戦姫絶唱シンフォギア555   作:ナイトメア・ゼロ

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9話 立花家の墓

クリス達が二体のオルフェノクを撃退後弦十郎にラッキークローバーのメンバーと出会ったことを報告した後クリス達はそのまま家に帰った。そして次の日の昼並行世界から来た響、クリス、マリアとこちらの世界の響、クリス、セレナ、マリア、未来と一緒にレストランで昼食を食べていた。

 

並行世界の響はカレーライス、クリスはナポリタン、マリアはクリームスパゲティを食べておりこちらの世界の響は猫舌のためか並行世界の響と違いサンドイッチを食べており、クリスはステーキ、セレナはイクラ丼、マリアはシーフードドリア、未来はチーズハンバーグを食べていた。

 

未来は並行世界の響とちゃんと顔を合わせたのは今回が初めてで並行世界の響に興味津々だった。

 

「本当にこっちの響は昔の響みたい」

 

響2「私も昔は私みたいだったの未来?」

 

響がそう聞くと。

 

「・・・・・・・・うん。今の響の性格は私のせいなんだ。だから並行世界の響を見たらすっごく懐かしくて嬉しく感じてるの」

 

未来がそういう時響は照れているのか少し顔を赤くして嬉しそうな顔で頭をかいた。そしてそれを見た響は面白くないのかムスッとした顔でサンドイッチを食べている。それに気づいた並行世界の響と未来は。

 

「もうヤキモチ妬かないの響。私が愛してるのはこの世界の響だけだから」

 

響2「そうだよ私。私は未来を絶対に奪らないから安心して」

 

そう言って未来は響の腰に並行世界の響が響の肩に抱きついた。

 

響1「ちょっ!何すんだよ!!離れろ!!」

 

響はそう言って並行世界の響には抵抗するが未来には抵抗する気配がなかった。

 

マリア2「それなしてもあの子達もこないのが残念ね」

 

並行世界のマリアが言ったのは、翼と切歌、調、エルフナインのことだ。

 

マリア1「仕方ないわよ。翼と切歌と調は対オルフェノクの訓練。エルフナインは響の切り札の最終調整で忙しいのよ」

 

マリアはそう言ってシーフードドリアを口に入れた。因みに並行世界のマリアは少しでもカモフラージュするためにダテメガネを。こちらの世界のマリアはサングラスをしていた。

 

クリスの方は並行世界もこちらの世界も関係なかった。とにかく食い方が汚かった。それを見たセレナはこちらの世界のクリスに言った。

 

「おいゴラクリス。いい加減にその汚い食い方やめろ。こっちの飯も不味くなるだろ」

 

セレナはクリスを睨みつけた。

 

クリス1「アァ?どう食おうがあたしの自由だろ?それにあたしのを見てまずく感じるなら見なきゃいいだけの話だろ?」

 

クリスはそう言って見下した目で言った。それを見た並行世界のクリスは。

 

クリス2(だいたい分かってたけど世界が違うだけでここまで違うんだな。いくらあたしでもここまで酷くないぞ)

 

食べ散らかしている肉の脂やソースを見てそう思った。クリスがメロンジュースを飲むためにフォークを置いた瞬間だった。セレナはクリスのフォークを奪い取りそれをクリスの手に刺した。

 

ドシュッ!!

 

「・・・・・・・・・・・がっ!!!」

 

それを見た並行世界の響とクリス、マリアは驚愕した。そしてそれを見たマリアはまたかと言った顔で頭に手を置き逆に並行世界のマリアとクリスは目を見開いており響と未来は我関せずで並行世界の響をこちらに向かせてお喋りを開催しようとした。

 

「ウチは何度も言ってるだろ?その食い方をやめろってよ!!!」

 

セレナは完全に裏セレナになっておりクリスの髪を掴むと何度もテーブルに叩きつけた。そして何事かと言ったように周りの客がクリスとセレナを見始めた。

 

クリス2「ちょっ!おい2人ともやめろって!!」

 

並行世界のクリスは常識があるのか喧嘩を止めようとした。だが。

 

クリス1「・・・・・・・おい!?」

 

クリスはセレナの腕を掴むと仕返しなのかセレナの腕にフォークを突き刺した。

 

グシュッ!!

 

「ぎゃっ!!」

 

セレナは痛みのせいでクリスの髪から手を離すと今度はクリスがセレナの首を掴んだ。

 

クリス1「何しやがるクソガキ。殺してやろうかゴラァァ!!!」

 

「やってみろやクソババァ!!!」

 

そう言ってセレナもキレた。

 

響2「ちょっ!!私!!未来!!止めなくていいの!?」

 

並行世界の響はそう言ってセレナとクリスを指さした。

 

「うーん。2人があーなったらもう止まらないよ」

 

未来はそう言うと響はため息をついた。

 

響1「しばらくこの店出禁になるな」

 

響がそう言うとマリアも「そうね」と言ってため息をついた。

 

マリア2「ちょっと!!止めなくていいの!?」

 

並行世界のマリアがそう言った時だった。2人が殴り合いを始めようとした時だった。

 

1人の柄の悪い男がセレナにぶつかった。

 

「グアアアァァァァァァァァァァァ!!!!イッテェェェェヨ!!!」

 

1人の男がそう言って腕を抑えるとその取り巻きなのか男が近づいた。

 

「兄貴!!うわぁ!!こいつはひでぇ!!腕が折れてやがる!!おい保護者!!どうしてくれるんだ!!慰謝料として100万、治療費で200万、合わせて300万払えや!!」

 

男がそう言った瞬間だった。マリアはご愁傷様と思い手を合わせた時と同時にセレナが男の顎を砕いた。

 

「グベアッ!!」

 

それを見たアニキと呼ばれた男は目が点になった。男は口と鼻から血を出しながら後頭部から倒れた。そしてそれを見たセレナはヤンキー座りをすると。

 

「敵だなテメェ!!」

 

クリス1「アァ!?敵!?」

 

そう言った瞬間クリスとセレナは男を蹴り始めた。

 

ドゴッ!!ドゴッ!!ボカッ!!ボカッ!!

 

「敵だろ!?何とか言えやゴラァ!!」

 

クリス1「死ね死ね!!このクソオルフェノクが!!」

 

セレナは男の顔面を何度も何度も踏みつけクリスは男の脇腹や腕を何度も何度も蹴った。この光景を見た並行世界の響、クリス、マリアは流石に止めようとした時だ。響がアイスコーヒーを少し飲むと立ち上がった。これを見た並行世界の響達は止めてくれるんだと思った。しかしこの時3人は忘れていた。この世界では響はヤンキーであることを。

 

「オラ!!オラ!!オラ!!」

 

クリス1「死ね!!死ね!!死ね!!」

 

響1「ラァ!!ラァ!!ラァ!!」

 

響も集団リンチに参加した。これを見た並行世界の響達は思わずずっこけた。

 

響・クリス・マリア2「「「なにやってるの(んだよ)(よ)!!!」

 

3人がそうつっこむと響が蹴りをやめた。

 

響1「おい待てクソ女×2」

 

セレナ・クリス2「「アァ!?」」

 

響1「よく見やがれ」

 

響はそう言って男を指さした。男は気を失っていた。歯は何本が折れており顔はパンパンに腫れており右腕と左足が本来なら曲がらないはずのところに曲がっており白目を向いていた。

 

響1「気を失ってやがる。どうやらこいつはオルフェノクでもスマートブレイン関係者でもないようだ。どこにでもいるただの一般人だ」

 

響がそう言うと。

 

「マジですか?や、やらかした?」

 

セレナは表セレナに戻り冷や汗をかいていた。

 

クリス1「うわぁ。これ複雑骨折になってる。治療費とかバカ高いぞ?」

 

「ど、どうしましょうか?私払えませんよ?」

 

セレナはそう言うと。

 

響1「無理矢理骨を戻せば何とかなるだろ?」

 

そう言って響が骨を無理矢理戻そうとした。ゴキゴキッと音がなるなか男の骨はもっと酷くなり骨が肉を突き破った。

 

響1「・・・・・・・・・・帰るぞ」

 

セレナ・クリス1「「おう」」

 

「「「「「おい!!」」」」」

 

この後3人は店側に怒られ出禁になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日。S.O.N.G本部では響がオートバジンに乗りヘルメットを被っていた。するとそこに未来と並行世界の響がやって来た。

 

響1「俺か?何しに来た?」

 

響がそう聞くと。

 

「並行世界の響にもあの事見せたほうがいいと思って」

 

未来がそう言った。どうやら並行世界の響を連れて来たのは未来のようだった。

 

響2「ねぇ未来。これからどこに行くの?」

 

並行世界の響がそう聞くと響はため息をついてオートバジンから降りると今度は隣にあるサイドバッシャーに乗った。

 

響1「乗れよ」

 

響がそう言うと未来はヘルメットとゴーグルをつけて響の背中に抱きつくように乗り響はその隣に乗った。

 

「響。セレナちゃんから借りる事言わなくていいの?」

 

響1「いいんだよ。別に」

 

響2「いや!よくないよね!!ねぇ!!」

 

並行世界の響がそうつっこむが無視してそのまま走り出した。そして数時間かけて走っているとある墓場に到着した。響は降りると未来は休憩の時に買った花束を持って墓場に入った。並行世界の響は首を傾げて2人について行った。するとそこにはある墓石はこう書かれてあった。

 

『立花家の墓』と。

 

響2「ねぇ私。これってどう言う事?」

 

並行世界の響が響にそう聞くと響は黒いジーパンのポケットに手を突っ込んだまま睨むように墓石を見た。そして未来はしゃがむと花束を置いて手を合わせた。

 

響1「・・・・・・・・・・ここには親父とお袋、そしてババァが入ってんだよ」

 

響がそう言うと並行世界の響は驚愕した。

 

響1「ババァは、俺を家から追い出した後にガンが見つかって一年後に死んだ。お袋は親父と別れて若いホストの男に依存したらしいけどその後、香織に見つかって殺された。親父も仕事をなくしてホームレスになってたらしいけどその後に香織に八つ当たりされてそのままミンチになって死んだらしい」

 

響が冷たい目でそう言うと並行世界の響はさらに驚愕した。この世界の自分には妹がいたことと家族が死んでいること。そして何より並行世界の自分がこんなにも家族に無関心であることに並行世界の響は目を見開いていた。そしてその視線に気づいた未来は少し悲しそうな顔をすると立ち上がった。

 

「・・・・・・・ねぇ並行世界の響。少しいい?」

 

未来がそう言って並行世界の響を連れて行くと響から離れた場所で立ち止まった。

 

「並行世界の響。ごめんね」

 

未来はそう言って並行世界の響に頭を下げた。突然のことに並行世界の響は慌てていると未来はゆっくりと説明を始めた。自分の責任で響は迫害されていたこと。響の家族の事。そして敵であり妹であるドラゴンオルフェノクこと立花 香織のことを説明した。すると並行世界の響は悲しそうな顔をして言った。

 

響2「・・・・・・・・大切な家族に裏切られてそしてそれを怨んで復讐しようとしてたなんて・・・・・・・・」

 

「今はだいぶマシになったんだよ」

 

未来がそう言うと響の方を向いた。

 

「響の家族のお墓も最初は作る気なんてなかったんだけどそれでも響はやっぱり人だった。最後の情けとしてあのお墓を作ったの」

 

でも手入れは全くしてないけどね。と、未来がそう言うと並行世界の響が涙を流していた。

 

「ちょっ!響!!」

 

響2「ひどいよ。この世界の私はかわいそうだよ。私も心の痛みを知ってるつもりだったけどこの世界の私と比べたら私なんて・・・・・・・」

 

並行世界の響は泣きながらそう言った。未来は並行世界の響を抱きしめようとしたその時だった。

 

ジャリ。

 

歩く音が聞こえた。響と未来は音がなった方を見るとそこにヘッドフォンを付けた男がいた。そしてその男はジッと未来を見つめていた。

 

響2「あの何か用ですか!?」

 

響がそう言った時だった。

 

「ヒィ!」

 

未来が尻もちをついた。そして怯えるようにその男を凝視していた。

 

響2「未来?どうしたの未来!?」

 

並行世界の響はそう言ってしゃがんで未来の肩に手を置いた。そして騒がしさに気づいた響は未来の方に来た。

 

響1「どうした?未来?」

 

響は未来の様子がおかしいと思い未来の視線の先を追うと響もその男を見つけた。その瞬間響は驚愕したがすぐに男を睨みつけた。

 

「・・・・・・・・久しぶりだな。立花。小日向」

 

男がそう言ってゆっくりと近づいて来た。それを見た響は未来と並行世界の響の前に立った。

 

「今更何の用だ?澤田」

 

響は澤田という男を睨みながら言った。

 

「・・・・・・・・別に。久しぶりにお前らを見たから最後にお喋りしようと思って」

 

澤田がそう言うと未来は「イヤ」と言って両手で耳を塞いだ。これを見た並行世界の響は澤田という男がヤバイと判断し警戒した。

 

響1「お喋りだと?・・・・・・・・・・・・・・・フザケンナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

響2「ひぃ!!」

 

突然キレた響に並行世界の響は驚愕して情けない声を出した。

 

響1「あの時!!あの時、未来をイジメていたクソ野郎が俺と未来とお喋りしたいだと?フザケンナ!!!殺すぞゴラァァ!!!」

 

響はそう言うと澤田は余裕そうにポケットから鳥の形をした折り紙を取り出すとそれをマッチで燃やした。

 

「フフフ。安心してよ痛みを感じさせず殺してあげるから」

 

澤田がそう言った瞬間だった。澤田はゴポゴポと姿を変えて蜘蛛のようなオルフェノクに変身した。

 

響2「オルフェノク!!」

 

並行世界の響がそう言うと響は澤田を睨みつけたまま持ってきたバックからベルトを取り出すと装着した。

 

『555 enter』

 

『Stading by』

 

「変身!!」

 

『Complete』

 

響はファイズガングニール変身すると並行世界の響も遅れて聖歌を歌った。

 

『Balwisyall nescell gungnir tron』

 

響はガングニールを纏うと構えた。澤田もブーメランのような武器を持つと戦闘態勢に入った。しかし未来は怯えており足や肩がブルブルと震えていた。

 

響1「殺してやるよ。澤田ああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


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