鬼喰の血刃   作:九咲

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色奪ノ伍【深紅ノ記憶】

   浸域展開【血纏装束・対陽光ノ陣】

 

血液の装束を身に纏い駆ける。太陽の元に晒され身を焼く。【血纏装束】が即座に再生を繰り返す。瓦解を防ぐ。全身に身に纏う深紅の装束を肌を余すことなく覆う。

 

駆ける。駆ける。駆ける。

 

 

餓娑髑髏も後追いし2羽の【天鬼】に攻撃を喰らわす。

 

吹き飛ばすが直ぐさま旋回する【天鬼】

 

   

    血の呼吸・肆ノ型崩し【早咲き紅蓮華】

 

振るうより先に放たれる紅蓮の華のような斬撃が天の足元より咲き狂う。

 

「あはっ!!捨て身かな!?」

 

「まさか!!」

 

 

 

この【血纏装束】は再生を繰り返す血の布の全身鎧みたいな物。以前ならすぐ貧血を起こしていた。

 

零余子の【血鬼術】の【増減操作】の応用。【残存血液量】を増やし【血液消費量】を最低値にする。

 

まぁ常に陽光に晒されているから長くは持たない。

 

【血纏装束】に大半の血液量が廻るから今使用出来るのは展開した【餓娑髑髏】だけが精々。

 

「血液よこせや!!天!!」

 

「やっだよ!!」

 

 

超速の戦闘。交わる剣閃と剣閃・蒼と赫。

 

   

    血の呼吸・扒ノ型【増層鉄血】

 

加速。血液循環をより早く強く深くし膂力を上昇させる。縦横無尽に繰り出す朱の剣閃。

 

加速度的上がる攻撃を経験と予測だけで最小限度の動きで躱す。

 

にゃろ!!これだから、天才は!!

 

私みたいな凡才舐めるなよ!!

 

   

上空では【餓娑髑髏】と【天鬼】2羽は殺し合う。

嘴、鉤爪の攻撃を繰り返し喰らうが再生し殴る【餓娑髑髏】

 

 

 

 

 

 

    血の呼吸・壱ノ型【血纏斬り】

 

 

    天の呼吸・陸ノ型【天太刀(そらだち)威傘子(いかさね)

 

朱を纏う太刀と蒼を塗る太刀が交錯する。

 

 

増幅された膂力による振るわれた太刀を威力を殺し打ち払う。

 

 

にぃっと嗤う空の少女。死角からの二刀目が私の目を貫く。

 

 

「麟さん!!?」

 

鮮血が舞う。くそ!この【血纏装束】陽光を遮るだけのモノ。防御力は持たない。だから喰らうのは不味いのだ。

 

後退。貫かれ陽光に焼かれた左眼を抑える。

 

屋敷内に戻る。【餓娑髑髏】も2羽の大鷲に引き裂かれ霧散する。

 

【対陽光】の【血纏装束】は解ける。

 

 

「ちぃ…」

 

「麟様」

 

心配そうに側に来る零余子に大丈夫だと合図する。

 

「きゃは♪どうする?どうするよ?今日はアタシは遊びに来ただけだよ?つまりあれだよ」

 

 

「本気じゃないぜ?」   

 

 

一瞬で間合いを詰められる。目の前には嬌笑。戦闘に恋し酔う。少女に不釣り合いな悩ましい笑み。

 

 

私の襟元を掴み引っ張り庭先にまでひっぱり出される。

 

しまっ…!!?

 

少女らしからぬ怪力で抵抗もままならない不意打ち。

陽光の元晒されてしまう。太陽の光が私を焼き殺さんと爛々と輝く。

 

 

死の刹那。不意の記憶の残滓が綻ぶ。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「…【天の呼吸】?」

 

【私】が鬼殺隊に入隊して幾許か。剣士も数は少なく忙殺されていた。

 

若い剣士も入っては来るが生き死にが常の鬼殺隊は戦死が常で万年人手不足。それでも後世の時代より更に少ない。

 

その中でも異彩を放つ剣士もいた。

 

 

「……文献しか存在しなかった【呼吸】を再現した少年だ」

 

「少年?」

 

「…どうした?」

 

「いや、…孤児院を経営した身としては子供が戦うのは複雑なだけ」

 

 

「そうか。華。…最近元気はないが」

 

 

「入隊してから元気なことあった?私が」

 

【私】は皮肉げに笑う。

 

花札の耳飾りの【彼】は否定はせずにただ首を横に振る。

 

【悪鬼滅殺】それだけなんだから。

 

 

「その【天の呼吸】の子がどうかしたの?継国クン」

 

「……………次の任務に彼が来る。先の大きな戦があっただろう。その負けた側が【鬼】に堕ちた。我等の出番だ」

 

 

「嫌ですこと。少数精鋭の私たちなのに。夜戦はお肌に大敵だわ」

 

 

「……【鬼月】がいる。お喋りな鬼がいた」

 

「【鬼月】?」

 

 

「……【鬼舞辻】はより強い鬼を作ろうとしているみたいだ。これは試作なんだろうとお館様が仰っていた」

 

「迷惑千万。」

うげっと私は顔を顰める。

 

「……頼むぞ架純華。その少年は独断専行するきらいがある。」

 

「はいはい。私がなんとかしろってことね継国クン……全く。君もそのコミュニケーション能力欠乏症も問題ダゾ」

 

「……否定は出来んな……」

 

「…しかし、天は照らすもので如何様になる。日は日で月は月で。……私のような人間性より君の人間性のが向いている」

 

「褒めてる?」

 

「…………もちろん」

 

 

宵の時間。闇夜が総てを塗り潰す。不穏な鴉の鳴き声が響き渡る。かつての戦場。合戦が行われた荒野。

今は【死者】と【愚者】のみ。

 

 

目の前には【百鬼夜行】

 

黒き鬼の大軍。足軽の軽鎧を来た死体達。顔をしかめたくなるような屍臭。

 

 

「てめぇらが【鬼狩り】か!!?」

 

「……………。……いかにも」

 

 

「うわっぶっさ」

 

「………華。」

 

「…御免なさい。気にしていたら。豚みたいで」

 

「肥えるだけ肥えた無能の将みたいで笑えて。ふふふ」

 

 

「貴様ぁぁぁぁぁあ!!やれぇえええ!!火縄銃隊前へ!!ってぇえ!!」

 

肥えた醜い将の格好をした【鬼】は火縄銃を構えた【死体】に命令を下す。

 

隊列を組み陣列を崩す事の無い死体達。

 

 

「あれ?」

 

「………【血鬼術】は優秀なようだ」

 

 

「継国クンは露払いをお願い。…御空クンは遊撃を。」

 

 

「やだ。僕は自由にやらせてもらうよ。オネエサン」

 

私の指示を無視してかける【天の呼吸】の使い手。碧賀御空(あおがみそら)クンは陣列を崩し切り払う。

 

 

「もう!!」

 

継国クンは火縄銃の弾幕をゆるりと躱しながら駆ける。露払いへ向かう。

 

 

「まぁいい…や!!御首級頂戴!」

 

真っ赤な深紅の長刀を抜く。女性が持つには無骨に過ぎるが美しい刀だった。

 

銘を【神血】

 

 

切り替える(・・・・・)

 

深紅の眼を見開く。

 

 

▽▽

 

 

殲滅。全殺。殺戮。滅殺。

 

 

行われたのはそれいやむしろ【死者】だったそれらは【全壊】させたに過ぎない。

 

死者を操る【血鬼術】

 

「まぁ有能な術であることは認めるけど?」

 

「…………術者が無能では宝の持ち腐れというもの」

 

「………へぇ。これが鬼殺隊の【柱】なんだね」

 

「…お姉さんを認めて言うこと聞いてくれるかなぁ?」

 

「僕より弱ければね」

青い少年は生意気な笑みを浮かべる。

 

「……【柱稽古】で虐めてあげる」

にへらと笑う。

 

 

「…………儂を無視して盛り上がってんじゃねぇ!!儂は終わりじゃない!!儂が有能じゃとあの方に認めて貰わねば!!」

 

「あはっやっぱり失敗作なんじゃ?」

 

「草生える」

 

 

    血鬼術【屍大鬼集躰】

 

 

無惨に転がる死体達がみちみちと不快な音を立てながら繋ぎ合わさっていく。

 

繋ぎ合わさった死体達は巨大な鬼と形になる。

 

 

「儂の最大限じゃ!!死ね!!!!!!」

 

 

大鬼は大きく腕を振りかぶる。

 

 

     血の呼吸・参ノ型【炸血華(さっけつか)

 

 

振るう。死体達の血液の流れを逆流され炸裂させる。

 

真っ赤な華を裂かすような炸裂だった。

 

 

「…なっ、…!!」

 

 

    水の呼吸・壱ノ型【水面斬り】

 

 

刹那。跳躍する。

 

 

斬り捨てる。【鬼】の丸々と肥え太くなった頸を両断する。

 

「わ、儂は…!!」

 

「死ね。鬼は悉く一切合切討ち滅ぼす。【鬼舞辻】も送ってやるから感謝しなさいよね」

 

黒髪が靡く。

 

 

「水と血?」

 

「……血の呼吸は我流だから気にしないで。水の派生だし」

 

「……二つの呼吸使うんだ。」

 

 

「見直した?」

 

「少しね」

 

 

「生意気」

くすっと笑う。あー死体臭い。水浴びたーい。

 

 

「……オネエサン。あれなにかな?」

 

 

 

 

重なる死体の向こう。真っ赤な人影。蹲るように寝ている何か。

 

その場に相応しくない身なりをした少女だった。

 

「君…!!」

 

駆け寄る。呼吸はしているみたい。

 

「捨て子?」

 

「まさかさっきまで戦闘してたんだよ」

 

「おかしい…けど見捨てる訳には行かない」

 

見殺しなんて出来ない。皆を見殺ししてしまった私には到底。

 

捨て子にしては身なりはしっかりしていた。

 

平民が来ているような服装ではない。

 

 

「…………華。どうした?」

 

 

「………捨て子、なのかなぁ?」

 

 

「んんっ、……………おぶけさま…?」

 

 

目を覚ます少女に声をかける。

 

「君名前は?」

 

真っ赤な髪に深紅の瞳。齢は十前後。

 

 

「………りん。ただのりん……」

 

 

「りんか。良い名前だね。どこからきたの」

 

 

「うーん………分からない。」

 

 

首をかしげる少女に後ろの2人は難色を示す。

 

 

「一緒に来る?」

 

「………………本気か華」

 

 

「当たり前でしょ。止めれる?継国クン?」

 

「………いや」

 

「うん!!」

 

「じゃ、架純りんだ君は今日から。」

 

抱き締める朱の少女を。

 

 

この日から架純華の運命がねじ曲がるのは当時の『私』は知らなかった。

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