コダイバナ決戦前夜、明日はイチゴと違う部隊で戦うことが決まっていた
いつも一緒だったイチゴ、厳しい任務もイチゴと一緒なら乗り越えてこれた
しかし今回は激戦区…恐怖と不安で手が震えて眠れない
「アブラナちゃん、眠れないの?」
隣のベッドで横になっていたイチゴが起きて、あたしに話しかけてきた
「実は私も不安で眠れないの…」
あたしはイチゴの何かをねだるような視線に答えるようにイチゴへ右手を伸ばす、それに反応するようにイチゴも左手を伸ばしてくる
「アブラナちゃんの手は暖かいね」
触れあった手に指を絡め合う、反対の手も伸ばしあい指を絡めていく
徐々に身体を近付けて額をあわせる
何時からか始まった二人だけの秘密のおまじない
互いの手を握り、額を合わせて温もりを感じる、そうすれば不安なんて消し飛ぶ
「アブラナちゃんの温度、もっと感じたいな」
合わせていた額を離して唇を重ねてくる、啄むように何度も口づけをする
唇だけでは足りないと訴えるかのように、唇から頬を伝い、私の首筋を舐めていくイチゴ
その瞳に宿る熱に当てられてか、あたしの身体も火照り始める
「アブラナちゃん…アブラナちゃん…」
もう我慢出来ないという勢いで着ている寝間着を脱ぎ始めるイチゴ、あたしも答えるように寝間着を脱ぎベッドへと倒れこむ
熱い夜はまだ始まったばかりだ
窓から朝陽が差し込む、どうやら寝ていたようだ
「アブラナちゃん…私も大好きだよ…」
隣に幸せそうな顔で寝言を言っている裸のイチゴが寝ていた
寝ているイチゴを起こさないように静かにベッドを抜けて、部屋の隅にある簡易調理場へと向かい紅茶を入れる為にお湯を沸かす
少し暖まってきたら一度火を止めて、二人分のカップとポットを湯通しして温めておく
カップとポットを取り出して再びお湯を沸かしていく
沸くまでに茶葉を用意しておく、今日はイチゴがオススメしてくれた茶葉を使う事にした
お湯が沸いたのでポットに茶葉とお湯を入れて蒸らしていく
茶葉を蒸らしているとイチゴが起きてきた
「おはようアブラナちゃん…良い香り…」
温めていた二人分のカップに紅茶を注ぎ、テーブルへと運び一緒に飲む
「美味しい…」
イチゴの笑顔に釣られ、あたしの顔も笑顔になる
「アブラナちゃん、明日もこうやって二人で紅茶が飲みたいな」
イチゴが伸ばしてきた右手に答えるようにあたしも左手を伸ばす、もう不安で手が震える事は無かった
イチゴとの約束を守るため今日も全力で頑張ろう、明日もこの温もりと幸せを感じるために
2019/7/2 表記の変更、アブラナの一人称を私からあたしに修正