二日連続お仕事残業からの寝落ちで執筆遅れました⋯⋯申し訳ないです
クリスマス当日夕方
「団長、ローズマリーの薬の準備出来たわ」
「ありがとうアブラナ」
大量のプレゼント箱を載せた荷車が十台以上、リリウムガーデン騎士団の前に用意されていた
「よし、皆聞いてくれ!これより我々は他の騎士団と協力し、大規模誘導作戦を開始する!手筈は各地にプレゼント箱に仕込んだローズマリー製の害虫誘引薬を開いてクリスマス害虫を誘き寄せ討伐する!」
団長以下クリスマスパーティーに参加しない花騎士達は他の騎士団と協力し、大規模討伐作戦を決行しようとしていた
害虫誘引薬は使い方を間違えれば大事故に繋がる危険な代物であるが適切な使用方法で運用する事により、害虫の動きを調整可能である
「討伐完了の合図は青色、万が一極限指定害虫がやって来たら黄色、部隊の異常が困難な状況に陥ったら赤色の信号弾または魔力弾を上空に発射!以上、質問は?」
作戦概要に対して質問をする者は居らず団長は花騎士達を見回した後頷き出撃の合図を下す
「よし⋯⋯それでは子供達を泣かす悪いサンタ害虫共を狩りに行くぞ!」
「「「「「「オオオォォォォォ!!!」」」」」」
荷車一台に十人の花騎士が付いて出発していきく
「団長、行くわよ」
「準備完了でぇす♪」
「よし!出発だ!」
最後の一番プレゼント箱の多い荷車にに団長や副団長のアブラナ・イチゴ・アイリス・エノテラを含む十五人の花騎士が付き、自分達の担当の場所を目指し動き始めた
事の始まりはワルナスビとラークスパーの相談だった
「でクリスマスパーティーを開きたいと⋯⋯いくら金掛かるんだよこれ⋯⋯人手も足りないし⋯⋯」
「そ、それを団長に相談しにきたのに⋯⋯」
「ムナール、なんとかならないですぱ?」
「私個人としては最大限に協力してやりたいが⋯⋯金と人手がなぁ⋯⋯」
大規模なクリスマスイベントを開くと害虫が集まり易く、イベントに人手が取られパトロールの範囲も狭くなってしまう
とても一つの騎士団でやれるようなイベントではなかった
「話は聞かせて貰いました!私にいい考えがあります!」
「え?ナズナさん?」
団長は交友のあるブロッサムヒルの騎士団に所属するナズナの登場に驚き固まる
「あ、申し訳ありません!団長様からクリスマス前の大規模討伐作戦の計画表をお預かりして持って来たのですがお二人の話が聞こえて来たので⋯⋯」
「あぁ、ありがとうございます⋯⋯それで考えとは?」
ナズナから書類を受け取りながら話を促す団長
ナズナは執務室の一角に設置された黒板の前に立つとワルナスビ達のイベントの問題点を書き始めた
「まずイベントの為にお金と人手が足りないという話ですが⋯⋯他の騎士団と合同で開催し、かつイベント当日にも大規模討伐を行いましょう!害虫を一ヶ所に誘導してしまえば討伐は簡単に済みますし、イベントが邪魔される可能性も少なくなります!足りないお金や人員は他の騎士団にも出して貰えば間に合う筈です!団長様も同じ事を言うと思います!」
「団長!」
「ムナール!」
ナズナの力説に圧倒されながらもイベントの開催が可能と知り、団長に迫るワルナスビとラークスパー
「⋯⋯わかった!とりあえず交渉してみるがダメなら諦めろよ?」
「ありがとう団長!」
「さすがムナールですぱ!」
「私も団長様に掛け合ってみますね!」
そんなこんなで始まったイベント計画だったがブロッサムヒルの騎士団経由でブロッサムヒル女王及び各国の女王へと伝わり、各地で大規模なクリスマスイベントの開催及びその裏で大規模討伐が行われる事が決まってしまった
「⋯⋯へ?マジ?」
「はい、マジです!団長様も快く参加すると言ってこちらの資金を用意してくれました!」
ナズナが大量の金貨が入った袋を笑顔で差し出してくるのを見て頭を抱えた
その後も多くの団長から参加を伝える手紙と共に資金が送られてくる
「アバババババ⋯⋯や、やってやる⋯⋯やってやるぞ!畜生!」
これにより各地の騎士団のほとんどが参加する前代未聞の大イベントとなってしまうのであった
その後必死に街を巡り、店の人々や花騎士達に頭を下げて回る団長の姿が見られた
「よし、ここらで害虫誘引薬を使うぞ」
団長の指示に従い、花騎士達がいくつかのプレゼント箱を開けて中の薬の口を開けて森の中に向けて魔法や大きなうちわで森の中へと薬品の香りを送り込む
クリスマス前の大規模討伐作戦により害虫の巣等は破壊して回ったが何故かクリスマスの時期だけに現れる害虫等も存在し、誘引薬にはそんなクリスマス特有の害虫達が呼び寄せられていた
「毎年毎年どっから湧いてくるんだコイツら⋯⋯総員戦闘開始!」
「絶対に負けないんだから!」
「エノテラを楽しませてください」
害虫の群れに先陣を切り突入するアブラナとエノテラ、それに他の花騎士達が続く
「援護射撃!イチゴさん!」
「はいっ!」
突入する花騎士達の後方から弓を構えたイチゴやアイリス、他にも魔力銃を花騎士達が構え迫り来る害虫達へと向ける
「発射!!」
矢が刺さり、身体を貫かれた害虫達が崩れ落ちる
花騎士達の攻撃により害虫達が少なくなる中、団長は手持ち無沙汰にしていた
指揮を取ってはいるが戦線が安定している為にあまりやる事が無かった
「順調だな⋯⋯ん?」
ポスッと団長の体に何かが当たる、下を向くと手袋が落ちており、投げてきたと思われる相手の居る方向を見ると巨大なキャンディケインと呼ばれる杖状のキャンディを二本持ったアリ型害虫が居り、団長の足元へと巨大キャンディケインを一本投げてくる
「ほう⋯⋯男と男の決闘か⋯⋯受けて立つぞ!」
花騎士達の戦いの最中、男同士の真剣勝負が始まろうとしていた
「これで最後!!」
「メリクリィィィィィ!!!」
アブラナが最後の害虫に止めを刺し、周囲を見回す
害虫の姿は見えず、終わったと安心して振り返ると団長がアリ型害虫相手にちゃんばらしていた
「セイヤァァァァァ!!」
「キシャァァァァァ!!」
キャンディケイン同士がぶつかり合い、音が響く
「やるじゃないか!」
「キシャッ!」
キャンディケインをぶつけ合う度に異種族の男同士の間に不思議な友情が生まれてきていた
互いをライバルと認めあい、競い合う姿は場面さえ違えば美しい光景となっていたであろう
「団長、いつまで遊んでるのよ!」
「遊びじゃない!ヤツとの真剣勝負だ!ウェイ!!」
「キシャッ!?」
身体を回転させて放った団長の一撃により、アリ型害虫のキャンディケインは弾き飛ばされる
「私の勝ちだ!」
「キシャァ⋯⋯」
アリ型害虫が項垂れて居ると団長はアリ型害虫に手を差し出し友情の握手を交わし、アリ型害虫は森へと帰って行った
「さらば
「なにアホやってるのよ⋯⋯」
団長の様子に呆れて居ると花火の音が聞こえてきた
「あっ、団長!終わったみたいよ!」
「よし!作戦終了!これより撤退する!」
害虫誘引薬の効果も薄れており、これ以上の作戦継続は不要と判断した団長が青色の信号弾を打ち上げる
周囲からも青色の信号弾が上がったのを確認し、撤退準備を始める花騎士達
「ねぇ団長⋯⋯アレ⋯⋯」
アブラナが指差した方向を見ると先ほど弾き飛ばされたキャンディケインを別のアリ型害虫が拾い上げ、メスと思われる個体にプレゼントしていた
仲睦まじく立ち去る姿を見ていると沸き上がる感情を抑えきれず呟く団長
「⋯⋯害虫でもイチャつきやがって⋯⋯リア充め⋯⋯」
「いやいやいや⋯⋯あんたも十分リア充側でしょ⋯⋯あ、アタシ達って恋人居るんだし⋯⋯///」
リア充への呪詛を投げる団長の隣で顔を赤らめもじもじするアブラナ
イチゴ、アイリス、エノテラも団長に対して無言のアピールをし始める
「⋯⋯私はこんなにも恵まれていたな⋯⋯よし!帰って皆でクリスマスパーティーだ!子供達には出せなかった大人向けのも色々用意してるぞ!」
大切な恋人達に笑みを浮かべて応え、荷車を引き、歩き始める団長に続くように花騎士達も移動を始める
討伐を終えた花騎士達がホットワインやホットチョコカクテル等で身体を暖めたり、スパークリングワインを楽しんだり、料理やデザートを楽しんだりと自由に過ごしていた
そんな中、団長は困惑していた
「らんちょう聞いてるの~?」
「ハイ、キイテマス⋯⋯」
「団長さぁん♪もおっとイチゴの事誉めてくださぁい♪エヘヘヘ~♪」
「イチゴハヨクガンバッテタヨー」
「団長、エノテラの事も誉めてください。ナデナデも要求します」
「ハイヨロコンデー」
「あの⋯⋯団長様⋯⋯ケーキを持ってきました⋯⋯あ、あーん///」
「アーン」
周りからは四人の美女を侍らせてる
リア充めと睨まれるが当の本人は予想以上の展開で脳の処理が追い付かずショート寸前であった
子供達の幸せを守り切った英雄達はチラチラと雪の降る中、全ての飲み物や食べ物か尽きるまでクリスマスを楽しみ続けた
そしてその年のクリスマスは一般人に対する害虫の被害件数はゼロという結果となり、来年以降も行われる事が密かに決定するのであった
イベントの裏で働く人々に感謝を⋯⋯!日常生活を守る為に戦う花騎士のように、コロナ騒動の中でも必死に戦っている人々に感謝を⋯⋯!
このお話が今年最後の投稿になるかもしれません(R-18な裏秋桜劇場や闇秋桜劇場には投稿するかも⋯⋯)
では皆様よいお年を!