人や人形以外の声(音声)には()を使っています(毎度の事後報告ですみません
有志連合の猛攻に対して、鉄血は3本の防衛線を引いて抵抗していた…
「こちらRO、敵の第1防衛線を突破しました」
「こちらイージス、良くやった。俺たちも直ぐに合流する」
「イージス、正面にマンティコア!」
9A91が叫ぶ。
「邪魔だ退け」
俺はマンティコアにシリウスを突き刺す。
「…マンティコアの無力化を確認。相変わらずの性能ですね、その剣」
「だろ?全く便利なもんだ」
(イージス、聞こえる?)
「…なぁ9A91、お前今喋ったか?」
「??…喋ってませんが」
(まぁいきなり話しかけられたら驚きますよね。私は貴方が持っている片手剣のシリウスです)
「まじかよ」
(ちなみにこの会話は外に聞こえません)
「まじかよ…んでなんで外に聞こえないのかな?仕組み教えて」
(…もうすでに貴方の脳の一部が私に同化されているから話す必要が無いんですよ)
「…もう脳の一部まで…俺は…俺はいつまで戦えるんだ?」
(それは…)
鉄血総司令部
「…まだ生きてたのね、裏切り物。いや89式さん」
「貴方こそ…てっきりメイドごっこでもしてる途中に車にひかれて他界したかと思ってたわ代理人」
「酷くない私の死に方」
「良いじゃない今からそうやって死ぬんだから」
「えっ!」
「いっけー装甲車!」
89式は自動運転の装甲車(C-4付き)を代理人の所に突っ込ませた。
「…汚い花火ね。さらば代理人」
「この程度で死ぬわけないでしょ私が」
代理人は健全だった。
「ですよねー。この程度で死なれたら困ります…とは言え貴方をさっさと倒してエリザの首を取りに行きますが」
89式が89式自動小銃を構える。
「裏切り者をご主人様の元に行かせる訳にはいかないので…ここで貴方には死んでもらいます」
代理人はスカートから小口径主砲の砲身が顔を出す。そしてS-10地区鉄血総司令部の前で激しく火花が散ることになる。
S-10地区第二防衛線
「悪いRO、遅れちまった」
「やっと来ましたか…私の権限だとグングニルの発射を許可出来なくて大変でしたよ」
「それは済まない…グングニル、お前は後何発のグングニルが撃てる?」
「後1発が限界ね」
「そうか、じゃあエリザ戦まで温存しててくれ」
「了解よ。ただこの大量の敵をどうするの?」
「簡単な話だ。お前の役目は俺が引き継ぐ。シリウス、グングニル発射!」
(戦術レーザー発射を承認。発射します)
大量にいた敵が一気に消し飛ぶ。
「こちらグリズリー、残りの私のダミー人形が1体しか居ない。一度退却する許可を」
「退却を許可する。アルファ、グリズリーのダミー人形の予備が入ってる武装コンテナを彼女の元に投下してくれ」
「了解」
「こちらM14、弾薬が残りわずかです」
「補給線の位置を君の戦術マップに反映した。そこまで徒歩で行ってくれ。ただ、護衛がいるな…」
「私に任せてください」
M4がM14の護衛を名乗り出た。
「分かった。M4、M14の護衛を頼んだ」
「こちらRO、敵の防衛線に穴が空きましたが…進行しますか?」
「まさか。M4とM14を置いていく訳にはいかない」
「ですね。それでは穴を埋めようとする鉄血兵を優先して攻撃します」
「あぁ、頼んだ。俺も…」
あれ?視界が歪んで…
「指揮官!大丈夫?」
あぁ、その声はSOPか。空が見えるということは俺は倒れたのか。
「なんとか…大丈夫そうだ」
「無茶ばっかするからよ…」
AR15が俺の体を起こすのを助けてくれる。
「済まないAR15…」
「たまには私たちに頼って休みなさい。M4達が帰って来るまで休んでること。良いわね?」
「…了解」
S-10地区鉄血総司令部前
「流石は代理人…まだ粘るのね」
89式は弾が切れた89式自動小銃を捨ててP90に武装を変える。
「貴方も…自分の名前を冠する銃の弾が切れても尚戦い続けるか」
「当たり前です。たがが1丁の銃の弾が切れたくらいで倒れる訳がありません」
「ならば…これでもくらいなさい!」
代理人は4丁の小口径主砲を一斉射した。
「…この程度!」
89式は4発の砲弾を回避しながらP90で攻撃を行う。
「ふん、この程度の弾丸でこの私が…何!」
まさかの展開だった。89式はP90を代理人に投げつけた。
「隙あり!」
P90を投げつけて一時的に代理人の視界を奪った89式はすぐさまレーザーソード[エクスキャリバー]を起動させてその刃を代理人のコアへ叩き込もうとする。
「私をあまり舐めたいで下さい!」
代理人もレーザーソードを起動させ89式のコアへとレーザーソードを突き刺そうとする。
「「くだばれ」」
2つのレーザーソードの刃はお互いを突き刺した。
「こちらM4、M14の護衛、及び補給に成功!」
「こちらM14、補給が完了。新たな狙撃ポイントに移動を開始します」
「こちらRO、了解。これより我々は敵第3防衛線へと侵攻します」
さて、俺もそろそろ動くとしよう。
「AR15、そろそろ動いて良いかね」
「…構いませんよ」
「よしシリウス、行くぞ」
(了解です)
「こちらラプター、S-11地区の戦闘部隊の支援に入ります」
「ライトニングも支援行きまーす」
こうしてイージス達は第2防衛線の突破に成功した。そして…第3防衛線への侵攻を始める…そう、そこは
地獄だった
鉄血は圧倒的な物量で有志連合の戦力を潰しにかかっていた。
「こちら自衛隊第36小隊、敵に包囲されている。救援を求む」
「こちら正規軍特殊作戦コマンド、損害大。戦車隊の援護を求む」
「…これは酷いな」
「あと少しで…ブレインの元に行けるのに」
「こういう時に焦りは禁止だ、M4。焦って突っ込んでいったらこちらが死ぬだけだ」
「…了解」
とはいえもはや策が無い。敵の量が多すぎる。戦略レーザーがあればどうにかなるが…ここで撃つと俺が撃った場合はもう確実に身体が持たないし、グングニルが撃つと今度はエリザ戦での戦力が減る。…あと戦闘員が1000人くらいいればどうにか1点突破が出来るんだが…
「君はどうせあと戦闘員が1000人くらいいれば…とでもね思っているのだろう?ならば私達が援護をしよう、イージス君」
「久しぶりだなイージス、今まで剣部隊が居なくて寂しかったぜ」
「貴方達は…A.T社の社長にデルタ隊の隊長…生きてたんですか」
「S-12地区が落とされた後なんとかね…技術班の連中も無事だ」
「俺たちデルタ隊は1000人以上の戦闘員で構成されている…君達決戦部隊を無事にエリザの元に送り届けてやろう」
「感謝する」
道は開けた。あとは進むだけだ。
A.T社残党
S-12地区に本拠地を築いていた民間軍事会社A.T社はある日鉄血の猛攻にあい、本部を破壊された…がG&K がA.T社の生き残りを保護していたため未だA.T社は事実上健全。A.T社の自立人形や設備は全て破壊されたが人員は奇跡的に全員無事だったようだ。
ちなみにシリウスが話し始めたのはイントゥルーダーを同化したからです