「こちら管制塔、第三防衛線を鉄血に突破されたのを確認した」
「こちらイージス、了解した」
今回は第一世代人形計30体を10体ずつに分けて防衛線を3本築いたんだが早速僅か1分くらいで1本目を突破された。まぁ10対100くらいじゃシカタナイネ。むしろ1分も持った方が凄いか…さて、人形達が迎撃戦に入るまでに持つかな?持たない気がする。なら持たせるために先にこっちで敵の指揮官を潰しますかねぇ。
「こちらアルファ、第二防衛線付近に敵のハイエンドモデルを発見…あれはスケアクロウだ」
「ただの案山子ですなぁ☆」
よし、アイツならいけるぞ。あのドローンに頼りきっているアイツなら。
「こちらイージスから管制塔へ、ghost隊のタシキングを許可してくれ。ただし、万が一民間人に誤爆したら問題だからミサイルや爆弾は搭載しないように」
「了解した。こちら管制塔、ghost隊のタシキングを許可する」
「こちらライトニング了解、やっと私たちの出番だね」
「こちらラプター、テイクオフ…イージス、指示をお願いします」
「こちらイージス、君達ghost隊はAR小隊と第二部隊の支援を頼む」
「こちらラプター、了解」
「ライトニング、了解」
「RO、君達が第一防衛線に到達するまで後どれくらいかかりそうだ?」
「10分…いや5分くらいです」
「分かった、君達が到着するまで俺が時間稼ぎをする」
「分かりました。よろしくお願いします」
「…こちら9A91、私も貴方の方へ行った方が」
「いや、大丈夫だ。そっちこそ戦力が足りなくなる」
「…絶対に無事に帰って来てください」
「分かったよ」
「頼むぜ…89式改」
今、俺は第二防衛線付近に光化学迷彩に身を包んで潜伏している…89式改を構えてスケアクロウのドローン(全3機)に狙いを定めて…トリガーを引く。その後、薬莢が落ちると同時にスケアクロウのドローンの1機が黒煙を吹いて落ちる。
「残り2機か」
「‼︎…私のドローンが…一体何処から」
案山子様は相当混乱していると思われる。
「じゃあもう2機もチャチャっと落としますか…」
「…そこね」
スケアクロウのドローンがこちらに向かって攻撃を開始した。なんでバレたし。
「チッ…スモークグレネード!」
とりあえず煙幕を炊いて物陰に隠れる…相手は隙だらけだし、奴のコアでも吹き飛ばすか。89式改を再び発砲。
「…ドローンが庇ったか」
それでも奴のドローンはこれで後1機か…火力で押し切る。
「人間の身でよくここまで練り上げましたね」
「俺が子供の時…力が無いと生きていけなかったもんでね」
そう言ってMarsを発射。スケアクロウの未来位置を予測しての発射。直撃コースだが…再びドローンがスケアクロウを庇う。
「未来位置を予測してのロケット弾の発射…流石は元最強の懲罰部隊の兵士ね」
「そりゃどうも…これで終わりだ!」
そう言って俺はスケアクロウに肉薄し…奴のコアにシリウスを突き立てる。
「…これで2回目ね。貴方に負けるのは」
「そうだな。確か…1回目は蝶事件、2回目は今この瞬間か」
「やはり我々では勝てないのね…神の盾には」
「強いて言うなら…お前はドローンに頼りすぎだ。せめてハンドガンくらいは持っとけ」
「…それもそうね。次の私に期待するわ」
スケアクロウは機能を停止し、他の量産型鉄血人形は統制を失った。
「こちらRO635、第二防衛線に到着、攻撃を開始します」