クレヨンしんちゃん 邪神オオカマの大逆襲 作:アドルフアニメーション
さて、前回、人質となっていましたが、
無事に脱出した、東風谷 さなえ、洩矢 諏訪子、
野原 みさえ…その娘の、ひまわり、
そして、彼女達を助けた、射命丸 文…の一行は、
彼女達を助けに、かつ、邪神『オオカマ』と
その四天王を倒すべく、山を登って来ている
八坂 神奈子と野原 しんのすけの一行と合流する為、
密かに神社を抜け出しました。
果たして彼女達は、無事、合流する事が出来るのでしょうか?
また、そんな、逃げた人質の事が、
そう長い時間、バレないはずはありません…。
バレてしまったその時…果たして邪神『オオカマ』達は
どのような手を打ってくるのでしょうか…?
この物語も、いよいよ中盤戦…!
その続きをこれより、どうぞご堪能下さい。
山の麓、しんのすけ達が、先程までいた場所。
???①「ハァ…ハァ…、やっと…着いた…!」
???②「ここが…今…戦場となっている…"お山"ね…!!?」
???①「あとは…ここを登って…頂上まで…行けば…!!」
???②「道のりは長いけど…、そんな事では…あきらめない…!!」
???①「でも…、今日は…ドアにはさまれたり…、
空からチルノが降ってきたり…、ついてない…、」
???②「ダメッ!! そんなマイナス思考な事言っちゃ…!!
そういう考えだから私達…のし上がれないのよ…!!!」
???①「そ…そうだね…、そんなんじゃダメだよね…よおし…!!」
???②「そうそう…! プラス思考…! プラス思考で…!!」
???①「よぉし…! そうと決まれば…早速、登ろう…!?」
???②「そうね…、この"登頂"はある意味…、
栄光への階段よ…! そう…"人気"という名の階段…!!」
???①「だったら…あきらめない…!!」
???②「"秋"だけに…"あき"らめない…!!!」
???①「あっはっは…、ダジャレ~??」
???②「ええ、一応…ゲン担ぎ…みたいな所もあるけど…。」
???①「いわゆる『言霊』ね?」
???②「ええ…、『言霊』の力を借りて…いざ…進みましょう…!!!」
???①「私達の…! 主人公という…夢の未来の為に…!!!」
2人「私達…! 秋し……ッ!!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロッ!!
2人「ムギャンッ!!?」
巨大!!!
四天王が一人『タマヌシ』が上に乗って操っていた巨大な…!
5メートルはあるかという巨大なタマの…下敷きに…!!!
タマヌシ「んん…?? 何か踏みましたかね…??
と、それよりも…、どうやらもう、麓の方には…、
アイツらはいないようですね…。
…仕方ない、今度は、山頂へと登る"参道"の方を…
探してみましょう…!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ッ!
???①「う…、うぅ…、」
???②「何で…私達…こんな…??」
アリス「魔理沙ーーーーーーーーーーーーーッ!?? どこーーーーーーーーーーーーッ!!!???」
2人「ギャイン…ッ!!!??」
悲惨!!
なんと今頃! あの惚れ薬を飲んで、暴走してしまったあの
アリス・マーガトロイドが…!!
暴走列車の如く…2人を跳ね飛ばした…!!!
そしてまったくその事に気付く様子も無く…彼女は山の方へと…!!
???②「い…痛…い…。」
ガクッ
オオカマ「へぇ…、それで…???」
ツラカヘ「いえ…その…、気付いた…時には…、すでに…影も形も…なく…。」
フッ
ベチーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!
ツラカヘ「ッ!!!???」
オオカマ「…あなた…、普段…他の四天王の3人からも…
『役立たず』『役立たず』って罵られてたけど…、
どうやら…、そうだったようねぇ…!??」
ツラカヘ「そッ!!! そんな…!!? 今回の件はただ…!!
油断してしまっただけですますのでその…!!!」
オオカマ「お黙りなさいッ!!!」
ベチィンッ!!!
ツラカヘ「ッ!???」
オオカマ「…ちょうど良いでしょお???
両頬がバランス良く…腫れ上がって…。
…アナタには、絶望したわ…。」
ツラカヘ「ちょ…!!? ちょっと待って下さいますです…!??
そんなぁ!! あんまりですますよぉ!!!」
オオカマ「…で??」
ツラカヘ「…へ??」
オオカマ「無論…そういうなら…、『誠意』…見せて…???」
ツラカヘ「も…もちろんですますよ…!!! い…今すぐヤツらを…!!!
人質達を…今すぐ…連れ戻しに…!!!」
オオカマ「もういいわ。」
ツラカヘ「へ…???」
オオカマ「人質をみすみす取り逃がすようなヤツに…、
人質の連れ戻しなんて…、頼める訳ないでしょ…???
…その件は『オネヒメ』に…やってもらうわ…。」
オネヒメ「…ありがたき幸せです…。」
と、一瞬、オネヒメがこちらを…、ツラカヘを見て…笑った様に見えた。
ウフフ…、ブザマね。これだから役立たずは…、
という、おそらくツラカヘの邪推だろう…。
咄嗟に、キッサマァ…!!! と飛び掛ろうとする…、
当然ヒッとひるむオネヒメ…。
邪神『オオカマ』は、その頭を引っ掴み、乱暴にブン投げる…。
オオカマ「何、やってるのぉ…???」
ツラカヘ「ち…違うんです…!!! これは…!! これはその女が…!!!」
オオカマ「…死になさい…。」
ツラカヘ「…ッ???!!!」
オオカマ「いいえ…、『死になさい』は言い過ぎたわね…。
『死ぬ気でやりなさい』…ね。」
ツラカヘ「…!!!???」
オオカマ「アナタには…、ここで…、ここを…
『文字通り』…"死"守してもらうわ…。
ここを、『死ぬ気』で守りなさい…??
…最も、仮に、そう、仮に…、あの"四天王最強"の
"タマヌシ"がやられて…この"オネヒメ"も…、
やぶれてしまった場合…、だけど…???」
ツラカヘ「くぅ…ッ!!!」
オオカマ「じゃあ…、せいぜい…頑張ってねぇ…???
私をこれ以上…失望させないように…せいぜいね…。」
そう言って、本殿の方へと去っていくオオカマ…。
ツラカヘの横を通り、人質を探しに良くオネヒメ…、
やはりツラカヘにはその時…、オネヒメが…
クスリッ…と笑った様に見えた…。
ツラカヘは…その場に立ち尽くして…震えていた…。
肩を…震わせて…。
ツラカヘ「タマヌシ…タマヌシ…!! いつもそうだ…!!!
一番良い所はいつも…!! アイツが…!!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ッ!!
しんのすけ「…おぉ?? 何の音…??」
場所は山の中腹…五合目か六合目の辺り。
守矢神社へと続く坂道の途中、ちょうど、休憩出来るかのように
平らになった場所があり、そのちょうど手前の辺りだった。
神奈子「…ッ!?? しんちゃん…!!? 後ろだぁーーーッ!!!」
しんのすけ「おぉお…!??」
咄嗟にしんのすけを抱え、道の端に突進する神奈子!
すると真後ろから、大きさ5メートルはあるような
巨大な"玉"が…!!!
…なんとかそれを避け、"玉"は通過する…!!
しんのすけ「おお…!? でっかい"玉"…!!?」
タマヌシ「…チッ!! よけられましたか…!!
あわよくば2人とも…、下敷きにしようかと
思っていたのですが…!!!」
タマヌシはその平らな場所で、乗っていた"玉"にブレーキをかけ、
"玉"の上で2人に向き合うようにクルリと華麗に体を回す。
2人が坂道をまだ登りきっていないせい、そして、
この"玉"の直径が5メートルほどある為か、
かなり上から見下ろすような形になった。
タマヌシ「これはこれは…、どうも…、一応…"はじめまして"ですかね…?」
神奈子「お前は…『タマヌシ』…!!?」
タマヌシ「すいませんねぇ~…。
こんな大きな"玉"の上から見下ろすような形で…、
格で言えばアナタが上ですから…
申し訳ない気持ちでいっぱいですよ~。」
神奈子「よく言うな…、キサマ…!」
タマヌシ「いえいえ、本当はこの"玉"から下りたいんですよ~??
ですが…、下りてしまうとアレでしょう??
アナタに"攻撃"…されてしまいますからねぇ~…、
一応、用心、という事で…、申し訳ありません。」
しんのすけ「おお…!『玉無し』…!!」
タマヌシ「…あぁ~、これはこれは…! しんのすけ君じゃあないですか~!
小さくて見えませんでしたよ~…!!
アナタの方は、"昨日ぶり"ですねぇ~…。」
しんのすけ「なんか失礼だぞ!『玉無し』…ッ!!」
タマヌシ「フッフッフ…、人の事を『玉無し』呼ばわりする人に、
"失礼"なんて言われる筋合いは無いですよ??
そうでしょ?? しんのすけ君…???」
不敵な…、いや、憎らしい笑顔を浮かべる…。
しんのすけ「おぉお…ッ!?、なんか…イヤな笑だぞ…!!」
神奈子「しんちゃん…! 私が注意をしんちゃんから逸らすから、
そのスキに『スペルカード』を…!!」
しんのすけ「おお…!!」
タマヌシ「なぁにヒソヒソと話してるんですかねぇ~お二人さん…??
そもそも、こんな所になぁんであの子供が…??
入れ替わってしまった母親に会いに…? いえいえ、
そんな危険な行為…、八坂 神奈子がいるとはいえ…
わざわざするハズありませんねぇ~…、では…、
もしや…『特別な"力"』でも…ある…とか…???」
神奈子「か…勘が良い…?!!」
タマヌシ「ええ、ワタクシ、四天王内でも一番頭がよく…、
一番強い…、と…『オオカマ』様にも
認めてもらってますからねぇ…。」
神奈子「『オオカマ』…!!?」
タマヌシ「ええ、"偉大なる"『オオカマ』様に…、フフフ…!
…さあ、どうしました?? ワタクシにかかって来たら
いかがです?? そのガキ…しんのすけ君の"力"が
どれほどの"力"なのか…、見てあげましょう。
この『オオカマ』様も認めた…四天王最強のワタクシ…。
『タマヌシ』がねぇ…!!!」
神奈子「随分余裕だな…。 仕方ない…!! しんちゃん…!!!」
しんのすけ「ほい!! 『スペルカード』…!!!」
川口「…先輩!! 外回り…今日はどこ行きましょうか!?」
ひろし「そうだなぁ~…、この前少し反応の良かった例の会社、
あそこに寄ってみるか??」
川口「いいっすねぇ~。そうしましょうか…!!」
さて、場面は変わって、同時刻の野原ひろし、
とその後輩の川口氏…、この2人は、前回若干触れていた通り、
外回りに出ていました…。
なぜこのような、話しとほぼ関係ないような場面になるか…??
それも、確か前回、触れていましたね…??
そう…、お分かりかと思いますがこの後…、ひろしに…!
ひろし「…んん??」
…と、ひろしの足に、何やら"違和感"が…??
何やらこう…ほのかにムズムズするような…??
掴まれてるような…??
ひろし「…??? 何だぁ…???」
川口「んん?? 先輩?? どうしたんですか…??」
ひろし「いや、なんかオレの足がさあ…?」
川口「足ぃ…?? 足がどうかしたんすか??」
ひろし「ん~…、なんつうかこう…、なんというか…、」
ズルズルズルズルズルズルズルッ!!!
ひろし「!!!???」
突然!!
なんとひろしの足が…!!
誰かに足を掴まれて…引きずられるかの様に…!!!
まるで西部劇の引き回しが如くズルズルと…!!!
ひろし「あ"ぁ"あぁぁぁあぁああぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああああぁああーーーーーーーッ!!!???」
無論至極当然ながら!!!
突然身に降りかかった不幸!!!
当然自身に降りかかったこの状況を、理解できるはずも無く!!
ただ絶叫の声を荒げるひろし…!!!
ひろし「あぁああああッ!!? あああぁあーッ!!!
ああぁあぁあぁあぁあぁあぁあああああーーーーッ!!!???」
場所は午後の町の歩道…!!
人通りがある程度ある歩道…!!
無論当然ながら! 人々はこの、人間新幹線と化したひろしを
よけるのに精一杯で、助けるなんていう考えには至らない…!!!
川口「先輩!?? 先輩ーーーーーーーーーーッ!!?」
ひろし「あああぁあぁあぁあぁああああぁあぁぁああああああーーーーーッ!!!」
当然追い駆ける後輩川口!!!
当然ながら川口も、この突然の状況を理解なぞ出来る訳がない…!!!
川口「先輩ーーーッ!!! どうしたんすかイキナリーーーーッ!!!???」
ひろし「分かるかああぁああぁあッ!!! 助けてくれえぇえぇぇええぇえぇえぇえええええッ!!!」
川口「ムリっすよーーーーーーッ!!!」
そう! ひろしの引きずられてる速度…!!
意外と速い…!! むしろ…段々加速している…!!!
川口「先輩ーーーーーッ!!! どっか…!! どっかに掴まって下さーーーーーーい!!!」
ひろし「はっ…!! そうか…!!!」
ガシィッ!!!
場所が歩道なのが幸いした…!!!
歩道には意外と、こんな状況におかれた場合に掴まれるモノが多い…!!!
例えばひろしが掴んだ…バス停とか…!!!
ズル…ッズル…ッズル…ッ!!!
ひろし「(やべぇ…ッ!! このバス停は固定されてねぇタイプだ…!!!
このままじゃあまた…!!?)」
ツルンッ!!!
ひろし「あああぁあぁあぁあぁあああああぁあぁぁああああああッ!!!???」
残念!!!
なんとひろし…!! 手にかいた汗でうっかり…滑ってしまった!!!
川口「先輩ーーーーーーーーーーッ!!!???」
ひろし「うぅうううぅおぉおおおぉおぉおぉおりゃああぁぁあぁああああぁあぁぁああああッ!!!」
ガシィ…ッ!!!
今度は大丈夫…!!!
今度掴んだのは街灯の支柱…!!!
しっかりと地面に埋まってる…!!!
しかも引きずられつつも手を服で拭き…!!
さらにしっかりと…腕ごと支柱に掴まった…!!!
川口「せ…先輩ーーーーー…ッ!!!」
ひろし「川口ーーーーーーッ!!!」
必死に掴まるひろし!!
そこにようやく…後輩、川口が追いついた!!!
川口「先輩…!?? 体…!! 浮いてますよ…!!?」
そう!!
ひろしの体…、否!!
ひろしの"足"が、誰かに掴まれているかのように…!!
30度くらいの角度で浮いていた…!!!
ひろし「川口ーーーーーーッ!!! 多分…靴だーーーーッ!!!
オレの靴を…!!! 脱がせてくれーーーーーーーーーッ!!!」
川口「はっ…はい…ッ!!!」
突然の指示…!!!
しかし…!! 確実に…!!!
ひろしの靴を脱がしに行く後輩、川口…!!!
川口「…うわぁ!??」
ひろし「うおぉおッ!!!???」
スポンスポーーーーンッ!!!
なんと…!!!
川口がひろしの"靴"を脱がしたその時…!!!
ひろしの"靴下"が…まるでタガを外したが如く…!!!
否!! "靴"というタガを外された事により…!!
一気にひろしの足から脱げ…!!!
はるか虚空の彼方へと…!!!
ひろし「な…、何だぁ…!!!???」
ただただ、空彼方へと消えていく自分の靴下を
見詰めるしかないひろし。
タマヌシ「…?? …どうしたんですか?? 不発ですか…???」
神奈子「(いや…、このパターンは…、もしや…!??)」
キラーンッ!
タマヌシ「んん…???」
ベチョォッ!!!
タマヌシ「…臭ッ!!!」
ひろしの靴下がタマヌシの顔面にダイレクト!!
とてもヒドい仕打ち!!!
その悪臭のせいか!! タマヌシ…5メートル以上ある"玉"の
上から転落…!!!
タマヌシ「ぐへぇ…ッ!!!」
べチョ! べチョッ!! ベチョオッ!!!
タマヌシ「ギャーッ!! 臭ッ!!! 臭ぁあッ…!!!
に…! 人間の…臭いじゃ…ない…ッ!!!」
しんのすけ「アハハハハハ~!」
神奈子「な…なんて低レベルな技だ…。」
しかもこれで終わりではない!!
当然これも『弾幕』仕様…、つまり…。
タマヌシ「…ッ??! ギャア!!!」
もはや悪臭地獄!!!
ひろしの靴下がおおよそ500足以上に大分裂!!!
それが汚い弾幕となって、タマヌシに襲い掛かる!!!
さながらヒッチコックの『鳥』のようだーーーーーーッ!!!
タマヌシ「モガ…ッ!!! ーーーーーーーーーーーッ!!!」
これはヒドい!!!
口の中にもダイビングしたのか…ああ!!
なんという地獄絵図!!! この靴下地獄の光景を
映像でお見せできないのが残念です!!!
アニメ化でもして下さればこのシーン、
相当のギャグポイントとなるでしょうに!!!
しんのすけ「おお…!!! スゴく効いてるぞ!!!」
神奈子「いや、効いてるというか…、もはやコレは…、」
神奈子がアキれるのもムリはありません。
…兎も角も、タマヌシが色んな理由から今や
身動きが取れない状況なのは、誰の目に見ても明らかです。
タマヌシ「…ッ! モガーーーーーーッ!!」
しんのすけ「おぉッ!??」
神奈子「うわッ!!?」
靴下の山から突然飛び出してきたタマヌシ!!
なんと彼はそのまま2人には目もくれず、
汚い靴下の山をなんと…! 丸め始めた…!!!
しんのすけ「おぉ…?! 汚~い!!」
神奈子「いや、人の事言えないでしょ…、こんな『スペルカード』…。」
タマヌシ「フッフッフッフッフッフ…!」
しんのすけ「おお…!? 何イキナリ変な声で笑ってんの!!?」
神奈子「…あの靴下の悪臭にヤラれて…気でも狂ったか…!!?」
タマヌシ「いいえ…、ワタクシはそう…、至って正常…、
むしろ頭はスッキリしていますよ…!
…そう、ワタクシの…司る"力"…、ご存知ですよねぇ…???」
背を向けて依然、靴下の山を丸め続けながら語る。
神奈子「…??? 確か…、ほとんどの"玉"を操れる…、
…って! …まさか…ッ!!?」
しんのすけ「おぉ…???」
タマヌシ「ええ…、そうです…。 ワタクシの力は"玉"を操れる力…、
すなわち…、こう…、単体ではまったく"玉"状ではないこれらの
靴下も…! こうして"丸めれ"ば…!!?」
と、振り向くタマヌシ…!!
その手には…、いや! 厳密には…、手をかざし…、
空中に浮かべているのは…、
…あの、野原ひろしの悪臭靴下地獄の…"玉"が…!!!
タマヌシ「今度はテメェらが…喰らう番だあぁあぁあああぁぁああぁあぁああぁあああああッ!!!」
ビューーーーーーーンッ!!!
神奈子「…って! ちょ…ッ!! おま…ッ!!!」
しんのすけ「うぉおおおーーーーーーーーーッ!??」
迫り来る臭球!!!
今さっき見た地獄絵図がなんと! 自分へと帰ってくるとは…!!!
無論必死で逃げる2人!!
先程あざ笑っていたしんのすけを、今度はタマヌシがあざ笑う…!!!
タマヌシ「そ~らそらそら~!!! 早く逃げないと…!!
その靴下"玉"がアナタ達に襲い掛かりますよ~~~ッ!!?」
当然爆走して逃げる2人!!
神奈子「しんちゃーーーーん!!! なんてモノ…!!
…呼び寄せてくれたんだーーーーー!!!」
しんのすけ「いやぁ~~…。」
神奈子「誉めてなぁーーーーーーいッ!!!」
…と、その頃、ややそこから下った辺りの坂道では…、
???①「はぁ…、はぁ…、はぁ…。」
???②「やっと…これで…半分…登った…?」
例の2人組みが、その辺の落ちていた木の棒を
杖代わりにして息を切らせつつ、坂を上っていました。
???①「なんかさっきから…、私達…、ついてない…。」
???②「そんなマイナス思考な事言わないで!!
そういう考えだからイケないのよ…!!」
???①「でも実際そうじゃない!! 今日に限ってこう何度も…!?」
???②「いいえ…! これは多分そう…、
我々は"試されてる"のよ…!! きっと…!!!」
???①「だ…誰に…!??」
???②「運命の女神とかなんかそういう神かなんかに…!
私達が…"主人公"としての資質…"格"があるかどうかの…!!」
???①「まさかぁ…、それで…こんな…??」
???②「いいえ…! そうに違いないわ…!!!
でないとこんな…、"試練"じみた今日のたび重なる"災難"…!
…説明できないわ…!!!」
???①「本当に、そうかなぁ…??」
???②「ううん、そうに決まってるわ…!!!
だからこそ、この"試練"を乗り越えなくちゃいけないの…!!!」
???①「うん…、そうだね…! なんか、そんな気がしてきた…!!」
???②「そう! その調子よ!! そして2人で乗り越えるのよ…!!
この…、」
しんのすけ「うぉおおぉおぉおぉおおおおぉぉおおおおおぉおおおおッ!!!」
神奈子「キャアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
???①「…??? 今、通り過ぎて行ったのって…?
八坂 神奈子…?? それに…子供…? 誰だろ…??」
???②「この…!! 秋s……!!!」
ドベヂェーーーーーーンッ!!!
???①「グホゲッ!!?」
???②「臭ッ…!!!」
殺生!!!
なんと姉妹2人に例の靴下"玉"が直撃ッ!!!
そのショックで"玉"は崩れバラバラ!!!
哀れ!! 靴下の山に埋まる…2人!!!
???①「ウグッ…!!?」
???②「し…死ぬ…ッ!!!」
タマヌシ「んん…!? 何かに"玉"がぶつかって…、どうやら崩れて
しまったようですねぇ…、チッ…!!」
振り向いて靴下の山を確認するタマヌシ…!
しかし! 靴下に埋もれて、姉妹は完全に見えない…!!!
ダダダッ!!!
と! 突然その脇をすり抜け、神奈子としんのすけが…!!
神奈子「今のうちに…! 山頂へ…!!!」
しんのすけ「おお…!!!」
タマヌシ「クゥ…ッ!! そうはさせませんよぉ…!!!」
???①「うえぇ…、っく…臭い…!!」
???②「は…っ早く…ここから…脱出…ッ!!!」
ブギョッ!!!
2人「ウゲェッ!!!」
ズゲッ!!!
2人「フゲェッ!!?」
再び!!
Uターンして戻ってきた神奈子としんのすけ!!
靴下の山を避けるヒマもなく必死に逃げる2人が、
靴下の山を踏ん付ける…!!! 当然その下には…!!!
あの姉妹2人が…!!!
???①「な…、何ぃ…?? この仕打ち…??」
ズグギュッ!!!
2人「ンギョエェッ!!!」
無論!!
後から追ってきたタマヌシも、同じルートを通る!!!
すなわち姉妹2人を…同様に踏ん付ける…!!!
???②「ご…、ご無体…な…ッ!!!」
ガクッ
タマヌシ「おおっと…!! もうそこまでですよぉ…!!!」
グアァンッ!! と!
神奈子としんのすけの目の前に…10数個もの…"玉"が…!!!
空中に…!!!
神奈子「何ぃ…!!?」
タマヌシ「こういう事もあろうかと…、私は常に、ふところの中に…、
小さなビーズほどのサイズの"玉"を…、何百個も
忍ばせてあるんですよ…!!!」
しんのすけ「おぉ…?? 何言ってんのアンタ…??
この"玉"…、野球ボールくらいあるぞ…???」
タマヌシ「ええ、ご覧の通り…、さて…、それはナゼ…でしょう…???」
神奈子「…!!? まさかキサマ…!! "玉"のサイズを…自由自在に…!!?」
タマヌシ「ええ~、その通りです~…!! ご明察~!!!
先程ワタクシが乗っていたあの5メートルはあろうかという
"玉"も…、ほら、この通り…!!!」
と、華麗に左足を上げて、靴底を見せる…。
そこには確かに、ビー"玉"サイズの…、あの5メートル以上有った"玉"と
似たような模様の"玉"が…!!
タマヌシ「なのでこの…、体に散りばめられているこの"玉"も…、
この通り…自由自在に…!!!」
ギュモンッ! ギュポンッ!! モギョンッ!!!
途端!!
タマヌシの頭や服、靴などに付いていた、例の"玉"が…!
突然巨大化した…!!!
髪に散りばめられていた物は肥大化して、さながらアフロヘアーのように!!!
肩や腰など、服についていた物も同様に…!!
さながら、未来チックなファッションに…!!!
タマヌシ「…ふう、と…この"姿"こそが…! "ワタクシ"の…本来の姿…!!」
神奈子「くぅ…! タマヌシめ…!! キサマ…!!!」
しんのすけ「うわぁ…、ダサいぞぉ…、」
タマヌシ「何ぃ…!!? 今、なんと言いました…!!?」
神奈子「ちょ…ッ!!? しんちゃん…!!?」
しんのすけ「全然イケてないぞぉ…!!!」
神奈子「あちゃぁ~…、」
頭を抱える神奈子…! しかし…手遅れ…!!
タマヌシ「こ…、このガキぃ…!!! よくも…!!!
それなりに神々の間ではこのファッション…!!!
奇抜で前衛的と言われたこの…!! ワタクシの
服装を…キッサマァ…!!! 赦せない…!!!」
ギュヲオォオオンッ!!!
巨大化!!!
タマヌシの例の、靴底の"玉"が…!!!
タマヌシも鬼のような形相…!!
ヨダレ垂らしまくり…!!!
タマヌシ「今度は10メートル級だぁーーーーーーッ!!!
2人ともまとめて…踏み潰してやるぅううぅうううぅぅうううぅぅうぅうぅううッ!!!」
神奈子「ウワァアーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
しんのすけ「おぉおおぉおぉおぉおおおぉぉおおおおぉおぉおおおおおッ!!?」
ドタバタ劇!!!
例の中腹の平らになってる所で、2人がタマヌシの巨大な"玉"に
追いかけられるコミカルシーン!!!
ここも同じく映像でお見せ出来なくて残念ですッ!!!
アニメ化とかすればここも…間違いなく面白いシーンでしょうに…!!!
アリス「魔理沙ーーーーーーーーーーーーッ!!! どこーーーーーーーーーーーッ!??」
ドギャァアンッ!!!
タマヌシ「な…何ぃ…ッ!!?」
と! 突然…!!
例の薬を飲んで制御の利かないアリス・マーガトロイドが乱入!!!
見事タマヌシの10メートル級の"玉"に体当たりし、なんとその
巨大な"玉"を吹っ飛ばす!!! "玉"はそのまま…!!
虚空の彼方へ…!!!
そしてアリスもまた、そのまま何も無かったかのように…!!!
魔理沙ーーーーーーーーーーッ!! と叫びながら、再び山の茂みの中へと…!!!
タマヌシ「な…、なんですか…?? アイツ…??!」
神奈子「な…? あれは…、アリス…???」
しんのすけ「た…、助かったぞぉ…!!」
ここにいる誰も、あのアリスが、神奈子が投げさせられたあの、
1本の髪の毛が原因でこうなってるとは、思いも因らないでしょう…。
???①「はぁ…はぁ…!!」
???②「や…やっと…、抜け出せ…た…!!」
???①「うぅ…、全身…臭い…。」
???②「な…泣かないの…!!! もうすぐ…!!!
もうすぐだから…!!! あと半分で…山頂よ…!!!」
その頃、やや下の方では、やっとあの姉妹が、
靴下の山から…這い出してきました…。
???①「もう…帰りたい…!!」
???②「ダメ…!!! そんな弱音…ハクなんて…!!!」
???①「だってぇ…!!! さっきからずっと…!!?」
???②「わかってる…でも…!!! せめて…!!!
山頂までは…行こ…!!!」
ヒュゥウーーーーーーーーーーーーーーー…ッ!!!
???①「うぅ…、でも…、…って???」
???②「急に空が…暗く…??? …って!!?」
頭上を見上げた2人…! そこには…!!
あの、タマヌシの…10メートル級の…"玉"が…!!!
ズドーーーーーーーーーーンッ!!!
2人「グォゴホォッ???!!!」
なんと哀れ!!!
今日はとことん厄日なのかッ!!!
当然の如く2人はその"玉"の下敷きに…!!!
???②「ま…まだ…、名乗ろうとも…してないのに…???」
ガクッ
タマヌシ「…ふぅ、ちょっと、冷静さを欠いていたよう、ですね…。」
タマヌシ、ふと我に帰って、深呼吸をします。
片手で顔を覆って、目をつぶり、心を落ち着かせます…。
タマヌシ「…さて、アナタ達…、お2人は…、私の"力"…、
…改めまして、どのような"力"だと…お考えですか…???」
神奈子「はぁ…???」
突然そんな事を質問されて、困惑する神奈子。
神奈子「そりゃあ…、当然…"玉"を操る力…、だと…。」
タマヌシ「ええ…、その通りです。
しかし、まずこの"力"には残念ながら、
"射程距離"があります…。
"玉"を操れるのに"有効な範囲"…ですね…。
…これはおよそ200メートルほど…、
…ですので、先程吹っ飛んで行ってしまったあの、
10メートルの"玉"…、アレは、もう操れません…。
一度試してみましたが…、おそらく、
200メートルよりも遠くへ飛んでいって
しまった…という事ですね…。」
神奈子「急にナゼ…、そんな事を説明…???」
タマヌシ「まぁまぁ…、まだ話しの途中ですよ…???」
タマヌシ「…さて、今度はこのワタクシが扱える"玉"…ですが…、
説明には"ほぼ全て"とあります…。
"あらゆる"とか"全て"ではなく…"ほぼ全て"…です…。
…つまり???」
神奈子「…いくつか、操れない…、自由に出来ない"玉"が…、
有るという事…か…???」
タマヌシ「ええ。その通り。さすが、話しが早い…。」
神奈子「何なんだ…!!? その"玉"は…!!!」
しんのすけ「ほうほう…、例えば、おチンチンのタマタマとかぁ??」
神奈子「そ…そんなわけないで…ッ!!?」
タマヌシ「いいえ、正解です。」
神奈子「えぇええ~…!??」
しんのすけ「わ~いやった~!!! 賞品は…!!?」
タマヌシ「出ませんよ。」
しんのすけ「えぇえ~…!! ケチぃ…!!!」
タマヌシ「…ワタクシはこう見えてもキレイ好きなんですよね。
…ですから、こんなケガレた"玉"…。
男性の象徴でもある"玉"を…操りたいとは思いません…。
…厳密には、"操れない"、というより、"操りたくない"
…という部類。でしょうかね…??
まぁ、先程の"靴下"は、ワタクシ自身半ギレでしたので、
例外中の例外…ですがね…。」
しんのすけ「ほうほう…。」
神奈子「じゃあ、何が"操れない"んだ…!!?」
タマヌシ「まぁまぁ…、そう焦らずに…。
…まずはそう、ワタクシよりも"格上"の神が操る"玉"が
あった場合は、当然操れません…。
ワタクシよりも強い"力"で操っているわけですから、
当然ですね…。
例えばそう…『オオカマ』様…、のような…。」
タマヌシ「…次に、その"玉"のサイズが、ワタクシの操れる
有効範囲…200メートル前後よりも…巨大な場合です。
…つまり、あの"月"や"太陽"…、それにこの"大地"…、
"地球"も…操れません…。
あまりに巨大すぎますし…、何より先述の、
"他の神"が"操って"る"玉"なんでね…。」
タマヌシ「…ああ! それと…!
"タマ"シイ…!! この単語にも"タマ"が入っていますよねぇ…??
…ですがワタクシは、ソレを自由には操れません…!!
…特に、人の体から引きずり出したり、逆に戻したりなんて…!!
…それは、生命を司る神や、死神の専売特許なんでねぇ…!!
…ワタクシが出来る事は…たったの…これくらい…!!」
と…、ふとその手をしんのすけにかざし…一言…。
タマヌシ「『タマヌシ』…!!!」
しんのすけ「おぉ…???」
ピタァ…ッ!!!
なんと…!!! 再びあの光景…!!!
この小説の最初の最初、ひろしが帰宅するシーンで見た、
あの光景にそっくりな…!!!
あの『固まって』しまっている、しんのすけ…!!!
そう…!! タマヌシには、このような"力"が…!!!
あったのです…!!!
神奈子「し…ッしんのす…ッ!!?」
タマヌシ「おぉっと…、動かないで下さい…。」
神奈子「くぅ…ッ!!」
タマヌシ「…まだ説明の途中なんですよ…???
…ご安心下さい、そのガキはちゃ~んと生きてますから…。
…あなたが、変な動きを見せない限り…はね…。」
神奈子「…わ、分かった…、説明を…続けろ…!!!」
タマヌシ「ふん…、よろしい…、では、そのガキが、
そうなってしまった理由…を、説明して差し上げますね…。
フフッ…。」
不敵な笑みを浮かべる…。
タマヌシ「…さて~…、どこまで話しましたっけ~…、
…あっ! そうでしたそうでした…! 確かそう…、
"タマ"シイは…ある程度、操る事は出来ない…、
…って話しでしたよね…??」
神奈子「あ…、ああ…、体の外に出したり、逆に入れたりするのは…、
出来ない…と…。」
タマヌシ「…ですが…、"体の中"に納まったままの状態であれば…、
ワタクシはその"タマ"シイを…少しは自由に
操れるんですよ!! 今のそのガキのように…ね??」
神奈子「く…ッ!! 魂の『動き』を…、止めたのか…!!?」
タマヌシ「ご明察…!!! その通りですよ…!!!
さすが『オオカマ』様と肩を並べる程の方だ…!!
考えが冴えておいでだぁ…!」
神奈子「…誉めても、何も出ないぞ…。」
タマヌシ「まあまあ…! で、続きですが…、
この"タマ"シイを止めている…、その間は、
彼は身の回りで、どんな事が起ころうとも…
それにはまったく気付けません…。
なんせ"タマ"シイが止まってるんですから…!
…ただし、彼に『触れる』と、それは解除されます…。
止まった"玉"に少しでも触れれば…動き出すのと
同じですね…。
…あっ、ちなみに"タマ"シイを『揺さぶる』事も可能です。
私が何かを話してる時に『揺さぶれ』ば…、
どぉ~んなツマらないお話しも…感動秘話に…ッ!!!」
神奈子「ほう…、そんな重要な事、教えていいのか…?? 私に…???」
タマヌシ「ええ…、もちろん…、だって、そのガキは今…、あなたの
手の届かない所に…。」
神奈子「何…ッ!!?」
とっさに脇を見る…!!!
先程までいたはずの、しんのすけのいる辺りを…!!!
しかし…そこには…影も形も…!!!?
神奈子「何ぃ…ッ!!?」
タマヌシ「ほぉ~ら…、こっちですよぉ~…???」
神奈子「…ッ!!!???」
再び振り返ると、そこには…!!!
『固まった』まま、中に浮くしんのすけ…!!!
ちょうど、タマヌシの…右肩の辺りに…浮遊している…!!!
神奈子「なぁ…ッ!!? ど…どうやって…!!!???」
タマヌシ「なぁに…、簡単な事ですよ…。ア"タマ"…、って単語…。
…コレにも、"タマ"って単語が付いてるでしょう???
このガキのア"タマ"を操って、空中浮遊させてるんですよ!!!」
神奈子「でも…!! 触れれば…動き出すんじゃあ…!??」
タマヌシ「あなた! ア"タマ"大丈夫ですか…!??
先程ワタクシは、10数個もの"玉"を、同時に操っていたでしょう??
…ワタクシは最大、100個の玉を同時に操れるんですよ…!!!
このガキの"タマ"シイを『止め』たまま…、
ア"タマ"を操って浮遊させる…なんて芸当は…!!!
この通り、造作も無い事なんですよぉ…!!!」
と、浮遊させたしんのすけのアゴをさわり、
自身のアゴも触って、何やら考え出すタマヌシ…。
タマヌシ「…さて、どうしましょうかねぇ~このガキ…。
ワタクシの事を『玉無し』と呼んだり…、あんなケガラワしい
"靴下"をくりだしたり…、実に、腹立たしいガキ…!
ふん…、そうだ…!! 神奈子さん…??!」
神奈子「な…! 何だ…!!?」
タマヌシ「…実はワタクシ、あともう一つ…、もう一つだけ、
『操れるけど操った事が無い』…"玉"が…、1つ…
…有るんですよぉ…。 何だと思います…???」
神奈子「…???」
タマヌシ「あれぇ…?? お分かりになりません…??
…仕方ないですねぇ…。 目"玉"ですよ。目"玉"!!!」
神奈子「…ッ!!!???」
タマヌシ「見てください、このガキの…クリクリした大きな
目"玉"…!!! 今にもポンッ!! と…、
飛び出してしまいそうな、大きな"目"を…!!!」
神奈子「ま…っまさか…!!? キサマ…!!!」
タマヌシ「おぉっと…!!? そんな口きいて、いいんですかぁ…??
もしかしたらそんな口きいた瞬間…、
…このガキの目玉が…ポ~ン…と、2つとも…、
飛び出てしまうかも…???」
神奈子「ま…ッ待て…!! いや…! 解りました…!!
タマヌシ殿…!!!」
タマヌシ「おやおやぁ…?? どうしたんですかぁ???
八坂 神奈子さ~ん…???
突然目下のワタクシに対して、そのような敬語をぉ???」
…実に卑怯でサディスティックな手段…!!!
クレヨンしんちゃん至上、最悪の悪役かも知れません…!!
こんな…卑劣で子供が見たら泣き出すような脅し文句…!!!
完璧に"悪"…、悪者の…下衆の極みなセリフ…!!!
神奈子「わ…、私の事は…、いくらでも…、
煮るなり、焼くなり…、好きにしてもらって…、
構わない…! だから…!! だから…!!!
しんちゃんは…! しんのすけ君だけには…!!
手を…出さないで頂きたい…!!!
…お願いします…!!!」
タマヌシ「ックックックックック…ッ!!!
どうしたんですぅ!?? いきなりぃ…!!?
あの威厳ある…我々よりもお強くて…
『オオカマ』様とも対等なお力を持つ…
八坂 神奈子様が…!?? 一体どういう風の
吹き回しです…!!? ハッハッハ…ッ!!!」
理由は解っているのにこの言い回し…!!!
ますます腹立たしい…!!!
神奈子「お…ッお願いします…!!!
この通りですから…!!! しんのすけ君の…!!
命だけは…!!!」
タマヌシ「お~やおや…、アナタ…、こんな目下の神に…、
頭なんか下げちゃって…、土下座…ですかぁ…???
…あなた、プライドってものが、無いんですかぁ…???」
神奈子「…どうか…!!! この通り…!!!」
タマヌシ「…あ~ぁ…、幻滅ですねぇ~…、まさかこんな、
あの『オオカマ』様と並び称された神がこんな…、
腰の低~い神…だったとは…、
あなた、私が今この場で『全裸になって幻想郷を逆立ちしながら一周しろ』
…なんて言っても、やってくれるんですか…???」
神奈子「…クッ!! し…、しんのすけ君の…為なら…、
喜んで…。」
タマヌシ「あ~ぁ、ますます幻滅してしまいましたよ…。
こんな事になるなんて…、このガキ…、ホントに…、
厄病神そのもの…、いえ、疫病神の方がまだ良いですね…、
…それ以上にタチが悪い…、
…こんなガキ…、い~らない…っと…!!!」
神奈子「…ッ???!!!」
…この外道!!!
こいつ救えねぇ…!!!
あろう事かタマヌシは『固まった』ままのしんのすけを…!!!
空中高く…しかも力いっぱい…遠くへ…!!
勢い良く放り投げた…!!!
このままでは…この高さでは…!!!
地面に激突すれば…! 骨折レベルでは済まされない…!!!
最悪…、死…!!!???
神奈子「し…しんの…ッ!!!?」
ガシィ!!!
なんと!!
その手をタマヌシが、しっかりと掴んでいる…!!!
そんなタマヌシに怒りをブチマケているヒマも、
罵倒を浴びせるヒマもない…!!!
早く…!! 早くしないと…!!! しんのすけが…!!!
ニタァ…ッ!! と、異形じみた汚い笑いを浮かべるタマヌシ…。
しんのすけ、あと地面まで…、1メートルもない…!!!
神奈子「…しんのすけーーーーーーーーーーーーッ!!!」
…と、みなさん、聞いた事無いかい…???
『ヒーローは、遅れてやって来る物。』…って、セリフ。
ッズザァアアッ!!!
見事なスライディング!!!
ガシィッ!!!
そしてナイスキャッチ!!!
しんのすけ「…おっ???」
触れられた事により、動けるようになったしんのすけ。
そこは、腕の中であった…!
しんのすけ「おぉ…!?? お姉さん…!!? あんた誰…!??」
咲夜「…咲夜…、十六夜 咲夜(いざよい さくや)と申します。」
神奈子「さ…ッ咲夜…!!!」
タマヌシ「な…何ぃ…ッ!!!」
咲夜、と名乗る人物…。
銀髪の青い(スカート短めな)メイド服の彼女…、は、
しんのすけを地面に下ろすと、軽く一礼した…。
実に、瀟洒(しょうしゃ)な態度だ…。
咲夜「失礼致しました…、登場するタイミングを、
伺っていたもので…。」
咄嗟にタマヌシの手を振りほどき、しんのすけと咲夜の
元へと駆け寄る神奈子!
タマヌシは状況が若干飲み込めず、その場に固まる…。
神奈子「咲夜…!!? どうしてここに…?!!」
咲夜「ええ、お嬢様より、ここへ行って悪者を倒して来るようにとの
指示を…。 ただし、午後の紅茶のお時間までには
必ず戻ってくるようにとの指示でしたので、
あまり長居は出来ませんが…。」
タマヌシ「くぅ…!!! 余計な部外者がぁ…!!!
…せっかくのショーが…台無しに…!!!」
咲夜「…随分と、汚いショーがお好きなようで…。」
タマヌシ「な…何ですとぉ…!!?」
咲夜「…あまり、時間が有りません。
私はお嬢様の紅茶の時間がありますし、
…貴方様も、私ごときにあまり、かまっているお時間は
あまり無い事でしょう…。」
タマヌシ「当然です…!!! 早くその女…!!!
…八坂 神奈子を倒して『オオカマ』様に…
良いご報告を…!!!」
咲夜「…でしたら話しは早いですね…。
…私と、一発勝負をしていただきます。」
タマヌシ「一発勝負…!??」
咲夜「ええ…、聞く所によりますとアナタは、対象となる者の
"魂"を停止させられる…、平たく言えば、
対象者の"時間"のみを『止められる』…能力、
…といっても、過言ではありません…。」
タマヌシ「ええ…、まぁ…、そうですねぇ…。」
咲夜「対して私は、自分以外の時間…、周りの全ての時間を、
停止させられる程度の能力を持っています…。
つまり…。」
タマヌシ「…この2つの能力で…、勝負…、
…という、事かな…???」
咲夜「ええ…、さすが、お話しが早い…。」
…と、いう訳で、
西部劇の1対1の対決が如く…、
双方、たった2人、向かい合っての技の掛け合い…。
1、2の…3! で、どちらかが倒れる…。
そんな勝負する事になった2人…、
片や瀟洒なメイド、十六夜 咲夜。
片や"玉"を操れる神、タマヌシノミコト。
2人の、ある意味で『時間』を操れる
そのどちらが上か…という、対決なのですが…、
咲夜「…私が勝った際には…、
…とは言っても、私が勝った瞬間には、
…貴方様は既に…、何本ものナイフが体中に刺さって
息絶えてるでしょうが…。
…兎も角、素直に道を明け渡して、
神奈子様としんのすけ様、双方をこの先…、
守矢神社へと、行かせていただける…、
…という事で、宜しいでしょうか???」
タマヌシ「ええ…、良いですよ…。」
淡々と語る咲夜、タマヌシの方は、なにやら引っ掛かるようだ…。
咲夜「…そして、タマヌシ様がお勝ちになった場合…、
…すなわち、我々が負けた場合…ですが、
…まず私、咲夜は『固まった』ままの状態から、
一切の防御は取りません。
煮るなり焼くなり、好きにして頂いて構いません。
…無論、途中で『解除』になっても、
私は一切の抵抗を致しません。
…そして、神奈子様はおとなしくお縄となり、
くだんの『オオカマ』様の所まで、素直に連れて行かれる…。
しんのすけ様は、ここで大人しく待機…。
…と、いう条件で、宜しいですね…???」
神奈子「…ってちょっと…!!! そんな不利な条件…私は…ッ!!!」
咲夜「大丈夫です。必ず私、『勝ち』ますから。」
しんのすけ「ほうほう…。」
タマヌシ「…ええ、いいでしょう…、う~ん…、」
咲夜「では、双方合意と見て宜しいでしょう…。早速…、開始…。」
…と、この時タマヌシは、あるとんでもない事に、
ようやく気付いた…!!!
既に読者の中で勘の良い者であれば、
お気づきの方もいるだろうが…。
待てよ…???
ワタクシの"力"は…相手の"タマ"シイだけを…『停止』させる…。
だからあの咲夜とかいうヤツが…時間を『停止』させる前に
こちらがアイツ自身を『停止』させれば…、
こっちの勝ち、実に解りやすい…。
対してアチラは…、自分以外の時間を『停止』させられる…。
だからこちらが『停止』させる前に『停止』させられれば…、
アイツはワタクシが『停止』している間に、ワタクシの体に
無数のナイフを指して、時間を解除…、
仮に解除した瞬間にワタクシがアイツを『停止』させても…、
次の瞬間にはワタクシは激痛に苦しんで気絶、あるいは絶命…。
そのスキにあの神奈子かしんちゃんが咲夜に『触れ』れば…、
アイツは無事、生還…。
これも、実に解りやすい…ですが、しかし…!!?
もしもこの『掛け合い』が…同時…!!
ほぼゼロコンマ何秒という僅差も含めた…、
ほぼ『同時』に起こったら…!??
恐ろしい考えに行き着いてしまったタマヌシ…!
顔面からは脂汗を滝のように垂らし…、
蒼白の表情…。
手で顔を押さえ…、その手も震えが止まらない…!!!
…普通の人であれば、考えたくも無い…恐ろしい事実…!!!
同時…ということは…つまり…、こういう事だ…。
例えばワタクシが…アイツに…、咲夜にそう…、
力を使って…アイツ自身を『停止』させる…!
するとアイツは無論『停止』する…。
誰かが触れない限り、永遠と『停止』したまま…、
しかし…!!!
その『触れてくれる人』は…永遠に来ない!!!
ナゼならその時には既に…!!!
咲夜自身が自分以外の全ての時間を『停止』させているから…!!!
この咲夜自身が『停止』させた時間は、
当然咲夜自身しか解除できない…!!!
咲夜が死ねば別かも知れないが…、
咲夜はこの時『停止』した状態…!!!
死んではいない…!!!『停止』した状態で…!!!
一応『生きている』状態…!!!
つまり…!!!『止まったまま』…!!!
つまり…誰もこの『停止』したままの状態を…!!!
『解除』出来る者が…いない状態…!!!???
すなわち咲夜自身は私自身によって『停止』させられており
なおかつその咲夜の『停止』を解除出来る私はおろか
しんちゃんも神奈子もその他全ての生けとし生ける者は全て…!!!
…咲夜によって『停止』してしまっているのだからーーーーーッ!!!
…つまり誰も動けない!!! 誰も止まっている…!!!
そしてその事に誰も気付いていない状態…!!!
そのまま永遠! 永久!! 永劫の彼方まで…!!!
宇宙は『停止』したまま…!!!???
な…何を言ってるのか解らない読者もいるでしょうが…
ワタクシも…何を言ってるのか半分ほど解っておりません…!!!
頭がどうにかなりそうだぁ………………ッ!!!
と…とにかく…ッ!!!
この状況が発生してはマズい…ッ!!!
発生されてはマズいぃ…!!! 発生されては困るぅう…ッ!!!!!!
発生したら宇宙が崩壊するかも知れないいぃいぃいぃいぃいいいぃぃいいいいいぃいいいいぃいいいッ!!!
それは何とかして…阻止しなくてはあぁあぁあぁあああぁあぁぁあああぁああああぁぁあああああッ!!!!!!
タマヌシ「あ…、あの…やっぱりこの『決闘』は…無しに…、」
タマヌシ「…えッ??????」
タマヌシ…。
いつの間にか時間を停止していた、十六夜 咲夜によって
無数のシルバーナイフを背中に浴び…、
再起不能…ッ!!!
咲夜「先程、私…。『開始』…と言いましたよね???
…なのに油断して、長考していた…貴方様が悪いんですよ。」
神奈子「うわぁ~…、何本刺さってるんだ…!??
…まるで逆"ヤマアラシ"状態だな…。」
しんのすけ「なんか…卑怯だぞ…ッ?!」
咲夜「いいえ、私、確かに『開始』と、
皆さんにお聞こえ出来るように、言いましたよ?
…それに、早くしませんと、お嬢様の紅茶の時間に
間に合いませんので…。」
しんのすけ「……。」
咲夜「…何か…???」
しんのすけ「…白。」
バッ!!!?
トッサにスカートを押さえる咲夜!!!
そして赤面…!!!
しんのすけ「…ちなみにほたてちゃんは薄紫色に黒の水玉だったぞ!」
神奈子「しんちゃん…、そういう事が赦されるのは、
…本当に今だけだぞ…??」
みなさん、すいません…。
私がしんのすけだったら、絶対こういう事していますので…!!
神奈子「まったく…、…ん??」
と、ふと見ると…麓の方からゾロゾロと
あのオビチの時に活躍した、妖怪や妖精、白狼天狗や鴉天狗、
あと河童とかの集団が…。
にとり「いやぁ~、一応7合目くらいまでは見回ってみたけど、
オビチの残党とか、他の敵らしいヤツはいなかったよ。」
神奈子「そうか、…あれ? はたてのヤツは…???」
にとり「さあ…?? まだこちらには報告がないけど…??」
神奈子「そうか、とにかく…、これであとは山頂まで行って
皆を助け出して…『オオカマ』達を倒すだけか…。」
犬走 椛「…たッ 大変です…!!!」
と! 突然! 白狼天狗の一人が、息を切らせて走ってきた…!
神奈子「どうした…!??」
犬走 椛「い…今…、山頂付近で…、はたて様が…、
射命丸様と合流したのですが…! そこに…!!!」
しんのすけ「どしたの!?」
犬走 椛「今…『オネヒメ』という神と…、対戦…してるようです…!!!」
神奈子「何ぃ…!!?」
しんのすけ「おぉ…???」
神奈子「射命丸は確か…諏訪子や早苗…、それに…みさえさんと
同行してたはず…!!?」
しんのすけ「おぉお…!!?『変態』だぞ…!!!」
神奈子「それを言うなら『大変』だ…!!! とにかく…!!
…急ぐぞ…!!!」
しんのすけ「おおーーッ!!!」
さて、こうしてなんとか、四天王最強と言われる
タマヌシノミコトを倒した、八坂 神奈子と野原しんのすけ。
しかし、やっと倒したと思った矢先、
今度はその先でオネエニシヒメノミコトが、
諏訪子、早苗、みさえ、射命丸達と対戦しているというのです。
はたして彼女達は、オネヒメに勝てるのでしょうか?
あるいは神奈子やしんのすけ達が駆けつけ、
みさえ達を助けるのでしょうか?
また、倒したとしてもまだ、あのツラカヘ…、
そして『オオカマ』がまだ、控えております…。
次回はその、残るオネヒメ戦、ツラカヘ戦…、そして、
いよいよ山頂にいる、今回の"異変"の元凶、
『オオカマ』の登場…を中心に、
お話しを進めていこうと思います。
それでは、次回の続きを、
乞うご期待ください。
つづく、