血鬼術。
鬼の異能。より人を喰らって力を得発現した力。
異能は多種多様で多岐に渡る。
地面を沼のように渡る鬼。矢印を操り指向性の強制力を持つ鬼。鼓を叩く事で爪撃を与えるなど種別で分ける事が困難で有るほど多種多様である。
強力な異能を持てば上弦へたり得るかはまた難しいことであった。いくら異能が強くても鬼の体が弱くては宝の持ち腐れである。
強力な異能。その中でも異質な力。
【領域展開】の【血鬼術】。
【血鬼術】の効果領域を拡張し周囲に影響を与える異能。
中には周りに干渉する【異能】もあるが広義的には当てはまるかもしれない。
【領域展開】と呼称する血鬼術を持つ鬼は現状2体。
【血霞童子】の血霞麟と【新月の純白】真白。
【血怪百鬼夜行】と【色彩神話再現】
後者に関しては領域内の【色彩奪い】とその色彩を使用し彼女が【作品】と呼ぶモノを構築すると推察される。
前者の【血怪百鬼夜行】は領域内の血液を操作し【血怪】を創成する。
内蔵血液量に左右されるが【鬼喰らい】により血液を貯蓄する機能と増血機能も有している。
その貯蓄量は目覚めた段階と比べ段違い。
人は血液量の半分を失えば失血死すると言われるが彼女は鬼であり再生能力を有しておる。戦闘で大量に血液を使用してもこれによる失血死はなく貧血する程度である。
【血怪創成】……意思を持つ【血怪】と意思を持たない【血怪】の2種いる。
お雪や【鴉天狗】などの死体を使用した【血怪】
死んで間もない死体に限る。意思は生前に依存するが記憶や性格は個体による。【血鬼術】を持つ。
意思を持たない【血怪】は流動体ゆえ彼女の想像力の産物で様々な形を取れる。が異能は持たない。
【鬼喰らい】…血霞麟の特異性。彼女は人を喰らわず鬼を喰う。本来鬼は【鬼舞辻】の呪いで共食いはするが人を喰らうほどの栄養価は得られない。格上の鬼を喰らった場合は別だがそれはその鬼が蓄えた力だ。
【鬼喰らい】は人を喰らった同等の栄養価を得られ更にその鬼が【血鬼術】持ちならその力を得れる。血霞麟の場合行使は出来ないが彼女の【百鬼夜行】に与えられる。
血の呼吸……鬼の【血霞麟】が有する独自の呼吸。
恐らく水の呼吸の派生。
【血鬼術】と合わせた独自の呼吸の為彼女以外は使えない。
鬼の膂力に呼吸による増強が可能。
それが【血霞麟】の力。
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【領域展開・血怪百鬼夜行『犬神憑き・群狼ノ陣』】
私の足元の血液がじわじわと展開し三十匹ほどの血の狼達が現れる。
「いけ」
血の狼達は訓練された統率された動きで森を掻き分け進む。
名も無い深い森。私の領土。
侵略されていた。汚染されていた。汚されていた。
沼に。至る所が沼に汚染されていた。
見た目は変わらないが沼に変化していた。
これは………【領域展開】………。沼の【血鬼術】。
「………【新月】とやらか」
「…だよね。【領域展開】の異能をあの手鬼もどき持っていた。」
肩に止まる八咫烏に返事する。私は岩の上に立つ。【沼化】しているのは【深い森】全域の4割。2時間足らずの侵攻だ。
「………………【色彩ノ鬼】か。」
恐らく【新月の純白】真白の手の者。
「……【領域展開・弐ノ陣『自動反射・百眼鬼ノ陣』】」
足元より更なる血液を展開。ギョロリと百の眼が見開く。
「がはっ!!?」
血液の槍が後ろより襲い掛かる鬼を貫く。
「…………沼のように腐った匂いだ。」
襲い掛かる鬼は瓦解するが手応えはない。
「姫。領域内反応多数。常時領域及び戦闘領域の切り替え行うか?」
「うん」
後述になるが『血怪百鬼夜行』には常時領域と戦闘領域の2種がある。
常時領域は【血霞麟】私及び【血霞邸】から深い森全域にわたる常時発動している【百鬼夜行】が顕現出来る領域だ。
戦闘領域は文字通り戦闘可能領域で常時領域より範囲が狭まるが本腰に戦闘可能となる領域だ。
「血の狼達を先行させてる。…【犬神】指揮を執って」
「はっ!!」
「恐らく分身出来る鬼だと思う。本体を探し出して。私が喰らってやる」
「姫。【色彩ノ鬼】の場合あまり意味を為さないのだろう?…【領域展開】の血鬼術は奪えない」
「…小娘も領域展開の使い手だからね。そうしているんだろ」
「…………姫様。…………南西の地区突破されました。そこ数が多いです。……姫様の読み通り全ての鬼は同個体。…………分身分裂した個体のようです。」
「お百。そのまま【眼】して全員の情報共有。……」
お百と呼ばれた陰鬱な女性は頷く。両腕にある百の眼は見開く。
【
「沼化している地区。狼達進みにくいよう。……どうしますか?」
「………索敵にあの子達の鼻は必要だよ。……残存血液量気にしないで行くか」
【領域展開・参ノ陣【八咫烏・逢魔が時ノ陣】】
大量の血液の鴉達を創成する。
「散開っ!」
真っ赤な羽根を撒き散らし散開する鴉達。
上空を進む鴉に森の中を進む狼達。
「…姫様。交戦しています。1体1体が【下弦】相当。」
「…1体1体なら私が潰してやるんだけど如何せん数が多いな。そういう【領域展開】かな」
軽く舌打ち。
「沼化している地面。お雪ちゃんに凍らせます?」
「いい案だけど非効率だぁね。あの子の陣は私もまだうまく扱えないのよねぇ。…」
「凍らせた箇所も【沼化】してくる可能性もありますし」
お雪が顔を出す。
「麟様。残存血液量大丈夫ですか?」
「全然余裕。何十年溜め込んでると思ってんの?…【色彩ノ鬼】喰らっても貯蓄にならないのがウザイわ」
「…そうなんですか?」
「前の手鬼擬き食べた時墨の味というか無機物食べた感じ。まるで絵画やなんか食べた気分よ。不味いったらない。…小娘めちょこざいめ」
「姫。済まない。沼化6割超えてしまった。」
「いいよ」
【犬神】が膝をつき謝罪する。
「私にも遊ばせて。」
【犬神】が日輪刀【神血】を差し出し左手で抜刀。
目の前の一帯が沼化し澱む。沼より躍り出る10体の鬼。
一人一人が角の数が違うが同じ風貌だった。
かつて少女が消える怪奇で炭治郎が倒したはずの鬼。
【沼の鬼】
「腐りきった女だが!!【真白】様のため!!」
「喰らってやるっ!!」
「死ね!」
は?
「こちらはまだピッチピチじゃぼけぇ!!」
血の呼吸・陸ノ型崩し【血風ノ残滓】
血風がすべての【沼鬼】を薙ぐ。容赦なく瓦解させる。
「まだ十代の肌じゃ!!ぼけぇ!!」
「…姫様。残念美人此処に極まり」
五月蠅い黙りなさい。
沼地と化した一帯から50体ほどの沼鬼が現れ囲まれていた。
今回の百鬼夜行。
【百眼鬼】………陰鬱とした貞子みたいな姿の女性型百鬼夜行。両腕に百の眼がある。領域内の監視が彼女の役割だが覗き見が趣味なので他の百鬼夜行に嫌われている。
【犬神】くんが好きだが盛大にフラれている。