ガンダムビルドトロイアス   作:逸環

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今回登場するのは!
モフモフタヌキ!アライグマ!ハロ!銀髪眼鏡!ジャージ男!の5名!


BLDTroiaS MISSON4-1 Das Nibelungenlied

「へえ、『ニーベルンゲン』とのフォースバトルなのだ?」

「うん、そこからお誘いがあったんだ」

 

ある晴れた日。とは言ってもGBNのフィールドは大抵晴れているのだが、その日フォース『BLDTroiaS(ビルドトロイアス)』のフォースネストである洋館のリビングで、タヌベロスともう一人。Tシャツとジーンズに身を包む、黒髪で短髪の男が話していた。

 

「で、それをこのアライさんに言うってことは?」

「そうそう、アライさんにも参戦して欲しいんだよね。その日は空いてるんでしょ?」

「おーう、大丈夫なのだ」

 

男の名前は『アライ』。見た目の特徴の薄さに反し、一人称が「アライさん」なのに加え、「なのだ」口調が某アライグマのアニメキャラを思い出させる彼もまた、『BLDTroiaS(ビルドトロイアス)』の一人。そして馬鹿四天王と呼ばれる問題児たちの一角でもある。

 

「もうじきしたら残りのメンバーも来るだろうから、そしたら詳細を説明するね」

「わかったのだ」

 

その十数分後、集まったメンバーの内2名を見て、アライは頭をそっと抱える事になる。

 

 

 

 

 

 

「『ニーベルンゲン』?ああ、はいはい。あのイケメンリーダーで女性プレイヤーたちに人気のところね」

「思い出し方と情報の偏りが過ぎない?」

 

集合直後に早速タヌベロスのモフモフなお腹を枕にしたイツワは、早々に相手フォースへの醜い嫉妬を露にした。

イケメンは死すべし。慈悲はない。

言外にそう伝えるオーラを出すが、イケメンのアバターを使っている癖に何を言っているんだとは、タヌベロスも口には出さない。

 

「話を進めるけど、この間のマギーさんのとこでやった、初心者講習会の映像をそこのリーダーが見たらしくてね?自分たちに興味を持ったみたいで、バトルのお誘いが来たんだ」

「つまり合法的にイケメンをしばける……と?」

「普段は違法にイケメンをしばいてるみたいな言い方だね?」

「私はカタギです」

「何で違法でやっているか疑惑をかけたのに、自分がカタギって主張をしてるの?」

「ちょっと何言ってるか分からないですね」

 

そのままモフモフボディに顔を埋め、動かなくなるジャージ男。

それにため息をつきながら、ユートが眼鏡を押さえつつ口を開く。

 

「それで、フォースバトルの詳細は?」

「それはね、こういう感じ」

 

タヌベロスがウィンドウを開き、そこに記された情報を各自確認していく。

 

「ありゃ、知ってはいたけどやっぱり格上だね?」

「まあ、俺たちはまだ脱初心者程度だしな」

 

椅子に座るユートの膝の上では、クリーム色のハロボディのマヘルがウィンドウを動かす。

 

「相手のリーダーは個人ランクBランクだってさ。ウチの誰よりも高いね」

「リーダーさんと一人で戦えるの、タヌベーくらいか?必殺技の有無もあるし」

「うーん、どうだろうね?可能なら常に複数対1の状況はキープしたいけど、それも難しいかなぁ?」

 

フォース・ニーベルンゲンはリーダーがBランクで、他は全員がCランクだというのは分かっている。

BLDTroiaS(ビルドトロイアス)がリーダーであるタヌベロスがCランクである以外は、皆揃ってDランクであるため、必然的に格上との戦いが強いられる。

ならば常に数的有利をキープしたいのだが、それは向こうも同じだろう。

あーでもないこーでもないと情報を整理しつつ、方針を固めていく。

 

が、その中でアライの一言が火薬庫に火を放つこととなった。

 

「アライさん的には、何でこの面子なのか気になるのだ?よりにもよって、三馬鹿の内の二人がいるのだ」

「「オメーも入れて馬鹿四天王の内の三人だよ!バーーーカッ!!!」

瞬間的に中指を立て、抗議というよりも罵倒を入れていくユートとイツワ。

その姿はまさに瞬間湯沸かし器が二つ。

 

「お?なんだやるのだ?」

「おぉよ!イケメン共の前にお前ら揃って潰してやらぁ!!」

「前哨戦だな」

「ちょっと、三人とも―?ちょっと、ちょっとー?……あ、ダメだこれ」

 

馬鹿四天王(の内の3名)がバトルのために外へ出て行くのを、一応呼び止めるもすぐに諦めて遠い目になるマヘル。

そのマヘルの肩を……ハロボディなので分かりづらいが、おそらく肩であろう部位をぽむっと叩き、タヌベロスは優しく言う。

 

「えいきっきがいないだけ、あれでまだマシなんだよね」

「あ、この人私以上に諦めてた」

「そりゃあそうでしょ……」

 

常にフォース内に内ゲバを抱え込むリーダーの背中は、哀愁に満ちていた。

 

 

 

 

BATLLE REQUEST

DAIVER NAME:ジーク

【件名】

突然のご連絡、申し訳ございません。フォース戦を希望いたします。

【内容】

フォース・ニーベルンゲンのリーダーを務めます、ジークと申します。

先日のアダムの林檎主催で行われた初心者講習会の動画を拝見し、貴フォースに強い興味を抱きました。

つきましては、フォース戦を願えませんでしょうか?

ルールはオーソドックスな5対5の殲滅戦で、場所はムーンエリアのグラナダ近郊でいかがでしょうか。

日程は下記の候補の中から、貴フォースのご都合が良い日をご連絡ください。

ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

「この度は、フォース戦を受けていただき、感謝します」

「いえいえ、こちらこそお誘いいただいて嬉しいです」

 

そして当日の約束の時刻。

待ち合わせ場所となるムーンエリアにある月表面のロビーで、それぞれのフォースが顔を合わせた。

スラリとした体格を黒いスーツで覆い、派手過ぎない落ち着いたシルバーのイケメンである、ニーベルンゲンのリーダー『ジーク』とタヌベロスが握手と挨拶を交わす。

ジークの所作は洗練されており、なるほど世の女性陣達も虜になるだろう振る舞い。

 

「ハハ、実は断られるんじゃないかとビクビクしていましたよ」

「まさかまさか。こんな嬉しいお誘い、断るわけないですよ」

 

和やかに進むリーダー同士の会話。

では、そのすぐそばで行われる、メンバーたちの会話はというと。

 

「やあ、どうも綺麗なお姉さん。僕の名前はイツワ。どうぞよろしく」

「あらあら、ご丁寧にどうも。わたくしは『クリーム』です。よろしくお願いしますわ」

「「こ、こいつ……!躊躇いなく猫を被って……!って、ん?」」

 

金の長髪を優雅に靡かせる美女のクリームを相手に、いつも通り即座に猫を被って対応するイツワ。

その二人を見て、それぞれのメンバーにまたやりやがったという表情を見せ、それに気づき「あ、この人苦労人(俺と同じタイプだ)と理解したユートと、赤髪で目を隠した青年の『ミーメ』。

 

「ガハハ!ハロってことは、お試しさんかい?」

「いえ、これが本登録で使ってるアバターなんですよー」

「ガハハ!そうなのか!」

「ちょっと!グンターさん、声大き過ぎっすよ!」

「まあまあ、アライさんは大丈夫なのだ」

 

ハロボディのマヘルを見て、何が面白いのかは分からないが、とにかくガハハと笑う筋骨隆々の男性『グンター』と、それを諫める些かチャラい男性の『ハーゲン』。それにアライを加えた4人。

自己紹介をしつつ、それぞれが個性を主張しているのが見て取れる。

 

「ふむ、それではそろそろ」

「ええ、始めましょう」

 

メンバーたちが恙なく自己紹介をしているのを確認したリーダーたちが、握手を交わす。

 

「「楽しいバトルを!」」

 

 

 

 

 

「それじゃあ、出撃前に作戦を確認するね」

 

MS出撃ハッチでの待機中、リーダーであるタヌベロス主導の元で作戦の再確認が行われる。

 

「相手が全員格上であることを考えて、常に最低でも2名で行動すること。それと、最大の敵であるジークさんを見つけたら、集まれる人数で一気に叩く。月面は遮蔽物が少ないから、追い込んだりするポイントもないからね。それぞれの射線に入らないようにしつつ、挟み撃ちになる様に心がけよう」

「予定通り、タヌベーとアライとマヘルの組と、俺とイツワの組だな。……なあ、今からでも交代しないか?」

「バランス的にはこれが良いから、却下します」

「くそお」

「おい、幸運E-。俺とのコンビが嫌だってか」

「お前俺の背中狙うだろぉ!?」

「お互い様だろぉ!?」

「そのお互い様はやめて欲しいんだよなぁ……」

 

バランスの問題で馬鹿四天王の内の二人が組んだことで発生した、お互いの背中を警戒し合うという悲劇に、ちょっと目が遠くなるリーダー。

アバターだから毛が抜けないが、そろそろ毛の一部が丸くハゲないだろうかと、そんな心配もしてしまうのがなお悲しい。

 

「まあ、そろそろ出撃時間だから。みんなストップストップ」

「そうそう。馬鹿コンビも落ち着くのだ」

「「だからお前も同じ括りだろうがぁっ!!」」

「はいはい、それじゃあ行くよ」

 

いつものように口論を始めたメンバーたちを、タヌベロスが手を叩きながら諫め、出撃を促す。

そう。出撃までのカウントダウンが始まったのだ。

 

カウント5。

 

「チッ、背中には気を付けろよ……?『Ez−BD〔FPFB〕』、ユート」

 

カウント4。

 

「お前もせいぜいそうしな。『ヅダ』、イツワ」

 

カウント3。

 

「もー、2人とも……。『サンドルフォード・ラー』、マヘル」

 

カウント2。

 

「アライさんは知らないのだー。『Point guard』、アライ」

 

カウント1。

 

「まったく、もう……。締まらないなぁ……。『ガンダム00トロイアリバティ』、タヌベロス」

 

カウント0。

 

BLDTroiaS(ビルドトロイアス)、出撃!」

 

カタパルトで加速された五機の機影が、一気に月面へと躍り出る。

目指すは奇しくも自分たちと同様の、神話をその名に関する格上の相手。

 

戦いの火蓋が、切って落とされた。




次回予告

龍殺しの英雄を冠する格上を相手に戦う、フォースBLDTroiaS(ビルドトロイアス)
強大な敵、見えない機影、巻き起こる内ゲバ。
果たして勝機はあるのだろうか。

次回、ガンダムビルドトロイアス。
『BLDTroiaS MISSON4-2 ZZ GUNDAM』
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