鬼喰の血刃   作:九咲

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参の肆【友人】

珠世さんという女性は麟さんと同じく【鬼舞辻】の呪いを外した鬼だという。 

 

医者だという彼女は鬼舞辻と敵対する鬼であり麟さんと利害が一致する古い友人でもあった。

 

彼女もまた愈史郎という少年を鬼としていた。

 

彼女ならば鬼を人に戻す方法を知っているのではないかと期待する。

 

けれど彼女はまだその域には至っていないという。

 

そうだよ。なら麟さんは人間になっていたはずだ。

 

逃れ者と鬼舞辻無惨に狙われている彼女は鬼を人に戻す方法を模索している。

 

麟さんは彼女の活動し全面的に協力していたという。

 

「それなりに鬼の血を提供してるんだけどねぇ」

 

「麟さん【鬼喰らい】の血はもはや別のものへ昇華されているので参考にはしにくいのです」

 

「……一応さらに、調べて欲しくて今日の来たんだ。まぁ…まさか【鬼舞辻】に遭遇するとは思わなかったけれど」

 

「……改めて調べるとは?」

 

「…【新月】が動き始めたから。」

 

……【新月】……?

 

「あ、炭治郎は気にしなくて良いからね~。」

 

「分かりました。それで?サンプルはありますか?」

 

「あるよー。」

 

小さい血の蜘蛛が現れ吐き出す。注射器のような機能がついた小さな刃。

 

「………預かりました。…………愈士郎。」

 

「分かりました」と側にいた少年が預かる。

 

「ヤッホー愈史郎」

 

「ふん」

麟さんの言葉にそっぽ向く少年。

 

「ごめんねぇ愈史郎。珠世さんとの二人っきり邪魔しちゃってぇ」

麟さんは無表情ながらからかう。流石に意地の悪い笑みを内心浮かべているだろうと察する。

 

愈史郎さんは顔を真っ赤にした。あ……鈍い俺でも察した。

 

麟さんは楽しそうにしている。無表情だけど。

 

珠世さんとも軽い世間話をしていた。

 

鬼舞辻無惨の呪いを外した鬼同士。通じる所もあるのだろうか?

 

それから俺は珠世さんから鬼を人に戻す為の治療法確立の為鬼の血の採取を頼まれた。

 

麟さんも行っていたが中々成果を得られず鬼舞辻にちかい鬼に遭遇出来なかった。麟さん自身やることもあるらしく引き継ぐ形になる。

 

それに禰豆子も極めて特殊な状態らしい。二年間眠り続けた際体が変化して血肉を必要とせず凶暴化もしない。その奇跡は今後のかぎになるかもしれないと言っていた。

 

「………まぁ危険は承知でお願いします。炭治郎さん」

 

それ以外に道がなければやらないと行けないし。

 

「禰豆子以外の人達も助かりますよね。」

 

「…炭治郎も強くならないとね。まず【下弦】を倒せるようにね」

 

【下弦】…?

 

 

その後鬼舞辻の配下に襲撃された。

 

鞠をつく少女の鬼と矢印を操る鬼。朱紗丸と矢琶羽と呼び合っていた鬼だった。

 

愈史郎さんの【目隠しの術】で隠されたここを突き止められてしまった。

 

麟さんと俺と禰豆子と人数が増えたため精度が落ちたとのことだ。狙いは俺と逃れ者の珠世さん。俺…?

 

「……炭治郎。私は手を出さないよ。彼女らは守るけど。あの二人を禰豆ちゃんと二人で撃退しなさい。」

 

「常に呼吸を維持するよう意識して。…あの程度の鬼倒せなきゃ。」

 

 

「あの赤い鬼め。【十二鬼月】たる儂らを馬鹿にしおって。逃れ者と同じくあの方に背きおって」

 

「まぁ捨て置け。手をださんとゆうんじゃ。まずは耳飾りの鬼狩りをやるぞ」

 

【十二鬼月】鬼舞辻直属の配下。

 

俺と禰豆子で撃退する。

 

鞠の鬼は禰豆子。矢印を操る鬼は俺がやる。

 

禰豆子は異能を持たない鬼。沼鬼の戦闘の時に分かったけど禰豆子もやっぱり鬼で麟さんの影響か守らなきゃいけない存在ではない。

 

結果は辛勝。

 

辛くも矢印の鬼は撃破に至る。麟さんの助言。常に全集中を意識して戦闘を行ってみたが集中力と体力が足りないと感じた。  

 

鞠の鬼は禰豆子が追い詰めるも逆上。鬼舞辻の名前を珠世さんの自白剤のような香りの血鬼術で【呪い】が発動し死に至る。

 

この二人は十二鬼月ではなかったという。

十二鬼月は瞳に数字が刻まれている。

 

十二鬼月と踊らされていたのだろうか?おの鬼は。

 

鬼舞辻…無惨。

 

 

珠世さんたちはこの場所を離れるという。無事を祈る。

彼女らと協力していずれ禰豆子を人間に。

 

麟さんとも別れ次の任務へ行く。

 

 

 

 

出会いがあった。

最悪の出会い方じゃなかったかなと思う。

 

我妻善逸。……そして彼の兄弟子だという獪岳という青年。

 

我妻善逸は黄色い少年。最終選別で見たことがある少年。獪岳という兄弟子は彼を罵倒する。

 

鈍間の間抜けと。壱の型しか使えない雑魚がよく最終選別を生き残れたなと聞くに堪えない罵倒だった。黄色い少年はただただ俯き耐えていた。

 

「………………」

 

思わず間に入ってしまった。獪岳という青年は舌打ち。

 

「酷い言い草じゃないですか!!?」

 

俺は激昂していた。

 

善逸という少年は此方を見ていた。驚いた表情をする。

 

「関係ねぇ奴が話に割り込んでじゃねぇよ。この雑魚はな壱の型しか使えない雷の呼吸の使い手だ。そんな無様な奴は早めに死んどいた方がこれからのためだよ。」

 

「ああ、こういう糞はいずれすぐに死ぬだろうよ。言い返す事すら出来ねぇじゃねえか」

嘲笑。この人からは不満の匂いがする。

不平不満を常に抱えているような匂い。

 

「…任務の邪魔するんじゃねぇぞ。善逸。ジジィの後継は俺だ。お前は野垂れ死ね。」

 

思わず殴り掛かる。この二人の確執は知らない。

 

けれどあんまりだった。

 

殴り掛かろうとしたが反撃に合う。

 

「がはっ!!」

 

「てめぇみたいな偽善野郎も反吐が出る。…任務の邪魔だ。死ねよ。」

 

昏倒。意識が霧散した。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

「………ごめん」

 

覚醒してからは黄色い少年からは謝罪があった。

 

申し訳なさそうにする。

 

「最終選別にいただろう?俺は我妻善逸。…巻き込んでごめん」

 

「竈門炭治郎だ。……君の兄弟子のようだけど言われっぱなしでよかったのか」

 

「…悔しいさ。けれど……事実なんだ」

 

自嘲。自分自身に自信がないのか。

 

「君は……最終選別を生き残ったじゃないか」

 

「たまたまだよ。最初に鬼に遭遇したときに気絶した。目覚めた時は7日目で誰かに助けられたんだ。」

 

「…炭治郎。…俺は情けない男さ。」

 

暗い笑みだった。

 

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