佐倉慈の双子の妹【樅路恵】はショッピングモールで祠堂圭を助けて巡ヶ丘高校までやってきた。
足を怪我している圭を車に残し、1人【奴ら】が雪崩れ込む巡ヶ丘高校に突入し、なんとか慈と生き残った生徒達を助けることに成功した。
しかし廊下は完全に【奴ら】に占拠され、樅路と恵飛須沢胡桃は物理実験室に閉じ込められてしまった。
圭と連絡を取った後、樅路は窓から2階に降りようとするのだった!
麒麟「今回はまともに前書き書いてみたけど、どうかな?」
一同「『どうかな』って言われても・・・。」
樅路恵 SIDE
「じゃあ、行ってくるわね。」
「本当に窓から2階に降りるんだな。っていうかいろいろ省かれたような気がするんだけど。」
「カーテンを2人で全部取ってガムテープで1本に繋げて固定しカーテンロープを作ってもう1度祠堂さんに無線機で連絡。この状況を打開するための作戦を2人に説明して「「絶対無理」」と言われた後1つ1つ説明して納得させたわね。カーテンロープを窓枠に括り付けてガムテープでさらに固定している間に、リュックに入れておいた人力充電器で改造刀の電力をチャージ。カーテンロープを降りることを考慮し、リュックは置いていく代わりに背中に改造刀を背負えるようにこれもガムテープで固定して服に張り付けた。・・・特に省いた所なんてなかったわよね?」
「そうだな。やっぱめぐねえと樅路さんは違うってことは理解したよ。」
どこか呆れた様子で納得している恵飛須沢さん。あのやり取りで意見が180度変わったのは何故なのかしら?そう思いながらカーテンロープに手をかけようとして・・・恵飛須沢さんに左腕を掴まれた。雨でカーテンロープが濡れ始めているからあまり時間はかけたくないのだけど・・・。
「・・・作戦を説明した時に樅路さんが学校の関係者だってことは教えてもらった。今更だけど樅路さんがただの一般人じゃないってことも気づいてる。」
「・・・・・・。」
「話を聞いてた圭も、何も言わなかったけど気づいてるはずだ。けど、あたしが言いたいのはそういうことじゃないんだ。・・・こんな危険な作戦、あたしはしてほしくないっ。」
「えっ!?」
驚いたのは祠堂さんも気づいているだろうって言われたことではなく、「してほしくない」と言った後に恵飛須沢さんが抱きついてきたことにだ。
「もう嫌なんだっ!誰だろうと生きてる奴が死ぬのは!だからムグッ。」
「だめでしょう恵飛須沢さん。大きな声を出しちゃだめってさっきも注意したじゃない?」
「で、でもっ!」
「大丈夫。私は絶対に死なない。これだけは約束出来るわ。私は佐倉慈じゃないのだから。」
「え?」
私の自信と妙な答えにようやく恵飛須沢さんは落ち着いた。時間を取られるが仕方ない。
「私は誰かが死ぬことが周りの人間にどれだけ影響を及ぼすか知ってる。防火扉で身を挺してお姉ちゃんはあなた達を守ろうとしたのでしょうけどね。その後・・・食い荒らされためぐねえだったものか、【奴ら】に成り果てためぐねえが、あなた達にどのような影響を及ぼすのかを考えていないのよ。」
私があえて傷口を焼く手段をとったのもこの為だ。罪を理解し罰を受けてもらうことで、己の死が残された者達にどのような影響を及ぼすのかをお姉ちゃんには考えて欲しい。
「私は犠牲になってまであなた達を助けようなんて思っていないわ。私にはやらなければならないことがまだまだあるのだから。」
恵飛須沢さんの手をゆっくり外してカーテンロープを掴む。雨でもうかなり濡れているが、強度に問題はなさそうね。
「わかった。樅路さんを信じて待ってるからな!」
「ええ!」
カーテンロープを使ってなんとか2階の図書室まで降りることが出来た。幸い似たようなアスレチック攻略番組を見たことがあったため、落ち着いて降りれた。図書室にはほとんど【奴ら】がいなかったため、素早く廊下に出て扉を閉める。2階廊下もやはりほとんど【奴ら】はいなかった。
(やっぱり皆3階に移動しているわね。今のうちに残りを倒さないと・・・。)
背中に張り付けていたガムテープを取って改造刀を構える。この作戦は1階と2階の中央階段付近と昇降口の【奴ら】を倒さないと足を怪我している祠堂さんに負担がかかる。そのため出来るだけ音を立てずに素早く倒していく。中央階段右手にある「2年C組」に入る。
「ヴォォオオゥゥ・・・」
(1人だけ・・・。計算通りほとんど3階のようね。けど油断はしない!)
躊躇せず首をはねる。女子生徒だった【奴ら】の首から下はばたりと倒れ、転がっていた首も動かなくなった。一息つきたい所だけど、時間との勝負のためすぐに行動を再開。教室の出入り口の片方だけ鍵をかけて、もう片方から出て扉を閉める。
(よし、これで一応「2年C組」は安全・・・。次は1階!)
中央階段には幸運にも【奴ら】はいなかった。階段で倒すと死体が階段を転がり落ちて音が出るため非常に助かった。階段を降りて昇降口まで来るが・・・
(さすがにここにはいるか・・・。数は6人かな?早速使いましょうか。)
恵飛須沢さんに貸していた改造水鉄砲。スカートをめくってまた改造水鉄砲を手に取る。広範囲に音を立てずに攻撃できる切り札を早速使い、【奴ら】がもがき苦しんでいる間に1体ずつ倒していく。6体目を倒すと無意識にため息が出た。
(残り1発だったのだけど出し惜しみしてる場合じゃなかったし、仕方がないわよね・・・ん?)
ふと下駄箱にうつ伏せで倒れている女子生徒の死体が気になった。近づいても起き上がってこないため【奴ら】にはなっていないようだが、死体の損傷具合から【奴ら】になろうとしている時に死んだみたい・・・。
(いや、やっぱり何か変だわこの死体。でも暗くてよく見えないし、万が一にも起き上がってきたら・・・えっ?)
床に落ちている小さな金属と血まみれのアクセサリーを見つけた。特に前者は学校には落ちているはずのないものだった。周りを見渡し付近に【奴ら】がいないのを確認。改造刀を両手で持って死体を仰向けにする。ポケットに入れていたライターを出そうとして
ゴロゴロゴロ!!
雷が鳴った。
直前のフラッシュに今度はなんとか意識を保たせることが出来た。いや、彼女を見て絶句した。
丈槍由紀 SIDE
めぐねえの手当も終わって、私とりーさんは黙って椅子に座っていた。めぐねえはうつ伏せに寝ていて顔が見えないけど、ときどき背中の痛みからか声が聞こえてくる。
でもそんな小さな声も窓に打ちつける大雨と風の音や雷の音、それと廊下にいる
(めぐねえのそっくりさん今頃どうしてるのかなぁ?)
やっぱり気になったのは、めぐねえとまったく同じ顔をした女性のことだった。身長も着ている服も身に着けてる時計や首にかけているロザリオまで一緒だった。めぐねえの背中のけがのことはともかく、めぐねえを助けてくれた人だから悪い人じゃないことは確かだと思う。だけど・・・
めぐねえのあの一言がとても気になってる。そっくりさんは確かに「お姉ちゃん」と呼んでたし、めぐねえに対してとても親しそうだったのに・・・。
それともう1つ気になっていたのは、胡桃ちゃんやりーさんのことは知ってなさそうだったのに、私のことだけフルネームで呼んでたことだ。そっくりさんは私のことを知ってそうだったけど、私はめぐねえにしかあったことはないはずなのに・・・。
そこまで考えて、首をぶんぶんふった。悪いことを考えてると、どんどん自分が嫌いになっていく。別のことを考えよう・・・。
(そういえば
クラスメイトで友達の
「_________。」
(ん?)
さっきから雨音や廊下の悪い人の声にまじって、小さい声?が聞こえていたけど、それが少し大きくなった。
「いない・・・。いない・・・?「妹」なんて・・・?いも、うと・・・。」
「り、りーさん?」
目の前に座っているりーさんの様子が明らかにおかしかった。名前を呼んでも返事はなくて、ブツブツと独り言をつぶやいていた。
「あ、うあ・・・。「妹」なんていない・・・。りーさん・・・?『りーね、えっ』。」
「りーさんっ。どうし
ピカッ!ゴロゴロゴロ!!
突然雷が鳴った直前に部屋中光が覆い、りーさんの顔を見てしまう。
「ひっ!」
つい悲鳴を上げてしまい、足を机にぶつけてしまう。大きな音を出しちゃったけど、雷の音にかき消えたみたいで、廊下の悪い人が扉を叩いてくることはなかった。ぶつけたと言ってもそこまで痛くはないけど、ぶつけたところをスリスリとなでる。痛みが引いてきたら、窓にかかっているカーテンを音をたてないようにして閉めた。
こんなことがあったのにりーさんはいすに座ったまま独り言を続けていた。もう何を言ってるのかも聞こえないし、聞きたくなかったから部屋のすみっこに移動して床に座った。
(そっくりさん!胡桃ちゃん!)
生徒会室の外で戦っている2人を想うことで、私はおちつこうとした。
樅路恵 SIDE
昇降口から出ると大雨が全身に容赦なく降りかかってきた。幸い【奴ら】はあまりいないが、2~3人が私に気づき近づいてくる。相手をしたいけど、大雨と風の影響から万が一を考えて戦いを避けようと、校舎の左翼側にある駐車場に向かう。その途中、生徒ではない大人の死体4人が転がっていた。近くを通ると、腕や足・・・首が折れていることに気がついた。
(何で手足が・・・まさか上から落ちてきた教師達!?)
真上を、正確には3階の職員室を見る。4人の死体が落ちている場所の真上に職員室があるため、落ちた衝撃で折れたとしたら説明がつく。何があったのかはわからないが・・・
「グオォォォ・・・」
先程相手をしなかった【奴ら】が追いついてきた。暗くてよく見えないが、お姉ちゃんと仲が良かったという
今度こそ私は駐車場に駆け出した。
??? SIDE 昇降口
以下、補足・・・とおまけ
1.胡桃「いろいろと省かれた気がするんだけど」・・・これからの救出作戦を2人に話して、その通りにまた行動をするのってなんか違う気がする。全く話が進まないため強引に進めてみました。
2.改造刀の電力をチャージ・・・改造刀の切れ味は柄の部分に電力を貯める所があり、同じく柄にあるスイッチのオン・オフで切り替えることが可能・・・という設定。『チャージしなければならない』『いつ切れるかを計算しなければならない』等のデメリットがある。
3.人力充電器・・・人力充電ラジオみたいなハンドルを回して充電するタイプ。改造水鉄砲やこのような人力充電器を持っているのは、由紀やめぐねえのような非戦闘員にも出来る仕事を与えるため。
4.佐倉慈の罪と罰/傷を焼いて出血を止めた理由・・・樅路が焼灼止血法を行った理由その1。当然それだけが理由ではない。
5.似たようなアスレチック攻略番組・・・これにはあまり触れない方がいいかな?
6.背負っていた改造刀・・・リュックは物理実験室に置いてきています。リュックを背負った状態では改造刀を背負えないし、樅路の体重+リュックの中身の重みでカーテンロープが落ちる可能性があるためです。
7.2年C組にいた【奴ら】・・・特に他の【奴ら】と違いはないが・・・。
8.ポケットに入れていたライター・・・何かに使えないかとポケットに入れていたようだ。
9.丈槍由紀SIDEの漢字や文章の書き方・・・キャラクターによって言葉や考え方を選ばなければいけないのは結構難しいと私は思っています。特に丈槍由紀は難しいキャラクターで、不安定な精神状態でどのように言動をしていくのか捉えづらいです。今回彼女に白羽の矢が立ったのは、①丈槍由紀視点での文章を考えてみたかった。②丈槍由紀のクラスメイトの名前を由紀視点で出してみたかった。③というか、現状生徒会室籠城組の中で体力面・精神面で1番まともなのが彼女・・・という理由があったから。
10.
アニメでは3人をなんて呼んでいるのかはわからなかったため、本作の由紀はこのように呼んでいるという設定でお願いします。調べてみたのですが蓮見巴旗だけ公式での振り仮名がないんですよね。巴旗は「ともき」と読むと思うのですが・・・。
11.空気を読む雷・・・6話から雷が鳴り始めていますが、なんとも丁度いい?タイミングで鳴っておりますが偶然。そう偶然です。気にしない気にしない。
12.丈槍由紀の担任 神山先生の行方・・・アニメでは3話のパンデミック当日の回想話にて、最後にめぐねえ宛に電話をかけて屋上の鍵をかけるように伝えた後、消息不明となった。アニメでは最後に職員室にいた描写がありますが、本作では何処に・・・?
13.???SIDE・・・ここでは誰の視点でもありません。場つなぎ的な考えで入れてみたナレーションのようなものです。こういうのは必要なかったでしょうかね。決して文字数を稼ぎたかったとかじゃないですよ。
以下おまけ
14.蓮見巴旗が銃で撃たれて死んでいた。・・・
巴旗「何で銃で撃たれた死体役なのよ!?」Σ( ̄□ ̄|||)
貴依「どうしてこうなったw」\(^o^)/
照子「これはひどいw」\(^o^)/
15.丈槍由紀SIDE・・・の生徒会室・・・
丈槍由紀「めぐねえ助けて!りーさんが怖い!」(>_<)
悠里「るーちゃんるーちゃんるーちゃんるーちゃんるーちゃん・・・。」ブツブツブツブツ
めぐねえ「ミエナイキコエナイユキチャンゴメン」←(実はしっかり聞こえていたりする。):;(∩´﹏`∩);:
16.血まみれのチョーカー・・・
貴依「これ私のだよな!?もしかして私まだ生きてるとか!?」
照子「巴旗があれだったからね。」
巴旗「作者は上げて落とすタイプみたいだからな。」
照子・巴旗「「楽しみね貴依!」」(*‘∀‘)(*´ω`*)ニヤニヤ
貴依「・・・・・・。」(#^ω^)ピキピキ
第8話は省いた所が多いため補足説明がないとわかりづらかったり、無理矢理進めた感があります(特にカーテンロープの所)。ただここだけに時間をかけて表現すると、どうしてもグダグダな感じがしてしまい、やむなく詳細な描写は控えました。
細かい矛盾点等は本作設定ということでご了承ください。
誤字脱字や明らかな矛盾点等があれば、感想にてご指摘いただけると幸いです。