ガンダムビルドトロイアス SIDEMISSONs 作:タヌベロス
初心者狩りの撃退。
ニーベルンゲンとのフォースバトル。
この二つの大きな戦いを経て、タヌベロスのガンプラはパワーアップを要求されていた。
製作技術の範囲内で順当にパワーアップして次につなげることのできるガンプラ。
その母体として、選ばれたのは
「こいつにはまだ可能性がある…」
新しく発売されたガンプラの箱を手に、タヌベロスはちょっとした工作を施す……
しばらくして、ブラッディアストレイは生まれ変わった。
頭部がシャープな造形へ生まれ変わり、背中のフライトユニットに
いわゆるレッドドラゴンというMSだ。
少し前に発売されたレッドドラゴンのガンプラに、ブラッディアストレイと同じ血濡れの塗装を施してパーツを組み込んだのだ。
「お、タヌベロスどのー。ガンプラ新調したんー?」
MSハンガーでパラメータのチェックをしていると、やや渋めの声の男性が声をかけてきた。
茶色と白の二色模様で二足歩行する猫のアバターを使っている彼は『アキシアル』。
この
「おお!レッドドラゴンにしたのか!素晴らしいな!」
ちょっとテンション高めのアキシアル。
人のガンプラを見るのが好きなタイプだ。
「うん、前のアストレイはやっぱ限界があったから思い切ってね」
「ガーベラストレートは?」
「性に合わないからつけてないよ」
「
「まぁ、そんなところ」
これから試運転に行ってくるから、とアキシアルと別れてタヌベロスはミッションへ向かう。
MISSON
RANK:?
『フリーバトルエリア探索』
【ミッション地】
地球エリア(フリーバトル区域)
【ミッション内容】
制限なくバトルのできる地域で、好きなだけガンプラバトルをしよう!
【敵性MS】
マッチング次第
【勝利条件】
敵機の撃破
【敗北条件】
自機の撃墜
レッドドラゴンは飛行スキルがある。
バトルエリアをぐるーっと一周回ってみれば、あちこちでフリー対戦が行われている。
誰か暇な人はいないか……と探していた時、通信が入る。
「そこのレッドドラゴン、今暇してる?」
通信の相手はロードアストレイだ。
見る限りただのロードアストレイでなくΩ……それも完全体だろう。
レアメタルΩと呼ばれる金属を装甲材質に使い、
「暇してるよ、対戦のお誘い?」
「そんなところ、お付き合いいただけるかな?」
「もちろん!喜んで」
コンソールに表示される
お互い
「総合ステータス32点……塗装で下げてるのに平均点を維持してるのか、すごいね」
相手のロードアストレイΩをスキャンする……総合ステータス45点。
特に
「そっちは全体的に高水準だ、油断すると一瞬で落とされそうだ」
「ははは、飛んで逃げられたら追いつけないよ」
「またまた~」
バトル開始のカウントが鳴り響く。
…………3
………2
……1
…0
ビープ音とともに始まったバトルは、ロードアストレイの先手で始まった。
ロードアストレイ唯一の武装、ロードロングソードが迫りくる。
タヌベロスは機体を後ろへ飛びのかせ回避しようとするが、ロードロングソードが伸びた。
通常の
シールドを犠牲に攻撃を防ぐが、あまりにも重い一撃で左腕がシールドごと吹っ飛ばされてしまった。
お返しにと、タヌベロスもビームライフルを撃ち込む。
しかしロードアストレイは避けない。
割ける必要がない。
レアメタルΩの驚異的な防御力はビームすら弾いてしまう。
「どうだ!これぞ
「いや、これは参ったね…」
タヌベロスは
ビームライフルの一撃は完全に弾かれた。
レアメタルを切断できるとされているアストレイの装備、ガーベラストレートは持ち込んでいない。
このままでは手も足も出ない、ただ逃げ惑うしかない。
そう思っていた時、手持ちのビームライフルの特性を思い出した。
「王からは逃げられないんだ……ぞっ!」
ロードアストレイの剣が分離して、さらに伸びる。
元々ムチのような機能のついていた
脚に絡みついて
背中のフライトユニットが破損する音がして、飛行能力低下のエラー表示がコンソールに浮き出る。
「王とは正々堂々と戦わないとならないのだ、もちろん逃げずに戦ってくれるな?」
「厳しいなぁ……」
「次の一撃で王は龍を狩る!いくぞ!」
ロードロングソードが二つに分離し、二刀流になる。
絶対の防御性能に自信があるのか、真っすぐとこちらへ走ってくる。
次の攻撃はきっと躱せないだろう、そんな予感がタヌベロスにあった。
なら、差し違えるしかない。
どうやって?
ビームは効かなかった。
カレトヴルッフも効果があるかわからない。
どう差し違える……?
考える時間はない、相手は待ってくれない。
手に持っていたビームライフルの引き金を引く。
ビームは出ない。
それでいい。
そのままビームライフルを投げ捨てて、フライトユニットからカレトヴルッフを取り出し
先にタヌベロスの剣が間合いに入る。
だが、それも阻まれる。
「
ロードアストレイの必殺技だろうか?
完全に命中したはずのタヌベロスの剣は鈍い音を立てて弾かれた。
そして次は、ロードアストレイの剣の間合いだ。
小細工もなにもない、純粋に威力の高い双剣がタヌベロスの
一の太刀、残っていた右腕が切り飛ばされた。
二の太刀、頭部メインカメラが切り飛ばされた。
勝敗は決した。
そう思ってロードアストレイが立ち止まった。
そこに、ビームが走る。
引き金を引いたまま放置されていたビームライフル。
これは発射に時間がかかる代わりに、威力と速度の高いビームを撃ちだす特性がある。
そのビームが、ロードアストレイの腹と腰の間を貫いた。
堂々とした王の仁王立ちはゆっくりと崩れ、あとに残されたのは
数秒の沈黙の後、お互いのコンソールに表示される引き分けの文字。
「か、賭けに勝った……原作の弱点がそのまま残ってくれていたなんて……」
「まさか、遅れてビームが飛んでくるとは……」
ゆっくりと陽が沈む中、ドラゴンと王は互いの健闘を称えあった。
相手ガンプラ
ロードアストレイΩ(完全体)
武装:改造ロードロングソード
Grade:7
Unique:7
Nimble:5
Power:10
Luxury:6
Armor:10
総合ステータス:45点
必殺技:不落要塞(フルメタルアーマー)
効果:ガンプラに任意のタイミングで0.5秒の間絶対防御を付与する。
使用回数:不明