投票イベントに参加した皆様お疲れ様でした
アブラナおめでとう!
「こんにちわ~!アブラナさん宛にお手紙です!」
「ありがとうエリンジウム、宛先は・・・・・・!?」
その日、アブラナの元に届いたのはこの間の祭りの主催者からの表彰式及び舞踏会への招待状だった
『花騎士アブラナ様へ
此度は万華祭の投票にてスプリングガーデンの人々から多くの支持を集めた貴方を表彰するため、一週間後に◯◯◯◯まで御越しいただければと思い、招待状を同封させて頂きました
アブラナ様本人及び同行者お一人を連れて御越しください
万華祭主催者より』
アブラナは慌てて団長の元へと向かい、手紙を見せてこう叫んだ
「団長!ダンスの練習相手になって!」
これはアブラナと団長が表彰式までにすったもんだするだけの話である
「アブラナ落ち着け、話が見えないんだが」
「この手紙を見なさいよ」
アブラナは手に持った手紙を団長に差し出す
受け取った団長は手紙を読み進めていくと徐々に表情が変わっていき、読み終わると笑顔でアブラナを見つめてきた
「事情が分かったかしら?」
「おめでとうアブラナ!おめでとう」
団長は立ち上がりアブラナを抱き締めようとするがアブラナはそれを避ける
「・・・・・・あの、この場合抱き合って喜びを分かち合う場面では?」
「それよりダンスの練習よ!ダンス!団長って舞踏会とか行ってるでしょ!」
「・・・・・・ダンス出来ない」
「はぁ?舞踏会行ってたでしょうが!」
「ご飯だけ食べて帰ってました・・・・・・」
アブラナは頼りの綱だった団長がダンスが出来ないと知り呆れ果てるが、団長は代わりにと言わんばかりにある人物の名前を挙げた
「こないだ知り合ったディモルフォセカを講師に呼ぼう!彼女なら信頼出来るぞ!この間、ゲーム団長の所でダンス教えて踊れるようにしたらしいし」
「・・・・・・団長が覚えてるなんて、その人美人だったんでしょ?」
「美人でスタイル良くて、しかも暗くなるとおねむになる体質でとても秋桜捗る・・・・・・違います、失言でした」
「そう・・・・・・なら他の人に頼むわ」
「ちょっ!アブラナ待って・・・・・・行ってしまったか・・・・・・仕方ない・・・・・・私も練習するか」
団長はアブラナが怒って出ていった扉を見つめながら項垂れるのだった
アブラナはイチゴの部屋へと向かって歩いていた
「イチゴ、居る?」
「いらっしゃいアブラナちゃん♪どうしたの?機嫌悪そうだけど」
「なんでもないわ・・・・・・ところでイチゴ、あんたってダンス踊れる?」
「うん、少しだけど」
「そう、ならちょっとダンスの練習相手になってくれないかしら?」
「えぇ!?ダンスの練習相手!?なんで急に?」
アブラナはイチゴに手紙を見せて事情を話すとイチゴはアブラナの腕を掴み、はち切れんばかりに振り動かす
「凄い!凄いよアブラナちゃん!凄くきゅんきゅんしちゃうよ♪イチゴ、ダンスの練習相手引き受けまぁす♪」
「よろしくイチゴ」
こうしてイチゴとダンスの練習を始めるが未経験者と初心者同士の練習では上手くならず、結局アイリス指導の元、団長とアイリス、アブラナとイチゴの組み合わせでダンスを教わる事となった
表彰式前日
アブラナは眠れなくて団長の部屋を訪れていた
「団長、起きてる?」
「どうしたアブラナ?もしかして眠れないとか?」
「まぁそんなところ・・・・・・座っていいかしら?」
「どうぞ」
アブラナはソファに腰掛けて休んでいた団長の隣に座り肩を寄せる
普段見せないような行動から一瞬不思議に思うが、団長はアブラナを受け入れる
「明日の表彰式が不安か?」
「うん・・・・・・ネムノキ、アネモネ、エノテラ・・・・・・それにプルメリアにタラゴンよ?そんな中にあたしが行って良いのか少し不安になっただけ」
「そうか、でもアブラナは皆に選ばれたんだ。胸を張っていけば良いさ」
「・・・・・・明日、一緒に来てくれる?」
「もちろん」
「舞踏会の時、あたしと踊ってくれる?」
「君以外とは踊らないよ」
「明日のダンスで失敗しないよう今から練習付き合ってくれる?」
「喜んで」
二人は立ち上がり、執務室を出てホールへと向かう
月明かりが薄暗い部屋を照らす中、二人の男女が見つめ合い、ステップを踏む
観客が月のみの静かなホールに二人の吐息と靴の奏でる音のみが響き渡る
ただひたすら無言で踊り続ける二人の表情は幸せに満ちた優しい笑顔だった
翌朝、見回りをしていた花騎士が夜中、ホールに男女の幽霊が出てダンスをしていたという噂を広めてしまうのはまた別の話