戦姫絶唱シンフォギア555   作:ナイトメア・ゼロ

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9話 闇を乗り越えて

マリアが治療室で治療を受けている間エルフナインのラボでは弦十郎達が集まっていた。集まっている理由はただ一つ。真の切り札を見るためだった。エルフナインの隣には渚がおり渚の手には布で巻かれた大きな物があった。

 

「それが真の切り札ってやつなのか?エルフナイン君」

 

「はい。・・・・ですがこれはある意味賭けのようなものなので切り札とはあまり言えません。しかしもしこれを上手く使えるのならもしかしたらキャロルの最強オルフェノク立花 香織さんにも勝てるかもしれませんしキャロルを止める可能性も大きくなります」

 

エルフナインがそう言うと。

 

「じゃぁ、何で今まで隠してたんだよ?それさえあればあのバカ女も攫われずにすんだしこの戦いを早く終わらせれるんじゃないか?」

 

クリスはジト目でエルフナインを睨んだ。エルフナインは「ウッ」と言って縮こまりそれを庇うように渚が前に出た。

 

「ちゃんと訳あるんや。ウチじゃぁ分からへんからエルフナインはんの説明耳かっぽじってよう聞いときや」

 

渚がそう言うとエルナインは渚の後ろに隠れたまま説明を始めた。

 

「まずこれを見てください」

 

エルフナインは渚から物を受け取り布を解くとそこには妙な形をした物が現れた。

 

「何だこれは?」

 

翼はそう聞くとエルフナインが答えた。

 

「これはキャロルが作った失敗作品なので正式名称はまだ決まってませんが僕はこれを『ブラスター』と読んでいます」

 

「ブラスター?直訳すると熱線銃とか・・・そう言う意味だったと思うがそれは武器なのか?」

 

「少し違います。これは武器でもありパワーアップシステムでもあります」

 

「パワーアップシステム?」

 

「そうです未来さん。このシステムはフォトンブラッドを最大限まで高めオルフェノクを殲滅する力です」

 

エルフナインはそう簡単に説明すると。

 

「でもよ、それ今までどこに隠してたんだ?そんなデカイの持ってた形跡なんて無かっただろ?」

 

クリスが疑問に思いそう聞くと。

 

「ちゃんとこの中に隠していました」

 

エルフナインはそう言って渚の体をポンポンと軽く叩いた。それを見たマリア達は顔を少し青くした。

 

「ちょ、ちょっと待ってエルフナインさん。えっ?まさか今までずっと渚さんの体の中に隠していたんですか?」

 

セレナは少し引いた顔をしてそう言うと。

 

「・・・・・・オルフェノクになったとはいえ大切なモノをいくつかなくしてもうたから死ぬかと思うたで」

 

渚がそう言うと弦十郎以外全員が引いた。

 

「・・・・・・冗談やで?」

 

「冗談かよ!?」

 

渚が言ったことにクリスがツッコムと渚は「半分な」と言った。もう誰も聞く気がないのでスルーするとエルフナインは再び説明を始めた。

 

「僕はこのブラスターの開発に関わっていないのでちゃんとは分かりませんがキャロルの話によるとフォトンブラッドの出力を上げすぎてそこら辺にいるオルフェノクでは暴走するかもしれないと言っていました。その為本来ライオトルーパーのために作ったシステムも使えずじまいでお蔵入りしていました」

 

「それをエルフナイン達が持ってきた」

 

「そや調はん」

 

「けど基本性能どころか失敗作品だから何が起こるか分かんねぇから簡単にあたし達に任せられなかったと」

 

「はいすみません」

 

エルフナインは弦十郎達に頭を下げ渚もエルフナインと同じように下げた。

 

「・・・・でもなんで未来さんなんデスか?強そうなオルフェノクならクリスの姉御もセレナも十分だと思う思うデスよ?」

 

切歌がそう聞くと。

 

「それは・・・・・」

 

エルフナインは言いづらそうに目を背けた。

 

「・・・・そういうことか」

 

弦十郎はエルフナインが言いたいことを悟った。

 

「そういうことならその切り札の使用も検討することはできない」

 

「やっぱりですか」

 

弦十郎とエルフナインがそう話が進んでいる間未来達は首を傾げた。話しがついていけなかったからだ。

 

「風鳴司令。どういうことですか?」

 

マリアがそう聞いたその時だった。

 

ブウウウウウウン!!!ブウウウウウウン!!!

 

大きな警報が鳴った。

 

「ライオトルーパーか!?」

 

弦十郎がそう言うとエルフナインも含めて全員が司令室に向かった。

 

 

 

 

 

 

「現状はどうなっている!?」

 

弦十郎は藤尭とあおいにそうきくと藤尭が答えた。

 

「V3ポイントにアントオルフェノクの大軍をキャッチ!!その数、約1000!!」

 

「何だと!?」

 

「ゼルゲット。もしかしてFISの子たちじゃ飽き足らず他の子供達にまで」

 

マリアがそう言って司令室に入ってきた。

 

「「マリア!!」」

 

「マリア君!!何をやっているんだ!!君はまだ寝ていないと!!」

 

弦十郎がそう言うとマリアが走り出した。

 

「待つんだマリア君!!」

 

弦十郎の制止を無視して飛び出したマリア。

 

「司令。私達もすぐに現場に「その必要はねぇよ先輩」雪音・・・」

 

「こう言うのはあたしの仕事だ」

 

クリスはそう言ってデルタギアを装着していた。

 

「ババァ1人じゃ心配だからウチも行くけどな」

 

そう言ってセレナもカイザギアを装着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリアはアガートラームを纏い一足先に現場に着くと灰となる犠牲者が目に入った。避難誘導は行われているがノイズに変わる未知なる危機に人々は怯えて逃げていた。

 

マリアは剣をムチのようにしならせた変則攻撃でアントオルフェノクを斬り灰にしていった。すると。

 

「また会ったねマリアさん」

 

そう言って現れたのはゼルゲットだった。

 

「ゼルゲット!!」

 

マリアはゼルゲットを睨み付けるとゼルゲットは指を鳴らしアントオルフェノクをマリアから離した。

 

「さぁて。私のお人形になってもらうよマリアさぁん」

 

そう言ってゼルゲットはキャンサーオルフェノクに変身した。そしてそれと同時にサイドバッシャーに乗ったクリスとセレナが現れた。

 

『913 enter』

 

『Stading by』

 

「へ〜ん身!!」

 

「変身!!

 

『Stading by』

 

『Complete』

 

『Complete』

 

クリスはデルタイチイバル、セレナはカイザアガートラーム変身すると2人はゼルゲットに体当たりをして動きを止めた。

 

「マリア姉さん!!マリア姉さんは周りにいるザコをお願いします!!」

 

「こいつはあたし達が何とする!」

 

クリスはそう言って肩を掴み腹パンをするがキャンサーオルフェノクの硬い甲羅のせいでダメージが入らなかった。マリアはそれを見て襲ってくるアントオルフェノクを倒しているが悔しそうな顔をした。大切な妹を家族を守りたいのに自分は未だに守られている。

 

「くっ」

 

マリアは胸のペンダントに手をかけると。

 

「イグナイトモジュール!!抜剣!!」

 

それを聞いたセレナは振り向くとセレナは驚愕した。

 

「何やってるんですか!!やめてマリア姉さん!!」

 

『Dainsleif』

 

それと同時にまたマリアの意識は飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また同じ夢同じトラウマ。私がセレナを化け物にオルフェノクに変えた瞬間の夢だった。それを見た私はもうダメだった。無理よマム。無理よセレナ。私じゃぁ誰も守れない。先生みたいに強くなれない。そう言ってる時だった。突然私の右頬に痛みを感じそして気づくと私の前にセレナがいた。私の前にいるセレナはカイザアガートラームから変身解除されており切り傷や腫れなどが出来ていた。

 

「セレナ」

 

「マリア姉さん!!自分の闇なんかに負けるんじゃねぇよ!!」

 

セレナはそう言って私の胸ぐらを掴んだ。

 

「ウチはオルフェノクになったことを後悔なんかしてない!!ウチはあの時本当は死んでたけどマリア姉さんと先生が助けてくれた!豆腐メンタルだけど強くて優しいマリア姉さんにウチは憧れて・・・そしてマリア姉さんみたいに強くなりたいってずっと思ってた!!だからもうこれ以上ウチの中でのマリア姉さんを壊さないで!!トラウマなんかねじ伏せてしまえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

セレナは私にそう言った。すると。

 

ズガァァァン!!!

 

「グアッ!!」

 

クリスが私の前に転がってきた。そしてデルタギアが外れると変身が強制解除された。

 

「・・・・私は守れるの?」

 

「守れるに決まってるでしょ!!ていうかウチらは皆マリア姉さんに守られてそして助けられている!!だから守れないなんて思わないでマリア姉さん!!」

 

セレナがそう言った時私は気づいた。何を勘違いしていたんだろうと。私はセレナ達をちゃんと守れていた。切歌も調も守れていた。そして私はセレナ達の期待に応えられなかったのは心のどこかで無理だと思っていたからこんな幻覚(トラウマ)見ていただけだった。

 

「・・・・・私は弱くていい。この弱さが私の強さ。・・・・・なら弱いまま私はセレナ達の期待に応えてみせる!!私は弱いまま強くなってみせる!!だからいい加減に私の言うことをききなさい。魔剣・ダインスレイフ!!!!」

 

マリアがそう言ったその時だった。黒いオーラがマリアを包むとマリアのアガートラームが形を変え黒一色に変化し胸の前には蝶の羽のような美しいシンボルが現れた。マリアは闇(トラウマ)をねじ伏せ暴走を支配したのだ。

 

『魔剣・ダインスレイフですか?まぁそれでも私には勝てませんけどねぇ!!』

 

ゼルゲットはそう言って右手の大きなハサミを前に出した。マリアは剣を逆手に持つとすごいスピードでゼルゲットの懐に入った。

 

『なに!?』

 

これにはゼルゲットも驚き対応が遅れた。マリアは高速でゼルゲットの胸を何度も何度も斬りつけた。硬い甲羅に剣をぶつけているため火花が散る。そんな中ゼルゲットは余裕そうな声を出した。

 

『何度やっても無駄ですよマリアさぁん!なんてたって私の防御力は大砲でも傷一つつけられないほどなんですから!!無駄なことを繰り返しても意味ありませんよ!!』

 

ゼルゲットはそう言って大きなハサミを振り上げた。マリアはずっとゼルゲットの胸を高速で斬りつけ続けていた。その時だった。

 

バキィィィン!!

 

遂に壊れたのだ。ゼルゲットの硬い甲羅が。

 

『な、なニィィィィィィィィィィィ!!!!!!!』

 

ゼルゲットはこれに驚き後ろに下がり胸を押さえた。

 

『バカな!!なんでだ!!なんでなんだ!!なんで私の甲羅が!!』

 

ゼルゲットはそう言うと。

 

「あなた知らないの?」

 

マリアは挑発的な笑みを浮かべながら答えた。

 

「確かに私の弱い攻撃じゃぁあなたに傷一つつけることなんてできないわ。だけどね。どんな弱い攻撃でも必ずダメージは残る。私はあなたの胸の同じところを振り子のように集中的にずっと斬っていたのよ」

 

マリアはそう説明すると。

 

『嘘だ・・・・・そんなのありえない。他のオルフェノクならともかくこの私が』

 

「残念だけど嘘じゃないわ。これが現実よ」

 

マリアはそう言うと割れた胸に剣先を向けた。

 

『や、やめて!!い、嫌だ!!死にたくない!!私はまだお人形が完成していない!!』

 

「あの子達も同じ事をあなたに言ったはずよ。覚えておきなさい。私は風鳴司令と一緒にスマートブレイン残党を潰す。これ以上あの子達みたいな子を増やさせない。だから・・・地獄で悔やみなさい!!」

 

『嫌だ嫌だあああああああああああああああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!』

 

ドシュッ!!

 

魔剣・ダインスレイフの力で刺されたゼルゲットは人間に戻った。

 

「ごハッ!!」

 

ゼルゲットは口から血を吐くと後ろによろめながら自分の両手を見るとサラサラと灰が落ち始めていた。

 

「あ、ああ、い、嫌だ。まだ死にたくない。この手でまだお人形を作りたい。嫌だ死にたくない。死にたくない!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

 

ゼルゲットは悲鳴をあげると体が崩れ落ちそして灰の山となった。

 

「マリア姉さん」

 

「セレナ。ごめんね。色々心配かけちゃって」

 

マリアがそう言うとセレナは無言でマリアに抱きついた。クリスがいるからプライドで見せたくないのか涙を我慢するように震えていた。それを見たクリスは呆れてやれやれと言ったように目を瞑りデルタギアとカイザギアを取りに行こうとしたその時だった。

 

ズガガガガァァァァン!!!!

 

「どわっ!!なんだ!?」

 

何者かの攻撃を受けた。

 

「!!」

 

「なに!?」

 

3人が警戒するとそこには。

 

「もーらい」

 

「ゼルゲット先輩死んじゃいましたね」

 

香織とセシルがデルタギアとカイザギアを回収していた。

 

「テメェらあたしのデルタギア返しやがれ!!」

 

「ウチのカイザギアが!!」

 

「それじゃぁねぇ」

 

香織がそう言うとセシルが小瓶を割りテレポートした。

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