数年前より深海棲艦と呼ばれる特殊生物群が出現し
シーレーンや各国の領海の安全を脅かす事態が発生した。
これに対し1954年のゴジラ襲来以降怪獣などの特殊生物対策を講じていた日本は
「艦娘」と呼ばれる旧軍の艦船の記憶を引き継ぎ戦う少女達を誕生させ、更に対特殊生物兵器部隊をその深海棲艦戦に参加させるなど
確実に深海棲艦への対策を整えていった。
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航空自衛隊 入間基地 地区防空指令所
ここでは中部区域(東北南部~四国東部区域)の領空や周辺空域をレーダーで監視しており、領空侵犯の恐れがある国籍不明機などを確認した場合、近隣の航空団に緊急連絡を行い、それに加えスクランブル発進した要撃機の管制を行っている。
特殊生物の侵入の恐れがある場合でも、それ自体は代わりはない。
「司令、アメリカ空軍の早期警戒レーダーが国籍不明の超音速飛行物体を探知!日本列島を目指しているとのことです!」
「何?」
「AWACSが飛行物体を捕捉、我が国の防空識別圏に入りました。目標は硫黄島の西南海域を北上中!」
「百里基地へスクランブル発令!」
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航空自衛隊 百里基地
ブーッとサイレンの音が基地に鳴り響く
『スクランブル!スクランブル!』
『未確認飛行物体が接近中!スクランブルされたし!』
サイレンが鳴り、20秒でパイロットは機体へ乗り込んだ
1番機はF-15J イーグル
マクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発したF-15Cを三菱重工業がライセンス生産したものである。
元の機体の初飛行は1972年というすでに数十年以上前の機体であるものの、ステルスを除いた性能は申し分ないものである。
武装は固定の機関銃及び短距離ミサイル「04式空対空誘導弾(AAM-5)」に加え、中距離ミサイル「99式空対空誘導弾(AAM-5)」を搭載している。
2番機はF-35A ライトニングⅡ
ロッキード・マーティン社が開発した多用途性を備えた最新鋭ステルス戦闘機である。
元の機体の初飛行は2000年という若い機体であり、F-22に次いでの対空戦闘能力があり、対地・対艦能力ではトップクラスである。
武装は固定の機関銃及び短距離ミサイル「AIM-9X サイドワインダー」に加え、中距離ミサイル「AIM-120C AMRAAM」を搭載している。
『ビター1、アーク1、スクランブル発進!』
F-15 1機、F-35 1機が相次いで発進する
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航空自衛隊 入間基地 地区防空指令所
不明機により指令所内も慌ただしくなり、オペレーター達も一斉に忙しくなっていく
「邀撃上がりました。百里204のビター1、同303のアーク1。目標に接近中!」
「超音速飛行体、領空内へ侵入します」
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空域ではF-15J、F-35Aが未確認飛行物体へ接近中であった。
時間が時間であるためか、空は暗く、雲も多いが至って平和な空であった。
<<こちらビター1、目標をレーダーで捕捉した。これより確認する>>
先頭はビター1のF-15J、続いてアーク1のF-35Aが続き、高度を上げる
雲を突っ切ると、そこには確かに飛行物体が居た
だが雲が煙幕代わりとなっているのか、肉眼では確認できないものであった。
<<目標を確認した。これより追尾する>>
<<入間コントロール、了解>>
ビター1及びアーク1が目標の真横へ付く
<<警告。貴機は日本領空を侵犯している。速やかに領空から退去せよ>>
<<You are approaching Japanese airspace territory. Follow my guidance.>>
無線による警告を行う
<<目標は警告を無視し領空を侵犯中>>
<<入間コントロール、了解>>
そしてその目標の煙幕が一部消え、姿が少しだけ露わとなる。
そこから見えるのは明らかにヒトが作る航空機とは思えないものだ
<<目標の一部を視認した。航空機ではない!警告射撃の許可を求める>>
ビター1、アーク1が目標の上部後方へ高度を変える
<<目標への警告射撃を許可する!>>
<<了解!安全装置解除!レーダーロックオン!>>
レーダーで目標へ照準を定める
<<FOX3!>>
ビター1より機関砲が発射される
だが目標は停止せず、北上を続けている
<<目標は停止しない!>>
そしてその時、目標を包んでいた雲が一気に消える
<<!?>>
その航空物体は深海棲艦の艦載機……偵察機型と戦闘機型であった
<<目標を完全に視認!深海棲艦の艦載機と思われる!>>
『チッ……』
深海棲艦の戦闘機は即座に方向を変え、ビター1へ機銃を発射する
<<くっ……!>>
ビター1はその機銃をなんとか回避する
<<こちらアーク1、ビター1が敵から攻撃受けた!撃墜許可を要請する!>>
<<入間コントロール了解、ミサイル発射を許可する!>>
<<了解!安全装置解除!ターゲット……ロック!>>
<<FOX2、Fire!>>
アーク1より短距離ミサイルAIM-9Xが2発発射され
「!?」
深海棲艦の戦闘機と偵察機を撃墜する
<<目標の撃墜を確認!各機、異常はないか?>>
<<こちらビター1、問題ありません>>
<<アーク1、問題なし>>
<<こちらコントロール、ビター1、アーク1、帰投してください>>
<<ビター1、了解>>
<<アーク1、Copy>>
深海棲艦の航空機撃墜し、2機は帰投する
これでこの事は終わりを告げたかと思われた。
しかし深海棲艦は確かに空へ航空機をあげ、攻撃をする
だが本体は一部は陸上であるものの、殆どが海にあるものである。
これはあくまでも序章に過ぎなかった。
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某深海棲艦の基地
「チッ、テイサツキガヤラレタ……」
ヲ級改flagshipが舌打ちし、少し苛立ちを隠せていない
「マアソウクルワネ……ダケド、ソレダケデオワリジャナイワヨネ?」
対する戦艦棲姫はまだ余裕と思わせる表情をしていた。
「……マアイイ、ダイサンタイトダイニタイハスデニシュツゲキズミダカラ」
「ジャアワタシモデテイイカシラ?」
「……スキニシロ」
ヲ級改は少し不機嫌のまま、その場を後にした
「サテ、ドウシテヤロウカシラ……」
一方の戦艦棲姫は不敵な笑みを浮かべながら、同じく姿を消した。
今回は東京SOSとガメラ3っぽかった
艦娘の出番なし
だけど後悔はしていない