『今宵、探偵と助手の最後の晩餐を頂戴する
怪盗ナイトシェード』
数日前、ワルナスビ達を夕食に招待するよと誘ったら、当日の朝に挑戦状がポストに入っていた
招待したのだから普通に来て夕食を一緒に食べていけば良いのにと思ってしまう反面、ボクらはこんな関係でも悪くないなとも思ってしまう
とりあえずメギに声を掛けて今晩の仕込みをしよう、今日は忙しくなりそうだ
昼間
今晩の仕込みを終えてメギと街へ夕食の買い物に来た、今晩は中華料理にしようと思う
メニューを考えていると、新鮮なナスが入ったよと八百屋のおばさんが宣伝しているのが聞こえてきた
声に釣られてナスを見てみるが確かに美味しそうだ
ナスを見続けていたら、ナスビの着ぐるみを着たワルナスビを想像してしまい笑ってしまった
回りの視線が此方に向いてしまったので、誤魔化すようにナスを購入した、これで麻婆茄子を作ろう
あとは別れて買い物をしていたメギがタケノコやピーマン、タマネギ、もやし、豚肉等を購入していたのでボクはある物を買って買い物を終えることにした
夜
夕食時、そろそろワルナスビ達が来る時間帯だろう、こちらも夕食の準備を終えておりいつでも出迎えれる
まだかなと待っていると、探偵事務職として借りているアパートの二階から音がした、どうやら二人が来たようだ
「くくく、我らが二階の窓から侵入してくるとは奴等は露も思わないだろうな、そうだろうスクワイアよ?」
「きっと思って無い筈ですぱ、ナイトシェード様!」
わざとやっているのではないかと思う程、声が聞こえてくる
とりあえずメギに合図を出し、仕掛けの起動準備にかかる
「我が怪盗妙技に掛かればこんな窓など…あれ?開いてる?まったく無用心だなぁ…」
「まったくですぱ!…まぁ私たちが言っていい言葉ではないですぱ」
どうやら鍵を開けておいた窓から侵入してきたようだ、ここまでは推理通りだ
「あ、いい臭いがするですぱ!どうやら下にあるみたいですぱ!」
「今宵の晩餐は我らが手に…ってラークちゃん待ってよ~」
ふたりは階段を降りてこようとしているようだ、ボクは手元の紐を引っ張り仕掛けを作動させる
「「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」」
先ほど引いた紐の先にはローション入りのバケツが繋がっており、紐と連動して階段にローションを流す仕組みになっている
階段から滑り落ちてくる二人をメギが網を用意して待ち構えていた
「め゛ェ゛ェェ!!」
「ラークちゃん大丈夫!?」
当たり処が悪かったのか、網の中からラークスパーの鳴き声が響く
網の中の二人をメギと共に見下ろす
「くっ!まさか捕まるとは!だが我らは屈しないぞ!」
はいはい、とりあえず網外すから動かないで、あと服脱いで
「なっ!?我らに辱しめるつもりか!探偵の癖に卑怯な!」
いやローションまみれの服を洗濯するだけだから、変な意図はない、イイネ?
「アッハイ」
とりあえず網を外して、服を脱がせタオルを渡す、背中などについたローションは拭いてあげた
「ありがと…ん?なんで縛ってるの!?」
とりあえず家に侵入してきた罰だよ!招待してるんだから普通に来なよ!
下着姿のワルナスビを縛りつけ、動けなくして座らせる
「くっ!卑怯な!やはり我を辱しめる気か!」
喚くワルナスビを無視してキッチンから熱々の麻婆茄子を皿によそって、ワルナスビの前に持ってくる
スプーンで一口掬い、ワルナスビの口元に近付ける
「え?ちょっと?カーパス何してるの?」
はい、あーん…とワルナスビに麻婆茄子を食べさせる
「あーん、熱っ!辛っ!」
おかしいな、味見した時は旨辛な味付けにした筈なんだけど?メギも大丈夫言ってたし
「辛いけど噛めば噛むほど挽き肉やナスから旨味が溢れてくる!」
とりあえずもう一口掬い取って、ワルナスビに差し出す
「やっぱり熱いし、辛い!けど癖になる!くっ!この程度では屈しない!」
三口目をふーふーしてから差し出すと、待てないと言わんばかりに食いついてくる
「この辛さが癖になっちゃう!一度揚げたナスが油吸っていい味出してる!…でも屈しない!」
一度皿を置いて、奥からある物を持ってくる
「そ、それは!」
ふっくらと光輝くお米を持ってきたのだ、お茶碗から湯気を立てており甘い匂いが周りに広がる
「卑怯だ!麻婆茄子にご飯とか悪魔的な組み合わせ!卑怯過ぎる!気を付けろ、我がスクワイアよ!」
ワルナスビがラークスパーの方を向くと幸せそうにメギと食事をしているラークスパーが居た
「この青椒肉絲美味しいですぱ!ご飯が進むですぱ!…え?メギが作ったんですぱ?メギは料理上手ですぱ!」
「ちょっとラークちゃん!なんで普通にメギとイチャイチャしてるの!?」
さぁラークスパーみたいに素直になればこの麻婆茄子も青椒肉絲もご飯と一緒に食べれるよと誘惑する
「くっ!我は決して誘惑に負けたりしない!」
一向に堕ちる気配が無いので、最終兵器を取り出す
「そ、その箱は!」
最終兵器さと言いながら箱を開けると中には冷えた杏仁豆腐が四人分入っていた、デザートとして用意していたのだ
「デザートまで完備!くっ…だが…我は…」
食べたと認めれば縄をほどいて自由に食べていいと告げるとワルナスビは陥落した
「杏仁豆腐には勝てなかったよ…」
幸せそうな表情を浮かべてデザートを楽しんでいるワルナスビ、作った甲斐があったと思う瞬間である
「そう言えばあの麻婆茄子と杏仁豆腐はメギが作ったんですぱ?」
ラークスパーの質問にメギが、一月以上前から料理上手な花騎士達に頭を下げて教わり、カーパスさんが青椒肉絲以外すべすべ作ったとネタばらしをした
「そうなんだ…美味しかった、ご馳走さまカーパス」
照れ臭そうにワルナスビが感謝してきたのでこちらも気恥ずかしくなる
耳元でメギがワルナスビさんの為に練習した甲斐がありましたねと囁きからかってくる
また機会が有ったら二人を食事に誘おう、次は普通に来るようにきちんと釘を指してね
こうして四人の幸せな夜は過ぎていくのだった