血の呼吸・壱ノ型重ね【
天の呼吸・玖ノ型重ね【彼方への蒼】
共鳴する斬鳴と横長の斬撃がぶつかり合う。
呼吸の型を合わせた【重ね】技がぶつかり合う。
私の壱ノ型【血纏斬り】に㯃ノ型【血鳴謳】を合わせた中距離技を彼女の得意技【水平】と【地平】の重ね技【彼方】で相殺される。
アレンジの【崩し】も型を合わせる【重ね】も上臥原天彼女の発想を真似たもの。上臥原天は剣士として唯一無二の天才だ。恐らく【日】に一番近い剣士だ。
ち、狙いが定まらない。
私が動けるのは屋内に限られる。庭先にいる彼女を中距離から長距離の剣技に仕留めなければならない。
肆ノ型【血刃】を始め中距離から長距離は得意だが彼女は飛ぶ。上空へ行けば私は見えず見失う。
その気になれば屋敷ごと破壊され私は陽光に晒されお陀仏。
そうしないのは私だけではなく【柱】たちも相手しているから。
故に私がすることは手数ではなくタイミングを見極め致命傷を喰らわす事が肝要。
納刀。血液をより鋭く鋭利に破壊力を増幅させる。目を閉じる。血で右腕を作り出し柄に手を掛ける。
【全集中・深層】
より、深く。より、強く。より、鋭く。
集中する。感覚をより深く強く鋭く。知覚する。
感覚は世界と同調するため拡張する。【領域展開】の感覚に似ている。知覚の拡張。
見ていなくとも位置を把握出来る。
【領域展開】の【呼吸】への応用。鬼は人より優れた五感を持つ。
人もまた特化した五感を持つ人間もいる。
竈門炭治郎の嗅覚然り。我妻善逸の聴覚然り。嘴平伊之助の触覚然り。
私、血霞麟は五感及び第六感に優れている。【領域展開】の影響もまたある。
肆ノ型【血刃】が崩し【
超感覚の中【隙ノ感覚】をつらぬく。瞬時に居合する。
超速の居合断ち。
血液の飛来する斬撃は上臥原天を捉えた。と確実に思った最中彼女はにやりと嗤う。
あり得ない軌道。あり得ない駆動で頸をそらし躱す。
【柱】達の攻撃を躱しながら、なお此方の攻撃をも躱す。
上臥原天は愉しんでいる。戦闘そのものを愉悦とする戦闘狂い。
「あはっちゃんと狙いなよ。麟ちゃん?」
無邪気な純粋な笑顔。まるで恋人に向けるようなはにかみ。蕩けるような笑み。
天の呼吸・玖ノ型重ね崩し【彼方への蒼・螺線】
横長の斬撃が螺旋状に放たれ柱達を切り捨てる。
「ごふっ!!」
「…く!!」
「糞が!!」
怯まず不死川実弥はなお食い下がる。
「あはっ♪今代の【柱】は優秀だにぃ。アタシの世代でアタシに勝ったことあるの裂傷クン位だったしぃ…アタシは麟ちゃんと遊ぶニャァ」
血鬼術領域展開【永遠に蒼き天・天獄ノ無常】
彼女は両腕を広げて展開する。
領域変生【
展開する【蒼】が変容し2羽の巨鳥の大鷲となる。2羽は番の【色彩ノ鬼】の大鷲。
咆哮。色彩ノ鷲は現実のものとなる。
「領域変生…。」
「そう【領域変生】ただの展開するだけの【領域展開】とは違う。アタシの在り方を形とし【力】としたもの。アタシの在り方は【自由】と【略奪】…キミの【浸域】とは違うけど…強力だよ?」
2羽は【柱】達を睨めつけ威嚇する。色は鳥の形とし存在感を放ち威容となる。
「…【血鬼術】」時透くんは眉をひそめる。
「…幾百の【異能の鬼】達のそれとは一線を画すな【上弦】達に匹敵するかどうか、嗚呼度し難い」
悲鳴嶼くんも呟く。
【柱】達も、警戒を強める。お館様にまえに立つカナエちゃんもみつりちゃんも尚一層体を強張せる。
「天、君は…鬼となってまで何がしたいのかしら」
「アタシもなりたくてなったわけじゃないのよねぇ。【真白】ちゃんの制作の一環で作られただけだしぃ」
うーむと唸り始める天。年端も行かぬ少女故に買い物に迷うにしか見えない。
「まぁ、アタシとしては【鬼】となった今はやっぱり【鬼】からしたら不自由じゃん。陽光しかり。藤の花しかり。君たちしかり。……【不自由】は嫌いだよ。アタシを束縛する全て嫌い。大嫌い」
「だから【真白】ちゃんの意向には従うつもり。瑠偉ちゃんは知らないけどね。」
「…【鬼の楽園】か」
「は、夢物語だな。俺達がいる限りきさまらの安寧はねぇ。【色彩ノ鬼】とやらも関係ねぇ。悪鬼滅殺」
煉獄くんの言葉に実弥ちゃんが続ける。
「…ひゃは♪それが可能性あると言ったら?行っちゃおっかなー?どうせ君たちには止めるすべはないにぃ。」
「……なにかな」
嫌な予感がした。致命的に。
「……【鬼舞辻無惨】の【色彩ノ鬼】化。彼女は【始祖】の鬼を自身で創り出すことを至上の目的としてるんだよ。この意味を理解出来るかなぁ?」
始祖の、鬼の【領域展開】。
始祖の鬼化の血液。鬼舞辻は自身の【日光克服】が最重要で無闇矢鱈には増やしていない。
だが、【鬼の楽園】の為にその力が振るわれれば加速度的に【鬼】は増える。ネズミ講が如く。
「なるほど…確かに人は居なくなるわね。畜生め」
「そ。……そして【血液】の領域展開を持つ君はその礎になるのさ。」
「実験体ってわけ」
領域展開【血怪百鬼夜行・餓娑髑髏ノ陣】
私の背後に足元から血液で創り出した赤い髑髏の巨体。
目を見開く柱達。あまり【領域展開】は見せていない。
私は彼らの前では剣士で有りたかった。が剣士としては天のが上だ。なり振りは構ってられない。
「…【血怪百鬼夜行】ねぇ。この日のひかりの中どうアタシに攻撃を届けさせるのかなぁ。」
ニヤニヤと挑発するように嗤う天。
「妖怪大戦争だにぃ!!」