魔法少女リリカルなのは 〜Do you become God? 〜 作:クマリン!
遅れた分を取り戻す!
と思っているが、実際は?
転移の時の真っ白な光から閉じていた目を開けると、どこかの工場みたいだ。
平均的な温度を超えて暑い部屋。天井には、蜘蛛のように縦横無尽に走るパイプ。そのパイプからあふれ出す蒸気。時々、点滅する明かり。
ぶっちゃけ、暑い、暗い、くさいの3コンボ。
逆にそんなところが転移先というだけで、まともではない。
なんか赤い石と関係がありそうだし、せっかくの休みが徒労に終わるような気がする。
そこまで考えていたら、後ろから声がかかった。
「お客様、現在何をお求めに当店へいらっしゃったのでしょうか」
後ろを振り向くと、武装した男たちが十数人いた。全員が俺に杖の先を向けている。
声をかけてきたのは、中央の奴だろうか。
なぜなら杖のデバイスのグレードが他の奴より少し高いからだ。
ただ、服装はみんな大したことはない。チンピラだ。
「カイナと呼ばれる強化魔導具がほしいのだが」
なんか面倒だし、素直に聞いてみた。
武器を向けているということは攻撃の意志があるとみるべきか、単に警戒のためか分からないからな。
「お客様はどこでカイナをお知りになりましたか?」
口調は丁寧なままだが、殺気が高まってきた。
あれ? まだ、何もしていないのだけど?
「さっき、本屋の店員から聞いたのだが、何かまずかっただろうか」
我慢が出来なくなったのか、周りのチンピラどもが騒ぎ出した。
「おまえは、管理局の高町・S・ジエンだろうが、白々しいんだよ」
「俺たちを捕まえる気だな」
「カイナというのは、隠語で『こいつ敵だ、やれ』っていう意味なんだよ」
ちょっとまて、なんでいきなり正体がばれているのさ?
全員ぶっ飛ばすのは簡単だが、ばれた理由が分からない。
彼らに聞いてみようか。素直に教えてくれるとうれしいんだけどな。
「君たち待ちたまえ、その高町・S・ジエンは、こんなガキではなかったのかね」
今の自分は、変人紳士をベースにしているから、身長180cmぐらいかな。
だから、元の姿だとだいたい自分の腰あたりだろうと思い、そこで手を振った。
「はっ、うるさい。お前が誰であろうと捕まえれば、謝礼がたっぷり貰えるんだ」
「恨むなら、俺たちではなく、依頼した奴を恨むんだな」
「残念ながら、この人数差だ。おとなしく捕まるがいい」
しかしと言っていいものか、それとも予想通りと言うべきか、素直に教えてくれないな。
だが、1点だけ不可解な点がある。俺に最初声をかけ、二言話した「丁寧に」話す奴の声がしない。
もしかするとあれが依頼主なのかもしれない。
「ビビったか」
「なんか言えや」
「ははははは」
外野がだんだんうるさくなってきた。
右手を左側にいる男たちに向けて、
「配置 レーザー」
その手をそっと右側まで振ってやれば、俺の全面に無数のレーザーの粒が待機した。
すべてに非殺傷の爆発の魔法を込めた。(約1200個ぐらいだ)
「全員、キューブを使え!」
今度こそ中央の奴が言ったが、声が違う!
まずい、だまされた。
一瞬の動揺があった。
それでも、撃つのは遅くない。
「発射」
しかし、彼らの前に透明な壁が現れた。
そのように見えた。なぜなら、俺のレーザーが全てなくなり、その反動? のせいか薄く波紋が見えたからだ。
俺の魔法を消している間に、男たちは、杖の中に仕込まれていたキューブと呼ばれるものを使ったぽい。
そして、赤い石を使用した時と同じように、急にパワーアップした。ただ、上昇率が少し低い。
どんなに強くなっても、今の俺を倒すには、全然足りないと思う。
自身過剰と思われるかもしれないが、それだけの力は、この星天の書に込められている。
なので、俺はそこから力を引き出す。
というかいつも通りに攻撃する。
「モード・ノーマル」
バリアジャケット代わりの夢幻水月を紳士服の上から重ねて、自身の周りに11個のオリジナルライフルを用意する。(男たちは、全員で11人いた)
「実弾発射!」
さっきの壁は魔法を打ち消すものだろうと推測し、彼らの持つ杖を破壊するために、実弾で撃った。
実弾なので、当たり所が悪ければ人を殺すと分かっていても、無力化のために仕方がない。
それにこんな奴ら生きている価値もない。
まあ、残念なことに今度もまた防がれてしまった。
あの透明な壁のせいだ。
ところでなんで、彼らは俺に攻撃しないのだろうか?
まあ、いいや。
打ち消す壁があるのなら、貫くまでだ!
「セット バスターキャノン 改」
空中に浮かぶ大型粒子砲を召喚した。過去のアルフ戦でお世話になったバスターキャノンの改正版だ。
すでにチャージは満タンだ。これで貫く。
なんかチンピラどもの口元がニヤついている。
ものすごくムカつく。
だから、威力を増やそうと思う。
「巨大化」
そのバスターキャノンの砲口に新たに魔法陣を2つ《・・》加える。
この魔法は、威力を強く、技を大きくする魔法だ。
その分、魔力消費が激しいのだけどね。
「発射」
そこで、チンピラが笑い出した。
「バカじゃないの、この壁は次元バリアの反射機能が付いているぜ」
「お前の攻撃は、自分に返ってくるからな」
「ざま~」
そんな彼らを真横《・・》 からきた魔力砲が襲った。
一瞬で俺の目の前から彼らはいなくなった。
驚く暇も与えないほどの不意打ち。
横からの強力でかつ大きい魔力砲。
「種明かしをしようか。この本で見たことがあるからだ
俺が用意した魔法陣は、巨大化と転移だ。
ちょうど、貴様たちの真横にくるようにセットした。
さっきまでの俺とお前たちの間にあったバリアは、空間をゆがませていたことは知っている。
普通、攻撃を消すことなんて出来ない。しかし、目の前で実際に起きている。そこから考えられることは、どこかに転移させたと考えることが出来る。
さらに波紋なんてわかりやすいものも用意してくれた。基本的に魔法や物体を消すときは、打ち消すための魔法陣が必要だしな。
AMF空間では壁なんて便利な形になってないし、あれは結合しづらくなるだけだから、残った魔力残滓があるはずだし」
あんまり多く言っても聞いてないか?
さーてどうしようかな?
これから。
さらに、ぼこぼこにするのも面白いと思うけど、こいつら犯罪者だろうから、管理局に応援を頼もうかな?
『クロノ、もしもし?』
『なんだよ、今休暇中だろ。まさかと思うけど、なにかやらかしたか?』
『うんそのまさかだよ。今ね、赤い石の取引現場にいて、チンピラ11人を無力化したところ。この人数だと見張るのも大変だから、応援頂戴』
『はー。そっちの位置の特定した。こっちにそのまま転送してもらえば、こちらで受け取るよ。ここに尋問にちょうど良くて、暇な人が今いるから』
『はいはい、了解であります、クロノ執務官』
『先にフェイトを先行させておく、自分も受け渡しが終わり次第、そちらに向かおう』
『助かる。あと、チンピラどもに自分の名前がばれていた。刺客がいるかもしれないから、フェイトに注意するように伝えてくれ』
『分かった。そっちも気を付けてくれ。今まで手を出さなかったのに、今回ちょっかいを出してきたということは、何らかの手を用意できたと考えるべきだろう。あんまり心配していないが、暴れて証拠品を壊さないように!』
『・・・・・・・・・』
前回のこともあるので、素直に気を付けると言えない。
しかも、相手によっては本当に証拠品も壊すほど暴れるかもしれない。
『返事!(怒)』
『・・・努力する』
一応明言出来ないため、誠意だけ伝えることにする。
うん、クロノのために建物破壊など気を付けよう。
疲労で倒れても困るし。困る? あれ困らないかな?
不穏な気配を察知したのか、クロノの声はちょっと強めだ。
『本当だな!』
『おう、任せておけ』
『信用できないが、そっちは任せる。頼んだ』
『了解』
そういって念話を解除した。
さあ、吹き飛ばしたチンピラどもをさっさと転送しよう。
早めに早めにと思ってもゆっくりしか書けない(:*;)
来週も頑張る!