視界がグルッと回ったかと思うと背中に激痛が走る、どうやら一本背負いされたらしい…背中めっちゃ痛い
イントゥルーダーが俺の上に跨る、マウント確保…されちゃいましたね
「せっかくの添い寝でしたのに、一体どちらへ行こうと?」
「いやまぁ、お花を摘みにでも行こうかと思って…」
「本当ですか?それにしては随分と息を殺して移動しておりましたが、何故でしょうか?」
「寝てるお前を起こしちゃ悪いだろ?だから俺なりの気遣いってヤツだよ」
「まぁ…傭兵さんの優しさが染みて、悶えてしまいそうですわ……ですが、そんな打算的な優しさでわたくしを騙せるとでもお思いで?」
「何言ってんだ俺は潔白だよ」
イントゥルーダーの満面の笑みが咲く、守りたいこの笑顔…でも目が笑ってない、笑顔は威嚇って本当なんだなって
左腕で俺の右腕を抑え、もう片方で首を絞める…俺はサラッと解いていた腕でなけなしの抵抗を図る
「あら?ロープ……本当に手癖の悪い御方、素敵ですわ傭兵さん」
「俺の手癖はまだ悪くない方だよ、ウチの部隊にゃ手癖で爆弾仕掛ける様な奴も居るんだ」
「それはそれは、怖いですわね……それはいいです、それよりまた嘘をお吐きになりましたわね?」
「嘘?おいおい冗談よしとくれよ、俺がいつ嘘を吐いただって?」
相変わらず首を掴んでいる腕はピクリとも動かせそうにない、そしてイントゥルーダーの笑顔も未だ崩れない
……そろそろ怖いんだけど、逃げていい?逃げられるものならなんですけども
「わたくし達は皆、傭兵さんの事を想って行動してる…一体それの何が悪いのでしょう?こんなに想って、こんなに慕って…こんなにも焦がれているのに、傭兵さんに受取っていただけない……それがわたくしには分からない、何故離れようとするのかも……わたくしは傭兵さんの全てを知りたい、何を思って何を考えているのか…ですのでわたくし達が全て管理すれば良いのです、何時か傭兵さんの全てを知ることが出来ると思ともうッ……何処かに行く事も、わたくし達から離れることも許しませんわ…わたくしが傭兵さんの全てを知るその時まで、何もかもをわたくし達に委ね、傭兵さんは何もしなくて良い…嗚呼、考えただけでトリップしそうですわぁ…!」
イントルゥーダー、お前もか
まあ、そんな気はしてた…二度あることは三度ある、よく言うことだよね……まあ生憎、誰かに解析されるのは好かないんでね
「イントゥルーダー、俺が何の考え無しに行動すると思うか?」
「いいえ、まさかそんな筈ありませんわ…何せ、わたくしの傭兵さんですもの」
「専属傭兵になった覚えは無い……じゃあ、パーティータイムだ」
「なっ、まさか…!?」
「そのまさか……お気の毒に」
眩い閃光が俺達を包み込む、イントゥルーダーは対処しきれなかった様で後ろへ倒れる
目を瞑ったが俺も少し眩しかった…配合間違えたかな、そんなに強くした覚えはないんだけど
何って?手製の閃光弾、火薬量的にそこまで大きい音は出せんが目眩しにはなる
どうやって作ったか?どうやらここは倉庫らしい、そんでマグネシウムやら必要な素材が運良く転がってた…火薬は自前の弾丸から
まだ聞きたい?うるさいなぁ一々質問ばかりしやがって、トークショーの司会のつもりか黙ってろ
冗談はさておき、取り敢えず愛銃を捜索せねば…そんじゃダクトゥ・ザ・フューチャーして、他の奴らが駆けつける前に行きますか
再びダクト内を這い廻る、ダクトに入る時にはまだイントゥルーダーは悶えていたから、当分は大丈夫かな
とは言ってもタイムリミットは短い、パッパっと終わらせなきゃまた監禁される……今度は二度と朝日を拝めないだろう
お、武器発見…簡単に見つかったな……
「よぉ、傭兵…こんな所で何してやがんだ?」
「おいでませってかエクスキューショナー」
背後から振り下ろされる処刑人の右腕を
愛銃二丁を掴み取り定位置へ収め、距離を取る
「お前は出てるとイントゥルーダーから聞いたんだがな、戻ってたのか」
「ああ、一通りの仕事は済んだからな…それで傭兵、ここで何をしてる…返答次第じゃ、少し手荒い事になるぞ」
「手荒くない事なんてなかっただろ……お手柔らかに頼むよ」
「そいつは返答次第だぜ…さあ、答えろ」
「おぉい怒るこたァ無いだろ?、イライラしちゃって働きスギィ?愛銃達を見に来ただけだよ」
「ダクトから現れておいてよく言うぜ…イントゥルーダーはどうした」
ジリジリと距離を詰めてくるエクスキューショナー……おっ、ここは武器庫だったのか
どうやら、運は俺に味方してくれている様だな
「暗い所から急に明るい所へ出ると目が痛くなるよな」
「お前、何処からフラッシュバンなんて持ってきた…そんなモン持ってなかっただろ」
「何で今ので分かるんだよ……俺が作ったんだよ」
「相変わらず出鱈目みたいな奴だな傭兵……」
「そんじゃまあ…俺はこの辺でお暇させてもらおうかなっ、と」
「なっ、テメっ…!!」
後ろの棚を思いっ切り蹴り飛ばすと、スモークが入った箱が床へと落ちる…当然だが辺りはモクモク、何個か拝借してにーげるんだよー
扉を蹴破り飛び出す、辺りの鉄血人形共はGRINDERの餌食だ…正面扉なんてもう目指さねぇ…窓からダイナミック帰宅一直線だ
俺が今居るのは二階、大丈夫死にゃしない…窓ガラスを突き破り下へと落下
「さて、あたしを忘れてるみたいだね…傭兵?」
「ようドリーマー、久し振りじゃないか…今までどこに居たんだええ?」
「あたしはずっと見てたよ…ずっとね」
「やめろ怖いから、多分本当にそうっぽいからやめろ」
「傭兵がらここに来た時からずっと…だから傭兵の戦い方はあたしにらは通用しない、さて…どうするのかな?」
「ほう?面白い事を言う、俺がここで見せてきた戦い方なんて一端でしかない…付け上がるなよ人形風情が」
狂気的な笑みを浮かべた夢想家が、馬鹿デカイ銃を構える……その銃口からは弾ではなく、レーザーが飛んできた
俺の横を掠めて通り過ぎ、爆音と共に瓦礫が飛んでくる
「ウッソだろお前……どんな未来兵器だ畜生め」
「さあどうしたの?御自慢の武器でかかってきなさいよ」
「いや俺の武器もとんだ未来兵器だったな、人のこと言えないね」
「さぁ、さぁ…さぁさぁ、来て傭兵…私と
「ところがどっこい、これが現実」
スモークを持ってきた分ばら撒く、だがドリーマーにはそれは見通されてるだろう…普通に逃げたんじゃ恐らく捕まる、確実にだ
なのでこうしよう、逆に考えるんだ……近付いちゃってもいいさ…と
「またスモーク?少し芸が無いんじゃない傭兵、その程度じゃ私は…」
「ようドリーマー、元気か?俺は元気だ」
「っ…成程、逆に…ッ!?」
掌底で顎を撃ち抜く、人形にこの手が効くか知らないが…頭揺らしとけば時間稼ぎにはなるだろ
ドリーマーは力なく地面に倒れ込んだ、人形にも効くのかなこの手…分からないしあんまやらんどこ
壁を登り越え、施設の敷地から抜け出す…取り敢えず振り向かないでひたすら走る、目的地なんて後で決めればいい
「あ〜痛い、容赦なく殴るのね…システムにエラーが出たらどうする積もりなのよ、まあそうなったら責任取って貰うしか無いわね」
「……おいドリーマー、何故逃がした」
「逃がした?見て分からないの、あたしは傭兵にやられたの」
「何言ってやがる、人形が顎を揺らされた程度で倒れるか…わざと倒れ込んであいつを逃がすとは……どう説明つける気だ」
「あーあー怖いわねぇ、別にわざと倒れた訳じゃないわよ…この方が面白いからそうしただけ」
「……どういう意味だ」
「あたしは逃げ回る傭兵を追い掛けて、追い詰めて追い詰めて…最後にあたししか残されてない状況を作る、そうすれば傭兵はたたしのモノになる」
「はっ、悪趣味だな」
「あんた達に言われたくないわ…まあ勿論、あたしのモノになったらあんた達のモノでもあるわ」
「はぁ、とにかくだ…アイツが逃げた事に変わりは……」
エクスキューショナーの言葉が続く前にガチャン、と鉄の落ちる音がドリーマーの後ろで鳴った
振り向けば、そこに顔面蒼白のハンターが立っていた
「そ、そんな…まさか……傭兵が、逃げた…のか?」
「お、おいハンター…あー、取り敢えず落ち着け?な?」
「に、逃げた…逃げた、逃げた?そんな、そんな……!!私は、私には……ああ、あああああぁあぁぁああ…!!!!」
「あらら、彼女の事は任せるわ…それじゃ、あたしはやる事が有るから」
「な、おい!ああもう!」
ドリーマーはスタスタと施設へ向かって行き、エクスキューショナーはハンターの対処を始める
ドリーマーが施設の廊下を歩いていると、後ろから殺気が飛んでくる
「……エージェント、何の用?」
「傭兵さんを逃した様ですね、それについての弁解があれば聞きますが」
「エクスキューショナーにも言ったから、彼女に聞いてくれるかしら?あたしはこれからやる事が有るの」
「やる事、ですか……まあいいでしょう、遅かれ早かれ傭兵さんなら逃げていたでしょう…それを追い掛けるのも、また一興」
「分かってるじゃないエージェント、そういう訳だからじゃあね」
「何れ貴女にも前へ出て貰いますので、覚えておいて下さい」
「分かってるわよ」
エージェントはドリーマーの背中を見てから、視線を窓の外へ移した…窓の外は荒野が広がり、既に傭兵の姿は跡形も無くなっている
窓に手を当て、エージェントは微笑む
「……フフ、必ず…迎えに行きます」
そして場所は変わって、一方その頃傭兵は……
「うおっ……何だ?一瞬寒気が…」
ひたすらに走り続けた、施設はもう見えない…何処だここ
まあいい、水とカロリーバーは持てるだけ頂戴して来た…ある程度の耐久は出来るだろう
それでも正直、心許ないが……ん?ジープ、しかもウチの会社ロゴ…やはり運は俺に味方している様だ
「よう、K-816…生きてたか」
「D-673、そりゃお互い様だ」
ジープから降りてきたのは無線で話してた上司…社内番号D-673
ウチの会社はほぼ全員が訳アリ、よって情報操作により過去の経歴を全て消されている……だから社内番号で呼び合う
「お前何してたんだ?無線にジャミングが入ったんだろうが、砂嵐になっちまってよ」
「ああ、あの後か……まあなんと言うか、ハイエンドモデルに襲われるわ捕まるわ監禁されるわでロクなこたァない」
「へぇ、人質ってやつか?」
「いや、何か知らんが多分イカれてるんだろう…何やかんやと監禁の流れにな」
「ほう、詰まり貴様は俺達が鉄血人形共と殺り合ってる最中にハイエンドモデルの姉ちゃん達とイチャコラしてたってか?ええ?」
「何処からどう解釈したらそうなるんだよ」
コイツ俺の苦労も知らずに……あんなのイチャコラじゃないわ、ただの洗脳よ
だったら堕ちればいいだろ…とか縁起でもない事言いそうだなコイツ、女にだrrしのないヴァカ男が
「そうか解ったぞ、お前は傭兵の格好をしたハーレム野郎だ!」
「今なんて言った?」
「聞こえなかったかのか?ハーレム野郎だ、フラグ建築士、女
「お前がハーレム系の主人公に対して持ってる偏見は取り敢えず置いておいて…あの状況じゃそれは喧嘩を売る言葉だぞ、掛かって来い」
「野郎ぶっ殺してやらァァァ!!!ぐほぉ!?」
「巫山戯てないで、早く会社に戻るわよ」
D-673の頭へチョップが落ちてくる……チョップをかました当人はG-185、スタイルのエグい女性
だが見た目に騙されてはいけない…コイツの中身は刃物の達人、ナイフからコンバットナイフ…果ては刀まで何でもござれの天才
「おおG-185、久方振りだな」
「ええ、久し振り…昔話は会社に帰ってから、いいわね?」
「OK、じゃあ俺も乗らせて頂きますよ」
「いってぇ〜…相変わらず容赦ないね本当、じゃあ行きますか」
あたしゃ歳をとり過ぎた、もう着いてけんよ原作に