傭兵さんと戦術人形   作:AZAZEL

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お☆ひ☆さ…じゃねえよバカ、どんだけ放置してんだよって話だよこの野郎
ホントすみません皆さん……全然筆がノらなかったのもあるんだけど如何せん仕事が忙しい

何かと現場に引っ張ってかれる、いや有難い限りなんですけども……俺まだ入社して一年経ってないんよね、まあ学べること多いしええんだけども

てな訳で続きですぅ、皆アンケ覚えてる?404のヤンデレが先に見たいって言う人多かったから今回はそれの序章って感じでオナシャス

だから最後にチョロっとヤンデレの片鱗が見えるだけなんだよね、お兄さんゆるして(懇願)

ヤンデレが入ってないやん、という方はまた気長に待ってて下さい……頑張って書きますんで

では本編どうぞ


そして今に至る

そんな訳で第一部隊と合流し、先行していった我が部隊を追い始める

今はジープで第一部隊の奴らと揺られている

 

「にしても久しぶりだなK-816、お前最近は全然会社に居ないじゃないか」

 

「俺は忙しいんだよ…そう言うB-486、お前はどうなんだよ」

 

「俺か?俺は……そうだな、最近だと鉄血人形の片付けが多かったな」

 

「まあ隊長と副隊長が大概終わらせてるんだけどね…俺達の出る幕無しって感じだよ」

 

「それは貴方の仕事が遅いんじゃなくて?T-357」

 

「おいおい手厳しいなO-259、あんなの手の出しようが無いだろうがよ」

 

第1部隊の編成は、隊長のR-597、副隊長のP-964、隊員のB-486、T-357、O-259の五人で編成されている

 

そして恐らく現状、ウチにある部隊の中で一番実力を持つ

個々の能力もそうだが、何よりチームワークがとれている…この業界じゃチームワークは必須と言っても過言ではない程重要だ

 

俺ら?チームワークとって味方怪我させてたんじゃ世話ないだろ

 

「にしてもお前んところのハッカーちゃんは凄いなK-816、B-889だっけか?何処からあんな情報を引っ張り出して来たんだか」

 

「そう言うのが得意だからああいう仕事してるんだよ、お前の所にもオペレーター兼ハッカーを雇ってみたらどうだ?R-597さんよ」

 

「今度社長に頼んでみようかな……」

 

「皆さん、そろそろ第13部隊の方々が交戦しているエリアに入りますよ」

 

P-964の声が車内に静かに響く…そして何処からか聞こえてくる銃声、そして地面を砕く音と何かを弾く金属音

 

後半2つはおかしいと思うんだよね俺

 

てかもう誰がどこにいるか分かりやすいったらありゃしないね

 

「相変わらずね、貴方の部隊…部隊なのに全然部隊行動してないわよ」

 

「俺だってまだV-785の爆撃で吹き飛びたくはないからな」

 

「ああ、成程……」

 

「よし!降りろお前ら、仕事をおっ始めるぞ」

 

R-597の掛け声と共に車から飛び出す、近くの木に身を隠し周りを観察する

ふむ、どうやらウチの部隊が上手いこと引き付けて裏を取れた様だな

 

このまま挟み撃ちって訳か

 

「それでは皆さん、先程伝えた通りにお願いします」

 

「了解だぜ副隊長!このP-357が撃滅してやるぜ!」

 

「はしゃぎ過ぎないでよ全く…私は狙撃ポイント探してくるからよろしく」

 

「気を付けろよO-259、どこに敵がいるか分からないからな」

 

「分かってるよ隊長」

 

「因みに副隊長さんや、俺はどうすればいいのかね?」

 

「Kさんはお好きにしてて下さい」

 

何その命令じゃない命令…まあいいんだけどさ、その方がやりやすいし

まあ取り敢えずバーッとやって帰りますか

 

「何っ!後ろから敵だと!?」

 

「クソッ!!前からの敵で精一杯だってのに…!!」

 

「ホント、敵さんには同情するよ…だが、喧嘩を売ったお前らが悪い」

 

敵の背後をGRINDERで撃ち抜く

正面から岩とか木とか飛んできてるけど気にしない、俺は何も見てない…つーか危ねぇよ

 

「おお!来たかK-816!」

 

「来ましたよ隊長、さっさと終わらして帰りましょう」

 

「来るのが遅いわよK-816」

 

「しょうがないだろV-785、俺は俺で別件でグリフィンの研究所に顔出てたんだよ」

 

「へぇ……それで、その背中に背負ってる得物は研究所の新作かしら?」

 

「御明答、新しい武器はなんとスナイパーライフルだ」

 

「スナイパーなんて扱えたかお前?」

 

「まあ基本的に何でも扱えますんで、何でもござれですよ」

 

「ヒュー、相変わらずの器用さねK-816」

 

そんな訳で後ろからスナイパーで援護してみますか……向こうでD-673とG-185が暴れてるし、いい感じに援護射撃をいきましょう

 

遠巻きから敵の銃弾を撃ち抜いてみたり、敵を撃ち抜いてみたりと試し撃ちをする……一応研究所でもやったが、実際にこういう所で使っておかないとイメージが掴みずらい

 

「おお……何かと思ったらK-816が援護射撃してきたのか、て言うかなんだあのスナイパー…弾速と破壊力が見て分かるくらいにエゲつねぇんだけど」

 

「しかも発射レートも早いときた、流石はK-816の愛銃を開発した研究所ね……ブッ壊れ性能もいいとこよ、何作らせても変わらないわね」

 

「まーた武器増えたのかK-816の野郎、て言うか本当に何でも出来んなアイツ」

 

「まあウチの中でも特に天才タイプだからね、アイツ……やらせりゃなんでも出来るんじゃないかしら」

 

スパスパと敵を撃ち抜いて行く………さて、そろそろ片付いたかな

あんなにウジャウジャといた人権団体の連中も綺麗サッパリ片付いたな、まあ俺が来る前にこの人達(第十三部隊)が殆ど片してたけども

 

「……ん?そうか、分かった…今から行こう」

 

「隊長、今の無線誰から?」

 

「ああ、第一部隊の隊長様からだ…どうやらアジトの入口を発見したらしいぞ」

 

「第一部隊は仕事が早いねぇ、それで俺達も来てくれってことかね?」

 

「まあアイツらだけでやるよりは効率的だからな、折角追い詰めた馬鹿共(人権団体)を取り逃がすのも阿呆らしい…という訳で行くぞお前ら」

 

てな訳でアジトの入口……基、廃屋の隠し床扉の前に集合した

因みにこの下には結構広い空間があるらしい、そいでもって逃げ道としてここから5kmくらい離れた廃屋の地下にも繋がってるらしい

 

これ全部O-259の特技『エコーロケーション』で把握したものだ、この人専用の機器付けて音が響くなら軽く10km先まで地理を把握するからね……絶対頭おかしいよ(確信)

 

「よーし、それじゃあ第一部隊と第十三部隊の合同作戦打ち合わせと行きますか……と言っても作戦は簡単、床扉を開けたら全員で雪崩込む…そいでもって殲滅だ」

 

「万が一取り逃した事を想定して、脱出路の出口には既に第十三部隊のD-673さん…私達の部隊からB-486が配置されています」

 

「抜かり無しってやつか…脱出路は一つしか無かったのか?」

 

「ええ、音の響く感じからして一つしか無かったわね…本当、詰めの甘い事」

 

「まあ寄せ集めのゲリラだ、どうって事ない」

 

「おいV-785、あんまり派手にドンパチするなよ…崩れたら俺達まで巻き込まれかねない」

 

「何よK-816、アタシがそんな事も分からない馬鹿だとでも言いたいの?その頭弾け飛ばすわよ」

 

「お前ならやりかねない」

 

「そこへ直れ」

 

「ほらそこ、喧嘩してないで行くぞ」

 

床扉を隊長が足でブチ抜く……その床扉結構頑丈そうな作りしてるんですがそれは、粉々に砕け散ったんだけど

 

それと同時に第一部隊が先行して降りていく、それに続いて俺達も降りる

にしても地下にこんなデカい空間を作るとは…変なところで本気出してるな人権団体

 

「て、敵襲だ!人員をかき集めて応戦しろ!」

 

「はいはい死にましょうね〜」

 

残酷な事をそんな軽々しく言うな第一部隊隊長さんよ、皆が突っ込むなら俺はスナで援護しようかな

なんか隣で見たことも無いボウガン取り出してる爆発魔(V-785)が居るんだけど、何そのゴツイやつ

 

「何それ」

 

「これ?爆発性物質を先端に着けたボウガンよ」

 

「え怖、遂にお前も爆発しない物を使い出したかと思えば……てか爆発性物質って何だよ」

 

「企業秘密よ、まあ爆発すると言っても小規模よ…こういう所で使える様に作っておいたのよ」

 

「お前は爆発物を使わないと死ぬのか?」

 

「私にとって物量兵器は人生よ、甘く見ないでちょうだい」

 

何言ってんだこいつ……まあ副隊長も突撃(アサルト)こそマイロード(我が人生)とかほざいてたし、多少はね

 

「それじゃ、一発かましてやりましょうか」

 

「せめて隊長達がいない方を狙えよ」

 

「分かってるわよ」

 

スパンッと音を立てボウガンが発射された、てかお前引きの部分も改造しただろ…どう見ても普通の発射速度じゃねぇぞ

ボウガンが地面へ当たると、手榴弾の二倍くらいにあたる爆発が起きた

 

手榴弾以上の威力でどの辺が小規模?

 

「うーん…配分間違えたかしら?」

 

「せめて試し打ちしてから持って来いよ、ぶっつけ本番でそういう危険物を使おうとするなっての」

 

「まあいいじゃない、ここで子供達(グレラン)使うよりはマシでしょ?」

 

「どっちもどっちだと思うぞ」

 

なんかあんまりグレランと威力変わらない気がするのは俺だけ?

そんな感じで人権団体の奴らをせっせと掃除していく……何人か脱出路を使って一目散に逃げて行ったが敢えて見逃した、どの道逃げ場は無いんだし今の内だけでも夢を見させてやろうと思ってね

 

その方が残酷?いやいや、若しかしたら逃げれるかもしれないだろ?ウチの副隊長とB-486の包囲網を抜けられたらの話だけど

 

「おいK-816、お前(わざ)と逃がしてるだろ」

 

「えーそんな事ないですよー」

 

「棒読みになってるぞ」

 

「まあまあ隊長、どうせD-673も戦いたがってるでしょうし…ちょっとした餞別ですよ」

 

「はぁ…まあ別に一人や二人逃げた程度、気にするような事じゃ無いがな」

 

「おーい、人権団体の頭見つけたぞ〜」

 

「何て事をやってる間に仕事が早いこっちゃな、第一部隊隊長様は」

 

「じゃあ俺達も行くか」

 

通路の奥に一際大きな扉があり、どうやら頭はその部屋に隠れていたらしい

第一部隊隊長様がその部屋から引っ張り出して来た男は、結構な服装をしていた……このご時世で身なりも肉付きもいい奴なんざ久方振りに見たな

 

「は、離せ下郎!!私を誰だと思ってる!!」

 

「生憎とお前みたいな奴は知らないな、知ってるか?総じてお前みたいな奴の事を『豚』と呼ぶんだよ」

 

「ぶ、豚だと!?この私を豚と称すか!これだから野蛮人は……ええい離せ!傭兵風情が!!」

 

「何でコイツこの状況でこんなに自信満々なの」

 

「さぁ?豚の考える事を人様が理解出来ると思うか?」

 

「はんっ!貴様ら程度の傭兵なんて私の精鋭兵達が着けば造作もない!」

 

「へぇ……で?その精鋭さん達はどこから来るのかね?」

 

「脱出ように掘っておいた穴の先だ、今私に命乞いをすれば見逃してやらなくもないぞ?」

 

脱出路の先ねぇ……生憎とその精鋭さん達蹴散らされてるんじゃないかな、だってあそこに居るの副隊長とB-486とか言う殲滅バカ二人だし

おっと、無線が入ったな

 

『K-816、今大丈夫か?』

 

「大丈夫だぞ、丁度俺もそっちに連絡しようかと思ってたところだよ」

 

『そりゃ丁度いいな、何か変な奴らが30人位押し掛けてきてよ…取り敢えず俺とB-486で死なない程度に殺しといたんだが、そっち持ってくか?』

 

「流石仕事が早い、じゃあ悪いが持ってきてくれるか」

 

『了解、じゃあ今から向かうわ』

 

「よお豚さん、どうやらアンタん所の精鋭さん達が到着したみたいだぞ…そんでもってこっちに向かってるってさ」

 

「ははは!これで貴様らは終わりだ!」

 

まあ全員が無傷でコッチに来るなんて一言も言ってないけどね、どんな状態だろうと精鋭さん達は精鋭さん達に変わりはないからね……嘘は吐いてないよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、そんな馬鹿な!?私の精鋭兵が………」

 

「え、何この豚……て言うか精鋭兵?こんな奴らがか?」

 

「こんなんトーシローもいいとこだぞ、ただのカカシですな」

 

いや、アンタら結構頭おかしいからな

トーシローだかカカシだか知らんが、30対2で圧勝するの結構おかしいからね?

 

「それで、この豚何?」

 

「人権団体の頭、団員達から色々と回収してたみたいでな…自分は甘い蜜を吸ってたみたいだぞ」

 

「ロボット人権団体の頭がとんだたぬき親父だとはな、世も末だよ」

 

「さて、この豚さんどうしましょうかね…その辺第一部隊の皆さんどうかね?」

 

「そうですねぇ……妥当なのはグリフィン側に渡して煮るなり焼くなりお好きにどうぞ、と差し出すのが一番楽かと」

 

「正直俺はこういう事どうしたらいいか分からんし、副隊長に任せるわ」

 

どうやら第一部隊は副隊長の意見が総意らしい、さてウチはどうかね

まあ大方ウチに連れ帰って第六部隊でこってり絞り取る……だろうけどな

 

「一応聞いときますけど、隊長の意見は?」

 

「そんなもん第六部隊に絞れるだけ絞ってもらう以外無いだろ?」

 

「ですよねー……まあ俺としても有益な情報は欲しいところではありますが、正直な話…この問題はグリフィン側にブン投げてしまった方が楽なんですよねぇ」

 

「まあ確かに一理あるな…ある意味グリフィンからの依頼みたいなものだしな、人権団体の問題に関しては」

 

「なんでここはグリフィンに引渡した方がいいかと」

 

「ならそうするか…K-816、お前確かあそこの指揮官と面識あっただろ?連れて行く時はお前が連れて行け」

 

「了解、じゃあそういう事で」

 

てな訳で俺がこの豚さんをグリフィンへ引き渡しに行く事になりました

この豚さんをウチで置いておけるスペースも無いので、早々に引き渡しに行く事になり申した

 

「そんな訳なんですが、いいですかね?」

 

「まあコチラとしては嫌だとも言えませんからね、引き取らせてもらいますよ」

 

「はは、押し付ける形で済みません」

 

「いいえ…ロボット人権団体には困っていましたから、謝られるような事なんてありません」

 

「では俺はこれでお暇させてもらいます」

 

さて、豚の引き渡しも済んだし帰るか

……M4ちゃんとか45とかに会いたくない訳では無いが、面倒臭いのでまた今度にしよう

 

「あら、傭兵さぁ〜ん?来てたなら私達に一声掛けてくれてもいいんじゃないかしらぁ?」

 

「急に蛇みたいに絡みついてくるな45、心臓に悪い」

 

「ふふ、ごめんなさい…驚かすつもりは無かったのよ」

 

嘘吐け絶対嘘だゾ

て言うかコイツがいるってことは必然的に404は基地にいるのね…捕まっちまったか

 

左腕に45が絡みついている…のでもうすぐ右腕も占領されるだろう

 

「傭兵さーん久しぶりー!」

 

「相変わらず元気だなナインちゃん、お久」

 

ほらね?UMPサンドの完成だよ

そりゃ男としたら嬉しいけどさ、この子達も色々とアレなんだよね……ほら、鉄血寄りの危なさと言うかさ

 

あんまり捕まりたくなかった(本音)

 

M4ちゃんの方がまだ良かったかもしれない

 

「………アンタ、今アイツ(M4)の事考えた?」

 

「え?いや、急にどうした416」

 

「いえ、やっぱり気にしないで……まだ生きてたのね」

 

「随分冷てぇじゃねえか416さんよ、生憎と俺はしぶといぞ」

 

「そうね、まあ…そう簡単に死ぬような人間じゃない事くらい、嫌な程分かってるから」

 

「ところでG11はどうした?また寝てるのか」

 

「ええ、寝てるわよ…アンタの背中で」

 

なんだと?コイツいつの間に蝉になってやがった、全く気が付かなかったんだが

ホント変なところで本気出してくるんじゃないよ全く

 

「傭兵さぁん、今夜暇かしら?」

 

「今夜?まあ別に暇だが……ああ、酒でも手に入ったか」

 

「ええ、久し振りにお酒が手に入ったから一緒にどうかしら?」

 

「分かった、じゃあまた改めて日が暮れてきたら呼んでくれ…この基地内をほっつき歩いてるから」

 

「りょうか〜い、じゃあまた後でね」

 

一旦404の面子とは別れた、俺の背中にひっ付いていたG11は416が引っペがして連れていった

 

このまま帰る予定だったが、まあ酒があるなら付き合ってみるか……さて、それまでの間どこで暇を潰そうか

ここにも研究所と同じ様に射撃場でもあればいいんだが

 

「あら、いつぞやの傭兵君…こんな所で彷徨いてどうしたの?」

 

「FALさんか、お久し振りですね…今日は貴女方の指揮官に用事がありましてね、夜は45と晩酌する予定なんでそれまで時間を潰そうかと」

 

「45と晩酌……へぇ、君も隅に置けないねぇ」

 

「まあ嫌われるより好かれてた方がいいでしょうよね」

 

「素直じゃない子ね……そしたら、夜までお姉さんが相手してあげようか?」

 

「酒のですか?」

 

「だって君、とんでもない量飲むじゃない」

 

「まあそうですけど……じゃあお言葉に甘えますよ」

 

そんな訳で再びバーに来ました、今回はFALさんと二人だけだけどな…この前はM16が一緒に居たな

流石にこの時間帯にバーで飲んだくれてる奴はいないな

 

て言うかバーって夜に営業するものじゃないの?

 

「あら、FALに…この前に来た傭兵さん?お久し振りですね」

 

「ええ、お久し振りですスプリングフィールドさん…こんな時間帯から営業してるもんなんですね」

 

「まあここはバーと言っても、時間を持て余した人形達の溜まり場みたいなものですから」

 

「成程」

 

「そうそう!傭兵さん、この前傭兵さんが飲んでいたスピリタスってお酒…たまたま手に入ったからラインナップに入れてみたんです」

 

「え、あの劇物を?」

 

「劇物って……君も飲んでたじゃない」

 

いやだって、すんげぇよく燃えるんだぜあの酒…劇物以外の何物でも無いだろうよ

度数96%は伊達じゃないな

 

「そしたら皆面白がって飲み始めてね、でも度数が強いものだからすぐ酔い潰れちゃうのよね」

 

「強いなんて言葉じゃ物足りない位に度数が化け物じみてますからね、あの劇物」

 

「それをウォッカとちゃんぽんして飲み干す君も化け物じみてるよ」

 

「まあそれは否定しませんが……じゃあスピリタスロックで」

 

あれ本来は何かと割って飲むものなんだよね、現地の人達も原液で飲むなんて事しないし

出てきたスピリタスロックを飲みながら、FALさんと喋った

 

まあ内容は他愛もない話だから割愛しよう、するとバーに誰かが入ってきた

 

「あ、アンタ確か…研究所にいた傭兵」

 

「おおわーちゃん、わーちゃんもここの所属だったのか」

 

「わーちゃん言うな!!」

 

「あら、傭兵君わーちゃんとも知り合いだったの?戦術人形でも女の子なら見境が無いのかしら?」

 

「変な言い方せんといてくれますかね、別に女(たら)しじゃないですから」

 

確かに普通の傭兵に比べれば明らかに戦術人形と知り合った数はブッチギリでトップだろうけど、ほぼ俺の所為じゃなくて不可抗力だからな

 

鉄血だって仕事だったし、グリフィンも仕事だし……全部仕事じゃねえかよ

 

「げぇ、アンタそれ飲んでるの?やめといた方がいいわよ」

 

「スピリタスの話か?これは俺のお気に入りだぞ、そもそも俺がここで飲んだからスプリングフィールドさんが仕入れて来たんだ」

 

「元凶はアンタだったのね……私も飲んだけどそんな度の強いお酒初めてよ、やっぱり化け物ねアンタ」

 

「君たち何なの?人を化け物扱いするの流行ってるの?」

 

「事実じゃない」

 

「事実でしょ?」

 

唯一スプリングフィールドさんだけは何も言ってこなかったけど俺は分かるぞ、その目は二人と同意してるな

 

その後わーちゃんも混ざり、再び他愛も無い話を始めた

 

「あら、ここに居たのね傭兵さぁん」

 

「おお45、もうそんな時間か?」

 

「ええ、もう午後の9時過ぎよ…良い子は寝る時間ね」

 

「じゃあ俺達は良い子じゃないってことだな」

 

「ええそうね……とってもわる〜い子よ」

 

「酒飲んでる時点でいい子じゃないな……じゃあ俺は行くよ、また機会があれば話そうか」

 

「ええ、またゆっくり話しましょう」

 

そう言えばどこで飲むんだ?まあ別に45に着いていけばいいか

そんな感じで45に着いて行くと、部屋に案内された……どうやら404の部屋らしい

 

「小隊で部屋を貰ってるのか」

 

「ええ、まあ私達は要らないって言ったんだけど指揮官がどうしてもってね」

 

「お前達の指揮官らしい発言だな、他の奴らはどうした?」

 

「皆お酒は飲まないのよ」

 

「ほぉ、416が飲まないのは意外だな」

 

「あー……416に限って言えば、飲ませないかな……」

 

どこか遠い目をしながら呟く45……ああ、酒癖スゲェ悪いんだな

それでいて全く覚えてないタイプだ

 

「まあそういう事だから、晩酌は二人きりよ」

 

「左様ですか……それで、どんな酒が手に入ったんだ」

 

「これよ」

 

そう言って45が取り出したのはワインだ……俺ワインとか全然分からないんだよね、酒なんて度数があればよかったし

確かに善し悪しはあるけど、そんなに気にして飲むことなんてないしなぁ

 

「すまねぇ、ワインはさっぱりだ」

 

「ふふ、顔に書いてあるから分かるわよ…別にそこまで気にしてない飲まなくてもいいわよ、取り敢えず良い物だって思いながら飲んで頂戴」

 

「あいよ、ならお言葉に甘えてそうさせてもらうよ」

 

という訳で一口飲む………うーむ、分からん

そういやワインなんて飲んだ事ねぇよ俺、会社の飲み会なんてスピリタスとウォッカさえあれば勝手に騒いでたしなアイツら

 

「ねぇ傭兵さん…黙って飲むのも詰まらないし、何かお話しましょう?」

 

「別に構わないけど、何を話すんだ?生憎と面白い話なんて持ち合わせてないぞ」

 

「傭兵さんのお話って、なんだか殺伐としてそうだから遠慮しておくわ」

 

「なんかごめんなさい」

 

「だから、話題は私が出してあげる」

 

ニコニコと笑いながらそう言う45……その笑顔はあまり得意じゃないな、何考えてるか分からないその笑み

というか、ここでその笑みを浮かべるって事は碌な事聞いてこねぇな

 

「傭兵さんって、どこで生まれたの?」

 

「生まれか……そういや何処だ?正直な話、俺も覚えてねぇや」

 

「そっか…じゃあ次、年齢は?」

 

「18だよ…そう言えばお前には教えてなかったな」

 

「18?それ未成年じゃ……」

 

「そこは気にするな」

 

そんな感じの質問を幾つか投げられた、どれもこれも俺のプロフィールに関する事ばっかりだ……何が目的だ?

 

「じゃあ次いくよ、本当の名前は?」

 

「名前か……確かに昔は俺にも名前はあったよ、まあそれが親に付けられたのか誰に付けられたのかは覚えてないが……だがこの世界じゃ名前は重荷にしかならないからな、棄ててからもう覚えてないよ」

 

「そうなんだ………じゃあこれが最後、傭兵さんってさ」

 

 

 

 

 

『傭兵派遣会社に入る前、どこに所属してたの?』

 

 

 

 

 

「………俺はあの会社にしか所属した事はないぞ」

 

「そうなの?だって傭兵さんの個人情報、13歳以前から真っ白なんだよ……傭兵さんがあの会社に入ったのって、13歳の頃でしょ?」

 

「よく知ってるな、それは正解だが……俺の個人情報が消えてるのと何か関係があるのか?」

 

「だって普通に過ごしていたなら個人情報が消えるなんて事……有り得ないでしょう?だったら、そう考えるのが妥当なんじゃないかしら」

 

「まあ、確かにそれもそうか……それで、何か分かったのか」

 

「『黒』……かしらね…正直、これの意味は全くわからないけれど…ッ!?」

 

45の首を掴み地面へ押し倒す、腰のJUDGMENTを抜き額へ当てる

しかしまぁ、よくそこまで調べたもんだよ……ウチのB-889ですらその単語に辿り着く為に半年程費やしてたのに、ものの数ヶ月とはな

 

これが戦術人形の本気ってヤツか?

 

「試してみるか、お前が俺の腕をへし折って抜け出すのが早いか…俺がお前の頭をブチ抜くのが早いか」

 

「がっ…はッ……ど、どうしたの傭兵さん…柄にも無く、乱暴なんてッ」

 

「まあよく調べたもんだよ45……いや、404小隊と言うべきか?その単語まで辿り着けた事は素直に驚いたよ」

 

「ふ、ふふ……ありが、とうね」

 

「まあだが、次の言葉次第じゃお前を今ここでスクラップにする……これ以上俺の詮索はするな、これはある意味お前の為でもある」

 

「あら、私の…身を案じてくれるの?優しい、わね」

 

「さて答えを聞こうか、俺の詮索を止めて貰おうか」

 

「…………フフッ」

 

瞬間、俺は後ろへ振り向きながら右手で振り下ろされる416の腕を弾き飛ばす……45の瞳に写った416が見えてなけりゃ完全に頭をやられてたな

 

そしてそのまま416を蹴り後ろへ飛ばす

 

「まさか人形の不意打ちに反応するなんて……ホントに何者よアンタ」

 

「唯のしがいない傭兵だよ…さて、何のつもりか聞かせてもらおうか?404小隊」

 

45の首を掴みながら416へJUDGMENTを向ける…人形の首なんぞその気になれば握り潰せる

前に鉄血人形でやったから検証済みだ

 

「私達はただ貴方を知りたいだけよ……これは本当、貴方の全てを知りたいの、名前も、生い立ちも、素性も、その性格も、全て知りたいだけなの……」

 

「そんなに俺に執着する理由が分からんな……ホント、お前らも鉄血もだが」

 

「貴方が周りと違うからよ……当の本人は気が付いてないみたいだけど」

 

「コイツに何言っても無駄よ、何も分かってないからこそなのよ……」

 

「ふふ、それもそうね……ところで傭兵さん?私達は四人部隊よ」

 

背後から誰かに首筋へ打撃を貰った…………G11ィ…お前こんな時だけ本気出しおって……てか超早いよお前

 

流石に地面へ伏せる事になった……でも首裏への打撃ってホントに落とせるんだな

 

「今はゆっくりおやすみなさい傭兵さん…大丈夫、準備はしてあるから」

 

「45姉、いつでも大丈夫だよ〜」

 

「ええ、こっちも万全よ……さあ傭兵さん、もう何も苦痛になる物なんて無くなるよ」

 

頭殴られた時は大分しぶとくいけたが……なんか今回はもうダメっぽい、酒に何か混ぜられたなこりゃ

飲んだ事の無いワインだから味の違和感もわからねぇ……大方それを見越して上物のワインを用意したんだろうが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここはどこじゃろホイ

え〜拘束具は手錠に縄、しかも結構ギッチギチ…しかも目隠しされてるからどこじゃろホイも出来ねぇよ

 

まあ自分の足を鳴らして周囲はある程度把握出来たけど、404の奴らは居ないみたいだな……なんか慣れてきたなぁ俺も

 

こんなん慣れたくないけど、さてどうしたもんか




全然話関係ないけど最近CHUNITHMが虹レに到達したんすよね、いやぁ嬉しかったですわ

シュワ語録を忘れてきた今日この頃……またコマンドーとかイレイザー辺りの語録集を見なきゃ(使命感)
その代わり違う語録の幅が増えてきた、まあ使いやすいし多少はね?

それではまた次回、早いうちに書き上げたいと思いますので前書きにも書いたけど気長にお待ち下さい
では

病ませるならどっちが先がいい

  • AR小隊
  • 404小隊

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