遊戯王GX 目覚めたら遊戯王の世界でした。   作:KEA

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第4話

試験終了のチャイムが鳴り響き、アカデミアの生徒達は我先にと教室を飛び出していく、

ここに俺以外で残っているのはテストに遅刻した挙句爆睡していた十代と、遅刻はしなかったものの途中から同じく寝ていた翔、そして三沢大地だった。

 

他の生徒は午後から始まる実技テストに向けて購買で発売する新パックを慌てて

買いに行っているわけだが。

正直もう少しで試験が始まる今からデッキ調整をするのは如何なものかと思う。

俺と三沢はそんな考えで慌てることなく筆記用具を片付け、あの問題はどうだったとか、この問題はどう答えたかだとかで話が盛り上がっていた。

 

十代と翔を起こし、他の生徒がいない理由を説明すれば2人も慌てて購買へと走っていく。

翔はともかく十代はデッキ調整する必要あるかね? まあ新パックを開けたいって気持ちもわからなくはないが。

 

「で、俺の予想だと実技試験の相手は三沢だと思うんだよ」

 

「ああ、俺もそうだと思っている」

 

実技試験は、同じ寮生で実力が近しい者同士行われる。

その中で三沢は俺の古代の機械に食らいついてくる数少ない生徒の1人だ。

正直頭の良さで言えば三沢の方が上だし、俺のようにプレイングミスなんてこともしない。

更に、相手の対策デッキ――俗にいうメタデッキ――を使用するため、十代とは違うベクトルで厄介な人物だった。

 

「俺の対策はどんな感じよ」

 

「完璧、とは言い難いな。凡そ8割前後といったところか」

 

購買で購入したドローパンを2人で食いながら話を進めていく。

 

「実はさ、俺もデッキは1つだけじゃないんだ」

 

ドローパンの中身は面白味もないカレー味。いや、食べ物に面白味を求めてはいけない。

 

「……何? まさか、古代の機械ではないのか!?」

 

「いんや、三沢だと思ってそのままできた」

 

僅かに焦りの表情を見せた三沢を落ち着けるように言葉を続けると、三沢は眉を顰めた。

そりゃあそうだ。対策デッキを使うといって、そのまま対策されているデッキで行くのは愚の骨頂だろう。

 

「お前の妨害もろとも粉砕してやるってハナシだ」

 

「ふっ……それでこそだ。今回のデュエル、楽しみにしているよ」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

そんな話をしていたのが昼時。

午後になり、実技試験が始まり――俺の出番となった。

俺の対戦相手はもちろん三沢大地――ではなかった。

午前中の俺たちの会話は一体なんだったんだ。酷すぎやしないか?

カッコつけた自分がすごく恥ずかしいんだが。

 

いや、そんな話はいい。問題は相手の服の色だ。

青なんだけど。どうみても黄色じゃないしどう見てもクロノス先生が仁王立ちしてるんだけど。

あれ? もしかして自分のデュエルする場所見間違えたか?でも三沢はもう他のラーイエローとデュエルしてるんだけど。

 

「シニョール黒羽の相手はこの私、クロノス・デ・メディチが務めるノーネ!」

 

「えぇ……生徒同士で実力を高め合うのが実技テストじゃあないんですか」

 

「うるさいノーネ! 古代の機械を使っているシニョール黒羽にだけ特別な措置なノーネ!」

 

えぇ……少し横暴じゃあありませんかね。

いや、まあいいんだけどさ。

クロノス先生の実力を知ることもできるし、丁度いいかもしれない。

 

「それじゃあ、よろしくお願いします。クロノス先生」

 

「実技テストを始めまスーノ!」

 

『――デュエル!』

 

黒羽優斗 LP4000

 

クロノス・デ・メディチ LP4000

 

「先行は私なノーネ! ドロー! 私は『古代の機械兵士(アンティーク・ギアソルジャー)』を守備表示で召喚するノーネ」

 

古代の機械兵士(アンティーク・ギアソルジャー) ATK1300/1300

 

「更ーに、カードを2枚伏せてターンエンドなノーネ」

 

伏せ2枚が気になるな。

クロノス先生は古代の機械について熟知しているはずだ。

つまり、バトルフェイズ中は魔法・罠の効果発動が出来ないという共通の効果を古代の機械が

持っているということは把握しているという事だ。

そのあたりを考慮して戦わないと……。

 

「俺のターン、ドロー! うげ……」

 

引いたカードを見て顔が引き攣るのを感じた。

このカード、相手にもメリットが入ってしまうなあ。三沢とデュエルするもんだと思ってたからなあ。

 

「――俺は、永続魔法『古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)』を発動! フィールドの「アンティーク・ギア」モンスターの攻撃力は300ポイントアップする! この効果はクロノス先生の場にいる「アンティーク・ギア」にも適応される!」

 

古代の機械兵士 ATK1300/DEF1300→ATK1600/DEF1300

 

「更にフィールド魔法『歯車街』を発動! そして、カードを1枚伏せ、『古代の機械飛竜』を通常召喚!」

 

古代の機械飛竜 ATK1700/1200→ATK2000/1200

 

「『古代の機械飛竜』が召喚に成功したとき、デッキから「アンティーク・ギア」カードを1枚手札に加える!俺が手札に加えるのは『古代の機械要塞』! 更に『古代の機械城』の効果発動!

モンスターが通常召喚されたとき、カウンターが1つ乗る!」

 

古代の機械城 カウンター0→1 

 

「そして『古代の機械要塞』を発動。んでもってバトル!

『古代の機械飛竜』で『古代の機械兵士』を攻撃!」

 

『古代の機械飛竜』によって、『古代の機械兵士』は破壊される。

守備表示だったため、LPに変動はない。

 

「俺はこれでターンエンド」

 

「『古代の機械飛竜』、『古代の機械要塞』、『歯車街』……私の知らない古代の機械がこんなにあったなんて知らなかったノーネ……。シニョール黒羽の実力、見せてもらいまスーノ! 私のターン、ドロー!」

 

独特なデュエルディスクからカードを抜いたクロノス先生は、引いたカードを見てにやりと笑った。

 

「私は通常魔法『狂った召喚歯車(クレイジー・サモン・ギア)』を発動するノーネ!

私は『古代の機械飛竜』を選択! 相手はデッキから、選択されたモンスターと同じレベル・種族のモンスター2体を

特殊召喚するノーネ!」

 

「おお? じゃあ俺はーっと」

 

デュエルディスクからデッキを抜き、レベル4の機械族モンスターを探し出す。

んじゃあ……。

 

「俺は『古代の機械箱』を守備表示で、『古代の機械素体(アンティーク・ギアフレーム)』を攻撃表示で特殊召喚」

 

古代の機械箱 ATK500/2000→ATK800/2000

 

古代の機械素体 ATK1600/500→1900/500

 

「その後、自分の墓地に存在する攻撃力1500以下のモンスターを1体選択し、そのモンスターと同名のモンスターをデッキ・手札・墓地から全て表側攻撃表示で特殊召喚するノーネ!」

 

 

古代の機械兵士① ATK1300/DEF1300→ATK1600/DEF1300

 

古代の機械兵士② ATK1300/DEF1300→ATK1600/DEF1300

 

古代の機械兵士③ ATK1300/DEF1300→ATK1600/DEF1300

 

「まだまだ続くノーネ! 『大嵐』を発動し、全ての魔法・罠を破壊するノーネ!」

 

クロノス先生が伏せていたカードと俺が伏せていたカード、フィールド魔法が破壊される。

また、『古代の機械城』が破壊されたことにより、上昇した攻撃力が元に戻る。

 

「ここで『大嵐』か! だが、『歯車街』の効果発動! このカードが破壊されたとき、手札・墓地・デッキから「アンティーク・ギア」モンスター1体を特殊召喚できる! 俺は『古代の機械熱核竜』を特殊召喚!」

 

古代の機械熱核竜 ATK3000/3000

 

「ふふん、私は更に『魔法の歯車(マジック・ギア)』を発動するノーネ! 自分の場に存在する「アンティーク・ギア」と名の付くモンスターを3体墓地に送ーり、デッキから『古代の機械巨人』1体を召喚条件を無視して特殊召喚するノーネ! 更に、手札の『古代の機械巨人』全てを召喚条件を無視して特殊召喚するノーネ!」

 

古代の機械巨人① ATK3000/DEF3000

 

古代の機械巨人② ATK3000/DEF3000

 

古代の機械巨人③ ATK3000/DEF3000

 

「1ターンで『古代の機械巨人』が3体って……口だけじゃないってか」

 

中々すげーな。ここまで展開できる人なんてそうそういないだろ。

なんて感心してる場合じゃない。結構ピンチだこれ!

 

「バトル! 『古代の機械巨人』達で、『古代の機械素体』、『古代の機械箱』、『古代の機械飛竜』を攻撃するノーネ!【アルティメット・パウンド】なノーネ!」

 

「うおわああっ!」

 

3体それぞれが殴りつけられ、あっさりと破壊されてしまった。

『古代の機械巨人』は貫通効果も持っている。その差分で俺のLPがごっそりと削られた。

 

黒羽優斗 LP4000→300

 

「古代の機械を使い、巧みなデュエルを行うシニョール黒羽は、オシリスレッドのドロップアウトボーイと関わるべきじゃあないノーネ! 貴方にはオベリスクブルーが相応しいノーネ!」

 

「……はぁ?」

 

クロノス先生は――コイツは何を言っているんだ。

流石にそのセリフは看破できない。十代や翔は、言うなればこの世界で最初に出来た友達だ。

その2人を貶すような台詞を許すことは流石に無理だった。

 

「クロノス先生……アンタは決闘者としては認めるけど、教師としては最悪だわ。

俺のターンで終わらせてやる」

 

「そっちには3000のモンスターが1体、伏せもなし! そしてこっちは3000のモンスターが3体!

その状況で勝つなんて無理なノーネ! 私はこれでターンエンドなノーネ」

 

クロノス先生のターンが終わり、続いて俺のターン。

俺の手札は緑一色だが、それでも十分にこの状況を打破し、奴のLPを削り切ることができる。

本来なら使用を控えようと思っていたカードの1枚だが、コイツを使わないと勝てない。

 

「俺のターン、ドロー」

 

引いたカードを確認し手札に加え、俺は1枚選んで発動させた。

 

「俺は手札から通常魔法『オーバーロード・フュージョン』を発動。

自分フィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターカードを除外し、闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから融合召喚扱いで特殊召喚する。

俺は場の『古代の機械熱核竜』、墓地に存在する『古代の機械箱』、『古代の機械素体』、『古代の機械飛竜』を除外し『古代の機械混沌巨人(アンティーク・ギア・カオス・ジャイアント)』を融合召喚!」

 

古代の機械混沌巨人(アンティーク・ギア・カオス・ジャイアント) ATK4500/3000

 

「ここ、攻撃力4500なノーネ!? ですーが、それでも私のライフは削り切れないノーネ!」

 

「――バトル! 『古代の機械混沌巨人』で1体目の『古代の機械巨人』に攻撃!」

 

『古代の機械混沌巨人』が放ったレーザーが1体の『古代の機械巨人』を貫き、破壊する。

 

「ノー!」

 

クロノス・デ・メディチ LP4000→2500

 

「『古代の機械混沌巨人』の効果! このカードは、相手モンスター全てに攻撃することができる!そのまま続けて2体の『古代の機械巨人』も粉砕しろ!」

 

「全体攻撃持ちですーと!?」

 

クロノス・デ・メディチ LP2500→1000→0

 

全ての『古代の機械巨人』を破壊したことで、合計4500ものダメージを与え、実技テストは終了した。

 

「ぐぬぬぬぬ…まさか負けるだなんて思わなかったノーネ……。おおっと、ここで落ち込んでいる場合じゃないノーネ! ここで失礼させてもらうノーネ!」

 

バタバタと慌てて走り去っていくクロノス先生を見送り、俺はデッキをしまって後にしようとした時、体育館を一瞥できる放送室から校長の声が響き渡る。

 

『――黒羽優斗君、実技の最高責任者であるクロノス先生を倒す見事なデュエルタクティクス。

『古代の機械巨人』3体を破壊する様は見事でした。ラーイエローの中でもトップの実力――オベリスクブルーへの昇格です。おめでとう』

 

「優斗ー! 見てたぜ、お前のデュエル!」

 

デュエルフィールドに降り立ってきた十代に背中を思いっきり叩かれる。

見れば、翔や三沢も来ていた。

 

「いてぇ! 力強すぎだっつの!」

 

「っと、悪い悪い! にしても、すげぇ効果の融合モンスター使ってたよな!?」

 

十代に『古代の機械混沌巨人』を見せれば、翔と一緒に食い入るように見ていた。

そんな2人を尻目に、三沢が苦笑しつつ口を開く。

 

「まったく、君と戦うつもりでデッキを組んだのが無駄になってしまったよ」

 

「デュエルする機会はいくらでもあるし、無駄って訳じゃないだろ。次を楽しみにしとくよ」

 

「それもそうだ。その時にはデッキを完璧に仕上げておこう……それと、昇格おめでとう」

 

昇格、昇格かあ……オベリスクブルーなぁ、まあいいか。

コテンパンにして沢山ポイントを稼がせてもらおう。

……ブルー寮に引っ越すのめんどくせえな。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「っと、悪い。もうここまでで大丈夫。後は自分で持ってくよ」

 

着慣れないオベリスクブルーの制服に身を包み、ブルー寮の目の前にたどり着いた俺は荷物運びを

手伝ってくれた2人の女子生徒に声をかけた。

天上院明日香と藤原雪乃である。というか知り合いの女子生徒はこの2人しかいねえ。

やだ、もしかして俺の学校生活灰色に近い……?

 

そんな話は置いといて、2人が荷物運びを申し出てくれたのだ。

とはいえ私物自体そんなに多くは無かったが、イエロー寮からブルー寮までは徒歩だとそれなりに

距離がある。2人の言葉に甘えつつ手伝ってもらったわけだが、ここからは1人で運んだ方がいいだろう。

何でも、この2人はブルー生徒の中でも取り分け人気が高いらしい。

そんな人を荷物運びを手伝わせてると他の生徒に知られたら何をされるかわかったもんじゃない。

 

自身の人気を理解しているらしい明日香は、苦笑しつつ頷いた。

 

「ええ、そうね。ここからは1人で運んでちょうだい」

 

「あら、私は部屋まで手伝ってあげてもいいわよ?」

 

妖艶に微笑む藤原の肩を明日香が軽く叩く。

 

「ちょっと、雪乃」

 

「ふふ、冗談よ。またね、ボウヤ」

 

「ありがとうな、また」

 

女子寮の方へと歩いていく2人を見送り、俺は段ボールを持ってブルー寮の中へと入っていった。

……にしても、すげえ豪華だな。




出来ればなんですが、4から0の評価を付けるときは一言でもいいので
理由を付けていただけると嬉しいです。何も言われないと何処を改善すればいいのか
分からないので……できればお願いします、すいません。

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