻想郷に居るみさえを瞬間移動させるとか…、」

 

神奈子「ムリですね。例えばあなた、ひろしさん、でしたっけ…?」

ひろし「あ? ああ…。」

神奈子「例えばひろしさんが、とある密林の奥の原住民の村に行ったとします。

    …そこでひろしさんが、ライターでいとも簡単に火を点けたり、

    携帯電話で写真を撮る…、すると当然、原住民は仰天しますね?

    そこではこの現代の科学力と、原住民の技術は

    人と神の力くらいの差がある、と考えて差し支えありません。」

 

ひろし「…ああ、確かに…。」

神奈子「…ですが、原住民が調子に乗って『あの岩を持ち上げてみろ』とか

    空を飛んで見せてくれ、と言われたら…、」

 

ひろし「ムリムリッ! そんな、なんの準備もなしに…!」

神奈子「…その通りです。重い岩を動かす為には重機が、

    空を飛ぶ為には飛行機などが必要です…。

    なんの準備もなしに出来る事ではありません。

    …それはこの私達、"神"でも同じです。」

 

ひろし「…つ、つまり、その"準備"がないから、すぐには"帰れない"って事か?!」

神奈子「ええ、その通りです。」

ひろし「キッパリというなぁ…。じゃあみさえはどうすんだよ?! それにひまわりは?!」

神奈子「それは大丈夫でしょう、向こうには先程話した『諏訪子』と、

    それに『早苗』がいます。」

 

しんのすけ「それって誰?」

神奈子「私が住んでいる『神社』の巫女です。」

しんのすけ「ほうほう、巫女さん…。巫女さんというからには当然、

      若いピチピチのお姉さんではないのですかな?」

 

神奈子「ええ、そうですね、胸も人並みにありますし…」

 

アハァ~と顔を赤らめて、巫女さんコールをしながら踊りだすしんのすけ。

それを見てひろしはため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みさえ「え~! それは困るわぁ~!」

早苗「ですがしばらくは…、ここで生活して貰うことに…、」

みさえ「なんでよぉ~! そんなにその『準備』には時間がかかるの?!」

早苗「ええ…まあ…、確かに準備自体は…、最低でも1日はかかりますが…。」

みさえ「じゃあすぐに準備してよぉ! さっきも言ったけど、

    ひまのミルクとかオムツはどうすんのよ~!?」

 

早苗「そちらは今、諏訪子様が心当たりがあると言ってましたので…。

   とにかく、ただあなたを"外の世界"にお帰しして、

   神奈子様を連れ戻してくるだけでは、この"異変"は解決しないんです…!!」

 

みさえ「それって、どういう事?」

早苗「つまりですねぇ、今回なぜ、みさえさんと神奈子様が"入れ替わって"

   しまったのかの"原因"が分かってないんですよ…。」

 

みさえ「別にいいじゃない。原因はあとで調べれば~…、」

早苗「そうは行かないんですよ。

   例えば仮に、うまく明日、みさえさんと神奈子様を無事、

   入れ換えてとしましょう。

   ですがまたある日、突然みさえさんと神奈子様が入れ替わってしまったら…、」

 

みさえ「あぁ…、そうね…、確かにそれは困るわ…!」

早苗「でしょう? ですので、その原因が分からないと…、」

みさえ「…じゃあ、その原因を早く調べてよ!

    帰れないと本当に困るのよ…!!」

 

早苗「ええ…、私達も…、神奈子様が居ないと…、

   色々困りますので…。

   とにかくそれも、諏訪子様が今、オムツとミルクのついでに

   そういうのを専門に解決してる方々に頼み込んで来るそうなので…、」

 

みさえ「へぇ~、そんな人達がいたんだ~。」

早苗「ええ、まあ…。」

 

諏訪子「早苗~! ちょっと手伝って~!!」

早苗「…あっ! 噂をすれば…! 諏訪子様が戻って来たようです…!

   は~い! ただいま…!」

 

拝殿を出て行く早苗を見つめるしかないみさえ、

これからどうしよう…?

そう心に思っていると、ひまわりが目を覚ました。

 

ひまわり「…たいあ!」

みさえ「あら~ひまちゃん起きたの~? お~よしよし~…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…はぁ~、困ったなぁ~…、じゃあこれから、どうするんだよぉ?」

 

頭を掻くひろしをよそに、神奈子は依然、冷静そうに言った。

 

神奈子「とりあえずは、あなたたちと『同棲』という事になりますね。」

ひろし「まぁ…、そういう事になるんだろうけどさぁ…、

    なんか調子狂うなぁ~…。

    みさえと同じ顔なのに、そう堅苦しく敬語つかわれるとなぁ~…、」

 

神奈子「…そう、なら、こんな口調ならどお?」

しんのすけ「お~! そんな感じそんな感じ! でももぉっと態度でかくて、

      図々しい感じの方がソレっぽいぞ!」

 

神奈子「へえ、じゃあ…、

    …夕ご飯~? 作るの面倒~! 出前にしてよお~!

    …って感じ?」

 

しんのすけ「おお~! そんな感じだぞ~!」

ひろし「あはは、そうそう、似てる似てる。

    で、夕飯は…?」

 

神奈子「あら、さっき言ったでしょ? 出前よ出前!」

ひろし「…えぇ?」

神奈子「私、料理は早苗に全部任せていたから、ほとんど何も作れないのよ。

    まあ、粥程度でよければ作れるけど?」

 

ひろし「えぇえええぇぇえ~!!?」

しんのすけ「わ~い! 出前~! 出前~! おらお寿司がいいぞ~!」

神奈子「どうせだから特上にしましょうよ。私ここしばらく

    お寿司なんて食べてなかったし~。」

 

ひろし「おいおい~! 金はどおすんだよぉ~!」

神奈子「あら、それくらいこの家の家長であるあなたが払ってよ?!」

しんのすけ「そうだぞひろし! 『ダイコンバナナ』なんだから!」

ひろし「それを言うなら『大黒柱』だろぉ…! トホホ…。」

 

ひろし、ここで大きな損失を被ってしまった。

こんなのが毎日続くのか…?

そう思うと、一層涙がこみ上げて来た…。

 

 

 

 

 

 

さて、こうして、

2人の顔のそっくりな『野原 みさえ』と『八坂 神奈子』が入れ替わってしまった、

謎の異変が始まった訳ですが、

まだまだ話しは序盤。

大きく展開が動くのはもう少し先です。

次回は、入れ替わった2人の、それぞれが巻き起こすドタバタを描こうと思っております。

それでは、次回の続きを、

乞うご期待ください。

 

つづく、

 

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