血の呼吸・玖ノ型奥義【紅蓮ノ
血液の濁流は龍の顎を模して次々と沼の鬼達を喰らい瓦解させる。私は沼地に足を取れられず普段通り行動する。足場に即応出来ず何が【柱】だよ!歩法があるんよ?当てが外れたなぁ鬼。
剣閃に付随するそれは私の剣に追随する。
「…ちっ、きりがないわね。」
増殖を繰り返す沼の鬼達。一体一体はたいしたことは無い。
けれどその【数の暴力】は気分が滅入る!!厄介!
血の呼吸・玖ノ型崩し【紅蓮ノ顎・2連】
血の龍は二頭に別れ沼鬼達を喰らい続ける。
【血腕創成】
血で右腕を作り出し刀を構える。
血の呼吸・全集中【肆ノ型崩し・血刃乱舞『百花繚乱』】
無数の血の刃が咲き乱れるように沼鬼達の頸を斬る。
「…この女強いぞ俺!!」
「そうだな。私。」
「上弦相当だぞ。妬ましい!」
ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ
「歯軋りが五月蠅い黙りなさい!!」
歯軋りが五月蠅い沼鬼の頭を潰す。左右から襲いかかる鬼達。更なる増殖を繰り返す。
100体が取り囲む。
「そこ、設置しているよ。」
肆ノ型崩し【血刃『遅咲き紅蓮華』】
斬撃が起爆する。十数体を巻き込む遅咲きの斬撃。
「わぁ、えぐいですねぇ。罠ですか?」
【玉藻】がひょっこり顔を出す。
「……玉ちゃん。縛の呪い。…………本体見つけ次第やって?」
「あいあいさー。……でもどれが本体でしょ?」
首を傾げる。あざてぇ仕草するんじゃ無いよ。あざとさか私にはあざとさがたりないのか。指を顎に当てて首を傾げるなんてあざとさが足りないのか。
「……見つけるしかないでしょ?…………全員が本体ってなわけじゃないと思うけど」
「【血鬼術】とはわりかし理不尽の異能ですよ。生前術士やってましたけど…理不尽ですよ」
「そんなものかな」
「ですです。【血怪百鬼夜行】も理不尽の最たるものと理解して下さいまし。…死体に仮初めの命を与え奪った異能を与えるなんて」
そんなものか。まぁ【
「まぁ、探し出す。玉ちゃんいくよ」
羽織を脱ぎ捨て髪の毛をポニーテールに纏める。
血の呼吸・扒ノ型【増層鉄血】
血流の速度を上げ鬼の躰ならばこそ耐えられる増強。
膂力と敏捷性が爆発的に上がる。音を置き去りにする。
「「「!!?」」」
沼鬼達は私を見失う。
大木を蹴る。爆発的な膂力は足跡を大木に残しひび割れる。
血の呼吸・伍ノ型【憐憫の血雨】
豪雨のように降る連続の突きが放たれる。
沼鬼達は音しか知覚できない。
地面へ叩き付ける刺突の暴雨。有り余る暴挙は分身体達の残骸の山とする。
その残骸は沼に落ち新たな分身体を作っている。
この沼全域に分身体を溜め込んでいるとしたら?今はこの深い森7割は奴の領域展開に落ちている。
ほんと厄介な【領域展開】だこと!!
血の呼吸・肆ノ型崩し【血刃『早咲き紅蓮華』】
刀を振るう前に血刃達が咲き乱れる。
私の姿が現れるより先に斬撃が分身体達の頸を飛ばす。
「…うざったいうざったいうざったい!!」
【増層鉄血】の増強の速度域耐えられずボロボロになる隊服のまま苛つく。
更なる増殖を繰り返す沼鬼達に辟易する。苛々する。今度はおそらく200体程。本当呆れる。
「【血霞童子】。我らが領域展開【増殖獄三途沼ノ片割】をお前に破る事など出来ぬ!!なぁ俺!!」
「そうだな。私。……全ては【真白】様のため。お前もあの方の作品となるがいい。素晴らしい鬼による鬼の為の楽園の礎となるのだ!!」
……………くだらない。
使う。全て討ち滅ぼす。黒死を殺すための秘奥の壱。
奴と小娘を討ち滅ぼす為の術理。そのために研鑽を重ねていた。私の力は人のため。例え疎まれ唾棄されても。
【
「姫様!!?その術理はまだ不安定です!!…使う血液量も増大します!そんな雑魚に使う術理では!!」
玉藻は叫ぶ。
「…一瞬だよ、この沼全て吹き飛ばす。……それで終わり。…死ね。沼鬼共。」
ボロボロの隊服の上に纏うは豪奢な血の装束。十二単まではいかなくとも豪奢で清廉な血液の装束。
血の呼吸・死ノ型【不退転ノ紅蓮華】
刹那。全ての沼は消え失せる。
「な、なぜぇ!!?なぜ此処だとわかった!!?血霞ぃ……」
私の装束が1つの槍となって沼鬼本体を貫く。
私は先程より4里離れた場所に居た此奴を貫いていた。
「どうしてだと思う?」
「ぐはっ!!?わからぬ!!何故だ!!何故だ!!何故だ!!何故だ!!」
「ばぁか教えないよ。死ね。愚図。鬼の偽物が。」
こういった救いようの奴は嫌いだ。
あーふらふらする。血を使いすぎた。浸域展開は駄目だわ。血を使いすぎる。
「姫様無理するから!!」
「あら、心配してくれるの?玉ちゃんが珍しい。無理してみるものね。」
「姫様!!」
「わ、怒らないでよもう」
「怒ります。あの【浸域展開】は不安定なものです!!下手したら姫様死にますよ?!!」
「上等じゃない?一匹の鬼が死ぬもの。……まぁ一匹残さず殺し尽くすまで死ねないわ。あ、珠世さん達や禰豆ちゃんは別だよ?」
「…………【浸域展開】は他の【血鬼術】に干渉するものです。先程は沼に入るなんて無茶!!」
「沼の中に入ったからこそ見つけられたからさ」
「…………前々から思ってましたけど姫様貴女…自分の命の価値低めに見積もってません?」
「…………だって【鬼】だぜ?」
「姫様!!」
「………ごめん…」
ふらっと玉藻に躰を預けるように倒れる。
「やっぱり貴女は……!!【鴉天狗】さん!!」
「おお、…全く無理をしよる」
「………………【血霞童子】今動けないようだね。絶好の機会だね」
「誰です!!?」
木の上に白い蜘蛛の巣柄の着物姿の少年が見下ろしていた。
「【沼鬼】もわりかし仕事したようだね。……なら僕が仕上げだ」
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「よもや!!よもやだ!!【血柱】殿の監視をしていたならばこのような濃い気配の鬼がいるとは!!」
「けっ!血女ごと殺したらぁ……」
「それはお館様が許すまい。そうしたら私が君を止めねばなるまいぞ!不死川!ハッハハハハ!!」
「うるせぇ煉獄ぅ……てめぇから殺してやろうか」
燃えるような髪の青年と傷だらけの青年は深い森に足を踏み入れていた。