クレヨンしんちゃん 邪神オオカマの大逆襲   作:アドルフアニメーション

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その2

さて、前回、埼玉県春我部市に住む野原しんのすけ、

その母親の『野原みさえ』と、

幻想郷という、結界に守られた秘境にある神社、守矢神社の

祀神である女性『八坂 神奈子(やさか かなこ)』の2人、

この2人が、入れ替わってしまったという"異変"が起こりました。

2人は、顔はそっくりですが、立場の違う2人…、

そんな2人が入れ替わってしまって、

簡単には元の世界に戻れない、

そんな状況に陥ってしまいました。

さあ、これから2人は、一体どうなってしまうんでしょうか?

 

その続きをこれより、どうぞご堪能下さい。

 

 

 

みさえ「どへぇ~…、どうしたの?! こんなにオムツやミルクがたくさん…!?」

諏訪子「知り合いにこういうのを簡単に取ってこれる妖怪がいるの。

    そいつに頼みにいったんだけど…、うっかりどこのメーカーとかサイズとか

    ってのをアナタから聞き忘れちゃってて…、

    …そしたらアイツ、適当に日本中の全メーカーの全商品を…、」

 

場所は変わって、ここは拝殿の奥、社務所の中の居間。

そこになんと、100点はあるかと思われる、膨大な量のミルクの缶と

オムツの山が積まれていた。

ひまわりはその脇で、腋…、もとい、巫女の早苗と

遊んでもらっていた。

しんのすけとは違う、お姉さんとの遊びが新鮮なのか、

意外と楽しげな様子だ。

 

 

みさえ「へぇ…、まあでも助かったわ。

    これでしばらくは、ここに居ても大丈夫そうね。」

 

諏訪子「要らないやつがあったら言ってね。

    またその妖怪にもとあった所へ返してきてもらうから。」

 

みさえ「にしても、便利な能力を持った妖怪もいるものねぇ…。

    私達もその力で、もと居た春我部に戻れないかしら?」

 

諏訪子「出来るよ。」

みさえ「…ってえぇえ!?」

諏訪子「私がその妖怪の所に行ったのはね、

    無論、ミルクとかオムツの件もそうだけど、

    ソイツにアナタをもと居た場所に…、そして、神奈子を

    この幻想郷に連れ戻せるように、頼みに行ってたの…。

    無論、この"異変"が解決したら、だけど…。

    まあ…、もしかしたら、今回の事件の

    "首謀者"かもしれない…ってのもあったんだけど…。」

 

みさえ「首謀者…?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諏訪子「そう! じつはソイツ、人食い妖怪で、

    時々外の世界で"神隠し"をやってんのよ。」

 

みさえ「"神隠し"って、あの人が突然いなくなっちゃうっていう…?」

諏訪子「…そう。でね、時々そういった人間をこっそり連れてきて

    文字通り"喰って"るらしいの…!

    彼女、この幻想郷の"結界"を張った張本人だから

    そういう事も簡単に出来ちゃう、ってわけ!」

 

みさえ「なるほど…、でも物騒ねえ…。」

諏訪子「まあ、大抵は若い男性がターゲットだから、

    アナタみたいなオバサンは大丈夫…、」

 

みさえ「おば…っ オバサン…!?」

早苗「ひゃあぁぅんっ! ダメですッ! ダメですぅ!」

ひまわり「んむぅ~、」

 

オバサン、という言葉にキレかかったが、

そのタイミングを見計らうかのように、

早苗が可愛げな悲鳴をあげた。

見ると早苗の胸に、ひまわりが吸い付いている。(無論服越しだが、)

 

早苗「ひまわりちゃん…ダメです…! 出ません…! 出ませんって…!」

ひまわり「んむぅ~ん…(チューチュー…)」

みさえ「あらあら…、お腹がすいたのね?

    そういえばもうご飯の時間か…、

    話しの続きは食事の後ね…。」

 

諏訪子「早苗~、私もおなかすいた~! なんか作ってよ~!」

早苗「はい、ただいま…、」

 

胸元をちり紙で拭きつつ応答する早苗。

 

みさえ「あら、なら私が作るわよ?」

諏訪子「え? 本当!?」

早苗「だ…ダメですよそんな…! 一応お客様みたいなものですし…!?」

みさえ「あら遠慮しなくていいわよ。

    これでもアタシ主婦なんだから、それに、

    しばらく居候するのに何もしないなんて、

    それこそ失礼よ。それに、

    ひまのミルクも作らないといけないし。」

 

諏訪子「じゃあ、お言葉に甘えてそうして貰いなよ!

    早苗も、家事を少し休めて楽じゃん!」

 

早苗「で…、ですが…。」

みさえ「…ねぇ、台所って、どっち?」

早苗「あ…っ! こちらの方です…!」

諏訪子「じゃあ、ひまちゃんは私がみてるね~。」

 

そういって諏訪子は、また右耳を押さえる。

どうやらまた、神奈子と通信するらしい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…じゃあ、その『八雲 紫(やくも ゆかり)』っていう

    妖怪は、この事件とは関係なかった、って事か…?」

神奈子「ええ、そうね。先程、諏訪子からの2回目の通信では

    彼女は今回の"異変"について、

    何ら関与していない、という事ね。」

 

居間のテーブルを囲んで、特上寿司をほうばりつつ

神奈子は説明した。

話しながらも神奈子は、トロとかウニとかの、

高い物をほうばっていく。

無論しんのすけも同様だ。

おかげでひろしは、やすいタマゴとかカッパ巻きしか食えない…。

 

神奈子「ええ…、紫は、先程も言ったけど…

    幻想郷の結界を張った張本人、だから

    外の世界を自由に行き来出来る。

    そして彼女はとても『イタズラ好き』なのよ。

    だから今回の"異変"も、彼女の『イタズラ』が

    原因じゃないかって思ってなんだけど…、

    どうやら違ったようね…。」

 

ひろし「じゃあ、この"異変"の原因は、いまだ分からない…って事か…。」

神奈子「ええ…、先程言った、

    解決屋の2人の成果を待つしか、ありませんね…。」

 

ひろし「でもよお…、ってこら! しんのすけ! イクラとかばっか食ってんじゃない!」

しんのすけ「え~だってぇ~!」

 

神奈子「まぁまぁ…、彼も子供なんですから…、」

ひろし「いいや! そうやって甘やかすのは良くない!

    みさえなら今頃、グリグリ攻撃をお見舞いしているな!」

 

神奈子「グリグリ攻撃…?」

ひろし「こう…、両手をグーにして、しんのすけのコメカミの辺りを中心にこう…

    グリグリ~っと…」

 

神奈子「ほう…、面白そうね、どれ、じゃあ私も…、

    躾の一環として…!」

 

しんのすけ「ひぃ…! 助けて~! 妖怪長話しオババ~!!」

神奈子「ババアじゃない! こう見えても肉体的な年齢は20台くらいよ!

    それに妖怪じゃなくて私は神!!」

 

ひろし「あっはっは…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諏訪子「うわぁ…!」

 

諏訪子は目を輝かせた。

無理もない。いつも早苗が作るのとは違う、かつ、いつもより

豪華そうにみえる品々が並んでいたのだから。

 

諏訪子「スゴい…! ナニこれハンバーグ!?」

みさえ「豆腐ハンバーグよ。

    豆腐を混ぜてボリュームを増して、肉汁も逃がさないの。」

早苗「スゴいです! 勉強になります!」

諏訪子「こっちはカラアゲ?!」

みさえ「これも半分はオカラなの。それに油も少なめで

    フライパンで揚げてるから家計にも優しいし…、」

早苗「スゴいですねぇみさえさん! あとでレシピ教えて下さい!!」

みさえ「もちろんよ。じゃあ今度は一緒に作らない?」

早苗「ええ…! 是非! お願いします!」

諏訪子「いやぁ…、こんな光景みてると…、やっぱ

    神奈子とは全然違うなぁ~って…。」

 

みさえ「あら、そういえば、その神奈子さんってどういう方なの?

    私と顔がそっくりって事しか知らないんだけど…、

    出来れば教えてくれない??」

 

諏訪子「そうだね~…、まずは、私との馴れ初めはんだけど…、

    今から1000年以上も前になっちゃうね、」

 

みさえ「ええ!? そうなの!? 諏訪子ちゃんそんなに歳とってたの!?」

諏訪子「へへ、よく言われるけど、これでも子供も産んだことあるんだよ?!」

みさえ「ええ~!? 見えないわ~!! うらやましい…、」

諏訪子「まあ、神様だからね私達。

    …それでね、私は昔、今の長野の辺りを統治していたんだけどね?

    神奈子はそこの国を攻めてきた、"侵略者"だったのよ!」

 

みさえ「ええ~!」

諏訪子「まあ…無論、そうなると"戦争"になっちゃって、

    でも神奈子の方が力が強くてね~…、私は負けちゃった、ってわけ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諏訪子「…んで、仕方なく国を明け渡したんだけど…、

    私も故郷を離れたくなかった、っていうのかなぁ…?

    そのあと私達は、ケンカしながらも仕方なく、同じ場所で

    共存してくしか無かったというか…。」

 

みさえ「ふ~ん…、それで、現在まで至る…って事…?」

諏訪子「まあね~、でもホラ、よく『ケンカするほど何とやら』とかって

    言うじゃん? なんというかさあ、最初の方こそそりゃあ、

    旧統治者と侵略者って関係だったけどさ…、

    今はなんと言うか…、

    女同士でこう言うのも変だけど…、

    "良き伴侶"…って感じかな~…??」

 

みさえ「ふぅ~ん…、でも、それもアタシは"有り"だと思うわ。」

早苗「でも、今でも些細な事でケンカしますよね? こないだも確か…、」

諏訪子「ちょっ…やめてよ~! せっかく良い雰囲気だったのにぃ~!!」

みさえ「そういえば、早苗さんはどういう関係なの?」

 

早苗「私は…、実を言うと、この諏訪子様の、遠い子孫に当たります…。」

みさえ「へぇ、そうなの?」

諏訪子「うん、それでね、彼女は風とか雨とか、天候を操れる人間なのよ!」

みさえ「へぇ~! すごいじゃない! それって…!」

早苗「いえいえ…、現代ではそう、あまり役に立たない能力ですよ…!」

みさえ「そんな事ないわよ~!

    お洗濯とか突然の雨を気にする必要もないもの…!」

 

早苗「まあ…、確かにそのくらいは役に立ちますが…、」

諏訪子「それで、早苗は立派な"人間"でありながら、

    同時にその能力から"神"と呼ばれていたの…!

    だから、私達と一緒にいる! ってわけ!」

 

みさえ「へぇ~…、そうなんだ~。

    あっ! そういえば、ここ、幻想郷へはつい最近来たって言ってたけど、

    それはなんで?」

 

早苗「そ…、それはですねぇ…。実は…、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しんのすけ「お新香ぅ?」

神奈子「それを言うなら"信仰"、信仰よ。」

しんのすけ「信仰って何…?」

 

場所は変わってここは湯船の中。

しんのすけは神奈子に抱きかかえられて

湯に浸かっていた。

大人の目から見ればかなり良いシチュエーション、

幼稚園児だからって羨ましいポジションだ。

 

 

神奈子「ようするには、神々にとっての"食料"みたいなものね…。

    皆が神社に来て手を合わせてくれる、

    願いを掛けてくれる、時々集まってお祭りをしてくれる…。

    そういった物が、我々にとっての"食料"になるのよ。」

 

しんのすけ「ほぉ~…、そいつは、妖怪ケツデカ三段腹オババの

      母ちゃんが聞いたら喜びそうですなぁ…。

      毎日3日坊主のダイエットもしなくて済むゾ!」

 

神奈子「ハハハ…、いや、でも逆を言えば、

    皆が"信仰"してくれなくなれば、滅びるしかない運命、とも言えるわ…、

    …現に私達も、そうなりかけたわ…。」

 

しんのすけ「何で?」

神奈子「さっきも言ったが、現代化の波…、かな。

    人々は"科学"を信じる様になり、我々を…、

    神の力を信じない様になってしまったのだよ…、

    …しんのすけは…、」

 

しんのすけ「んもう…、もっとなれなれしく、

      オラの事は『しんちゃん』って呼んでぇ~ん!」

 

滑稽にいやらしく、クネクネと、顔を赤らめながら言う。

 

神奈子「…そうね、…しんちゃんは、神社へは行くの?」

 

しんのすけ「ん~…、たま~~~に。」

神奈子「でも、私みたいな神様を増やしたくはないだろう?

    神様がおなかをすかせて飢え死にする所なんて、見たくないでしょう…?」

 

しんのすけ「ん~…、まあ、確かに…、おらイヤだぞ!」

神奈子「…じゃあ、近所の神社には、毎月行くのよ、そうしないと

    しんちゃんの近所の神様が飢え死にしちゃうからね。」

しんのすけ「ほ~い!」

神奈子「じゃあ、指きり。」

2人「指きり拳万、ウソついたら針千本…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「…それでね、私は、早苗や諏訪子が

    飢え死にして欲しくない! そう思って、

    背に腹は変えられない…! と決心して、

    もと居た長野から幻想郷に行ったわけなのよ…、

    …無論、もといた所の民の事も心配だったけど、

    それよりも2人への愛…というのかな…?

    そんな感情の方が強くて…、」

 

しんのすけ「うぅん…、オラもう熱いぞ…! 限界~…!」

神奈子「おお…、そうだったわねゴメンゴメン…!」

 

湯船から上がり、脱衣所で体を拭きだす。

と、しんのすけがジロジロと神奈子の肢体を眺める。

 

神奈子「…ん? どうしたの? しんちゃん?」

しんのすけ「…そういえば、やっぱり母ちゃんより、デカいぞ!」

神奈子「ん…? 何が?」

しんのすけ「お胸が!」

神奈子「ああ…、まあね。私も、伊達に"神"を名乗ってないからね~。

    このくらいのボリュームがないと、

    "神"としての『威厳』がないでしょ~?」

 

若干ご機嫌そうに言う。

まあ、大きい胸の事を言われて、こうならない女性は居ないだろう。

 

しんのすけ「それに、母ちゃんとは違って、腹も三段腹じゃないし…」

神奈子「まあ。先程も言ったが私は、肉体年齢的は若いからね。

    腹なんてたるんでないわ!」

 

しんのすけ「…それに、母ちゃんはオマタのお毛々ボーボーなのに

      …全然ないぞ…!!」

 

咄嗟に顔を赤らめつつタオルで隠す神奈子。

 

神奈子「…って! ドコ見てんのよ!?」

しんのすけ「ねえ、なんで~?! なんで~?!」

神奈子「いや…なんでって…、まあ…"神"には必要の無い物…だからよ…!」

しんのすけ「えぇ~!? じゃあ母ちゃんは、必要ない物がオマタにあるの~!?」

神奈子「いや…なんというか…、

    まあ…一応生理的な理由では必要なんだけど…、

    神にはその…なんというか…ゴニョゴニョ…」

 

神奈子、こういう下トークは苦手なのか、

一層顔が赤らみ無言になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しんのすけ「…ほほう、どうやら神奈子は母ちゃんと違って、

      こういうのが苦手なようですなぁ…。」

 

神奈子「ば…っ そ…っ そんな事は…!」

 

再びあの、いやらしいアハァ顔を見せるしんのすけ。

明らかに何かを『企んでる』顔だ…。

 

しんのすけ「よ~し、それではオラの、

     『演歌の放送』を見せてやるぞ…!」

 

神奈子「んん…? それを言うなら、多分『伝家の宝刀』でしょ…?

    一体何を…?」

 

と、言いかけの途中でタオルを腰に巻いたまま

居間の方へ走っていくしんのすけ。

居間の方でひろしが

うわぁ! 何やってんだしんのすけ?! と

叫んでるのが聞こえた。

そしてすぐに戻ってくる。

一見すると、見た目に変化は無い…。

 

神奈子「どうしたの? しんちゃん…? 一体何を…??」

 

バッ!!

お前は一昔前の痴漢か何かか!

と言うかの如く! しんのすけは

自身の腰に巻いていたタオルを開いた!

そこには当然股間!

まあ、子供のソレなのでタカが知れてるが…、

しかし! それだけでは芸が無い!

なんとその股間には、鼻以外の描かれた

青いゾウさんが…!!

無論、鼻の部分はしんのすけのアレである…!!

 

神奈子「…ってうゃあぁあっ!!?」

しんのすけ「そ~れそれそれ~! ゾ~ウさん! ゾ~ウさん!」

神奈子「わぁあぁああっ!! やめ…っやめなさい…!! お下品ですよ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

しんのすけ「良いではないか~! ぶレンコン~ぶレンコン~!」

神奈子「ソレを言うなら『無礼講』…って! 本当に無礼ですよ! 止めなさい…!!」

しんのすけ「そんなに恥ずかしがって言っても説得力ないぞぉ!?」

 

ひろし「…おいおい! さっきから何騒いでんだ!?

    次はオレが風呂に入る番…、」

 

ここは脱衣所、しかもさっき風呂を出たばかり。

しかも今の今までしんのすけのゾウさん踊り攻撃を受けていた!

当然、神奈子に服を着るヒマはない…!

無論、ゾウさん踊りをしていたしんのすけも同様だが…。

必然、↓こうなる。

 

神奈子「ッキャアーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

ひろし「ってワァアアァアアアァァア!!?」

しんのすけ「…おぉ! 父ちゃん変態!!?」

神奈子「キャアーーー!!! キャァアーーーーーーッ!!!」

 

目に付いた近くにある物をなりふり構わず投げつける神奈子!

飛んでくる物を避けつつ、急いで脱衣所から退出するひろし。

 

しんのすけ「おぉ! 父ちゃん特したなぁ! 裸が見れて。」

ひろし「してねえよ! ってか見てねえよ! ちゃんとタオルで隠れてたから…!」

しんのすけ「やっぱり見たんだあ…?」

ひろし「うぅ…!!」

 

神奈子「…しんちゃ~ん…!!」

しんのすけ「…お? なぁに? 神奈子~?」

神奈子「…、服…、取ってくれぬか…?

    …勢い余って…、そちらに投げてしまった…。」

 

見るとパジャマや下着…、

一応みさえの物だが…、胸のサイズは間違いなく合わないだろうな…。

が、散乱していた。

急いでそっぽを向くひろし

 

ひろし「…ほっほら! しんのすけ! 拾って持ってってやれ…!!」

しんのすけ「ほっほ~い!」

ひろし「…はぁ、初日からこんなんじゃ、先が思いやられるぜ…。」

 

深くため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みさえ「いや~…、お風呂までいただいちゃって…、なんだか悪いわぁ…。」

 

風呂上りに浴衣を着て、みさえが社務所の居間へ上がった。

ひまわりは既に先に諏訪子と一緒に風呂に入ったらしく、

かわいい浴衣姿で諏訪子とたわむれている。

 

みさえ「あら? 早苗ちゃんは…?」

諏訪子「ああ、さっき寝室の布団を敷き終わって、多分今お風呂だと思うよ?」

みさえ「お布団くらい、言えば手伝ったのに…、」

諏訪子「いいのいいの、早苗の仕事なんだから。」

みさえ「でも、これからしばらく同棲するのに…、なんだか悪いわぁ…?」

 

ひまわり「たいあ! うんにゃあ!」

みさえ「…それにしても、本当によくなついてるわね~。

    すごいご機嫌…、子供の扱いになれてるのね~。」

 

諏訪子「まあ、さっきも言ったけど、私は子供産んで育てた経験あるしね。

    伊達に1000年以上も生きてないからね。

    子供の扱いは完璧…! とまではいかなくとも、

    そこらへんのママよりかは、経験は上の上…ってとこかな?!」

 

みさえ「ありがたいわぁ。ひさしぶりに子育てが楽になった感じで…。」

諏訪子「私も、久しぶりにこういう経験できて嬉しいからね。

    一番最後にこういう経験したのは、早苗の小さい頃だったかな?」

 

みさえ「あら、早苗ちゃんの?!」

諏訪子「うん。」

みさえ「あらじゃあこの浴衣とかも?」

諏訪子「まあ、半分はそうだね。

    他にも昔は、遠い所から子連れで参拝に来てくれて、

    一泊して帰る信者も居たから、それ用のもあるし…、

    とにかく、ひまちゃんの着替えには困らないのは確かね!」

 

みさえ「ねえ、早苗ちゃんの小さい頃って、どんなのだったの?」

諏訪子「聞きたい?」

みさえ「ちょっと知りたいなぁ~。 教えてよ~!」

諏訪子「ん~、そうだね~…、早苗はねぇ~、小さい頃は…、」

 

居間から明るい笑い声が漏れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…やや時間が進み、同じく社務所の寝室。

 

そこには、談笑中に眠くなってきてしまったひまわりを寝かしつけて、

一緒に寝てしまった諏訪子がいた。

2人とも、かわいい寝息を立てている。

そっと部屋の明かりを暗くする早苗。

 

みさえは、ひまわりのすぐ隣、そして早苗と隣の…、

つまり真ん中の布団で寝る事になった。

布団にもぐりつつ、ヒソヒソと早苗とおしゃべりする。

 

みさえ「…真ん中の布団かぁ…。真ん中って私、滅多に寝た事ないわぁ。」

早苗「その場所は神奈子様のお気に入りの場所なんですよ。

   神奈子様ってそういうのがお好きで…。」

 

みさえ「ふぅん…、にしても…、どうして私達『入れ替わっちゃった』んだろう…?」

早苗「さあ…、私には検討も…、」

みさえ「早苗さんは何か心当たりはないの?

    この幻想郷は、スゴい力を持った妖怪とかもいるんでしょう?

    こういう事が出来る人も、1人か2人いるんじゃない…?」

 

早苗「…そうですね、一番考えられるのは、先程言った、八雲 紫さんですが…、

   彼女は今回の件には一切、関わっていないそうですし…、

   …それに、しんのすけ君…でしたっけ…?」

 

みさえ「…あぁ! そういえば! 玄関先で『固まって』たって言ってたわ…!!」

早苗「そうですね。そういう『人を固める』ような程度の能力を、

   紫さんは持っていませんし…、」

 

みさえ「じゃあ、そういう能力を持った人は、居ないの…?!」

早苗「いえ、例えば氷の妖精、チルノさんは…子供くらいの背丈でしたら

   凍りつかせる事も可能ですが…、文字通り『凍りつかせ』るので、

   今回の『固まってる』という状況には当てはまりませんし…、

   十六夜 咲夜(いざよい さくや)さんという、時間を止められる程度の

   能力を持った方もいらっしゃいますが…、

   彼女は『自分以外の周りの時間』を止められるだけで…

   …今回のような『特定の個人』を止める力はありませんし…、

   …正直言って、私には、検討も付きません。」

 

みさえ「…そう、」

早苗「そう落ち込まないで下さいよ…!

   そういう"異変"を解決する為に『解決屋』の2人が今、

   頑張ってくれてると思いますから…!!」

 

みさえ「ねぇ、そういえばその、『解決屋』ってどういう人達なの…??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「そうですね…、一人は『博麗 霊夢(はくれい れいむ)』さんと言って、

   こことは別の、幻想郷の端にある神社の巫女さんをやってます。

   お金にがめつくて、ややなまけ癖がありますが…、」

 

みさえ「えぇ~! そんなんで『解決屋』なんてつとまるの~!?」

早苗「霊夢さんも、やる時はやってくれる方なんですよ? 安心して下さい。」

みさえ「へえ~ぇ、…それで、もう1人は?」

早苗「もう1人は『霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)』さんと言って、

   彼女は"魔女"なんです。ちょっと正確が悪くて、

   借りた物をなかなか返してくれませんが…、」

 

みさえ「何よそれ~、2人とも問題ありじゃな~い…!

    そんなので『解決屋』がつとまるの?!」

 

早苗「いえ…、実際に色々と"異変"を解決してますし、

   確かに人としてはアレかもしれませんが…、実力の方は…!」

 

みさえ「でもねぇ…、」

早苗「…私も、神奈子様とみさえさんが入れ替わる今回の"異変"じゃなければ…、

   お2人のお手伝いに伺ったのですが…、」

 

みさえ「あら、そんな…、ごめ…」

早苗「…いいんですよ! 謝らなくて…、それに、多分2人なら…

   私が居なくても、きっと解決してくれますよ…。」

 

みさえ「そうだといいんだけどねぇ…、」

諏訪子「…んねぇ~…、何ヒソヒソ話してんの~?

    眠れないじゃな~い…、ひまちゃんも起きちゃうよぉ~…?」

 

みさえ「ああ…! ゴメンゴメン…!!」

早苗「お…おやすみなさ~い…!」

諏訪子「ん、おやすみぃ~…。」

みさえ「おやすみなさい…。」

 

天井を見上げるみさえ、とりあえず『おやすみなさい』とは言ったが、

やはり若干心配だ…。

 

この"異変"は、いつ解決するんだろうか…?

いつまでここに居候するんだろうか…?

…そして、夫のひろしや、息子のしんのすけは…、

無事に、やってるだろうか? と…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…はぁ!? こ、これがオレ達の…、朝飯…?!」

 

さらに時間が進んで、今は朝。

見るとキッチンのテーブルの上には、

コンビニのオニギリとかサンドイッチとかの品々が

大量に並べられていました。

 

神奈子「ええ、そうよ…?」

ひろし「そうよって…、まあ昨日『料理が出来ない』って事は聞いたけどよぉ…、

    一体どうやってこんなに大量の…?!

    …それに、これ買うお金はどうしたんだよ~!?」

 

ええ、それなら…、

と言って、おもむろにポケットの中を探る神奈子、

スルッっとポケットの中から、1つの茶封筒を取り出す。

 

神奈子「これです。」

ひろし「え? 何それ?」

神奈子「おそらく、みさえさんの"へそくり"よ。」

ひろし「はぁあ?!」

神奈子「背に腹はかえられないから使わせてもらったわ。

    外の世界には『コンビニエンスストア』という、便利なお店が

    あるって早苗に聞いてたから、そこに行って適当に買ってきたわ。」

 

ひろし「いや、それもそうだけど…、よく"へそくり"なんて見つけたなぁ…!」

神奈子「ふふん…、私は"神"なのよ…? これくらい程度の事なら、

    勘ですぐに分かったわ…!!」

 

ひろし「…で、いくら使ったんだよ…?」

神奈子「確かここに、レシートが…、」

 

ひろし「…げっ!!?」

 

ご想像にお任せするが、そこには通常、コンビニで買い物する際には

滅多にお目にかかれないような金額が書かれてあった。

デパートでの買い物なら、分からなくでもないが…、

 

ひろし「あちゃあ~…、こんなに使い込んで…、

    きっとあとで怒られるぞぉ~…?!」

 

頭を抱えるひろしをよそに、オニギリをほおばるしんのすけと神奈子。

のん気なものである。

 

しんのすけ「父ちゃん! 早く食わないと、遅刻するぞ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひろし「…それじゃあ、会社に行ってくるけど、

    神奈子さんはあんまり、その"へそくり"を使わないように…!!」

 

スーツ姿になったひろしが注意する。

しんのすけも幼稚園の格好だ。

 

神奈子「そう? 一応、ひろしへのお昼代をと思ったんだけど…、」

 

と、1000円を手渡そうとする。

 

ひろし「いやいや大丈夫だって! 2~3日分のお昼代くらいは、

    オレの財布にあるから…!

    …だから神奈子さんは、もうあまりそのお金を使わないように…!!」

 

神奈子「ふむ、それはちょっと…ムリね。」

ひろし「へ? なんで?!」

神奈子「いや…、その…、ホラ…、昨日、みさえさんの下着…を、

    貸してもらったけれど…、

    上はキツいし…、下は…大きくて…、その…、

    か…買いに…行かないと…。」

 

顔を赤らめる神奈子。やはりこういう話は苦手らしい。

 

ひろし「か…、買いにって…、じゃ…じゃあ…昨日…っていうか…今も…?!」

神奈子「…つ、付けてない…、」

 

ひろしにも赤面が伝染する…。

若干気まずい雰囲気…。

 

しんのすけ「とおちゃん、遅刻するぞ…!」

 

ナイスタイミング!

しんのすけにしては気の利いた言葉だ!

この言葉に2人はバッっと互いに背を向けて、

それぞれ呼吸を整える。

 

ひろし「…じゃ、じゃあ…、行ってきま~す…。」

神奈子「い…、いってらっしゃい…、」

 

ひろしは振り返らずに、一目散的な勢いで靴を履き、

出勤していった。

 

しんのすけ「んまったくもう…! 不倫は良くないですぞ!」

神奈子「ふ…不倫じゃないわぁ!! 不倫じゃあ…!!!」

ひろし「…って!! おいしんのすけッ!!!」

 

ガチャッっと玄関を開けて、血相を変えてひろしが戻ってきた!

 

しんのすけ「んもう! なぁに父ちゃん!? さっきから?!」

ひろし「今…! 幼稚園バスが…、行っちまった所が見えたぞ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「…まったく! 迎えのバスがあるんだったら早く言いなさい!」

しんのすけ「ほ~い!」

神奈子「私はてっきり、ひろしと同様に歩いて幼稚園に行くものだと…!」

 

自転車をこぎながら文句をいう神奈子。

片手には町内の地図を持っている。

 

神奈子「…まったくもお…! 私が自転車をこぐハメになるとは…!」

しんのすけ「…お! かあちゃんはいつも、この道を曲がって…、」

神奈子「地図を見るとそっちよりも…こっちをまっすぐ行った方が

    速いんです…! 飛ばすわよぉ…!!!」

 

さすが"神"というところだろうか、

常人離れしたスピードで幼稚園へと向かって行く。

 

しんのすけ「お…?」

 

ふと、しんのすけの目に、細い路地が見えた。

2つの住宅の敷地の壁と壁の間の、狭い路地…、

大人には窮屈そうだろうが、子供…、

しんのすけ並みの子なら、簡単に入れそうな路地が…。

 

神奈子「…ん? どうしたの? しんちゃん…?」

しんのすけ「ん~…、なんでもないゾ!!」

 

若干気になりましたが、

まあ、気のせい気のせい、と思い、

そう返答したしんのすけ、

 

…お察しの方もいるでしょうが、

この路地…、そう…、『フラグ』、なのです。

 

こうして2人は、幼稚園へと向かい、

その後、神奈子は自分の下着を買いに行くのですが…、

外の世界で2人がこんな事を繰り広げてる頃、

幻想郷の方でも、みさえ達も色々と、

苦労をしておりました…。

 

次回は、その、みさえ達の方を中心に

そのお話しを進めていこうと思います。

それでは、次回の続きを、

 

乞うご期待ください。

 

 

つづく、

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