鬼喰の血刃   作:九咲

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原作逸れしまくってるのを気にせず突き進むしかないだなって……

【夢幻列車】編書き切ってからまとめて投稿しようかなと思ったけどかかりそうなので一話あげます


夢幻ノ壱拾弐【家族ノ絆】

錆兎と真菰。左近次が拾ってきた孤児達。

 

私の最愛。家族だと、思っている。

 

守るものという一方的な愛情だと思っていた。

 

彼等は強く私を助けてくれていた。

 

「飄々としている貴女がこんなにも弱っているとは珍しいな」

 

「男見せるチャンスじゃん錆兎」

 

「五月蝿いな。敵前だぞ」

 

「はーい。麟さん、大丈夫?」

 

二人は普段と変わらず構えている。

仏頂面の青年と不思議な愛嬌を持つ少女。娘や妹。息子や弟。それに類する愛しさがあった。

 

私の怯えは消えていた。私の咎は私が贖わなければならない。

「ふたりとも、なんで?」

 

「別の任務で近くにいた。…………内通者を探る任務ですよ麟さん」

 

「階級は甲。白銀川鞠衣。白銀川灰羅の孫。先々代の産屋敷宿哉様の奥方であったが…………鬼である可能性が上がったのです。その孫も剣士ですが不穏な動きをしているとお館様より承ったので」

 

「白銀川…………あまねさんの家系と一緒の神職の家系かぁ……妙に美味しそうに見えたのは鬼だからか。……錯覚されたのはあれかな……まぁいいや」

 

「…………麟さん?」

 

 

「ありがとう。二人とも…ありがとう【鴉天狗】」

 

「二人の意思だ。私は連れてきたにすぎぬよ。姫」

 

「…………私は嬉しいんだよ」      

 

 

   浸域展開【血怪百鬼統合・血纏装束】

 

 

血液の真紅の装束を纏う。領域を侵す【領域】を纏う【百鬼夜行】の装束を。

 

「…私は愛されていた」

 

 

私が思っていた以上に。華姉。ごめんなさい。

 

私はまだ死ねない。私が貴女を殺してしまったなら必ず私は私を殺すから。けど私が死んだら悲しんでくれる人が居るから今は許して下さい。

 

 

    【血纏装束・百眼全反射ノ柄】

 

装束に柄如き夥しい数の目が見開く。私は目を瞑る。夢に惑わされない。

百眼鬼の視線は真実のみを睨めつける。

 

 

「…………つまらないね。【強制悪夢ノ孕ノ眼】」

 

 

錆兎と真菰の偽者を作り出す。最愛を殺す夢を。

 

「性根の腐った鬼だ。俺らの偽者を作り出すなど」

 

「……だね」

 

 

 

 

     【全集中・深層】

 

より鋭く、より深く。集中する。

 

  血の呼吸・肆ノ型崩し【応報華・悪因】  

 

 

【神血】を鞘に納め居合いの型を取る。目を瞑り【百眼鬼】の視線と同調する。

 

 

【悪夢語り・現撃(うつつうち)

 

 

悪夢を弾丸のように撃ち出し現実化させ放ってくる。それは悪夢を詰め込み孕ませたもの。着弾と同時に現実化。

 

複数の鎌。鎌に切り刻まれる悪夢。

 

上に着弾した悪夢の弾丸は大量の落石を現実化させる。

 

 

「色をよこしな。血霞。」

 

 

 

     全反射の呼吸【血刃・応報華】

 

 

血の刃が全ての悪夢を斬り捨てる。

 

 

「ちぃ、こと戦闘能力は上弦相当。下弦の複製である僕では及ばない」

 

 

   血の呼吸・肆ノ型崩し【紅蓮華】

 

 

華が如き斬撃が【夢ノ色彩】の腕を吹き飛ばす。

 

 

 

「……ち、容赦ないことだね、君を揺さぶる事には失敗したらしい。仕方ないな。切り札を切ることにするよ。」

 

周りの人間(列車の一部)達が絶叫を上げる。列車も汽笛をあげ加速しようとしている。

 

    領域変生【暴走無限列車ノ(あざな)

 

歪んだ笑みを浮かべる。【夢ノ色彩】の体は列車と同化する。狂った笑みが響く。

 

 

「…………この夢を暴走させた。あははははは!際限ない悪夢が君たちを襲うよ!!とめてみなよ!!この夢ノ蠱毒をさ!!」

 

 

【やめてくれ】【やめてくれ!!】【やめてくれ!!!】

 

 

「…………。錆兎。真菰。」

 

自分の偽者を斬り捨てた二人に声を掛ける。

 

 

「…………なんです?」「なにかな」

 

 

「死んじゃやだよ」

 

「これでも【柱】です」「死なないよ。いつまでも子供扱いはやだな」

 

二人は日輪刀を構え直す。背中合わせに迎撃に構える。

 

 

領域展開【血怪百鬼夜行・犬神憑きノ陣】

 

 

遠吠え。血液の鬼狼達が足元よりいづる。そして犬神憑き共の長。人狼鬼【犬神】が現れる。

 

 

「……【犬神】様!」

 

「勝手に出るな。【百眼鬼】貴様は姫の眼だろう。職務を忘れるな。」

 

「……うぅ、……はい」

勝手に装束から出た陰鬱な女【百眼鬼】はしょげて装束へ戻る。

 

 

「優しくしてあげれば?」

 

「したら付けあがるから。姫、指示を」  

 

 

「……この人達はもう助からない。弔いを。せめて安らかに眠らせてあげよう」   

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

怒濤と言わざるを得ない。

 

炎柱・煉獄杏寿郎はただ一人。ただ一人で4両の乗客を鬼から守り迎撃する。

 

憤激、怒濤と攻撃を繰り返す。燃えつきることのない闘志で鬼を斬り捨てる。乗客をただ一人とも殺させない。

 

陽炎を残し常に移動を繰り返す。

 

 

煉獄杏寿郎はただの炎と化していた。ただ若者たちが鬼の頸を斬ると信じ己の責務を全うする。

 

外へ目を向ける。不可思議なことに併走するもう一つの列車。瞠目するであろうがあれには彼女の気配がある。なれば問題はあるまい。彼等同様信じ己は己の戦いに準ずる。

 

炎の呼吸・壱ノ型【不知火】!!

 

「よもや!!よもやだ!!」

 

彼女を信頼している自分に驚愕する。最初は不死川と同じ心境だった。ただ鬼と。

 

この心境いかにする。迷いなど自分らしくはない。

 

ただ心のままに心を燃やす。煉獄杏寿郎の生き様を貫くのみ。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

「一旦体勢を立て直す。いや【領域変生】を発現したからには僕はもう止まれない。」

 

領域は、暴走状態へと変生した。際限なく悪夢を汲み取り吐き出すだけの暴走列車。列車の一部に組み込まれた人間も時期に死ぬ。

 

まぁた集め直しか。まぁ人間は腐るほどいる。

 

 

ただ与えられた役割をこなせなければ死ぬ。【純白の呪い】異議なし意味なし存在する理由なしと堕とされる。

 

一度戦線から離脱はしたがやられるつもりはない。元々正面切っての戦闘には向いていない。ましてや標的は上弦相当の【柱】の鬼の剣士。そして【純白】の姉。

 

現状鑑みても美味しくはない。切り札の悪夢の少女は使えなかった。

 

やはり、あれを切るしかないか。

 

「状況芳しくはないようね【夢ノ色彩】」

 

「白銀川、鞠衣……」

 

日輪刀を携えた銀髪の女剣士。いまだ幼い風貌を残すものの怜悧な殺意を雰囲気に纏っていた。

 

【純白】の護衛にして懐刀の人間。

 

いつの間にかこの夢幻列車に来ていたのか。

 

「やぁ、順調……ではないね」

 

【夢ノ色彩】が相対したいや【下弦ノ壱】が知っている人間の中で誰よりも逸脱した人間。

 

鬼舞辻無惨の記憶の中の痣の剣士と同列。

その事実に警戒し不穏な空気を醸し出す。

 

▽▽▽▽▽

 

 

暴走状態の【夢幻列車】の車両を進む。無限列車と同じ8両編成の列車のはずがいつまでも先頭につかぬ歪な空間となっていた。

 

「麟さん。多分、一番後ろも同じになっているんじゃないか」

 

「多分ねー……やっぱり大元を絶たないとだめかー」

 

「姫、臭いも途切れている。というよりこの列車自体が奴の臭いしかしない」

 

「………………麟さん、前の車両で戦闘音」

 

「………………」

 

真菰の言葉に気を引き締める。

 

扉を蹴破る。目に入るのは複数の鬼に囲まれていた赤髪の鬼殺の剣士。

 

押されていた。窮地に陥っていた青年の剣士。

 

即座に抜刀。血の呼吸の肆ノ型の崩し(アレンジ)

 

 

    【早咲き紅蓮華】!!

 

 

最速の斬撃が咲き乱れ鬼共を切り飛ばす。縦横無尽に咲き乱れる血の刃。

 

「え、……なんだ」

驚愕する青年は目を見開く。

 

 

 

▽▽▽▽

 

【最愛に殺され続ける悪夢を見る少女】桐夜白梅は末期の死にかけだった。

 

夢幻列車の貨物室に乱暴に放置されていた。

 

赤髪は乱雑で体は痩せこけ死にかけの末期の結核患者だった。

 

呼吸は浅くヒューヒューと音を立てていた。

歩く事すら困難でこのような悪状況で命を繋ぎ止めていることは、奇跡だった。

 

 

【最愛に殺される悪夢】は確かに彼女にとって悪夢だった。けれど……最愛の兄にこの病の人生を絶って貰いたいのは願望だった。

 

意識は朦朧。眠れば殺され続ける悪夢。

 

助けて……兄ちゃん……。

    

 

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