Fate/EXTRA CCC、BB√   作:空飛ぶジャガバタ

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第1話『異変』

──どこかの桜並木。

 

  気がつけばそこにいた。

 

  月の表側でも、裏側でもない世界のように思える。

 

  自分の髪を揺らす風は、いつも感じていた風とはすこし違う。

 

  その風はあまりにも放逐的だった。厳しい自然を感じさせる。

  

  月での風はいつも優しかった。ならば、この風は偽物だろうか。

  

  …いや、これが本物(地上)の風だ。電子ではなく、気圧の高低差による風。

 

  などと考えているうちにより一層強く、風が吹きつける。

 

  そんな風を浴び、その花弁を散らす桜。

 

  辺り一面が桜色に染まるとき、ふと呼ばれた気がした。

 

  「センパイ。」

 

  気がつくと、彼女がそこにいた。

 

  いつも通りの服装(黒いコート)の彼女は優しくこちらに微笑む。

 

  人間性に満ちている笑み。

 

  あぁ、俺はこの笑顔を守り抜けたのだ。

 

  安堵と喜びが混ざり合った感情を抱く。

 

  月の裏側で伝えそびれたことがあった。それを今伝えよう。

 

  

  

  そう思い、足を踏み出した瞬間、違和感が奔る。

 

  違和感の正体はわからない。わからないが、何かが違うと察する。

 

  本能が、進むのを拒む。体が石のようだ。動かせない。

 

  周りの世界全てに違和感をもつ。それは、B()B()()()()()()()()()

 

  あの微笑みはまごうことなきBBのものだ。なのに。それなのに、

 

  微笑みの後ろに、どす黒い何かが見えるような気がする。

 

  あれは、本当にBBなのか、と。疑いの視線さえBBに向けてしまう。

 

  そんな中、BBはただ微笑んでいた。

  

  戸惑いも喜びも何も感じられない。ただ微笑んでいるだけ。

 

  この上なく人間性に満ちていて、この上なく無機質な笑み。

 

  そんな微笑みと真っ向から向き合うなど不可能だ。

 

  視線を少し外す。周りの世界を見る。

 

  

  そこは、最早自分が知る世界ではなかった。

 

  黒い何かに汚染された世界。

 

  自分が桜だと認識していたのは、BBが使役していた影。シェイプシフター。

 

  呆気にとられた。この世界は、一体なんだ。

 

  そんな疑問を、BBに視線で送る。

 

  しかし、どうやらそれはできないようだ。

 

  そんな視線はBBに振り返った瞬間、かき消えた。

 

  黒いコートを身に纏い、活発で、人間以上に人間であった彼女のイメージは霧散した。

 

  黒いドレスを身に纏わせ、生気を感じさせないほど肌は青白く、AI以上にAIである彼女。

 

  そんな彼女が、そこにいた。

 

  こんなのは悪夢だと思いたくて、ひたすらに悪夢から目覚めようとする。

 

  目を覚ませば、元通りの彼女がいて、センパイと呼んでくれると。

 

  そう信じて、悪夢からの解放を願う。

 

  

  そんな自分の様子を見て、彼女は笑みを浮かべる。

 

  自分が足掻く姿がそれほど滑稽に映ったのだろうか。

 

  そして彼女はゆっくり、しかしてはっきりと言葉を口にした。

 

  彼女と自分の距離的な隔たりを感じさせないほど、その声は耳朶に響いた。

 

 

 

 

  「()()()()()()()?センパイ。──」

 

 

 

 

 

  「だから、無為に死なないでくださいね?」

 

 

  

  

 

 

 

  

 

 

 

  その声は、新たな覚めない悪夢(C C C)の幕開けを感じさせた。

 

 

 

  

 

 

 

  

 

  

  

 

  




この黒いBBの衣装はEXマテリアルの没案のものを思い浮かべてくだされば。
狐尾に同じ衣装を着たBBが出てきます。


どんな感じか知りたい人は狐尾を買おう!!(ダイマ)
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