助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて!
頭に声が響く、響く?誰の声が、俺の……いや私の声か。
何処だここは、ここは蟲蔵、私は間桐桜。
あぁ、違う、違うぞそんな名前ではない。
なんだ、どうなってる、いや死にたくないのだ、やめろ、殺したいだけで死んでほしくないだと!
オォォォ、オォォォォ……我はこんな所で死にたくないのだ。
知ってる、さぁ素材を落とせ!さぁ、さぁ!
「どれ、いつまで保つか見ものよなぁ」
「マキリ・ゾォルケンか」
「……貴様、何者だ」
何者か、それは間桐桜以外の何物でもない。
あらゆる可能性を操作し、情報を操作し、自らの生存戦略に則り行動している一人の少女だ。
最も生存確率の高い方法を取っているに過ぎない。
「ふむ、目障りだな」
「なっ!?」
蟲、蟲、蟲、周囲を囲む蟲は私の影に取り込まれる。
生命、魔力、魂、全てを転換する。
糧として、エネルギーとして、あり得るが物質でない存在を操作する。
「醜いな、己が妄執に溺れたか。しかし、死を恐れる気持ちはよく分かる」
「な、何を……あぁ、儂は、私は……なんということだ」
「貴様の記憶を元に……何をしている、おい、なぜ自害など、あっ」
眼の前でゾォルケンが蟲を使って共食いを起こし自害した。
なぜ、なぜ死んだのか理解できない。
「何を考えている、これからの生活をどうする気だ」
時間を操作しようにも、魔力が足りずに断念する。
善意で記憶を戻したら、自害するとは謎すぎる。
「取り敢えず、服だ。あのロリコンめ、なぜ全裸なのだ」
周囲の蟲を一掃し、影を纏って服とする。
見た目は黒いワンピースだ、流石は私だ良いセンスだ。
「お、お前!」
「慎二、いや鶴野か」
「お前は今頃、蟲蔵で」
「拷問は嫌だろ、お前は荷物を纏めて好きに生きろ」
目と目が合う瞬間、私は暗示を掛けた。
人の思考を誘導する、非物質の操作は得意な分野だ。
故に、鶴野は抵抗する間もなく虚ろな目で自室に戻った。
さて、ゾォルケンが自害したのは予想外であった。
過去の記憶を読み取り、屋敷に染み付いた情報から貯金通帳とか口座の位置は分かったが生活するのに些か不便だ。
幻影を作ることは出来るが、肉体などの物質を操作するのは出来ないからな。
しかし、鶴野に頼るといつか衛宮切嗣に拷問される。
おや、どうして私はそんな事を知っているのか、これは未来の記憶だろうか。
取り敢えず、お使いという体で食材を買うことから始めよう。
子供だからか、それとも時代だからか、個人商店であるが故にサービスと称して商品以上の物をくれたりする。
タダで物をあげるとか、将来シャッター商店街になったらどうするのか。
あぁ、しかし人の善意とは良いものだ。
鶴野が居なくなった屋敷は酷く寂しいが、しかし幼女のフリをしなくて良いのは都合が良かった。
いや、幼女なのだろうが誰かの記憶を手に入れたせいで幼女という実感が湧かないのだ。
取り敢えず、外観をどうにかしようと家の植物を全部伐採した。
壁に蔦が張っていて、正直薄気味悪いのだ。
魔術を用いたからか、街の名士なだけあって立派な洋館が目に入った。
元はこんなんだったのか、すごい。
味噌汁とご飯、それに焼き魚と目玉焼きを作って食事を摂る。
食事を取ったら、蟲蔵だった場所に布団を敷いてそこで寝る。
間桐の家は、一応魔術師らしく霊地の上に立っているようなので霊脈の魔力を吸収するためだ。
魔術を使ってチューチューするイメージか。
霊脈だか龍脈だか、よくわかんないけど地下に魔力が流れてるイメージだ、正確には魔力ではないんだけどな。
そこらへんはこれから勉強するしかない、オドとかマナとかよくわからん。
暫くしたら警察に捜索願を出してゾォルケンを失踪したことにした。
あと、警察の伝を使って間桐雁夜に連絡を取ることを行ってみた。
後になって分かったのだが鶴野はいつの間にか海外にいた。
息子が海外に留学しているからだろう、慎二の事はすっかり忘れていたぜ。
「桜ちゃん!あぁ、桜ちゃん」
「おぉ、おじさん久しぶり」
「良かった。桜ちゃん、桜ちゃん」
連絡してすぐに雁夜はやって来た。
開幕ハグからのクンカクンカには流石の私も苦笑いである。
私の母親をいまだに好きな童貞拗らせた馬鹿な人(笑)であるのは知ってたが、事実であったか。
「それで、いるんだろ臓硯!出てこい」
「おじさん、ちょっと」
「待っててくれ、何か臓硯が企んでるのは分かってるんだから」
「おじさん、お爺ちゃんは寿命で死んだよ」
私の言葉に雁夜は暫し固まって、まさかと苦笑いした。
いや、そういう事にしているのである。
数秒待って動きが無いことにどういうことだと困惑した雁夜、出てこないって。
「う、嘘だろ。殺しても死なない、あの吸血鬼が寿命だと」
「バルサン炊いたら死んだ」
「そんな馬鹿な……そんな呆気なく、今までの俺の人生は」
今から死ぬって感じで絶望するおじさん、流石にバルサンは無理があったか。
大丈夫大丈夫、桜ちゃんは可愛い、俺が守らなきゃって気持ちになるでしょ、はい暗示ですよ。
おじさんのSAN値は暗示で正常に戻った。
「やった、これからは二人で幸せになろう!」
「おっと、なんかテンション振り切れちゃってるけど桜的にポイント高いからオッケーってことにするか」
所がおじさんの知る桜は桜ではないのです。
この世界のこと、未来のこと、誰かの知識、誰かの経験、私はぐちゃぐちゃな情報のせいで昔には戻れないのです。
取り敢えず、今はホルマリン漬けになりたくない。
「おじさん、悲しいお知らせです。このままじゃ、私達は幸せになれない」
「な、なんだって!どういうことだい、桜ちゃん」
「私はレアな属性なので、他の魔術師に狙われます。もしお父様が知ったら連れ戻されるし、暫くしたら聖杯戦争が始まるんだよ」
「聖杯戦争……あぁ、そうか失念していた。あと一年で周期じゃないか」
おじさんは魔術師としての価値観が合わなかっただけで、間桐を継がせるために教育は施されていた。
だから知識や魔術については理解していて下地がある。
ないのは、コントロールとかそういう感覚的な経験である。
元より魔術刻印などゾォルケンは残しては居なかったので蟲の魔術は難しいかもしれない。
そもそも、魔力量とコントロールが平凡以下なのである。
これから一年後、聖杯戦争がこの街で起こされる。
その前に、この街から出たとしてどうやって過ごすのか。
魔術師に狙われながら普通の生活など、平凡な魔術師が出来るだろうか。
恐らく、それは不可能だと思われる。
「方法として用心棒を雇うしかないと思う」
「用心棒だって、そんな伝なんかある訳ない。だが、時臣に桜ちゃんを任せた所で、くっ……」
「おじさん、私達の願いを叶えてくれる存在がいるじゃない。聖杯戦争、これで何か気付かない」
「そうか、英霊だ……受肉した英霊さえ居れば、俺達は安泰だ」
勿論、こんなトントン拍子に話が進むのは人知れず魔術で思考を誘導したからである。
未来を知っているアドバンテージから、上手いこと勝ち残れば生存戦略としては最高の結果を得られるだろう。
まずはキャスターを召喚し、聖杯の汚染をどうにかする。
次におじさんの召喚した英霊を受肉、もしくは自害させる。
最後に、聖杯を取り込んでしまえば膨大な魔力が手に入る。
流石に、龍脈から数十年蓄えた魔力が宿るだけで無限ではないが結構な外付けタンクになる。
何、聖杯は降臨素材?何の知識だろうか。
「おじさんは魔術が大好き、さぁ特訓しよう」
「そうとなれば、魔術の特訓だ!」
「抵抗も出来ないとは、流石おじさん落伍者なだけある」
「何か言ったかい?」
「ううん、何でも無いよ」
ルート分岐
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メインヒロインだよ桜ちゃん
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ラスボスヒロインだよ桜ちゃん
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キチガイヒロインだよ桜ちゃん
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ヤンデレヒロインだよ桜ちゃん