神の盾   作:神代リナ

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面倒事の前の静けさ

「こちらイージス、鉄血の残存勢力が撤退するのを確認した。これ以上の追撃は不要だ。よく頑張った。基地に帰投してくれ」

「「了解」」

「こちらアルファ、まもなくLZに到着する」

あれ?今回、俺徒歩で帰るはずだった気がするんだが

「俺のサービスだ。乗ってけ」

「分かった。ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S-11地区 司令部

「みんな、よく頑張った。我々は圧倒的な数を誇る鉄血の大部隊の撃退に成功した。何か戦利品やら拾った物とかあるかね?」

「指揮官、このタブレット端末をとある小屋で拾いました」AR15がタブレット端末を手渡す。

「これは懐かしの日記じゃないか…中身見た?」

「みんなで見たわよ…貴方やっぱ人外じゃないの」

AR15がそう言った。日記とか見られたくなかったがまぁ見られたものは仕方ない。

「俺はまだ某石仮面被ってないからセーフ、セーフ」

「違う、そうじゃない…」

グリズリーに突っ込まれた。まぁナノマシーンくらいならギリ人間な気はする。

「指揮官はナノマシーンを埋め込んだ人を恨んだりしないんですか?」

復讐のためにAR小隊に戻って来たROらしい質問だ。

「恨むなんてとんでもない。むしろ、力をくれた事に感謝してるくらいだよ…今の世の中は力が全てだからな。それに恨んだってしょうがないじゃないか。それで死んだ誰かが戻って来る訳じゃない」

「…」

「指揮官、今は痛くなったりしないの?」

SOPは心配そうに言った。

「今はもう大丈夫だ。心配無い。さて、俺の話はこれくらいにしてっと、今日はみんな休んでくれ。あ、悪いがライトニングとラプターは残ってくれ」

全員が司令室から出て行く。

「イージス、何か私達に問題でも?」

「そうじゃない。安心しろ、ラプター。今、残ってもらったのは…明日からの事で少し話さなきゃならない事がある」

「何が始まるの?」

ライトニングは興味深々だ。

「グリフィンは鉄血との戦争を早急に終わらせるために近日、大規模反攻作戦を行うことを発表した。その反攻作戦を確実に成功させるために前段作戦を行うのだが…前段作戦の内容がこれだ」

俺はラプターとライトニングに紙束を渡す。

「正規軍航空隊及び有志連合と協力してS-10地区内の敵の工場を爆撃…それで私達が」

「そういう事だ。しかも明日からスタートだ。…行ってくれるか?」

「もちろんですよ」

「私達が断る訳ないじゃない。ささっと敵を撃破して帰って来るんだから」

「頼もしい限りだ。頼んだぞ」

「「了解」」

ラプターとライトニングも司令室から出て行ったら、カリーナが入って来た。

「指揮官様、コーヒーはいかがですか」

「ありがたい…金は取らないよな」

「流石に取りませんよ…」

コーヒーを飲んでみると…やっぱインスタントの味がした。まぁ今の世の中、コーヒー豆なんて高価すぎて買えないからね仕方ないね。まぁしかし、どんな味でも仕事終わりのコーヒーは美味い。

「…お兄さんもう疲れたでござるよ」

「最近、忙しかったですからねー」

「まぁ、グリフィンが鉄血との戦争を早く終わらせたいのが分かるから文句は言えないが…」

「グリフィンとしては鉄血と長い間争っていた方が儲かるのでは?」

「まぁ確かに純粋に考えるとカリーナの言う通り、長い間争っていた方が依頼が増えるから儲かる事には儲かるな。でもな金は入っても資材は減るし、戦力も減る。それを見た正規軍の反PMC派はどうすると思う?」

「…鉄血とグリフィンの両方とも潰す…という事ですか」

「そう言う事だ。いくらPMCが天下を取っている今の世の中でも正規軍の戦力の方が高い。長期戦になったら間違えなく潰されるな」

「なるほど…」

さて、俺もそろそろ寝るかと思って司令室を出て行こうとしたら…

「指揮官、緊急事態です」

M14が凄い慌てて司令室に駆け込んで来た。

「何があった?」

「S-11地区に鉄血の部隊が侵入して来ました」

「奴らの目的は?」

「それが…グリフィンS-11地区に亡命したいと言ってます」

「…亡命か。面倒な事になりそうだ」


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