なので、ネタバレをされたくない人は間桐桜の項で止まることを推奨します。
桜以降の文章を読まずとも、続きが理解できるようにはします。
と思ったけど最初の時点でキアラがラスボスって言っちゃっている以上ネタバレの配慮今更感ありますね…。
意外かもしれないが、この木造校舎の旧月海原学園には生徒会がある。
月の裏側に落ちるという異常事態の前に何を呑気な、と思われるかもしれないがあるものはあるのである。
前任の会長がノリと勢いと願望で作ってしまったものだ。
「月の裏側からの脱出を果たすまで協力しあう」
この名目で、だ。
まぁ本音は、自分がこういう学園ライフに憧れていたからというものだが。
聖杯戦争での彼はこんなことを言うような人間ではなかった筈。いったい何が彼を狂わせてしまったのか。
生徒会メンバーは生徒会室で作戦を立て、それに従い自分が動いていた。
俗に言う実働部隊、というものだ。
多種多様な相手と対面するのは、アーチャーがいても恐怖を感ぜずにはいられなかった。
なにせ、一度判断を誤れば死が待っているのだから。
しかし、生徒会室で様々な指示を出し、的確な判断をしてくれていた彼らのおかげで幾分か恐怖は和らいだ。
…まぁ、その反面色々と問題はあったが。
利息がトイチの闇金をふっかけてきたこともあった。
自分が下着を脱ぐ瞬間を
放課後処刑同盟なんてものであやうく自分が処刑されかけたりもした。
更には高潔なはずの騎士が年下巨乳を見ただけで性欲を覚えたり。それでいいのか円卓の騎士。
とまぁ、問題はあるが生徒会のメンバーは本当に優秀で頼りがいのある人たちばかりだ。
──副会長、遠坂凛。
凄腕の
自分に厳しく他人にも厳しいが、なんだかんだ他人を放っておけないのが彼女の魅力だ。
ラ二などの天才肌の人間とは違って、凡人の自分の心境も理解できるので彼女がいないと自分が潰れてしまうかもしれない。
というか、この生徒会には天才が多すぎる。
…拝金主義とか自意識過剰とかには突っ込んではいけない。
──会計、ラ二=Ⅷ。
遠坂に負けるとも劣らない魔術師。アトラス院のホムンクルスであるという。
占星術に長けていて、自分もお世話になった。
月の裏側では占星術ができないとわかると夢占いに手を出し始めたようだ。
合理的で無感情のように見えるが、普通の少女のような表情を浮かべることもある。
ノーパン主義とか最強厨などは本人の目の前では禁句だ。
──間桐桜。
ムーンセルによってつくられた上級AI。
AIなので、現代で言うと「有る」が「無い」モノらしいが自分にはよくわからない。
ラ二もそうだが、自分には彼女たちは同じ人間にしか見えない。
彼女なしではサクラ迷宮の突破は不可能だった。
生徒会における役職こそないものの、自分たちには必要不可欠だ。
彼女らは今まで生きている。
サクラは今のところわからないが、生きていると信じたい。
しかし、裏側の脱出という目的の中、命を落としてしまった者もいた。
──前会長、レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ
世界を管理する西欧財閥。その次期当主。
それに驕ることもなく、誰に対しても公明正大な人物。
太陽のように万人全てを照らす人間でもあるがその反面、太陽のごとき灼熱で敵対者を排除する人間でもある。
表側だと、決して分かり合えることはないと思っていた。
…しかし何が起きたのか、月の裏側ではそんな性格は鳴りを潜め、年相応の無邪気さを見せている。生徒会を発足させたのも彼だ。
その最期はサクラ迷宮第四階層。
迷宮の出口でBBを打倒せんと、
死の間際、自分に会長職を託していった。
──書記、ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ。
レオの兄であり、レオを勝利させるために聖杯戦争に参加したハーウェイの黒い蠍。
表側での冷酷な表情や視線には、いつも委縮していた。
彼とは聖杯戦争第五回戦で殺し合う運命にあったようだ。
しかし、決着がつく前に月の裏側に落とされてしまった。
月の裏側では、レオのサポート兼暴走抑止係を務めていた。
その最期は、犬空間と呼ばれるBB特製の虚数空間。
レオがBBに敗北し、自分とアーチャーもBBのチートスキル
しかし、犬空間に落とされて尚足掻く自分に痺れを切らしたBBが遣わしたシェイプシフターから自分を守ってくれた。
実際にはBBのスパイではなく、自分を守るために、BBに一芝居を打っていたのだ。
自分をただ一人の友人と呼び、自身の命を賭して自分を犬空間から離脱させた。
──爺や、ガウェイン。
一人だけ役職がおかしいが、レオが決めたので仕方がない。
レオのサーヴァントで、白銀の鎧を纏い、太陽の聖剣を携えた高潔な
真名からもわかる通り、その正体は円卓の騎士。
円卓の騎士最強とも謳われたという。
苛烈だが繊細な太刀筋に加え、聖者の数字と呼ばれる、一定の時間に限られるが自身を無敵にするスキルすら持っており攻防共に隙が無いサーヴァント。
疑似太陽を閉じ込めた聖剣はその刀身を実に13㎞もの長さまで伸ばせるという。
そんな彼だが、月の裏側では弾けてしまった。
パッションリップを見て性欲を覚えてしまったりジャガイモをマッシュしただけのものを料理と言ったり。
その最期はレオと同じくサクラ迷宮第四階層。
レオとともにBBに挑んだが敗北。危うくBBのリソースとされるところだったがレオの策略でそれを回避。月の裏側から消滅した。
──応援団長、臥藤門司。
会長職を託される前の自分と同じく生徒会では下っ端の役職。本人は気にしていなかったようだが…。
偉丈夫で、体格の大きい方であるアーチャーよりも大きいように見える。
ごった煮宗教家とも称される通り、世界の多種多様の宗教をミックスした自論を唱える。
暑苦しいがその信念は本物だ。暑苦しいが。
自分の神様を広めるために聖杯戦争に参加したという。
…まぁ、その神様に「ショウジキナイワー」とか神託を残して去られたというが。
その最期はサクラ迷宮第四階層。
この階層の
その姿は暑苦しく自論を展開するガトーではなく、衆生全てを救う仏のような温かさに満ちたガトーであった。
彼らのことを思うと胸が苦しくなる。
しかし、ここで立ち止まってはいられない。
命を賭して道を切り開いてくれた彼らへの恩返しは言葉ではなく行動で示すべきだ。
そのためにも、今後のことを考えねば。
軽快な音を立てて扉が開く。
生徒会室を一瞥する。
何一つとして変わらない部屋。
左側にある巨大な本棚。中央にある楕円型の机。右斜めの奥にある大きな画面。
視界に入ったのは凛とラ二だ。
そこには、机の上にある自身専用の小さな画面の前で思案中と思われる凛と、データを打ち込んでいくラ二の姿があった。
…。ここでも、サクラの姿が見えない。
「あら、おはよう。お疲れさま…と言いたいところだけどそうも言ってられない状況になったわね。」
生徒会室に入ってきた自分に最初に声をかけたのは凛だった。
どうやらラ二は集中しているようで、こちらには気にも留めない。
その声はこちらを気遣うようなもので、こちらも何一つとして変わらない凛の姿に安堵する。
しかし、今は訊きたいことがある。無論、サクラがどこにいるか、だ。
その疑問を凛にぶつけたところ、曇ったような表情を浮かべた。
「サクラがどこにいるか、ですって。
アーチャーからは何も聞いていないの?」
いや、聞いていない。自分はてっきり生徒会室にいるのだと思っていたし、アーチャーもサクラについては何も言わなかった。
「…そう。アーチャーが、ね。
慇懃無礼だとは聞いていたけど、気遣いもできるのね。」
「まぁいいわ。貴方も立ち直ってるようだし、私から話をするわ。
といっても私たちは中枢での出来事は音声でしか把握してないから、大部分はアーチャーからの報告がメインになるけど。」
そう言って凛は語りだした。
「まず結論から言うわ。」
「サクラはこの校舎にはいない。
おそらく迷宮のどこかに幽閉されているわ。」
レオとかユリウスの説明が異常に長い。
生徒会ではなかったのでシンジやジナコ、カルナの説明は省かせていただいております。申し訳ない。いつか解説できる機会を設けます。
また二人称があやふやです。
ザビ男は遠坂呼びか凛呼びか、どっちだったかな…。