参の弐【最終選別の戦い・裏】
我が愛しい竈門兄妹の兄・炭治郎は最終選別に望む。
「大丈夫かなぁ大丈夫かなぁ心配だなぁついて行きたいなぁ…頑張れるかなぁ炭治郎は…炭治郎は出来る子だけど心配だなぁ。…糞っ!!藤の花さえ咲いてなければ…!」
悶えている成人女性が1人。側に控えている雪娘こと【お雪】は我関せずで洗濯物を畳んでいる。
血霞邸。その居間にて座椅子にすわり悶えている。
ひどい薄着な赤い着物を着てリラックスしていた。
「…あれ子離れ出来ん母親のようにしか見えんな。」
「母親て。百年以上生きて処女な姫には無理があります。わたくしは臍でティー沸かせられますわ。」
【鴉天狗】の言葉に噴き出す【玉藻の前】
野郎。玉藻の前。鬼になる前はリア充かもしれないだるぅぅ!!?
野郎女子力の差を見せてやる。女子力は
「麟様その発想がおもてにならない女性の発想ですよ」
お雪お前まさか。
「私は生前旦那様居ました(と思います)」
裏切り者ぉぉぉお!!!!
「情緒不安定だな」
「ですね、…更年期ですかね」
煎れてあったお茶をのむ【玉藻の前】
出掛けてくる。と目一杯のお洒落をした私はフンスと鼻をならす。
「結局出掛けますの?」
「君はこの前作った彼とイチャイチャしてればいいさ!!」
「はいその節はどうも。彼ピッピてばシャイでね~」
惚気るな。殺すぞ。彼ピッピとか別に羨ましくなんてないんだからね!!
とりあえずむかつくから【玉藻の前】は強制的に消す。しばらく出さねぇ。イチャイチャしてろ。
「……よし。炭治郎の勇姿見に行こうそうしよう」
「完全に孫か子供の参観日感覚ですね」
「お労しや姫」
哀れむな私を!!?泣くぞ!!?
【八咫烏】とリンクし【八咫烏】がいる場所へ飛ぶ。ふふふ我が【百鬼夜行】の力の1つよ。
まぁあまりにも領域圏外だと行けなくなるけど。
「此処が藤襲山かぁ…確かに麓らへんの藤の花凄いな。鳥肌ががが」
「鳥肌で済むんですね麟様」
「…………嫌なもんは嫌だけどね。」
「日光。藤の花。中々不便ですね。鬼も。」
「進化か退化か分からないさ。人間以上の
「私だったら嫌だね。つくづく呪いが外れてよかったわ。【同族喰らい】も進化だと思うわ。……だから【新月】とやらも厄介そうだわ。」
真っ赤な着物で大和撫子みたいな風体で山道を歩く。
「さぁて。炭治郎はどこっかな~?【八咫烏】」
「姫。過保護が過ぎるぞ。少年の成長の妨げになるぞ」
私の腕に捕まりネチネチと言ってくる【八咫烏】
「あー五月蠅いなぁ。最近百鬼夜行は私に優しくない。」
むすっとする私にげんなりする隣のお雪。後で覚えてろ。
「…炭治郎は【大型の異形】の【手鬼】と交戦。我が分身がみているが見るか?」
【百鬼・視界共有】
当たり前じゃん。【手鬼】ねぇ。
視界に映る。人の形を捨てた異形。多くの人を食った鬼は姿を変える鬼が中にはいる。
「こいつかなり喰ってるね。」
「…でも、下弦にすら劣る。炭治郎なら勝てるよ。」
「ならやってみるか【血霞童子】」
突然の腐臭。突然地面から生えた腕に拘束される。
「!!?」
「ヒヒヒ!!!!【鬼喰らい】がどんなものかと聞いてみればたいしたことないな!!」
「…………」
炭治郎と交戦中の【手鬼】と瓜二つの鬼が目の前にいた。幾重の腕を全身に纏う異形。
腐臭と屍臭を身に纏い私を締め上げる。
……同じ鬼がいた?分裂体?中には分裂する鬼もいる。
確かに視界共有をしている右眼は未だ戦闘中の炭治郎と手鬼を映している。
「どういうからくりだ。」
「ヒヒヒ!!言うと思うかよ!【血霞童子】ぃ」
「そらそうだ。……」
締め上げる力は強くなる。握り潰された。
「呆気ないのぅ!!【真白様】が気にする程度の鬼では無かったなぁ!!」
飛び散る血液。高笑いをする【手鬼】擬き。
「……【新月の純白】が……なんだって?」
血液が集合し私を形成する。
「あーあー。私のおしゃれ着が。……死ぬ覚悟きまってんだろね。お雪。日輪刀」
私の側にいるお雪から日輪刀【
「あの小娘め。ようやく動いたのか。……まぁ良い吐かせる。雑魚を差し向けたこと後悔させてやる。」
お雪に持たせて左腕で抜刀。
「ふふふっ…見る目がないなぁたいしたことないぁ【血霞童子】我々が【真白様】に作られた我々が!!本体より弱いわけがないだろうっ!!」
死角から伸びる腕。連続し掴みかかる複数の腕が私を捕まえようと伸びてくる。
私はひらりと躱す。
「ははっ!!いつまで持つかな!!」
伸びる腕は地面から樹木から周りのあらゆるものから生え捕まえようと伸びてくる。次々と休む暇もなく生えてくる。
炭治郎が戦っている【手鬼】とはちがう戦いをしてくる。
まるで私用に難度を上げているよう。
私は全てギリギリで躱す。幾ら増えようが臭すぎるンだよ。モテねえぞ。糞鬼。
「麟様。誰か呼んでは?」
「いや、私がやる。」
血の呼吸・全集中常中。
左腕で持つ鮮血が如き刀を下段に構える。呼吸。鬼の筋肉は呼吸によりしなりが増す。
血の呼吸・肆ノ型【血刃】
下段から上に向けて刀を振るうと血液の斬撃が飛び伸びてきた腕を真っ二つに両断する。
血の呼吸・肆ノ型崩し【血刃二の太刀】
そのまま無呼吸で2連の斬撃を左右に放ち左右から伸びてきた腕を6つ切り捨てる。
血の呼吸・肆ノ型崩し【血刃三の太刀】
上下から伸びた腕を更に三の太刀にて斬り捨てる。
「なにぃぃいぃ!!?」
「……腕は品切れかな?」
「な、わけないだろ…!!?【真白様】申し訳ありません使わせていただきます!!」
【血鬼術領域展開『多手蟻餓鬼地獄絵図』】
領域展開型の血鬼術…だって……!!?
私とあの小娘位しか見たことがない。
自身の周りの空間に干渉する血鬼術なら見たことはあった。
【手鬼】擬きを中心に大量の腕がワラワラと沸いてくる。
視界全てを埋め尽くす程の【腕】。集合体恐怖症なら嘔吐ものだよこれは。
「俺は【手鬼ノ色彩】。【新月の純白】たる彼女の作品だ!!負けるわけには行かない!!」
なるほど作品ね。……私向けのハードモードなわけだ。
「【血鬼術領域展開・血怪百鬼夜行『血手爛漫ノ陣』】」
私の足元より塗りつぶすよう現れる血液の腕達。狂い咲くように現れる血液の腕。
おおよそ百。
「目には目。手には手ってね。」
血液とは液体。液体とは流動体。故に無形。私が望むがまま姿を変える。
「【土蜘蛛】」
「あいよ。お姫様。」
「出して」
【土蜘蛛】は100本の日輪刀を吐き出す。もしもの時に作らせた【神血】擬き。どれも【神血】の域に至らんとした刀鍛冶達の渾身の作。
【神血】を見せた時目を輝かせてたもんなぁ刀鍛冶の人達。
私自身誰の作かは知らない私の日輪刀。
それを血液の腕達は持ち抜刀する。
100本の殺意が唸りを上げる。
「俺の手の方がおおいぞっ!!!!」
血の呼吸・肆ノ型崩し【血刃乱舞・百花繚乱】
ワラワラと沸いてくる腕の波濤を切り払う。
私は微動だにせず定位置にて相対する。
「舐めるなぁ!!」
【領域展開・多手蟻餓鬼地獄絵図】まさに多手で獲物を取り込まんとする蟻地獄のような領域展開だ。名の通り地獄絵図。
だけど相手は私様だ。てめぇらを殺すために私だって研鑽してきた。
伸びてくる腕達は全て百の血手が斬り捨て打ち払う。
自動ではなく手動。私の意思で全て処理しきる。
「どうしたどうした。数は其方が上なんでしょ?」
「オノレちがすみぃ!!」
百の腕が融合し、1つの巨大な腕を形作る。
「死ねっ!!」
捕まえようとするというよりもはや潰すという意思で殴りかかってくる。
それでも微動だにせず私は百の刃にてその腕を斬り捨てる。
「!!?」
「さてその隙。貰うよ。その頸堅そうだね。でも関係ない。喰らえ。【大喰らい土蜘蛛】」
【土蜘蛛】は大きな口を開け【手鬼ノ色彩】を喰らう。
「ヒヒヒ…!!これからは俺のような鬼には気を付けるンだなぁ…!!【真白様】はいつもお前を御覧になられているのだからな!」
喰われる間近亀裂のような哄笑を浮かべる。
不穏。良いぜ。全て殺してやる。
【土蜘蛛】が丸呑みすると奴が展開していた領域が消える。
「…………墨の味…ねぇ。……複製体かしら。……………【新月の純白】め。悪くない趣向だわ。私の【人間好き】分からせてやる。」
「麟様悪い顔してる…」
「姫。炭治郎も勝ったみたいだぞ?」
「あ、炭治郎の勇姿見れなかった!!」
八咫烏の言葉に地団駄を踏みたくなる。
「【新月】が動き始めたんですねぇ……」
お雪は小さく呟く。土蜘蛛は使った刀を回収していた。
表・炭治郎視点。裏・麟視点の話で所々分けて進めたいなぁと思います。