最低2500字以上という制限も、区切りの良い所で終わらせられない原因の1つですし。
読んでみて違和感がある所が多々あるかと思われますが、ご了承ください。
「助けに来たよ、お姉ちゃん!」
SIDE 佐倉 慈
「めぐねえっ!めぐねえっ!」
背中の扉越しに由紀ちゃんの声がする・・・。だが、扉を開ける事は出来ない。目の前には【奴ら】になってしまった生徒達がゆっくり、しかし確実に私に向かって歩み寄ってくる。みんなを庇った時に右腕を噛まれてしまい、背後から背中をひっかかれてしまった。
(でもこれで教師として皆を守ることが出来た・・・。最後まで皆を・・・。)
気が抜けたのか両足に力が入らなくなり、扉にもたれかかったままズルズルと座り込んでしまう。背中と右腕が痛い。扉を開けようとする由紀ちゃんと目の前まで迫ってきている【奴ら】。何に対してかわからないが涙も出てきた。
そんなときだった。
「めぐねえっ!めぐね・・・えっ!めぐねえ!?」
私を呼ぶ由紀ちゃんの声が突然疑問形に変わった。
「めぐねえ!?どうしてここに!?」
「扉の向こう側で抑えていたんじゃ!?」
(胡桃さんと悠里さんの声も聞こえるわ・・・。どういうこと?私はここに「助けに来たよ、お姉ちゃん!」っ!?)
由紀ちゃんでも胡桃さんでも悠里さんでもない、私を「お姉ちゃん」と呼ぶ声が扉越しにはっきりと聞こえた。
SIDE ???
時は遡り、巡ヶ丘高校に到着する3時間前・・・
私は双子の姉を助けにキャンピングカーを走らせていた。
「巡ヶ丘市内に入ってから明らかに【奴ら】の数が増えてるわね。・・・っ!!」
交差点に大量の【奴ら】が右往左往しているのを見てブレーキを踏むが、
(決して・・・決して私の運転スキルが悪い訳じゃないわよね。寧ろ上手くなっているはずよ。4台目だけど。)
運転技術ではなく【奴ら】を引き飛ばす技術が向上していることに現実逃避をしながらキャンピングカーを走らせていると、ショッピングモールの看板が目に入った。
(お姉ちゃんとの合流を最優先させたいけど、何かここで調達しておいた方がいいかしら。最低限の食料や雑貨品はもう確保してあるけど、避難所になっているであろう巡ヶ丘高校でも物資が足りているかわからないし・・・。)
時刻はまだ14時だが、雲行きが怪しい。まだ雨は降ってこないだろうが、数時間以内には降ってくるだろうと考えて、私は駐車場にキャンピングカーを入れる。どうせ誰も困らないだろうと車を止めるスペースを無視してショッピングモールの入口に寄せて止める。愛用の改造刀を手に周囲の安全を確認、キャンピングカーから出た。
普段は買い物客で賑やかであろうショッピングモールは閑散としていた。
入口に止めてあるショッピングカートに目をやると、後ろの掲示板に貼られているショッピングモールのポスターに目が向いた。
《皆さまに愛されて20周年!リバーシティ・トロンへようこそ!》
もう沢山の客に愛されることのないショッピングモールのポスターが私には何処か寂しく見えた。
ショッピングカートは動かすと音が店内に響くが、そんなに長居するつもりもなかったためバックよりもこちらを選んだのだが・・・
(エレベーターもエスカレーターも止まっているんじゃショッピングカートは使いにくいわね。各階毎に使い分けて、上り下りの時は買い物籠を持ち運ぶしかないか・・・。)
エスカレーターのあるホールまでショッピングカートを押して進むと、ホールの一角に【奴ら】が何故か集まっていた。怪訝に思っていると集まっている【奴ら】の奥から
「い・・・嫌!来ないでっ!」
確かに声がした!
声が聞こえるや否や、ショッピングカートを【奴ら】のすぐ近くに突き飛ばす。壁にぶつかり大きな音を立てると、集まっていた全ての【奴ら】がショッピングカートに目を向ける。その隙に【奴ら】まで接近すると持っていた改造刀で3人の首をはねる。すると【奴ら】に囲まれていた女の子と目が合う。
「捕まって!一緒に逃げましょう!」
「は、はいっ!」
彼女の腕をしっかり掴み【奴ら】から離れる。もう物資の調達どころではないため、このまま入口に向かおうとするが、突然女の子がしゃがみ込む。
「どうしたの!?」
「足が、捻っちゃったみたいで・・・。」
女の子が痛そうに右足を抑える。だが怪我の具合を見る前にもっと恐ろしい現実を見てしまう。
「ウオオオオオオァァァァ・・・」
「ヴアアアアアアゥゥゥゥ・・・」
「嘘でしょう!?もうこんなにこいつら・・・。」
大きな音を立て過ぎた為か、四方八方から【奴ら】がにじり寄ってくる。
入口からも5人・・・5人!?5人位なら逃げ切れる!
こんな所で死ぬ訳にはいかない。
お姉ちゃんに合うことだけが最優先だ。
自分の命の方が大切に決まっている。
危険を冒してまで見ず知らずの女の子を助ける必要はないと自分に言い聞かせる。
後ろの女の子を見る。
すると女の子は足を痛めていた時とは別の絶望感を漂わせたような表情をしていた。
《
突然頭に響く誰かの声。【奴ら】がすぐそこまで寄ってきていることも忘れて目の前の女の子を注視する。この子の声じゃない。もっと幼い・・・聞いたことがあるような声。
《
「違う!!!」
無意識に改造刀の
「燃えた!?どうして!?」
女の子の当然の疑問に答える暇も無く、寄ってくる【奴ら】を次々と改造刀で切り裂いていく。改造刀に触れた【奴ら】は1人残らず燃え始める。突然火があがり、【奴ら】の動きが鈍くなった。改造刀のスイッチを切り、鞘に納める。
そして女の子に背を向けてしゃがみ込んだ。
「えっ?」
「走れないのでしょう!?乗って!」
「わ、わかりました!」
女の子が私の背に乗ってくる。しっかり背負えていることを確認し、入口に向かって走り出す。お・・・重いっ。体育は高3の時まではよかったが、それ以降運動をあまりしていなかったツケがこんな所で回ってきていた。
大学に入ってから碌に体を動かさず、甘いものばかり食べていた過去の自分に呪詛を吐きながら、ようやくショッピングモールを出ることが出来た。キャンピングカーを入口付近に止めておいて正解だったわね。
「さぁ乗って!」
「はい!」
女の子がキャンピングカーに乗るのを確認すると、私も運転席に座りドアを閉める。エンジンをかけて、キャンピングカーを走らせる。駐車場から道路に出て、お姉ちゃんが勤務している巡ヶ丘高校を目指して進んだ。
私は女の子を助けることが出来た。
以下注視した点
1.めぐねえの3人の呼び方・・・アニメ回想シーンでは、丈槍由紀を「由紀ちゃん」・若狭悠里を「悠里さん」と呼んでいる。しかし由紀の妄想めぐねえは丈槍由紀を「丈槍さん」・とあるがっこうぐらし!の悠里の説明書きに『めぐねえは悠里を「悠里ちゃん」と呼んでいる』とある。全てをしっかり確認した訳ではないため混乱を避けるために「由紀ちゃん」「悠里さん」にしました。恵飛須沢胡桃は「胡桃さん」だったと思う。1話冒頭で早くも創作に躓く要因となった原因その1である。
2.めぐねえの怪我・・・皆を庇い囮となっためぐねえ。しかしアニメでは右腕を抑えているのに対し、原作のめぐねえは左腕を抑えている。さらにアニメにて扉の前で座り込んだ際、扉に背中をつけていたためか扉に血が付着している。しかしその後、由紀が通った時には扉に血の跡すらついていない。おまけにめぐねえは頭からも血が流れているようにも見える。本作ではアニメを遵守し右腕と背中としたが、彼女は何処を怪我したのだろうか?1話冒頭で早くも創作に躓く要因となった原因その2である。
3.時系列について・・・ショッピングモールの女の子が1人脱出を試みる日とめぐねえが亡くなった日は本来全く別(のはず)です。しかしそもそも原作とアニメとで展開が違うのですから、これも本作設定と考えて下さい。
4.SIDE ???・・・めぐねえの双子の妹です。名前はもう決めていますが、あえてここではまだ非公開としています。登場人物が少ないと名前も出てくる必要も少ないですし、どうしても描写が増えてしまいますね。
5.改造刀・・・チートアイテムに見えますがいろいろとデメリットもあります。【奴ら】をはね続けたり、改造刀を振り回したりと一見チートキャラにも見えますが、本作ではチートキャラは出てきません。(ただしギリギリチートなアイテムは出てくるかも)
6.女の子・・・めぐねえ妹が助けた女の子。原作かアニメを見ている方は誰かわかると思いますが、まだ「女の子」と表記しています。原作やアニメと展開が違いますが、これも本作設定です。
7.めぐねえ妹に声をかける誰か・・・明らかになるのはまだ先です。本作のめぐねえ妹も「ショッピングモールにつくまでにいろいろなことがあった」ということです。
原作・アニメとの細かい矛盾点等は本作設定ということでご了承ください。本作内の矛盾点がないかどうか確かめるだけで精一杯です。2次創作って本当に大変なんですね。