Fate/EXTRA CCC、BB√   作:空飛ぶジャガバタ

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緊迫した状態でこういうの書くのはどうかな、とも思いましたが展開が重いなと感じたので。
軽いです。
本編とほぼ関わりないです。
クスッとなっていただければ幸いです。


閑話①‐Ⅰ

いつもと変わらない朝。

そんな朝にいつも通り起床する。

 

旧校舎に時間の概念はない。

なので、朝というのは少し違うが、やはり人間なので起床したのが朝だと思いたくなるものだ。

昼に起床、なんてあまりにも自堕落すぎる。

 

寝ぼけた目をこすり、マイルームを見渡すが、どうにも姿が見えない。

──そう、アーチャーだ。

いつもなら自分より早く起床して、おはよう、なんて言ってくるアーチャーがいないのだ。

無論、霊体(アストラル)になっているわけでもない。

これは何かある。もしやアーチャーのSG取得イベントかもしれないと心を躍らせてマイルームを出る。

 

これまでで、アーチャーのSGは2つ手に入れている。

しかし、肝心のあと1つがどうしてもわからないのだ。

ここまで来たならあと1つも手に入れたい。彼を深く知る、という意味でも。

 

 

アーチャーの居場所としてまず思い浮かんだのが生徒会室だ。

凛やラ二が何らかの手伝いをアーチャーに依頼した可能性があるからだ。

それに、自分たちの方針を決定づけるための生徒会室にアーチャーがいるのが、一番自然に思えたからだ。

 

生徒会室の扉を開けて、中を一瞥する。

予想に反して、アーチャーの姿はなかった。

珍しいことにサクラの姿もなかった。

 

「あら、おはよう。今日はいつもより早起きね。」

 

「おはようございます。睡眠時間5時間30分。理想よりやや早いです。

 しっかりと眠れましたか?」

 

こちらの様子に気づき、凛とラ二が挨拶をしてくる。

おはよう、と自分も返す。

睡眠時間については大丈夫だ。早起きは三文の徳だし。

 

「ここに何の用?今日のブリーフィングはなしと昨日伝えたわよね?」

 

確かに今日、ブリーフィングはない。

なので生徒会室に用はないはず、と凛は思っているのだろう。

しかし、自分は訊きたいことがあってここに来たのだ。

アーチャーがどこにいるかを知りたい。

 

「アーチャー?私は見かけてないけど…。」

 

「私もです。そして、この生徒会室に来たログもありません。」

 

そうだったのか。アーチャーの居場所ランキング第一位が外れてしまった。

なら、どこにいるのか…。手当たり次第調べてみるか。

 

凛とラ二に感謝を述べて生徒会室を出る。

アーチャーが居そうな場所については生徒会室以外に当ては全くないので途方に暮れる。

そのときふと、頭をよぎるものがあった。

──もしや、保健室か?

 

それは直感に近い何かだったが、生徒会室という当てが外れた以上、そこに行くしかない。

生徒会室にサクラがいなかったのでもしや、と思ったのかもしれない。

しかし、アーチャーは前に、自分は保健室に入れないと言っていたが…。

 

 

階段を下り、二階から一階へと移動する。

相変わらず商魂逞しいことに、言峰神父は店を開いている。

ちょうど良い。言峰神父にアーチャーの居場所を訊いてみよう。

 

「アーチャーなら保健室に入っていったが。」

 

そう端的に告げる言峰。

彼が嘘をつくとは到底思えないので、自分の先ほどの直感は当たっていたことになる。

しかし、保健室でアーチャーは何をしているのか…。

 

言峰に礼を言い、保健室に向かおうとしたときだった。

 

「待つがいい、若きマスター。」

 

彼はそう言って、自分を引き止めた。

 

「君は、こんな言葉をしているかね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──感謝するなら金をくれ、と。」

 

…ん?いやちょっと待て。おかしい。色々おかしい。

まず、言葉が違うと思う。同情するなら金をくれ、ではないだろうか。

しかしそれは些細な問題だ。言峰が言っていることからすれば。

そう、言峰はこう言っている。

アーチャーの居場所を教えた代わりに商品を買っていけと──!

 

「君は知らないのかね?魔術師は、等価交換が原則だと。

 であるならば、私に何かを支払うのが筋だと思うが?」

 

等価交換、というのは初耳だが確かにそうだ。

与えた以上、何かを受け取るのが人間同士のやり取りだ。

しかし、仮にも神に仕えるはずの清廉な神父が見返りを要求することなど、あって良いのだろうか。

 

「今の私は神父ではなく商人だ。

 神父であれば話は違うが、商人である以上見返りは要求させてもらうぞ。」

 

まさに正論の暴力。付け入る隙なぞ一片もない。

しかし、自分もここで、はいそうですかと言峰の要求を呑む訳にはいかない。

サーヴァントの私服に礼装、そしてメガネやら何やらのあらゆるファッションアイテムを買いつくした自分に、お金なんぞある訳がないのだ──!

 

「ふっ、そう簡単には折れんか。

 ならば、代替案を提案しよう。」

 

あれ…?意外とすぐに折れてくれた。

ここで言峰と徹底抗戦するつもりだったのだが、少し拍子抜けだ。

 

「この、最近私が開発した激辛麻婆豆腐を完食できたのなら見逃そう。」

 

そう言うと、どこから取り出したのか、ご丁寧にスプーンまでついてきて麻婆豆腐が出てきた。

──しかしこの麻婆豆腐、赤い。

いや赤いなんてものじゃない。最早赤さを通り越してる。

見た目もすごいが、匂いも引けを取らない。

一度匂うだけで鼻腔内がしばらくその匂いに取りつかれるのではないかと思わせるほど強烈な匂い。

見た目と匂いだけで脳が警告を出している。食べてはならぬと。

こんな食べ物、かつてこの世にあっただろうか。いや、ない。

間違いない。これは、明らかに人間が食べるものではない──!

 

「どうした。遠慮なくいくがいい。

 あぁ、もしものために水だけは用意しておこう。

 ここで君に死なれては、色々と困るのでね。」

 

優しいのか優しくないのか。この商人は計り知れない。

あとついでに言えば水より牛乳の方が良い。

牛乳の方が辛さを抑えられるのだという。

 

スプーンを手に持ち、激辛麻婆豆腐を一掬いしたとき、言峰の顔が見えた。

こちらを見て愉悦に浸った顔をしている。

しかし、言峰は一つ誤算をしている。

そう、自分に激辛麻婆豆腐は効かないのだ──!

 

 

聖杯戦争でも購買部で激辛麻婆豆腐が売られていた。

誰しもがそれに好奇心で挑み、無残に舌を腫らしていく中、自分はそれを完食しきった。

──まぁ本音を言えば、ピリ辛程度でそこまで辛くはなかった。自分には。

 

この経歴を持つ自分には、激辛麻婆豆腐なんぞ何の意味もない!

…勝ったぞ白野。この勝負、我々の勝利だ…!

そう優雅に思い、激辛麻婆豆腐を一口、口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     DEAD END

 

 

 

 

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