傭兵さんと戦術人形   作:AZAZEL

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はい、お久です……お久ですぅ…
最近またドルフロをやり始めたAZAZELです

なんかもう、ドルフロも話進み過ぎてて分からんくなってきたわ…てか正規軍強過ぎひん?

あ、あと今回そんなにヤンデレでないかも…許し亭許して(懇願)
はい、では本編どうぞ


あたらしい てっけつが あらわれた

「おん?んー…?何だろう、これ…」

 

「どうしたB-889」

 

「お、けーくん…いやこれなんだけどね、ここの区域だけぽっかり穴が空いてるんだよね〜」

 

「穴?……おお、見事にここだけ…ジャミングか何かじゃねぇのか」

 

「多分ね〜、大方鉄血側がまた何かやろうとしてるんじゃないかな」

 

B-889が見せてくれたパソコンの画面、そこには衛星写真で撮ったとある区域の写真が映し出されているのだが……一部の区域のみぽっかりと穴が空いたように黒くなっている

 

衛星にまでジャミングをかけてくるとは……何を考えてるのやら

 

「さてどうしたものか……特にここが見えなくても支障はないが、何があるか気になるところではあるな」

 

「だね〜、もし使えそうなものだったら私も改造したいし〜……」

 

「……なんだその目は、俺に行ってこいってか?」

 

「お願いー!私特製のグレネード持って行っていいから行ってきてくれない?」

 

「………はぁ、正直なところ嫌な予感がプンプンしてるからあんまり行きたくは無いが…後になって面倒事が発生するのもな、しょうがねぇから行ってくるわ」

 

「ありがとうけーくん!じゃあ特製グレネード持ってくるから待っててね!」

 

B-889特製グレネード……アイツは普段パソコン画面にかじりついていたり、ジープやヘリの運転など戦闘面に関わる事は先ずしない

 

が、その本質は爆弾魔である

 

グレネード、EMPグレネード、焼夷弾…何でもござれ

G-185が刃物のエキスパートならば、B-889は爆発物のエキスパートだろうな

V-785?アイツは単に質量兵器が好きなだけだから気にするな

 

「はい、これがノーマルグレネードで…これが焼夷弾、これはEMPで……最後のこれは新作!中に超高圧電磁パルスが帯電したコイルを積んだその名も『エレキグレネード』!」

 

「EMPとは違うのか?」

 

「よくぞ聞いてくれました!このエレキグレネードは何と、人間の人体にも影響を及ぼします」

 

「何それ怖い」

 

「電磁パルスってのは要は電気信号を阻害する過電流なんですけども、これがあまりにも強力過ぎるとただの電流になる訳ですよ」

 

「それ単純に電気を人に流してるようなもんじゃ……」

 

「いぇす!その通り!」

 

こわぁこの人……いやまあ、ウチの会社にはそれ以上にエグいことしてる部隊もあるし今更だけど

 

「まあいざとなった時には使わせてもらうよ、じゃあ行ってくる」

 

「はーい!行ってらっしゃ〜い」

 

バイクに跨り、画像の地点をめざしてエンジンを吹かす

あの区域は確かなんにも無かったはずなんだがな……いつの間にジャミングが出来る装置を置いたのやら

 

「……ふむ、少し鉄血兵が多くなってきたな」

 

バイクを走らせながら撃ち抜いてはいたが……やっぱり何かしらのものがあるって事だな

 

この辺から歩いて行くか、音を立てるのも得策じゃないだろうし

バイクを草で隠すように置き、歩き出す

 

……ん?あれは、もしや………おおっと?404小隊じゃありませんかねぇ?クォレは不味いですねぇ……

 

「まあでも、アイツらが居るってことは何かしらあるって事で間違いは無いな……あれ?ナイン居なくないか」

 

「呼んだ?傭兵さん」

 

後ろを向くと、満面の笑みを浮かべたナインこと…UMP9がそこに居た

 

俺は全力で走り出そうとしたがナインに飛びつかれ、体勢を崩しそのまま404小隊の所へ転がり出てしまった

45、HK416、G11の前へナインに押し倒される形でな……これなんて羞恥プレイ?

 

「え!?傭兵さん…?」

 

「な、何でアンタがここに」

 

「ぬおお離せナインこらッ…俺は少し気になる事を調べに来ただけだ、お前の相手をしに来た訳じゃねぇんだよッ」

 

「そんな事言わないでさ、何もかも曝け出して本当の家族になろう?ね?」

 

「いいから離さんかい、おい45お前の妹だろどうにかしろ」

 

「あー…9?取り敢えず傭兵さんを離そうか?私達も任務出来てるからね?」

 

渋々だったが俺の上から退くナイン、溜息を吐きながら立ち上がると後ろから抱き着いてくるナイン……前より接触密度増えてないすかね

 

「……久し振りだな404小隊、と言っても…この前会ったか」

 

「ええ、まあそうね…あの時は何故か逃げられちゃったけど、まさかまた会うとは思ってもなかったよ」

 

「できるなら会いたくなかったがな」

 

「あら…酷いわぁ、傭兵さぁん?」

 

「やめろその間延びした呼び方…背中がゾワゾワすんだよ……それで、お前ら何でここに居るんだ」

 

「それは傭兵さんも分かってるんじゃないの?」

 

「食えねぇ奴だな……小隊でお出ましとは、随分と気合入ってるみたいだな」

 

「ええ、まあ…色々とあるのよ」

 

いつの間にか左腕に移動していたナイン、腕を絡めて何故か恋人繋ぎ

そして背中に引っ付くG11……何なのだ貴様ら、俺の背中は木か何かだと思ってんのかこの引っ付き虫め

 

「……アンタ、ホントどう言う神経してるのよ…監禁されかけた相手だってのに」

 

「あー…まあ、慣れてきたというか…なんと言うか……」

 

「何よそれ」

 

自分で言ってて悲しくなってくるな、何やねん監禁され慣れるって………

 

「まあいいわ……何時かは私達だけがアンタを理解するから」

 

「おー怖、精々期待しとくよ……さて、そろそろ俺は行きたいんだが離してくれるかね君達」

 

「ヤダ、もっと傭兵さんと一緒に居る」

 

「眠い」

 

「おい貴様ら……ちょっと小隊隊長どうにかして下さいよ」

 

「はぁ……9、G11…私達は私達でやる事があるのよ…それに、傭兵さんにはまた会えるんだから」

 

「おいちょっと待て、お前なんか細工しやがったな」

 

「フフ、それはどうかしらね?」

 

この野郎…いけしゃあしゃあとしやがってからに……

9はまた渋々といった感じで離れて行き、G11に関しては416に引っぺがされて連れて行かれた

 

「でも傭兵さん、まさか一人で行くの?」

 

「ああ?当たり前だろ、誰かと隊なんて組んだらそっちの方が失敗率が上がるからな」

 

「まあそういう人ね傭兵さんって……精々死なないでね」

 

「誰に言ってんだか」

 

404小隊と別れ、別のルートからアプローチをかける

45が少し情報を漏らしてくれたのだが、どうやら鉄血が新しい作戦を行っており…それに伴ってジャミングが発生しているとのこと

 

404小隊はそのジャミング装置の回収が目的らしい

 

「発生源はあの施設……か、そんなに情報を漏らしていいのかねぇ45さんよ…まあ俺からしてみれば有難い事だが」

 

なんて呟いてると鉄血兵がワラワラと現れる……チャチャッと一掃してあの施設に向かいますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういう事だ…!何故この人間は死なない!?」

 

有り得ん、これだけの人形に囲まれているにも関わらず…たかが生身の人間の分際で……クソッ!

 

他の虫ケラも迷い込んで来ているというのに…!

 

「このツケは重いぞ人間……必ず殺してやる」

 

モノトーンに彩られた一体の人形が、モニターに移る人間離れした傭兵を見ながら…怨嗟を垂れ流すように呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石に施設周りは警備が厳重だな、まあただの一般鉄血兵じゃ俺の相手にはならないが

鉄血兵だった残骸を蹴って退かし、施設内へ入って行く

 

施設内もそれなりに厳重警戒体勢…という訳で遠巻きからスナイパーで撃ち抜くことにした

 

俺の持っているVICEとGRINDER、一応サプレッサーが付属しているのだが……このサプレッサー、大きさは普通なのだがクッソ軽い

意味わかんないくらい軽い…それでいて消音機能は普通に働いているから余計に意味わからん

 

マジあの研究所なんなの?どこまで軽量化を目指してるの?

 

「いやー…スナイパーのサプレッサーってもっと重い筈なんだけどなぁ、あの研究所マジ何考えてるか分かんねぇわ…銃も軽いしサプレッサーも軽いときたもんだ」

 

遠巻きからパスパスと鉄血の集団を撃ち抜く……と、嫌な方の見知った顔が見えたので猛ダッシュで反対方向へ走り出す

 

「あは、あははははは!見つけたぞ傭兵!」

 

「なんで今日はこんなにツイてねぇんだろうか……マジ勘弁してくれ」

 

こちらを確認するやいなや超スピードで駆け出してきたハンターさん、勿体無いが捕まるよりはマシなのでスモークを4つ程ばら撒く

 

モクモクタイムに入った所で逆に考えるんだ……近付いちゃってもいいのさ、と…

足音で場所の把握はついてるのでそこ目掛けて掌底を叩き込む

 

「グガッ!?」

 

「ビンゴ、悪いなハンター…吹っ飛べ」

 

押し当てた掌底を捩じ込むように再度衝撃を加え、ハンターを吹っ飛ばす…4つもスモークをばら撒いたおかげで未だにモクモクタイムは持続中

 

ハンターさんには早々に退場してもろて、俺は逃げるぜ

 

て言うかもう調査いっかな、404小隊いるし…ジャミング装置はあの子達に回収させといてB-889には後で謝ろう

て言うか鉄血の時点で嫌な予感しまくりだったし、自分の身の為にもここで引き上げるのが一番良い気がする

 

「クソっ!やってくれたな傭兵!何処だ!」

 

流石は人形、あの程度の打撃じゃ落ちてはくれないか……丁度いいところに通気口があるじゃぁないですか

 

久し振りにダクトゥザヒューチャーしますか

 

「おい、どうしたんだハンター」

 

「エクスキューショナーか……いや、すまない…少し焦り過ぎた」

 

「まさか傭兵が?」

 

「ああ、またしてやられた…だが恐らくこの施設内にはまだ居る」

 

「そうか…ならさっさと捜し出して、連れて行かねぇとな」

 

ヤダあの子達本当に怖い話してるんだけど^〜……はぁ

てかエクスキューショナーまでいんのか、何か随分と警戒態勢が高いな……どうにもきな臭い

 

調査はここまでにしようかと思ったが、やっぱりもう少し探りを入れてみるか

 

ダクトを履い回ってとある部屋を見つけた……恐らくあの装置がジャミング装置なんだろうな、あの大きさじゃ何個かあるな

 

「よっ…と、さぁてコイツはどんな性能を………何だこれ」

 

本当になんだこれ、こんなもんわざわざ守ってたのか…?ハイエンドが二人がかりで、これは別に目的があるとみていいかな

 

もしくは、これ自体はただのダミー…ってとこか

 

「虫ケラ風情がコソコソしおって、死ぬがいい」

 

「あぶねっ」

 

背後から機銃を乱射するとは殺意高めでござんす

て言うかそんな乱射してたらジャミング装置に当たるんじゃね

 

「おいおい、大事な装置に当たったらどうするんだ」

 

「安心せい、それは唯のダミーだ…見事に引っかかったと思ったら貴様の方だったか」

 

「その口振りだとずっと見てたのか…まあ、監視カメラの動き的にそんな気はしてたが……まさかこんなに早くお目に掛かれるとはな、ウロボロス」

 

「わたしを知っているとはな…まあいい、貴様の所為で随分と荒らされてしまったからな…その命をもって償いとしてやろう」

 

「おー怖いこと言うねぇ……ま、御免こうむるけど」

 

アサルトを瞬時に構え、両サイド並んでいる武器めがけて撃ち放つ……しかしあれサイドアーム付いてないけどどうやって動かしてんだ?

 

片側に命中し、見事に爆散…流石はGRINDER、ハイエンドの装甲でも貫くか

 

「なっ!?馬鹿な!人間風情の武器でわたしの装甲を…!」

 

「俺の使ってる武器はとある研究所のお手製でね、普通じゃねぇんだわ」

 

「舐めるなよ!」

 

ミサイルと機銃か……鉄製の棚を倒し、その後ろへ避難する

飛んでくるミサイルはアサルトで撃ち落とし、序に牽制も兼ねて少し弾丸をばら撒いておく

 

「くっ!貴様本当に人間か!?ずっと見ていたがどう考えてもおかしいだろう!?」

 

「おいおい冗談も大概にしといてくれよ、俺は歴とした純度100%の人間だよ」

 

もう一個試してみるか、この間ペルシカリアからVICEを受け取る時貰っていた物だ

どうやらVICEの開発段階で出た試作品らしいのだが、結局ボツになったとの事

 

スナイパー専用の弾丸であり、弾頭が特殊加工されている物との事

 

「さあウロボロス、避けてみろ」

 

棚を台にしてスナイパーを固定し、ウロボロスへ向けて撃つ…紙一重で弾丸を躱し、カウンターとばかりに機銃を乱射する

 

「舐めるなよ人間風情が!」

 

「そいつはどうかな、お前…もっと周りを見て戦った方がいいぜ?」

 

「何を…ッ!?」

 

ウロボロスの斜め後ろには、グレネードが詰まった棚がある…それの棚に置いてあるグレネード全て起爆した

凄まじい衝撃と爆風が部屋内を掻き回し、爆発で空いた穴の方へウロボロスが吹っ飛んでいった

 

俺の撃ったあの特殊弾丸、弾頭の特殊加工により一度だけ入射角と全く同じ角度で跳弾するのだ

俺は敢えて斜めからウロボロスを狙い、壁に跳弾させてグレネードを射抜いたって訳だ

 

「ぐ、ガハッ…こ、こんな事が…!」

 

「これでチェックメイトか?ウロボロス」

 

「に、人間風情が…!」

 

「そこまでだ、傭兵」

 

アサルトを構えていた腕を叩かれ、銃を下に落としてしまう

背中に打撃が入り、よろけた瞬間にスリーパーで固められた…腕的にハンターだろうな

 

てかめっちゃシまる、ちょっと出力強過ぎないすか

 

「チッ…遅いぞハンター、エクスキューショナー」

 

「おいおい、それが助けに来てやった奴に吐く言葉か?見た感じ、傭兵にしてやられたって感じだなウロボロス」

 

「煩いぞエクスキューショナー…何をしているハンター、ソイツをささっと殺してしまえ」

 

「それは出来ない相談ね、この人はこのまま拠点に連れて帰るわ」

 

「何を……ああ、成程…ソイツがおぬしらの言っていた傭兵とやらか」

 

「……ああそうだ」

 

うーん、流石に絞められちゃうと人形との地力が違い過ぎて抜けらんないんだよなぁ

どうしたもんかねこれ、もしかしてまた鉄血送りすか

 

「無駄よ傭兵、ハンドガンも回収させてもらったわ」

 

「いつの間に…用意周到ですなハンターさんよ」

 

「よう、久し振りだな傭兵…また2つ選択肢をやろう…1つ、オレ達に従って拠点まで着いてくるか…2つ、強制的に眠らされて連れていかれるか」

 

「前も言ったが、結果が1つしか無いものを選択肢とは言わないんだぜ?」

 

「選ばせてやってるだけ有難く思ってくれ」

 

「悪いが俺は第三の選択肢を選ばせてもらうぜ……逃げるが勝ちだ」

 

腰でハンターを浮かせ、そのまま前へ投げる…倒れ込むと同時にハンターの腹へ肘鉄をお見舞し腕を緩ませる

それと一緒に置き土産をしたので一目散に離れる……何せ人体にすら影響を与えかねないからな

 

バチィ!と音を立ててエレキグレネードが炸裂する、ハンターとエクスキューショナーがモロに電磁パルスを受け動かなくなる

 

「ソイツはウチの爆弾魔特製の超高圧電磁パルスを詰んだB-889特製エレキグレネードだ、人体にすら影響が出る程の電磁パルスだ…お前らにゃ特に効くだろう」

 

「く、そ…や、って…くれ、たな」

 

「悪いが暫くはそこで寝ててもらおう」

 

エクスキューショナーとハンターを壁にもたれさせておく……そう言えばウロボロスが電磁パルスが弾ける前に逃げ出していたな

 

どこへ行ったのやら

 

「ま、って…くれ、よう、へい…行かないで、くれ…」

 

「……ハンター、俺には俺のやる事があるんだ…今のお前らとは相容れないやるべき事がな」

 

「いか…ないで……」

 

「………スマンな」

 

ギリギリの出力で伸ばされたハンターの手を取らずに、俺はその場から離れた

全く、こんな端くれの傭兵の何がいいんだかさっぱり分からんな

 

施設内を歩いていると、でかい扉が現れた…そんで中からドンパチやってる音が聞こえてきた

恐らくウロボロスと404小隊がやり合ってるんだろうな

 

扉は開かなかったので、近くの端末からハッキングして開けた

 

「おー、流石はハイエンド…その状態でも404小隊とやり合えるのか」

 

「なっ!エクスキューショナーとハンターはどうした!」

 

「寝てるよ、ここは譲ってもらおうか404小隊殿」

 

「……はぁ、ええどうぞ…あそこまでボロボロにしたのも傭兵さんなんでしょ?」

 

「ご名答、それじゃ最後の仕上げと行きますか」

 

ミサイルが大量に発射され、追撃とばかり機銃も乱射される…さっきと同じじゃないか全く

ミサイルを撃ち落としながら機銃の掃射を掻い潜る、ウロボロスの目の前まで近付き首元を掴み地面へ叩き付ける

 

それと同時にEMPグレネードをポイッと放り、バチバチさせて終了…エレキグレネードよりは出力が弱いが、人形にはよく効く

 

「動けない内に縛っとくか…ちょっと手貸して」

 

「はーい!」

 

ナインの手を借りながらウロボロスを縛りあげ、座らせる

 

「……何故殺さない」

 

「さあ?何でだろうな、お前がいい女だからかもな……冗談だよそんな目で見んな」

 

何で404小隊までそんな目で見んだよ、ちょっとしたジョークだって…あとナインちゃんその笑顔超怖いからやめてもらっていいすか

 

「さて、これが件のジャミング装置すか……ふむ、やっぱそうだよな」

 

「何よ、何かおかしなことでもあったの?」

 

「いやぁ416、このジャミング装置…本当にただのジャミング装置だなぁって」

 

「はぁ?何言ってるのよ、最初からそう言ったじゃない」

 

「いやぁ、俺はてっきりもっと厄介な機能を詰んだジャミング装置を開発したのかと思ってたんだが……目的はそうじゃないみたいだな」

 

「つまりどう言う事よ」

 

「多分、404小隊…もしくはお前らの内か誰かをここへ誘導する為に敷いた罠…って訳だ、そうだろう?代理人」

 

何も映っていない超大型モニターへそう問いかけると、ノイズの後に代理人が映し出された

コイツも最初から見てやがったな…本当に食えねぇ奴らだわ

 

『お久し振りですね傭兵さん、画面越しなのが大変残念ですが貴方の顔を見られて嬉しい限りです』

 

「そいつはどうも、出来れば画面だけで満足してくれると有難いんだがな」

 

『フフ、その程度で私達が満足するとでも?』

 

「いや、期待してない…ちょっと言ってみただけだ……それで、ここまで大それたジャミング作戦を行っておいてマジでただのジャミング装置とは…一体どう言う事かね?」

 

『そうですね……それについては傭兵さんにもお伝えできかねます、何しろ最重要作戦ですので…ですがそれを見破ったのは流石ですね、傭兵さん』

 

「代理人からのお褒めとは恐縮ですな」

 

『さて、ウロボロス…貴女の最初にして最後の作戦でしたが、完膚無きまでの失敗ですね…まあ傭兵さんがその場にいる時点で、勝ち目など無いに等しいですが』

 

「……チッ、言い返す言葉などない」

 

『素直じゃありませんね、まあいいでしょう…ですが貴女の指揮に関しては目に余るところが多過ぎます、貴女は鉄血にはもう不要です』

 

「なっ!何だと!?馬鹿を吐かすな代理人!」

 

『馬鹿はどちらですか、相手との力量差を測れず無謀に敗れ散ったのは誰ですか…貴女の所為でハンターとエクスキューショナーは戦闘不能になりました、指揮官としては三流以下です……では、私にはまだやる事が有りますので…傭兵さん、またお迎えに上がりますから…楽しみにしておいて下さい』

 

全く楽しみ過ぎて夜すら寝れねぇよ……

さぁてどうすっかなこの子、どう考えても代理人の発言的に鉄血から切り捨てられてんよなぁ

 

「……はぁ、なあ45…ここであった事、あの指揮官だけに報告してくれよ」

 

「何するつもり?」

 

「人材募集」

 

「は?……ちょっ、まさか…!」

 

ウロボロスの方へと歩いて行き、正面で立ち止まる…腰をかがめて視線を合わす

そろそろEMPで破損した回路も自己修復できた頃合いだろう

 

「……何だ、嫌味でも言いに来たか人間」

 

「いや?お前に提案を持ち掛けに来た」

 

「提案……だと?」

 

「ああ、今お前は窮地に立たされている…鉄血にも見捨てられ、目の前にいるのはグリフィンと傭兵の二組…絶体絶命、待つのは完全破壊か捕虜の二択……そこで提案だ、ウチに来るか?」

 

「……何を言っている、わたしは鉄血だぞ」

 

「だがもう所属では無いんだろう?無所属ならば何の問題もない、ウチの会社はそれはもう過去に何かあった奴ばっかりしか居ないからな…過去の消去や改竄なんてお手の物だ」

 

「……お前は、わたしが欲しいのか?」

 

「ああ勿論、ウチもそろそろ人間だけじゃなくて戦術人形を取り入れてもいいと思ってるんだ…何せ腕が立つからな、俺からの条件は俺に従って行動する……それさえ守ってくれれば後はこっちで処理する、どうかね?」

 

「…………くっ、ははははははは!面白いのか馬鹿なのか!良いだろう気に入った、お前の提案に乗ってやろう傭兵!」

 

「交渉成立だな」

 

ウロボロスの縄を解き、立ち上がって腕を差し出す…ウロボロスが手を掴んだので引っ張り上げて立たせる

 

はぁ…なんでコイツを拾おうかと思ったんだろうか、俺にも分からない

あの時のおやっさん…基、マテリアルもこんな気持ちだったのかな

 

「やってくれたわね傭兵さん…一番報告しづらいったらありゃしないのに……」

 

「いやースマンな、まあ君らんとこの指揮官様は分かる人だし…大丈夫だべ」

 

「簡単に言ってくれるわね……はぁ、いいわよもう」

 

「えー!ズルい!!私も傭兵さんの所で働きたい!」

 

「何言ってんだナイン……」

 

「それにしても傭兵さん、あの鉄血からも随分と執着されてるみたいね」

 

「それブーメランだからな404小隊」

 

「まあそうね…今日は私達も報告があるから帰るけど、何時かまた貴方の事を深く知るからそのつもりでね?」

 

「……はよ行け」

 

めっちゃ背中がゾワゾワきた……あの45の粘り気のある視線超エグい

ウロボロスをバイクのケツに乗せて施設を後にする、背中に張り付いてくるんだが……こいつはこいつで発育がいいなおい

 

戦術人形ってマジでなんで美人しか居らんの……不思議でしょうがないんだけど

 

会社に着いたので取り敢えず社長の所へ行く

 

「それで傭兵、わたしは何か話した方がいいのか?」

 

「いや、特に無いかな……うちの社長ならその気になれば何でも調べあげるし、黙ってても変わらんよ」

 

「そ、そうなのか」

 

社長室の扉をノックすると、「はいよ〜」といういつもの声が聞こえてくる

扉を開けて中に入ると、パソコンにかじりつく社長が居た

 

「忙しそうですね社長」

 

「あ〜K-816かい?ごめんね、ちょっと色々と立て込んでてさ…何かあったのかい?」

 

「社長、こちらウロボロスです…今日から第13部隊に編成したいんですが宜しいですかね」

 

「おー新人かい?君が人材発掘なんて珍し………K-816、それ議題に上がってたハイエンドだよね?」

 

「Exactly」

 

「………はぁ、まあいいよ…もう連れてきちゃってるし、グリフィンには俺から言っておくよ」

 

「ありがとうございます」

 

「K-816、君それ見越して連れて来たろ?」

 

「さて、何の事でしょうね」

 

「俺に一杯食わせられる奴なんて君とR-597くらいだよ、まあそういう所も気に入ってるんだけどね」

 

「有難い限りですな」

 

社長室を後にし、13部隊の部屋へと向かう

社長なら必、あの状況になったら自分で解決してくれると見越した上で何の連絡も入れずにウロボロスを連れて行ったのだ

 

正解だったな

 

「これで晴れてウロボロスもウチの社員、そしてウチの部隊員だな」

 

「あれで良かったのか?何だか無理矢理な気がするが…」

 

「気にするな、あの人なら問題ない…次はウチの部隊員達に挨拶だな」

 

扉を開けると、都合のいい事に全員揃っている

隊長は部屋隅の筋トレマシーンで筋トレしてるし、B-889はパソコンをいじっている

 

V-785とG-185は得物の手入れをしてる、副隊長は雑誌を読んでる

 

「おっ!けーくんおっかえ…りぃ?あれ、その子確か隊長の会議に上がってた……」

 

「おまっ…ハイエンドモデルじゃねぇか!」

 

「煩いわよD-673、K-816の事なんだから今更人形を連れて帰って来ても不思議な事じゃないでしょ」

 

「V-785の言う通りよ、人形でも誑しこみは見境ないんだから」

 

「おいG-185、今のは聞き捨てならんぞ…誰がたらしやねん」

 

「何!?K-816が戦術人形を連れて帰ってきただと!はははは!流石はK-816だな!!」

 

「流石って何ですか隊長……ほれ、自己紹介」

 

「ああ…元鉄血のウロボロスだ、宜しく頼む」

 

「おう!宜しく頼むぞウロボロスとやら!俺の隊に入ったのなら元の所属がどこであろうと関係ないからな!」

 

声デケェよ隊長……B-889は何やらウロボロスの武器に興味があるようで、近くでマジマジと見つめていた

 

「ねえねえウロボロスちゃん、これって一個しかないの?」

 

「いや、本来は二つなのだが……一個は傭兵に壊されてな、今は一つしかない」

 

「ほ〜…もし良かったらコレうちの開発部に預けてみない?多分複製出来ると思うよ〜」

 

「何?本当かそれは」

 

「うん、それに魔改ぞ…ん"ん"!改良もしてくれると思うし、どう?」

 

今魔改造って言いかけたなB-889

第十二部隊は開発部隊である、マジでなんでもござれの超有能部隊……なんだが唯一の欠点が改造好きが多過ぎる

 

グレネード一つですらとんでもない魔改造を施す様な奴らなのだ

 

「ふむ…確かに一つしかないのは少々戦闘面に不安が残る、頼めるか?」

 

「もちろん、じゃあ早速行ってみようか!データだけ渡せば後は向こうで勝手にやってくれるからさ」

 

「ああ、分かった…傭兵、わたしは少し離れる」

 

「おう、行ってらっしゃい」

 

B-889とウロボロスは部屋を出ていき、開発部へと向かった…俺が真ん中のテーブルに座ると、隊長とD-673が正面に座った

 

「それで、どういう風の吹き回しだ」

 

「少し気になった事があったんで調べに行ったんですよ…その帰り道に拾って帰ってきた野良鉄血人形です」

 

「野良って…もう鉄血には所属してないってことか?」

 

「ああ、正確には切り捨てられた…って言い方が合ってる、まあ訳ありって事ですよ」

 

「成程な…まあお前が拾ってきた人形だ、信用は出来るんだろうな」

 

「鉄血との通信は完全に切れてますよ、それは確認済みです…それに、いざ裏切ったら俺が処分すればいい話ですからね」

 

「……ま、社長の許可はもう降りてるんだろう?なら俺から言うことはもう何も無いな」

 

「ありがとうございますね、隊長」

 

という訳で今日から、ウチの部隊に戦術人形が加わることとなった




ハンターさんェ

なんかゲームの方、第三勢力出てきてたんやけど…これはアレすか、それも出せって事すか
あと協定なんちゃらとかで鉄血もプレイヤブル化できるとは熱いですな、まあこれ大分前に実装されたみたいやけど(化石)

はい、てな訳でまたお会いしましょう

病ませるならどっちが先がいい

  • AR小隊
  • 404小隊

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