花騎士秋桜劇場   作:インティライミ

44 / 50
メリークリスマス!クリスマスらしい花騎士SS書いてみました!短いですがお楽しみください!


花騎士秋桜劇場:怪盗ナイトシェードのクリスマス大作戦 前編

「我がスクワイアよ、計画の方はどうなってる?」

「ムナールの協力も取り付けたので順調ですぱ!当日は騎士団の皆も協力してくれる予定ですぱ!」

「くくくっ⋯⋯ならば行幸!この怪盗ナイトシェードによる最大の計画は無事成功すると確信した!」

「さすがマイスター!」

 

クリスマスを一ヶ月後に控えた騎士団の隣にある寮の一室で怪盗ナイトシェードことワルナスビとそのスクワイアであり親友のラークスパーはクリスマスに向けたイベントを計画していた

ただ二人は知らなかった、その計画が自分たちの想像を越える規模に発展する事を⋯⋯

 

 

 

 

クリスマス一週間前に騎士団近くの孤児院へカードが贈られた

予告状のような文面で怪盗ナイトシェードのマスクの描かれたクリスマスパーティーへの招待状は子供達をワクワクさせた

 

『クリスマスの夜、リリウムガーデン騎士団側のクリスマスパーティー会場にて最高のお宝を盗みに参上する 怪盗ナイトシェード

PS.当日は子供達全員暖かな格好でクリスマスパーティー会場に集まって欲しいですぱ』

 

子供達は噂に聞くナイトシェードの姿を想像し、どんなお宝を盗みに来るのか話合いながらクリスマス当日が早く来る事を願っていた

 

 

 

 

「そっちの準備出来た~?」

「イルミネーション設置完了!魔力式ランプの点検お願い!」

「りょうか~い♪魔力ちゅうにゅ~う!」

 

クリスマスまであと三日に迫った日、リリウムガーデン騎士団総出でクリスマスパーティーの準備に取り掛かっていた

 

「イルミネーションの準備は順調みたいだな」

「はい団長様、機材の搬入は完了していますから後は設置と最終チェック⋯⋯あとはローズマリーさんの薬待ちですね」

「それなら準備が出来た⋯⋯ふぁぁぁ⋯⋯まさかあんなに大量に作る事になるとは思わなかったよ」

 

設営の様子を眺めていた団長が副団長のアイリスに作業の進行状況を聞いていると白衣を着た眠たげな女性、ローズマリーがやって来た

 

「これが製作した薬の伝票だ、後で取りに来てくれ⋯⋯しかしこんなにどこで使うんだい?他所の研究所にもレシピ送って作らせてるそうじゃないか」

「クリスマスの夜のお楽しみだよ、子供達の為に最高のクリスマスにしなければいけないからな」

「⋯⋯そうかい、では私は失礼するよ。調合の為に徹夜続きでね⋯⋯」

「ああ、ありがとう。おやすみ」

「ローズマリーさん、ありがとうございました。ゆっくり休んでください」

 

団長に伝票を手渡し、立ち去るローズマリー

 

「これで準備は整ったな⋯⋯後は当日を待つだけか⋯⋯」

 

もうすぐクリスマスがやってくる⋯⋯

 

 

 

「せんせー早くー!」

「イベント始まっちゃうよ!」

 

クリスマス当日、子供達は引率の先生達を急かすように広場へと向かっていた

街はクリスマス色に染まり、キャンドルや魔力式ランプに照らされた様々なクリスマスイルミネーションがぼんやりと明るく道を照らしていた

 

「「「「「わぁぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

広場に設置されたイルミネーションや沢山のキャンドルの美しさに歓声を挙げる子供達

広場に先に集まっていた子供達もイルミネーションを眺めて楽しんでいた

 

「これで全員ですか?」

「はい」

「ではクリスマスパーティーを始めます」

 

受け付けを済ませると全員参加したのを確認し、合図を送るとイルミネーションの光が消えてキャンドルの明かりのみになる

子供達がパニックになりかけるも花騎士達の呼び掛けにより多少落ち着きを取り戻した時、一部の照明が付いていつの間にか設置された台の上に乗った少女を照らしていた

そして楽器の演奏と歌が始まる

 

闇より出でし~悪の華~♪

彼の者の名は~怪盗ナイトシェード~♪

闇に眠りし~お宝は~♪

闇に返すよ~怪盗ナイトシェード~♪

 

「くくくっ⋯⋯今宵は集まってくれて感謝する!我こそが怪盗ナイトシェード!今宵は最高の宝を頂きに参上した!」

 

照明に照らされるシルクハットを被って目元をマスクで隠す白髪の少女ワルナスビは子供達に名乗り挙げる

子供達は突然の出来事に驚くが楽しそうにワルナスビを見つめていた

 

「我々の怪盗妙技に掛かれば平凡なクリスマス等簡単に変えられる!全ては最高の宝を手に入れる為に!さあ、怪盗タイムだ!スクワイア達よ!」

「やるですぱ!」

「おぉ~!」

「任せるッス!」

 

ワルナスビの言葉に答えるように三人の少女が立ち上がる

一番小柄な狐のフードを被った少女キツネノボタンが魔力による狐火を出し、年上の後輩であるアニソドンテアとラークスパーの持つ松明に火を付ける

松明を持った二人が夜道を駆け、設置されたキャンドルに火を灯し、道を照らしていく

照らされた道の先には先ほどまで有ったクリスマスイルミネーションが動かされており、一番奥の大きなキャンドルに点火されると同時に魔力式ランプも点き、隠されていたクリスマスマーケットが現れ、子供達の笑顔が最高潮に達する

 

「「「「「わぁぁぁぁぁ!!!すごい!!」」」」」

「くくくっ⋯⋯今宵、最高の宝、子供達の笑顔はこのナイトシェードが頂いた!メリークリスマス!」

「「「「「メリークリスマス!!!」」」」」

 

子供達の笑顔を見て満足げにステージを降りるワルナスビ

去ろうとするも子供達に抱き付かれ動けなくなる

 

「ちょっ!は、離してよ!」

「ナイトシェードさんありがとう!一緒に行こうよ!」

「ずるい!私が先だよ!」

「け、ケンカはダメだよ!い、一緒に行くから仲良くね?」

 

子供達に引っ張られ共にクリスマスマーケットへと向かうワルナスビやラークスパー達

クリスマスマーケットではパティシエであり花騎士のコムギの作ったブッシュ・ド・ノエル、お菓子作りが得意なイエローチューリップの作ったジンジャークッキー、他にも色々なお店の商品が並んでいた

レーズンやプラム等をドライフルーツにして練り込み焼き上げたパン、パネットーネやシュトーレン等も用意されていた

飲み物もアルコールを飛ばしたホットワインやホットチョコレートなど体の暖まる物が多く振る舞われ子供達は好きな物を貰い、友人達と楽しんだり、花騎士達と一緒に巡り回ったりと思い思いの行動をしていた

 

 

 

「そろそろ時間ですよ~!」

 

月が登り、冷えてきた頃お土産を手に持った子供達が広場に集まり、笑みを浮かべあいながら楽しかったと話し合っていた

 

「見て!花火だ!」

 

子供の一人が音に気がついて夜空を見上げると星空に花火が打ち上がり、大輪の花を咲かせていく

楽しく幸せな時間を胸に刻み付けた子供達の笑顔に喜びを感じつつ、最後まで花騎士達は子供達を見守り続けたのであった

 

 

 

ワルナスビ達の計画は最終的にスプリングガーデン全体に広まり、各地でクリスマスパーティーが開かれ、沢山の子供達が笑顔に包まれたのであった

そしてその裏ではクリスマスパーティーを守るべく多くの花騎士達が戦っていたのであった




後編は団長達が裏で何をしてたかを書く予定です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。