新年を迎えたその日、私はイチゴと共に騎士団へ新年の挨拶に来ていた
騎士団の入口には我先にと多くの花騎士達が並んでいた
「凄い行列だね~!みんな団長さんに挨拶しに来たんだね!」
新年を迎えたら親しい人達に挨拶をして回るとその人と一年間良好な関係が築ける、いつからか花騎士達の間で囁かれるようになったおまじないだ
広まり始めた頃は互いの安全祈願などの意味合いで挨拶を交わしていたが、今では団長と親密になりたい花騎士達が新年が明けると挙って団長の居る騎士団へと駆け込むようになり、自然とその騎士団に所属する花騎士全員が団長に挨拶しに来るのが暗黙のルールとなってしまった
実際、団長への挨拶より同じ騎士団の仲間達への挨拶を大事にしている花騎士達にしてみれば全員に挨拶出来る機会なので都合が良かったりする
「あ、アブラナちゃん!甘酒配ってるよ!」
風で冷えるなか、外で挨拶待ちをしている花騎士達にコップに注がれた甘酒が配られている
湯気が立つ甘酒を両手で持ち暖を取る花騎士や何杯もお代わりしようとして怒られている花騎士達も居た…酒飲み勢は何をしているのか…甘酒は酒と言うがアルコールが入っていない筈だ
「ねぇアブラナちゃん?なんだかよく知ってる甘酒と香りが違うような気がするんだけど?気のせいかな?」
このイチゴの発言の時点で気がついて居れば、あのような事には成らなかっただろうと後に後悔する事に成るが、この時の私達は知る由もなかった
「団長さん、新年明けましておめでとうございます!今年も一年間宜しくお願いします!」
結構外で待たされたが無事に団長への挨拶を済ませ、執務室を後にしようとした時に団長に呼び止められる
どうやらイチゴの顔が赤いのが気になるようだ、外で長く待たされたので風邪を引かないように充分気を付けるよう言われて部屋を後にする
「団長さんはやっぱり優しいね~」
団長も気がつく位イチゴの様子がおかしかった、普段からぽわぽわしているが普段にも増してぼんやりしているように感じる、歩き方も少しふらふらしている気がする
何か身体に異変が無いか尋ねてみた
「大丈夫だよアブラナちゃ~ん、ちょっとポカポカする位だよ~♪」
明らかにおかしい、まるでホップさんのように酔っ払ったような…酔っ払った?
私はイチゴの手を引いて、先ほどの甘酒を配っていた花騎士達から使用した材料を聞いてみた
すると米麹で作った甘酒と酒粕から作った甘酒を用意しており、酒飲み勢が押し寄せた時に甘酒を入れた容器がどれか分からなくなった時があったようだ
偶然イチゴに酒粕で作られた甘酒が手渡されて酔っ払ってしまった…そうゆう事のようだ…
「えへへ~、アブラナちゃん抱っこ~♪」
酔っ払ったイチゴが私に絡んでくる、私はイチゴが他の人にぶつからないよう手を引き、帰路が近い自宅へと連れて帰った
「アブラナちゃん家だ~、お邪魔しま~す♪」
騎士団の拠点近くに借りた部屋へと戻りイチゴをベッドへと寝かせてコートを脱がせていく、甘酒で酔っ払った影響なのかコートの下は汗ばんでいた
「アブラナちゃん、暑いの~!脱がせて~♪」
普段より我が儘なイチゴに呆れながらもソックスを脱がせ、上着を緩めていく
「んっ!…ハァ…アンッ!」
服を脱がせる度に艶かしい声を出すイチゴ、いけない事をしている気持ちになっていく
「アブラナちゃん、まだ暑いから…全部脱がせて」
思わず生唾を飲む、これ以上踏み込めば自分中の何かが壊れる予感がした
「ねぇアブラナちゃん…早くぅ…」
イチゴに催促され、意を決して上着、スカート、そして下着を脱がせていく
下着の下から現れた汗ばんだイチゴの身体、艶かしく上気した顔、広がるイチゴの甘い香りに私の理性が弾け飛ぶ
洗面所で濡れタオルを絞り、イチゴの汗を拭く準備を済ませて服を脱いでいく
「アブラナちゃん、なんで服を脱いでるの?」
イチゴの問いかけを無視し、腕や足の汗をタオルで拭き取っていきながら空いた手でイチゴの身体を堪能していく
恥ずかしそうにイチゴが口を抑え声を出さないようにするが、空いている私の手で口を抑えているイチゴの手を押さえつける
イチゴが抵抗する素振りは見られないが、あえて拭くのも触るのも止めてみる
イチゴが困惑した表情を浮かべて、此方を見てくる
「え?…アブラナちゃん?なんで止めるの?」
イチゴの表情に背筋がゾクゾクする、イチゴの顎に手を添えてこんな時に何を言えば言いかと尋ねる
「…お願い、アブラナちゃん…私を好きなようにして良いから止めないで」
私は聞きたかったセリフを聞けた事に満足し、行動を再開する
イチゴの口から甘い吐息が漏れる、私の介抱はまだ始まったばかりだ
翌日、私は頭を抱えていた
親友に対してやってしまった事による後悔と二日酔いの症状と思われる頭痛が原因である
どうやら私の甘酒も酒粕で作った甘酒だったようだ
「アブラナちゃん、大丈夫?」
先に起きていたイチゴが頭痛に効く薬と水の入ったコップを差し出してくる
「昨日挨拶しに行った後、何が有ったか覚えてないの」
起きたイチゴに昨日の事を聞いたらこう返された、私の仕出かした事を覚えていると言われたら恥ずかしさで爆発してしまうだろう
「昨日の積極的なアブラナちゃんも可愛かったよ」
ん?…イチゴ今なんて言った?
「あっ!…なんでもない、なんでもないよ!」
どうやらバッチリ覚えて居たようだ!
新年を迎えたた二日目の朝、私は痛む頭を抑えながら親友と追いかけっこを繰り広げる事となったのであった…