亡霊の集まり 前編
「こちら管制塔、C-2輸送機の着陸を許可する」
「…S-11地区よ、私は帰ってきたー」
「今回は簡単な任務だったわね」
AR15が言う。
「まぁ普通の人形だったら無理ゲーなんだがな…」
「やはり指揮官の側にいるのはこの9A91がもっともふさわしいってことですね。他の奴らを掃除してきます」
「意味わからん。てかお前さんさ、なんでヤンデレ(?)になってるの?昔は純粋な子だったよね」
「えっ、指揮官はこういうのが好きってとある人に聞きました」
「とある人って誰だよ」
「アルファさん」
「ちょっとアイツを殴ってくる」
「えっ」
「おい、イージスどうしたんだ…ってなんで殴られなきゃならんの、俺」
「アルファ…アイツは良いやつだったよ」
「指揮官、私達に内緒で一体どこに行ってたんですか!」
あ、ヤベェ。ROがキレてる。どう言おう…
「いやーちょっとお買い物に」
我ながら安い嘘だと思う
「…嘘ですね」
「バレましたか…」
「…指揮官だけずるいよ」
すまないSOP、お前が人を解体するのは見たくねぇ
「確かに私達は貴方達より弱いかもしれない。でもせめて信用くらいはして欲しい」
…グリズリーさん、全くの正論でございます
「そうですよ」
M14まで
「分かったよ。俺たちを何してたかを聞きたいやつは…このソフトをダウンロードしてくれ」
「これは…バレたら大変なことになるわよ」
「良いんだAR15」
「なんのソフトですかこれは」
「安心しろ、RO。ウイルスとかでは無い」
「さて、全員がダウンロードしたか…じゃ、俺に銃を向けてみてくれ」
「そんなこと…出来るはずがありません。だってセーフティーが…えっ」
俺とAR15、9A91以外が驚く。
「そっ、さっきのソフトは人形のセーフティーを解除して人を撃てるようにするプログラムが入っていたんだ」
「それって違法プログラムじゃ?」
「まぁその通りだな、M14。
「じゃあ貴方達がした事というのは」
「そう、人殺しだ…まぁテロリストだがな」
「AR15…A.T社で何をされたの?」
ROが警戒しながら尋ねる
「何もされてないわよ…ただ彼らは教えてくれただけよ…この世の闇を」
「この世の闇…ね」
「指揮官、貴方は一体何ものなの?」
「ただの指揮官だ…って言っても信用してくれそうに無いな。じゃあ、少し昔話をしようか。これは俺がまだG&KにもA.T社にも所属してない(亡霊だった)時の話だ」
2059年、S-01地区の廃ビルにて
「こちらphantom01、狙撃ポイントに着いた」
「こちらphantom02、了解。指示を待つ」
俺の愛銃である38式歩兵銃を構える。スコープを覗くと今回の回収ターゲットを持っているテロリストとその護衛の人形共が見える。まだ射程圏外だ。
「なぁphantom01」
「どうした02」
「今回の依頼主は16LABのやつらだよな」
「そうだ。確か名前はペルシカとか言うやつだったような」
「で、依頼は強奪されたI.O.Pの人形に関するデータを取り返す。で、テロリスト共には何故か鉄血人形が護衛としている」
「その通りだが」
「鉄血の索敵能力がヤバイと聞いたが?」
「じゃあ、バレなきゃ良い訳だ」
「あんまりだぜ…で01、お前はなんで対人形用麻酔銃なんてもんを持ってるんだ」
「03に作ってもらった。人形とはいえ殺したくないからな」
「よくもまぁ今の時代にそんなことを言ってられるよなぁ」
「まぁ殺したら殺したでしつこく追い回されそうっていうもっともな理由もあるけどな。俺たちは亡霊でいなくちゃならない。戸籍上は死んでることになってるんだから。存在がバレたら何されるかわからん。ただでさえ汚れ仕事を山ほどやってきたんだから」
「まぁ眠らせるだけならあんまり問題にはならなさそうだしな…おっと雑談の時間は終わりだ。テロリスト共がお前さんの射程内に入ってきた」
phantom
存在してはいけない者達の集まり。どこの企業にも属さない。主に大企業や正規軍からの汚れ仕事を請け負う。
phantom01
イージスの昔のコールサイン。高い狙撃能力を持つ。愛銃は彼の父親の形見である38式歩兵銃。
phantom02
イージスの元相棒。中〜近距離戦を得意とする。主にアサルトライフルや発煙手榴弾を使う。
phantom03
phantomに所属している技術者。戦闘はあまり得意ではないが高い技術力を使って01や02の武器を作っている。