鬼喰の血刃   作:九咲

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年号が!!年号が変わっいてるぅ!!(令和元年流行語大賞いけるで!!)

手鬼くん好きな鬼トップ10には入ります。


参の弐【最終選別の戦い・表】

「炭治郎、気を付けていってこい。無事を祈る。」

 

鱗滝さんの言葉に万感の思いを感じる。

 

そうだ。これからが本番なのだ。

 

「私が最終選別の試験会場まで案内しよう。手助けはしない。ゆめゆめ期待するなよ。」

 

俺の頭に止まる一回りでかい赤い三本の足がある鴉はイケボで言ってくる。

 

麟さんの【鎹鴉】らしい。

 

「行ってきます。」

 

鱗滝さんの見送りの元藤の花が狂い咲いているという【最終選別】の試験会場へ単身向かう。鴉がいるが。

 

 

 

【八咫烏】の案内の元藤の花が狂い咲いている山にやってきた。【八咫烏】曰く藤襲山(ふじかさねやま)というらしい。

 

 

「うわ、綺麗だなぁ」

 

狂い咲く藤の花を見上げ暢気な声で言ってしまう。

 

「……鬼は藤の花を嫌う。封というやつだ少年。私の役割は此処までだ。鴉を連れた奴など怪しまれるからな。健闘を祈る。姫の期待裏切るなよ。炭治郎。」

 

「姫?」

 

「麟のことよ。あれは我らにとって姫のようなものよ。我ら【百鬼夜行】のな」

 

そう言い残し赤い鴉は羽ばたく。

 

 

「【百鬼夜行】…」

 

気持ちを切り替え藤の花が咲く道を進む。

 

進んだ先に開けた場所があった。何人もの剣士候補がいた。

 

ピリピリしている。皆緊張しているのだろう。

 

黄色い少年。傷のある少年。ボーとしている髪を横に一つくくりにしている少女などがいた。

 

「皆様方、鬼殺隊最終選別に集まって下さりありがとうございます。」

 

2人の似た黒い少女と白い少女が前に立つ。

 

皆の視線が集中する。

 

 

「最終選別の試験会場となっています藤襲山は麓から中腹にかけて藤の花が年中狂い咲いていております。

山の中には鬼がおります。皆様方には7日間生き抜いていただきます」

 

7日間。基本的に鬼が活動する夜がメインとなるだろう。

 

生き残ってやる。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

駆ける。駆ける。駆ける。

 

足場の悪い山道を駆けるがトラップまみれだった狭霧山に比べればたいしたことの無い。

 

……麟さんの血液の怪物に追い回される山道に比べれば本当たいしたこと無い。思い出して泣きたくなる。

 

 

「獲物だ!!久方ぶりの獲物だ!!」

 

鬼。鬼だ。鬼が伸びきった草むらをかき分け出て来る。

 

飢えた鬼は此方を見てニタァァと笑う。

 

刀に手を掛け抜刀する。

 

やれる!!竈門炭治郎!!俺はやれる男だ!!

 

鬼は膂力に任せ飛び掛かってくる。

 

 

「てめぇ!!先に俺が目を付けたんだどっかいけ!!」

 

別の鬼が割り込んでくる。いきなり2体の鬼だ。やれるだろうか。

 

「さきにとったほうの獲物だ!!久方ぶりの人肉だ!!」

 

2人の鬼は襲い掛かってくる。

 

   水の呼吸・全集中【肆ノ型・打ち潮】

 

見えた2体の【隙の糸】を目指し潮の流れのような動きで切り捨てる。

2体の頸を飛び瓦解する。

 

斬れた。鬼に勝てた。強くなっている。鍛錬は無駄じゃなかった。ちゃんと身に付いている。

 

瓦解した鬼を見て手を合わせた後に感じた強烈な腐臭。

 

なんだ!!?この腐ったような臭いは!!?

 

 

「うわぁぁぁあ!!?なんでこんな大型の異形がいるんだよ!!?こんなの聞いていない!!」

 

悲鳴を含んだ声に振り返ると追われる人とそれを追う大型の異形がいた。

 

全身に幾重に腕を巻き付けた大型の異形。

 

おぞましい。あれも鬼なのか…!!?

 

 

「ギャァァ!!?」

追われていた人は足を捕まれた。幾重の腕は集合し融合する。その腕は伸びその人を捕まえる。

 

怯むな。助けろ助けろ助けろ。俺は無力じゃない!!動け!

 

   水の呼吸・弐ノ型【水車】

 

 

身体を縦に回転させ水車のように腕を切り捨てる。

 

 

   「また来たなぁ…俺の可愛い狐が」

 

ギロリと此方を見下ろす鬼の目。おぞましい。

 

 

  「狐小僧。今は明治何年だ?」

 

「?…今は大正だ」

 

 

  「なにぃ…?…年号が!!年号が変わっているぅ!!!!」

鬼は咆哮する。 

 

  「俺が閉じ込められている間にまた年号が変わってしまったぁ!」

 

  「アアアァ!!ゆるさん!!鱗滝!!鱗滝め!!鱗滝め.!!」

 

鱗滝さん!!?

 

「お前、鱗滝さんを知っているのか!!?」 

 

 

「知っているサァ!!此処に閉じ込めたのは奴だからな!!」

恨みの篭もった声で言ってくる。

 

「忘れもしない四十七年前!!奴が鬼狩りをしていた頃!!江戸の時代!!慶応の頃だった!!」

 

江戸!?鬼狩り!!?

 

 

「嘘だ!!此処には二、三人食った鬼しかいないはずだ!!長くいる鬼なんていないはずだ!!選別で斬られるのと鬼は共食いするから!!」

 

先程追われていた人は叫ぶ。

 

「だが、俺は生きている。この藤の花の牢獄で。五十人は食べたな。そして。狐小僧お前で13人目だ。」

 

「な、なにがだ。」

 

 

「俺が喰らった鱗滝の弟子だよ。奴の弟子は喰らってやると決めてあるんだ。」

愉快そうにクスクス笑う鬼。

 

「特に印象に残っているのは黒髪のガキだな。陰鬱そうなガキだった。素早く強かった。」

 

え?でも、俺は会っている。

 

「目印なんだよ。その狐の面がな。鱗滝が彫った面の木目は俺は覚えている。あいつが付けていた天狗の面と同じほりかた。厄除の面といったか。それを付けていたから俺に皆喰われた。鱗滝が殺したようなもんだ。」

更に愉快そうに哄笑を浮かべる。

 

「これを言ったら黒髪のガキはキレたな。だから八つ裂きにしてやった」

 

自分の中に煮えたぎる何かを感じる。

 

それは紛れもない怒りだった。

 

 

怒りに任せ伸びてきた腕を斬り捨てる。

 

 

 

『…炭治郎、呼吸が乱れている。俺のことは良い』

 

 

捕まえようとする鬼の腕を交わして駆ける。一度でも捕まれば終わる。

 

水の呼吸・全集中!!

 

怒りで視野狭窄に陥っていた俺は横殴りをされ吹き飛ぶ。

 

意識が暗転する。

 

 

    『兄ちゃん!!』

 

 

茂の声に目を覚ます。何秒意識が飛んでいた?

 

ありがとう茂。

痛む身体に鞭を打ち立ち上がる。向かってきた腕を斬り捨てる。

 

くそ、すぐに腕はまた向かってくる。

 

ん?土から変な匂いが…!!?

 

跳躍。高く跳躍する。

 

地面を破り腕が生えてくる。

 

異形の鬼は驚愕の表情をうかべる。

 

だが…空中では次撃は躱せない。再び伸びてきた腕に死の予感を感じる。

 

させるか!!

 

頭突き!!頭の固さは折り紙つきだ!!

 

弾く。

 

そして奴の腕へそのまま飛び乗り駆ける!!

 

「狐小僧!!死ね!!」

 

   水の呼吸・全集中!!

 

 

奴の隙の糸の匂いを感じる。幾重の腕に囲まれた僅かな隙に隠れる奴の頸。

 

   『行け、炭治郎。お前は誰よりも大きく堅い岩を斬った男だ。』

 

 

   【壱ノ型・水面斬り】!!

 

 

水平の横に腕ごと【異形の鬼】の頸を斬る。

 

「オノレ鱗滝ぃ…!!」

 

 

 

奴の頸は飛び地面に鞠のように跳ねる。

 

巨大な腕に囲まれた身体は瓦解する。

 

 

「オノレ!!オノレ!!オノレぇええ!!」

 

頸だけの鬼は咆哮する。

 

「……ぁ………」

 

瓦解する寸前の鬼からは何故か【悲しい】匂いがした。

 

 

差し伸びた鬼の手は何故か握って欲しいような懇願を感じた。

 

握る。

 

「神様この人がまた生まれた時は鬼になりませんように」

 

勝ったよ。義勇。…他の皆も安心していいよ。鱗滝さんがいる狭霧山にかえるんだ。

 

『ありがとう。炭治郎。……錆兎と真菰。……そしてあの人を頼む。………………ああ見えて…………寂しがり屋だから。』

不器用な黒髪の少年の幻影。小さく笑ったあと踵を返し歩き始め消えた。

 

 

そして7日の夜を超える。

 

俺はようやく始まりの位置に立てるのだ。




大正こそこそ没ネタ。

今作所々生き残り逆転などの設定改変予定してますがギリギリまで剣士禰豆子と鬼炭治郎をやろうと悩み調べたら割とあるネタだったため断念。最初の構想通りそこは原作通りにしました。
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