花騎士秋桜劇場   作:インティライミ

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新しい長編SSの始まりです
カーパスとワルナスビが幼馴染だったらというおーぷんの皆様の会話から生まれたSSとなります
クローバー×シロツメクサの話は少し悩んでいるので書き上げたら即投稿致しますのでもうしばらくお待ち頂ければと思います


花騎士秋桜劇場 君が最初に盗んだ大切な宝物①

「まったく…あれほど無理はしないで下さいと言いましたよね?」

ボクは自室のベッドで寝込みながらメギに看病されていた

先週から害虫の出現が相次ぎ、ボク達も昼夜問わず何度も出撃し疲労が溜まっていた状態で街中で事件の声が聞こえたので捜査・事件解決と忙しい毎日を過ごしていたら体調を崩してしまったようだ

「だから昨日は街に出るのを止めてゆっくり休みましょうと言ったのに聞かないんですから…」

メギが濡れたタオルを絞りボクの頭に置いてくる、火照った額に心地よい冷たさが広がっていく

「既に団長の方には報告してます。団長から三日間休みを出すので、その間に体調を万全にするようにと言われてきました」

色々ありがとうメギと掠れた声で感謝する

「感謝は風邪が治ってからいくらでも聞いてあげますから今はゆっくり休んでください」

メギが小言を言いながらボクの身体に暖かな布団を被せてくれる、言い方は厳しいが言葉の中に含まれる優しさに善き助手に出会えたと改めて感謝する

「それじゃ私は騎士団に戻りますね、飲み物とタオルはベッドの側に置いときますので…騎士団の仕事が終わったらまた見に来ます、お大事にカーパスさん」

そうメギが言い残して部屋を出ていく、部屋にボクの吐息のみが響き渡る

一人で寝ていると昔を思い出す、病弱でいつも一人ベッドで寝込んだり、部屋の窓から外を眺めていた幼い頃を…ちょっと意識が朦朧としてきたのでボクは闇へと意識を手放した

 

 

 

目が覚めると頭にひんやりとした物が乗せられていた

どうやら氷を袋に入れた物を吊り下げてボクのおでこに当てているようだ

身体を起こして飲み物を取ろうとベッド横のテーブルの方を見ると宝箱が置かれていた

中には冷えた飲み物と一緒にすりおろしリンゴと煮付けたリンゴが入れられおり、飲み物とタオルが置かれていた筈のテーブルにはタオルに挟まれたカードが置かれていた

『今宵、貴女の身体の熱を盗みに行きます 怪盗ナイトシェード』

残されたカードと内容から誰が来てこれらを用意してくれたか一目瞭然だった

あのポンコツ怪盗の顔が思い浮かび、心が癒される気持ちになる

ボクは冷たい飲み物とリンゴを食べて再びベッドへと潜り込む、今度はぐっすり眠れるだろう

次第に世界が曖昧になって意識が離れていく

薄れ行く意識の中で額に氷袋とは違う柔らかく暖かな感触と誰かの呟きが聞こえ、遠くで扉の閉まる音が聞こえたような気がしたがボクはそれを確かめる事無く意識を手放した

 

 

その日ボクは夢を見た

昔懐かしい幼い頃の記憶

それは窓の外からやって来て、ボクの大切な物を盗んでいった小さな怪盗との出会いの記憶だった




この話は花騎士合宿とは違う世界線の話です
いずれどの話がどの世界線なのかを整理したいと思います
(作者本人がどの世界の話か忘れそうになったから整理しようと思ったのは秘密です)
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