花騎士秋桜劇場   作:インティライミ

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急に年下許嫁とヒツジグサの恋愛なんてのが書きたくなったので勢いで書いてみました
ヒツジグサ別verください


花騎士秋桜劇場:ロータスレイク水上国家女王の結婚

「ヒツジグサ様!親の決めた許嫁とかそんなの関係ありません!僕と!結婚してください!」

「っ!?⋯⋯はいムートン様///末永くよろしくお願いします///」

 

ある日の夜、ロータスレイク水上宮殿にて一組の夫婦が誕生した

宮殿で開かれたパーティーの中で行われた突然のプロポーズに会場は盛り上がり、大きな祝福に満たされた

 

 

数時間前

親の決めた許嫁同士であったムートンとヒツジグサは互いに産まれた頃から親しく接しており、いつかこの人と結婚するだろうと漠然と考えていた

しかしムートンは、年上でありロータスレイク水上都市の女王を継いだヒツジグサが多くの大人達や彼女の所属する騎士団の団長と接しているのを見ている内に、次第にヒツジグサを取られるのでは、他に好きな人が出来てしまうのではないかと焦り始めた

団長や他の貴族達に笑顔を向けるヒツジグサを見ている内に胸がムカムカして苦しくなり、ぎゅっと胸元を押さえ付ける

まだ幼さの抜けきらない少年は自分の嫉妬の感情が理解出来ず、どうすればいいのか分からなかった

いくら悩んでも分からないムートンは自分の世話役であり良き相談者である老メイドに相談した

 

「最近ヒツジグサ様が他の男の人と話してたり、笑い掛けているのを見ると胸が苦しくなるんだ⋯⋯婆や、僕は病気なのかな?」

「そうですね⋯⋯私は違うと思いますが最⋯⋯ムートン坊っちゃま?坊っちゃまはヒツジグサ女王の事をどう思ってますか?」

 

老メイドに訊ねた筈が他の質問を返され困るムートン、しかし老メイドの問に対する答えは決まっていた

 

「ヒツジグサ様は僕の許嫁だけど、そんなの無くても彼女の事を大切な人だと思っているよ」

「そうですか、そうですか⋯⋯なら坊っちゃまの今の気持ちは嫉妬ですね」

「嫉妬⋯⋯そうか⋯⋯僕は他の男の人達が羨ましかったのか⋯⋯婆や!!僕、決めたよ!今夜のパーティーでヒツジグサ様に想いを伝えてくる!」

 

老メイドの答えから胸の痛みの理由に気が付いたムートンは決意を胸に部屋を出ていくのであった

 

「あらあら⋯⋯本当に決めたら即行動は旦那様譲りね⋯⋯頑張ってくださいね坊っちゃま」

 

老メイドはそんな少年の背中を優しい笑みで見守るのであった

 

 

 

 

ヒツジグサの挨拶が終わった後、パーティー会場に音楽が鳴り響き、パーティーの始まりを告げる

主催者であるヒツジグサの元に多くの貴族達やロータスレイクに点在する騎士団の団長達が挨拶にやってくる

そんな客人達に笑顔で答え続けるヒツジグサ、しばらくすると勢いも落ち着き一息つく

 

「ふぅ⋯⋯主催になるのはまだ慣れないですね⋯⋯」

「お疲れ様ですヒツジグサ様」

 

従者であるアヤメがイスに腰掛けて休むヒツジグサの為に飲み物を持ってくる

手渡された飲み物を受け取り、乾いた喉を潤すヒツジグサ

 

「⋯⋯ねぇアヤメ、ムートンを見ませんでしたか?」

「いえ、見かけていませんが?探してきますか?」

「そこまでしなくても⋯⋯ただ⋯⋯少し会いたくなっただけです///」

 

ヒツジグサにとって二歳年下の許嫁との時間は一番の癒しであった

辛い時程彼の笑顔に癒され、彼の励ましの言葉に身体が軽くなる

 

(ムートン⋯⋯貴方に会いたいです⋯⋯)

「ヒツジグサ様!」

「っ!?」

 

今一番会いたい愛しい人の声が聞こえてきて立ち上がるヒツジグサ

 

「ヒツジグサ様!聞いて欲しい事が有ります!貴女に伝えなきゃいけないんです!」

「ムートン様、なんでしょうか」

 

駆け寄ってきたムートンの言葉に高鳴る心臓を必死に抑え込みながら対応するヒツジグサ

ムートンは顔を赤らめながらも覚悟を決めた顔で跪き、ヒツジグサの顔をじっと見つめながら話す

 

「ヒツジグサ様!僕は貴女が好きです!貴女が他の男の人に笑顔を向ける姿に嫉妬するほど僕の心は貴女に夢中にさせられてしまっています!ヒツジグサ様!親の決めた許嫁とかそんなの関係ありません!愛しています!どうか僕と!結婚してください!」

 

突然のプロポーズに騒然とするパーティー会場、プロポーズされた本人は顔真っ赤になり固まる

固まるヒツジグサの前にムートンは手を差し伸べる

 

「僕の想いを受け止めてくださるならこの手を取って貰いたいですヒツジグサ様」

「⋯⋯っ!?」

 

ヒツジグサは差し伸べられた手をじっと見つめ、ゆっくりと手を伸ばし、自らの手を重ねる

 

「⋯⋯はいムートン様///私はまだ未熟者ですがどうか末永くよろしくお願いします///」

 

赤く染まった顔に笑みを浮かべてムートンの想いを受け止め答えたヒツジグサ

静かに見守っていた人々から暖かな祝福の拍手が贈られ、会場に響き渡り続けるのであった

 

 

 

後日正式に二人が夫婦になったと世間に報じられると水上都市はお祭りムードとなり、各地で女王の結婚を祝う声が上がり続けた

月に一度行われる宮殿のバルコニーからの女王演説にヒツジグサと共にムートンが手を引かれながらやって来た時には国民からは祝福の声が数多く挙がった

 

「ヒツジグサ様ばんざーい!」

「ムートン様ばんざーい!」

「ロータスレイク水上国家ばんざーい!」

 

祝福の声を挙げる国民達に手を振り答えながら互いに幸せそうに微笑みあうのであった

その数ヶ月後、ヒツジグサ女王の後を追うようにロータスレイク水中都市の女王ハスも自身の所属する騎士団の騎士団長との婚姻を発表するのはまた別の話

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