戦姫絶唱シンフォギア555   作:ナイトメア・ゼロ

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6話 不穏な影

パーティーの食事を楽しみながらキャロルは、現在行われている戦闘を見ていた。響の周りの料理は響の猫舌に合わせているのか冷めている状態で出されていた。だが響は、それに手をつけようとせずキャロルを睨みつけた。

 

「キャロル・・・・・テメェ・・・・・」

 

響はウルフオルフェノクに変身しようとしていた。

 

「どうした?食べないのか?」

 

キャロルはワインを一口飲みながらそう言った。

 

「世界を壊すって言ってたけど何を考えてやがる」

 

「俺の仲間になるなら教えてやってもいいぞ?」

 

「断る」

 

響はそう言うとキャロルはステーキを切り分けて食べ口をふくと立ち上がり響の前にある書類を渡した。

 

「俺が帰るまでにこれを読んでおくんだな」

 

キャロルはそう言ってその場を去った。響はフォークを握るように持ちローストビーフに突き刺し引きちぎるように食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デルタイチイバルに変身したクリスと強化され修復された天羽々斬を纏う翼、そしてオルフェノクに変身したエルフナインの護衛であり親友の渚は構えた。シーマと呼ばれる女性もめんどくさそうにため息を吐くと。

 

「もういいぞシーマ」

 

という声が聞こえた。するとシーマの後ろから陣が出現するとそこにキャロルが現れた。

 

『キャロルはん!!』

 

「久しぶりだな渚。エルフナインは元気か?」

 

キャロルは渚を見てそう言った。

 

「あいつが黒幕か!?」

 

翼がそう言うと。

 

「キャロル様」

 

無口だったシーマが始めて言葉を出しそして人間に戻りキャロルの前に跪いた。

 

「ご苦労だったなシーマ。香織達も撤退させた。お前も引き上げろ。後は俺がやっておく」

 

「何を仰いますかキャロル様。あなたは後ろで我々に指示を「たまには俺だって体を動かしたいんだ。それに立花 響を仲間に入れ込むためにもな」・・・・・御意」

 

シーマはそう言うと小瓶を地面に投げるとその場から撤退した。

 

『切歌はん。調はんを連れて逃げ」

 

渚がそう言うと切歌はコクリと頷き気を失った調を背負って逃げた。翼は刀を構えクリスは握り拳を作りそして渚は背丈に似合わない大剣を出現させた。

 

「おいおい、そんなナリで戦う気かぁ?」

 

クリスが煽るように言った時だった。一瞬平静を保ったキャロルは次の瞬間笑みを浮かべた。

 

「なるほど、ナリを理由にされてはたまったものではないな」

 

キャロルはそう言うと手元に陣が展開された。光が収まるとそこには大きなハープが握られていた。3人は本能的に警戒した。するとキャロルは凶悪な笑みを浮かべた。キャロルはハープを軽く鳴らしたその時だった。ハープから無数の弦が解き放たれキャロルに絡みつきそしてキャロルの体を成長させた。そしてそこに現れたのは、ワインレッドの装束に身を包んだキャロルだった。

 

「これだけあれば、不足はなかろう?」

 

成熟した女性に様変わりしたキャロルの体。キャロルは挑発するように胸に触れた。それを見た渚は冷や汗をかいていた。

 

「まずい。これはマズイで」

 

渚が危険を察知していた。そしてそれはクリスもだった。しかしそれはキャロルにではなく身内にだった。クリスはゆっくりと翼の方を見ると予想通り翼の目からハイライトが消えておりそして血の涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダウルダブラのファウストローブ!!」

 

S.O.N.G.指令室では、キャロルが纏ったシンフォギアのような装備にエルフナインが呆然と呟く。

 

「ファウストローブ?」

 

藤尭がそう聞くと

 

「錬金術版のシンフォギアです!聖遺物に歌以外のエネルギーでアプローチし出来たシンフォギアです!!」

 

と、キャロルが解説した。それを見た未来はファイズギアを持つと指令室から出ようとした。

 

「待つんだ未来君!」

 

「離してください弦十郎さん!あの女が響を!!」

 

未来が勝手に出動しようとするが弦十郎はそれを止めた。敵がどれほどのものか分からない以上下手な戦力投下はマズイと司令官として判断していたが一番は未来の安全だった。未来もなんとか弦十郎の手を振りほどこうと暴れた。しかし。

 

「落ち着いてください未来さん」

 

セレナがそう言った。

 

「あいつを取り戻したいって気持ちは分かりますが戦闘経験がほとんどない未来さんが行っても邪魔になるだけです!!相手がザコだけならともかくあれは今回の黒幕、未来さんには辛いかもしれませんけどあの女を助けるとしたら未来さんはここでおとなしくするべきです!」

 

セレナは未来にそう言うとエルフナインは心配そうに渚を映像で見ていた。

 

「どうしたのエルフナイン?」

 

マリアがそう聞くとエルフナインは答えた。

 

「・・・・・渚が心配なんです。渚は僕の護衛オルフェノクなのですが彼女はすごく弱いんです」

 

「弱い?」

 

「はい。オルフェノクとしての力でなんとか戦えますけど彼女自身は戦闘センスも運もないから・・・・・・キャロルのなかでは一番弱いオルフェノクなんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全世界の貧乳代表として切り刻んでくれるぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

翼はブチ切れ大人になったグラマーなキャロルに蒼ノ一閃を放った。しかしキャロルは簡単に避けま。

 

「やっぱり先輩がキレやがった!」

 

『ハァ!?なんでや!?なんで翼はんがキレとんねん!!』

 

「相手の胸が小さかったからなぁ。突然でかくなって色んな意味でキレたんだろ?」

 

『なんでやねん!!』

 

渚がそうつっこむとキャロルの弦と翼の刀がぶつかり火花を散らした。キャロルは後ろに下がり指を鳴らしハープを鳴らすと二つの魔法陣が出現し暴風と火炎を放った。

 

「ハアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!!」

 

しかし翼はその火炎を物理的にぶった切った。それを見た渚は。

 

『スッゲェ!!』

 

渚が驚いてそう言うと。

 

「バカよけろ!!」

 

クリスが蹴り飛ばし右に飛ぶと2人の間に防風が通った。クリスはデルタムーバーをとった。

 

「FIRE」

 

『Burst mode』

 

クリスはキャロルに向かってエネルギー弾を連射した。しかしキャロルの右手に弦が巻きつくとそれを楯ように構えてクリスのエネルギー弾をガードした。翼は蒼ノ一閃を放つがキャロルはそれをいなし逆にカウンターのように弦で翼を切り裂こうとした。しかし翼は地面に伏せることによりキャロルの攻撃を回避した。そしてさらに上から渚が大剣を振り下ろした。キャロルは、それをガードすると腹に蹴りを入れられ吹っ飛ばされた。

 

「やるか、イグナイトモジュール・・・・?」

 

翼はそう言うとクリスは驚愕の顔をした。

 

「本気で言ってるのかよ先輩!まだテストもしてねぇだろ!?」

 

強化にあたって、シンフォギアに新たに付け加えられた力。運用を一歩間違えれば、自身も滅ぼしてしまう。諸刃の『剣』。それを翼は使おうとしていた。まだテストもしていないのに。

 

「お試しなしのぶっつけ本番はいつものことだろ?」

 

翼がそう言うとクリスはため息をついた。そして。

 

「渚!!出来るだけ時間稼いでろ!!」

 

『了解や!!』

 

大剣と変則自在の弦は激しく打ち合い火花を散らしている間も渚は弱いなりに戦っていた。だがそれでも。

 

「ハァッ!!」

 

『ウアアアアアアァァァァァァ!!!!』

 

渚ごときの力ではキャロルを足止めすることすら難しかった。しかし翼のイグナイトモジュール起動までは十分だった。

 

「イグナイトモジュール!」

 

「抜剣!!」

 

『Dainsleif!!』

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の暗転。翼が意識を取り戻すと、戦場だったはずの立ち位置が様変わりしていた。一見何も見えないように思えるが、薄暗い中に見える輪郭から、ここがライブ会場であることを察する。すると、スポットライトが翼を照らした。急に明るくなった視界。眼球に痛みを覚えた翼は、思わず顔を庇った。光に怯んでいる間に、会場全体の照明が点灯する。

 

「!?」

 

見えるようになった観客席を見て、絶句する。所狭しと並び、彩を加えている観客は。

 

「ノイズ!」

 

まさしく人っ子一人いない状況。呆然と見渡した翼。見開かれた目は、みるみる悲痛に歪んで。あふれた動揺が、膝をつかせた。

 

世界で歌ってみたいという夢を、叶えられたと思っていた。その矢先の、今回の事件。剣という使命に誇りがあるのは、偽りのない事実。それでも、自分の歌を聞いてくるのは敵だけというのは、とても堪えた。

 

照明が完全に落ちて、新たに点く。そこにいたのは、父と、幼い日の自分。

 

「お前が娘であるものか、どこまでも穢れた風鳴の道具に過ぎん」

 

幼心に深く刻まれた言葉トラウマ。冷たい言葉が信じられなくて、どうしても撤回してほしくて。だから、無我夢中で剣として鍛錬を重ねてきた。でも、その果ては。

 

「奏?」

 

また新たなスポットライト。照らし出されたのは、もはや懐かしい姿形。振り向いた奏は、翼に気づくと。ふっと笑みを向けてくれた。

 

「奏!!」

 

すがるように駆け寄り、抱きしめる。瞬間、奏はぶつ切りとなって崩れ去る。

 

「・・・・・・剣の身では、誰も抱きしめられない」

 

それどころか。足元に転がる、大切な人のように。わなわな震える指を握りしめ、喉から慟哭を絞り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃現実ではクリスと渚がキャロルを迎撃していた。渚は大剣を振り回して攻撃するがキャロルは簡単に避けて吹っ飛ばされ気を失い人間に戻った。クリスはキャロルのパンチに合わせて下に避けるとキャロルの腕を掴み後ろに投げた。キャロルは地面を転がるとクリスは追撃するようにキャロルを踏みつけようとした。

 

しかしキャロルは転がって避けるとクリスの胸にめがけて蹴りを入れた。

 

「グッ!」

 

クリスは後ろに下がるがそれと同時にデルタムーバーを取り出した。

 

「party」

 

『Burning mode」

 

クリスは腰から大量のフォトンブラッドを纏ったミサイルをばらまいた。しかしキャロルは風の魔法陣を描くと暴風でミサイルをガードした。

 

「くそっ!!」

 

クリスは後ろをこっそりと見た。後ろでは黒いオーラと黒い天羽々斬を纏った翼が苦しそうにしていたからだ。本来ならクリスも同じことをしていたがクリスには出来なかった。

その理由は、二つ。一つは自分のシンフォギアが自身と融合している為システムを入れることができなかった。二つ目はデルタの力が魔剣・ダインスレイフ受け入れずに灰にしてしまったからだ。この実験はファイズやカイザにましたが結果は同じだった。ライダーシステムにはイグナイトは不可能だったのだ。

 

「よそ見している場合か?」

 

「ヤベッ!!」

 

キャロルは弦で作ったドリルで殴り飛ばした。

 

「ガッ!!!」

 

クリスは吹っ飛ばされ地面を転がると翼の近くで起き上がった。クリスは構えた時だった。手を握られたのだ。

 

「すまんな、雪音」

 

クリスは後ろを見ると苦しそうにしながらも笑う翼がクリスの手を握っていた。

 

「先輩!!」

 

「こうでもしないと、自分を保っていられない・・・・!!」

 

翼はそう言ってさらに強く手を握った。するとシステムが不発と判断したのか強制終了された。体力と気力を一気にそぎ落とされ、翼は雪崩れ込むように倒れ伏す。イグナイトの初運用は失敗。だが、暴走という最悪な結果だけは免れた。

 

「先輩!!」

 

気を失った翼をクリスが抱きかかえるとその様を見ていたキャロルは、なぜか面白くなさそうに鼻を鳴らす。

 

「まぁいい」

 

キャロルがそう言うと火炎の魔法陣を展開した

 

「聞くがいい!死にゆく者たちの悲鳴を!!」

 

キャロルはそう言ってクリス達を焼きはらおうとした。クリスは翼を守るように両手を広げ翼の盾になった。

 

その時だった。

 

「ディヤァァァァ!!!!!」

 

火炎は突然切り裂かれた。そこにいたのはカイザアガートラームに変身したセレナがいた。

 

「セレナ!」

 

「呆けてる場合か!?」

 

セレナはクリスに向かってそう言うとカイザブレイガンを逆手に持ちキャロルに斬りかかった。セレナは横切りをするとキャロルは頭を下げて避けた。しかしセレナは流れるように二回三回四回と連続で斬りかかる。キャロルも3回めまでは避けれたが4回めではさすがに避けきれず弦をドリルにしてガードすると横からクリスが飛び膝蹴りを横っ面に入れた。

 

「グアッ!!」

 

キャロルは地面を転がるとクリスはそれと同時にミッションメモリーを抜いてデルタムーバーにセットした。

 

「Check」

 

『Exceed charge』

 

セレナもカイザフォンを開いてEnterボタンを押した。

 

『Exceed charge』

 

セレナは後ろの部分を引っ張るとそこから拘束弾を発射しクリスもポインターを撃ってキャロルを二重に拘束した。

 

「こ、これは!」

 

セレナは前傾姿勢になり構えそしてクリスは大きくジャンプをした。そしてセレナはその場から姿を消しクリスはポインターの中に入り込んだ。

 

 

「グ、グアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!』

 

そしてキャロルの後ろにはセレナとクリスが現れた。

 

「やったか!?」

 

クリスはそう言ってキャロルの方を見た。するとキャロルの体には赤い炎と青い炎が出ていた。

 

「う、うぐぐぐぐぐぐぐっ!!」

 

キャロルは、苦しそうにうめき声をあげていた。セレナのカイザスラッシュとクリスのルシファーズハンマーを受けてもなお耐えていた。

 

「何だ?お前らも意外と強いんだな。こんなことなら立花 響だけでなくお前らも仲間に引き込めばよかったかぁ?」

 

キャロルは笑みを浮かべながらそう言うと。

 

「まぁいい。立花 響は、俺の仲間にはならないだろう。たが立花 響は確実にお前らから離れる。もう二度とお前達と一緒に戦わない。お前達の戦力を削れただけでも良しとするか」

 

キャロルがそう言うとデルタとカイザのマークが出現しそしてキャロルの肉体は灰となった。キャロルのいた場所には灰の山ができそれを見ていたクリスとセレナはゆっくりと変身を解除した。

 

「やったのか?」

 

クリスはそう言うと。

 

「・・・・・・たぶん」

 

と、セレナが言った。クリスは気を失っている翼の方に行くと翼をお姫様抱っこし帰投しようとした。しかしセレナは帰投しようとせずジッとキャロルの灰を見ていた。

 

「ん?どうしたバカ女?」

 

「誰がバカ女だ。ちょっと引っかかっただけだ脳筋女」

 

セレナがそう言うとクリスに続いて帰投した。この時もセレナは頭に妙な引っかかりを覚えていた。それは、

 

「まぁいい。立花 響は、俺の仲間にはならないだろう。たが立花 響は確実にお前らから離れる。もう二度とお前達と一緒に戦わない。お前達の戦力を削れただけでも良しとするか」

 

だった。

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