鬼喰の血刃   作:九咲

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感想ありがとうございます。個別に返せず申し訳ありません。

若干の本誌バレあります。


夢幻ノ弐【Let's下弦のリストラ会議】★

ベベン!!

 

琵琶の音色がそこにいるもの達の覚醒を強制される。 

 

上下左右逆様で歪に構成された屋敷だった。

 

!!?

 

なんだここは……!!?…。

 

あの女の【血鬼術】か?あの女を中心に空間が歪んでいるようだ。

 

我等【下弦の月】が集められたのか。伍の累と肆の零余子が居ない。

 

四人。

 

【下弦の壱】厭夢【下弦の弐】轆轤(ろくろ)【下弦の参】病葉(わくらば)

 

そして、俺【下弦の陸】釜鵺。

 

下弦だけが集められたのか。こんなの初めてだぞ。

 

べん!!

 

とまた琵琶の音色が鳴ると目の前に和服の女が立っていた。

視線は鋭利で絶対的な恐怖を内包していた。

 

誰だ。

 

「頭を垂れて蹲え。平伏せよ。」

 

その言葉に反射的に我等は平伏する。

 

無惨様だ。無惨様の声。分からなかった。姿も気配も以前と違う。凄まじい精度の擬態。

 

「喋るな。きさまらのくだらぬ意思でものを言うな。私に聞かれた事のみ答えよ。」

 

「累が殺され零余子は【血霞童子】の手に堕ちた」

 

「私が問いたいのは一つ。【何故下弦の鬼はそれ程弱いのか】」

 

「【十二鬼月】に数えられたからと言って終わりでは無い。始まりだ。より人を喰らいより強くなり私の役に立つための始まりだ」

 

淡々と無惨様は言うが苛立ちを含んでいらっしゃった。

 

失望と苛立ち。

 

「ここ百年余り上弦の顔ぶれは変わらない。鬼狩りの柱共を葬って来たのは常に上弦達だ。しかし下弦はどうか?何度入れ替わった?何度血霞に殺された?」

 

そんなこと俺達に言われても…。

 

「そんなこと俺達に言われても…なんだ?言ってみろ」

 

ギクッ。

 

思考が読めるのかまずい…!!

 

「何がまずい?…言ってみろ」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

【鬼舞辻無惨】は己の血を分け与えたものの思考を読み取る事が出来る。姿が見える距離なら全ての思考を読み取りが可能。離れれば離れる程読み取ることが出来なくなるが位置は把握している。

 

位置は把握している。

 

が、現状【珠世】と【血霞麟】は自力で把握(呪い)を外している。

 

そして【新月の純白】に至っては血を分け与えた記憶はない。

 

不愉快極まる。

 

 

「お許し下さいませ!!鬼舞辻様!!どうか!!」

 

「どうか!!お慈悲をどうか!!申し訳ありません!!申し訳ありません!!」

 

変容させた左腕で締め上げる釜鵺は慈悲を乞う。

 

無駄だ。

 

 

変容させた左腕で喰らう。口を大きく開く左腕の怪物は釜鵺を咀嚼し嚥下する。

 

恐怖し逃げ出す病葉を捉え頸を掴む鬼舞辻無惨は淡々と言い渡す。

 

 

「もはや十二鬼月は上弦のみで良いと思っている。下弦の鬼は解体する。……【血霞】の餌になるだけだ」

 

「最期に言い残す事は?」

 

「私はまだお役に立てます!!もう少し御猶予を頂けるならば必ずお役に!!」

 

轆轤が縋るように弁明してくる。

 

「具体的にはどれほどの猶予を?…どう役に立つというのだ。今のお前の力で」

 

「血を…貴方様の血を分けて戴けるのであれば必ず順応してみせます!!」

 

「……何故お前の指図で血を分け与えてやらねばならない?」

 

怒気を孕む言葉に轆轤は焦り即座に否定する。

 

 

「ち、違います!!違います!!」

 

 

「何も違わない。お前は私に指図した。甚だ不愉快だ。」

 

「私の言うことは絶対で間違いなどない。」

 

轆轤の頸を吹き飛ばして変容させた左腕でさらに咀嚼し嚥下する。

 

 

「お前は、何か言うことはあるか?」

 

残された【下弦の壱】厭夢は恍惚の表情を浮かべる。

 

「夢心地に御座います。…貴方様に手をかけて戴けるなんて」

 

「私は他の者が苦しむ様を眺めるのが至福で御座います」

 

「最後にして下さりありがとうございます。」

 

 

 

「気に入った。」

 

尾のような肉塊で厭夢の頸に差し込む。

 

血を注入する。

 

 

「血をわけてやる。見事順応すれば更なる力を身に付けるだろう。役立てて見せよ。花札の耳飾りの剣士と【血霞】を殺せ」

 

 

「……古い恐怖支配ですこと。小物に見えますわよ。【鬼舞辻無惨】」

 

「…誰だ」

 

「お初ですわ、【新月の純白】真白で御座います」

 

白い鬼。潔癖なまでの純白。【色彩奪い】

 

 

【新月の純白】真白。白い洋装に白い長髪。白い帽子を身に纏う乙女。そして二本の角。頬に純白の紋章。

 

三日月のように裂けた笑みを浮かべスカートを持ち上げ優雅に会釈をする。

 

【挿絵表示】

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽

「貴様が……【真白】か」

 

「ええ、何度かご挨拶に上がろうかと思いましたが中々お会い出来る機会が御座いませんでしたので」

 

「鳴女」

 

「申し訳御座いませぬ。…下弦の弐に憑いていたようでした。」

琵琶の鬼は申し訳なさそうにしている。

 

「まぁよい。此処で殺してしまえば良いだけだ」

 

両腕を触手へ変容させ真白へ攻撃する。

 

「嫌ですわ。お話しにきただけですのに。」

 

 

    領域変生【色彩神話・白騎士】

 

真白の足元より白い騎士が現れ両断する。

 

「ンフフ。お話したいだけですのに。」

 

    領域変生【色彩神話・黒騎士】

 

漆黒の騎士が鬼舞辻の背後に立ち剣を突き付ける。

 

「その鼻持ちならない傲慢ちきねじ伏せてもよくてよ?」

 

前後に黒白の騎士。色彩の【創作物】。彼女の作品。

 

「…………ゆけ。」

 

 

ベベン!!

 

鳴女と呼ばれた琵琶の鬼が琵琶の音色を鳴らすと立ち位置が変わる。左右上下いびつに変わる。

 

 

鬼舞辻の位置は天井。黒騎士と白騎士が挟むのは巨大な蜥蜴のような鬼。

 

騎士たちは直ぐさま両断。黒き剣と白き剣は交差し肉を断つ。

 

「…………琵琶の方の【血鬼術】ですか!!便利ですね。ウチにも似たような鬼がいますけど!!」

 

 

【色彩ノ騎士】達を操り優雅に佇む白き令嬢の鬼は薄く笑う。

 

 

「……よく笑う鬼だ」

 

「感情表現が私の【芸術】には必要ですから。感情のない【作品】はただの駄作ですわ。」

 

 

「…………ふ。何用だ女。興が乗った。話くらい聞いてやる」

 

「話を聞いて下さるのですね。孤立無援故2体の騎士達の無礼許して下さいましね」

 

 

 

「して、どういう用件でわが無限城を土足で踏みにじった訳か」

 

「我等が【見えざる月】と同盟を結びませんか?」

 

「同盟だと?……私は貴様を鬼にした覚えがない。そんな出自不明の貴様と同盟など結べるか」

 

「…まぁ聞いて下さい。我らは【鬼ノ楽園】が最終目的です。あなた方にとって不都合なものは御座いませんわ」

 

「鬼の楽園だと?」

 

「そうですわ。鬼による鬼のための鬼だけしか居ない世界を作る素晴らしい世界を作るのですわ。……【人】という害虫を駆逐するのですわ」

 

「………貴様、【血霞】とは真逆の【人間嫌い】か」

 

「ええ、人など穢らわしく傲慢で薄汚い代物ですわ」

 

 

「…それには、同意だがな。駆逐とは思い切るな女」

 

「…貴方の【鬼化】という素晴らしい力をお持ちなのに未だ世界は人間がのさばっているのは理解出来ませんわ【始祖】」

 

「何が言いたい?」

 

「…貴方の力を下さい。その至高のお力お譲り下さい。」

 

「何が同盟だ小娘。」

 

 

ベベン!!

 

 

「【黒死牟】」

 

「……………………御意。」

 

     

      月の呼吸・壱ノ型

 

 

 

      色の呼吸・紫ノ型

 

 

琵琶の音色と共に現れた黒き【死】

 

 

欲して止まない【漆黒】

 

 

死神が如き【黒死】

 

 

     【闇月・宵の宮】

 

 

     【紫月(しづき)・奪剣】 

 

 

横薙ぎの月輪が付随する斬撃と黒騎士が放つ紫の剣がぶつかり合う。

 

 

「お初ですわ、【黒死牟】様!!お会い出来て光栄ですわ!!最強の鬼!!最強の剣士!!我が作品の参考にさせて頂けるならば!!感謝の極み!!」

 

白騎士が駆ける。 

 

    色の呼吸・銀ノ型【銀光一閃】

 

霹靂一閃に似た【銀光】が居合いがごとき速度の剣戟が【黒死牟】へ放たれる。 

 

「………確かに早い。速いが私には効かない」

 

目玉だらけの異形の刀で受け止め相殺する。

 

六つの異形の眼光が真白を捉える。刻まれた数字は【上弦】【壱】

 

最強の【鬼】は悠然と驕らず刀を構える。  

 




挿絵追加。画力が欲しいです。
真白の外見参考程度に。
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